アッテデザインの舞台裏

井上雅意
Souzoh Designer
Published in
4 min readApr 18, 2016

2016/04/11にメルカリ社内で行われたatte FeSのセッションの一つを担当させてもらいました。タイトルは「アッテデザインの舞台裏」ということで、 メルカリ アッテという新規アプリの立ち上げの中でデザイナーとしてどんなことをしてきたかについてお話させてもらいました。

イベント全体の内容についてはイセオサムさんの投稿に非常によくまとまっているのでそちらをご覧ください。

ここではセッションの中で話しきれなかったことについて補足したいと思います。

デザインプロセスを仕組み化する

このスライドをみて、サービスに携わっているデザイナーからは結構、うんうん、って感じが見受けられたのですが、じゃあこれって気持ちとか心構えでどうにかしているの?っていう意見がありました。正直、気持ちだけでは乗り越えられないので、これは可能なかぎり「仕組み化」するのが重要かなーっと思っています。

仕組み1. 最初にサービスの目指す方向性を決めてまとめておく

ほっておくとだいたい自分の趣味に寄せていってしまいがちなので、トーン&マナーを割りと初期にふんわりとでも決めておいて合意を得るのが重要そうです。といっても、結構初期フェーズってそんなかっちり決められないよっていうことが多いのでオススメは、似たようなサービスでヒットしているもの、だったり同じターゲット層に刺さっているサービスを参考にして、この辺だなと合意形成しておくのが負担少なくいいです。合意形成しておくっていうのが重要で、雰囲気に関してはデザイナーにかかわらずわかるものなので、それがずれていた時に誰か指摘してくれる可能性が高くなります。

仕組み2. デザインの過程をだれでもいつでも見れる状態にする

これは単純なんですが、Dropboxなどのフォルダに作業中のsketchファイルをおいておく、prottに誰でもアクセスできるようにしておくってことです。sketchに関しては、ディレクター、エンジニア、インターンまで含め全員が持っているので見ようと思えばいつでも見れます。緊張感はあるのですが、議論ができる土台が常にあるのは、思った以上に重要です。ソウゾウでは基本これをベースに議論していて、誰かがなにか思いつく、とりあえずデザイナーが形にする、議論する、これをひたすらしてます。

作って壊すの部分ですが、これに関してはいまのところ仕組み化するものが見つからず、心づもりのみになっているので仕組み化できるものを見つけるが現在の課題です。

迷ったときのUXの判断基準は?

これも結構あったのですが、新規立ち上げなど答えがないものが多い中で何を基準にUXだったり、サービスの方向付けを判断しているか?という質問を何人かからもらいました。定性的、定量的な調査をもとに判断しているの?プロデューサーの独断でやっているの?ペルソナ立ててるの?などなど質問をもらいましたが、いずれでもないです。もちろん参考としてこれらをやることはありますが、あくまで参考程度だと思っています。ではなにを判断基準にしているか、それは端的に言って「直観」です。

そんな非論理的な!ってことに思われるかもしれないですが、最終的な判断の段階で直観を信じるだけで、そこに至るまでの検討は論理的にすすめるのがポイントです。atteの場合でいうと最初にたてたコンセプト(タイムラインのわかりやすさ、チャットらしさ、位置起点)を軸に考えていてこれを最大限にするものに寄せていきました。実際やっているときにはいろいろ迷いもしたし、ユーザーテストしてみてもやもやした部分あったのですが、これを最終的に解決したのは、ふと作ったモックアップにあった「これだ!」感でした。この感覚が単純に自分だけだとやっぱり迷うのですが、その直観がほかの人にも同様にあったので、迷わず行けました。この感覚が共有できる人と極力一緒にプロジェクトするっていうのも同様に重要だなーっと日々感じています。

次回は方向性変えて、ニャッテというメルカリ アッテの誕生秘話✨について気が変わらなければ書いてみようと思っています。

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