ART

Sato Sosei
SOURCEWORKS
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3 min readSep 25, 2017

言葉の意味は、それを言う人と聞く人、書く人と読む人の間に浮かび上がる。アートという言葉には様々な可能性があって、愛とか道徳とか自由とか、そういう言葉に近い。でも、自分として、一貫性をもってこの言葉を使うために、この言葉に対して3つの視点を持っていることを示しておく。

ひとつめ:今、精神の傷跡として、この世界に存在していること

僕らが生きているこの世界が、いつ始まったのかはわからない。ただ、この世界に生まれ落ちた人間は、それまでの全ての命を背負って、今と対峙している。必死に生きる中で、自らの魂に刻まれた傷と共に、この世界に存在し続けること、その因果が表出するひとつの形式として、アートがある。

ふたつめ:表現する能力をもつ人たちが、未知へ向き合うこと

社会は息苦しい。色んな人と共に生きる中で、多かれ少なかれ誰でも感じていると思う。でも、なぜ息苦しいのか、どうすれば自由になれるのか、誰も教えてくれないし、他者を批判しても現実は変わらない。未知を恐れず、それぞれの心に眠る「よくわからない」事に向き合う技術として、アートがある。

みっつめ:感覚の記録と共感

アートは、ヒトの感覚を記録する媒体だ。言葉は権力に向けると排他的になり、大衆に向けると陳腐化してしまう。しかし、その間で揺れるアートには魂の炎を交錯させる力があり、そこに表現者と鑑賞者の深い共犯関係が生まれる。

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Sato Sosei
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I work for the realization of the radical will.