中山高原 × 青島左門 「花咲く星に」

今回、作品「花咲く星に」のチラシを作るとき、こんな作品説明を書いた。

『中山高原の夜空に浮かんだ本物の花が、星のような光をはなつ幻想的な作品。満天の星空に、圧倒的なスケール感で作品世界が広がる。悠久の銀河を旅して、空から舞い降りた星の精霊が 地上の花に命を灯す。歓喜して踊る星々と 静かな時間を過ごしてほしい。 』

中山高原に現れた「花咲く星に」は、鑑賞者を宇宙空間へ誘うような幻想的な作品だ。 週末の夜8時から1時間半という限られた時間にしか見ることのできないにも関わらず、その魅力は口コミで広がり、多くの来場者が集まる人気作品のひとつとなった。 しかし、青島がこの作品に至る過程で影響された、中川幸夫と大野一雄の存在を忘れてはならない。

腐りかけの固形化した赤い花びらで前衛的な「いけばな」を創作した中川と、身体を動かす原初的な衝動から踊る暗黒舞踏(BUTOH)によって世界中のダンサーに衝撃を与えた大野は、2002年の越後妻有大地の芸術祭でコラボレーションし、作品「天空散華」を残している。実は青島は昔、大野一雄に師事していた。 100万枚の花びらが舞い落ちる野原で踊る、95歳の大野一雄。そこで表現されていた強烈な「命」の踊りは、本作「花咲く星に」で表現されている世界観と繋がっているのだ。それは、 青島が作品空間に流した、ベートーベン第九の歌詞からも、読み取ることができるのかもしれない。

ーベートーベン第九 歓喜の歌 第三節ー
喜びを飲む、全ての生きとし生けるものは、自然の乳房から
全ての善きもの、全ての悪しきものも そのばらの道を追い求めてゆく
喜びは私たちにキスと葡萄酒とを与えた、
そして 死の試練をのりこえた友を
快楽は虫けらに与えられ そしてケルブが立っているのだ、神の前には
あなたたちはひざまづくのか、何百万の人々よ? 
おまえは、創造主を感じるか、世界よ?
彼を星の輝く天幕の彼方に探せ! 星の彼方に彼はいるに違いない