初心者向けのPolkadot入門

Shoji
Oct 21, 2021

いよいよPolkadotのオークションが近づいてきた中で、Polkadotって結局何のことなのかよくわからないという方のために簡単な記事を書きました!

色々読み漁ったけど正直よくわからないという方にも読みやすいように意識しましたので、ぜひ最後までお付き合いください!

Polkadotとは?

PolkadotはWeb3 Foundationが主導しているプロジェクトであり、様々なブロックチェーンによってネットワークが構築され、それらが1つの統一されたネットワークに接続されるプラットフォームです。
そして、Polkadot上で開発され、接続されたブロックチェーンはパラチェーンと呼ばれます。(逆にパラチェーンが接続する元となるPolkadot本体のチェーンをリレーチェーンと呼びます。)これらはWeb3の基盤として、パラチェーンと呼ばれるブロックチェーンと結合し、安全なネットワークを構築します。

また、Polkadotのパラチェーンになることを目指すブロックチェーンはPolkadotの規格に対応しているsubstrateという開発フレームワークを用いることで、容易にブロックチェーンを開発することができます。Polkadotはこのフレームワークを用いることで、Ethereumなどの他のブロックチェーンと異なり、様々な仕様のブロックチェーンをパラチェーンとして接続することを可能にしています。

Polkadotが目指しているもの

Polkadotが目指しているのは、以下の6つです。

  1. 真のインターオペラビリティ:トークンだけに止まらない様々なもののチェーンを跨った移転を可能にします。

※本来、異なるブロックチェーンは互換性がなく、そのためにトークンや情報の移転を行うことが難しいです。例えば、現時点ではBitcoinとEthereumは互換性がないため、直接交換することができず、取引所でしかそれらを交換することはできません。

2. 経済規模とトランザクションの2種のスケーラビリティ:一般に、トランザクションの処理は並列ではなく、限られた計算能力の中で、順番に処理されるなどのことを理由に大変時間がかかります。そこで、Polkadotでは、トランザクションの処理を複数のチェーンで役割分担します。また、Polkadotのバリデーター(ここでは詳細は省きます)という存在が、パラチェーンのセキュリティにも貢献することで、より多くのブロックチェーンがエコシステムに参加しやすくなり、経済的にもよりスケールしやすくなります。

3. ブロックチェーンイノベーションの促進:substrateという簡易なフレームワークがあることによって、ブロックチェーンを用いたイノベーションを起こす障壁を下げることができます。

4. フォークの必要のないブロックチェーン:他のチェーンと異なり、新しい機能を追加する際にもフォークが不要です。

5. ブロックチェーン運用初期からの高いセキュリティ:ブロックチェーンは、パラチェーンとしてPolkadotに繋ぐことができれば、Polkadotが提供するセキュリティの恩恵を受けることができます。

6. ユーザー中心のネットワークガバナンス:Polkadotのオープンガバナンス体制ではネットワークの変更はDOTトークンの保有者によって決定されるため、他のプラットフォームでマイナーたちによって排他的に決定されるというようなことが起きません。

レイヤー0

https://web3.foundation/about/よりお借りしました。

BitcoinやEthereum、そしてPolkadotのパラチェーンなどはレイヤー1に相当するのに対して、Polkadotはレイヤー0に相当します。そのため、他の多くのレイヤー1ブロックチェーンと競合することなく、それらのネットワークの基盤となる部分を提供しています。具体的には、Polkadot上のブリッジを介すことで、Polkadot上のパラチェーンとEthereumの相互運用性(インターオペラビリティ)を実現することも可能です。

どうすればPolkadotのパラチェーンになれるのか?

Polkadotのパラチェーンになるには、Polkadot上に暫定で100個存在するスロットのうちの一つを借りなければなりません。そして、そのスロットを借りるためには、11月より開始するPolkadotのパラチェーンオークションで入札し、勝利必要があります。そして、そのオークションに向けて、スロット獲得を目指すプロジェクトはCrwodloanをはじめとするあらゆる手段を使って、コミュニティの支援を集めます。

このオークションの詳細やAstar NetworkのCrowdloanについては、また後日記事を出す予定ですので、そちらをお待ちください!

ではKusama Networkとは何なのか?

KusamaはPolkadotに関する実験をテストネットではなくメインネットとして行うことを主目的としています。そのため、設計や実装はPolkadotとほとんどになっています。しかしながら、実験を目的としているため、オンチェーンでのガバナンスやパラチェーンになるための障壁はPolkadotよりも低く設定されています。

Polkadotでのパラチェーンになることを目指すプロジェクトのほとんどは、その前段としてKusamaでのパラチェーンになることを目指し、そこでPolkadot上で実現したいサービスの運用実験を行います。

ただ、Kusamaはメインネットですので、単なる実験以上の価値を持っています。年内にはPolkadotとのブリッジが予定されており、それによってKusama Network上のパラチェーンがPolkadot上のパラチェーンと相互運用性(インターオペラビリティ)を持つことになります。

Astar NetworkがPolkadot上で実現したいこと

ここまで見てきたように、Polkadotはレイヤー0であることや、substrateというフレームワークの活用など様々な特徴を持っており、それゆえにこれからのブロックチェーンのネットワークの中で重要な役割を果たすことが期待されています。

しかしながら、Polkadot設計の都合上、dAppの開発をサポートする環境がPolkadot自体には搭載されていません。そこでAstarはPolkadot上のdAppハブとして、様々なチェーンとの互換性を保ちながら、あらゆるdAppを開発できる環境を提供しようとしています。そのために様々な言語での開発に対応できるよう、複数のvirtual machineをサポートしています。

また、そのほかにも様々なレイヤー2ソリューションを搭載するなど、充実した機能を持たせることで、Polkadotネットワークに貢献したいと考えています。

実際にAstar Networkは、Polkadotを主導するWeb3 Foundationのグラントを7回受け取っています。これはどのプロジェクトよりも多い数であり、それほどにWeb3 Foundationからも重要であると理解されています。

今回はここまでとなります!
これから、オークションやCrowdloanについての詳細についても随時アップしていきますので、フォローお願いします!
もう少しこういうことも知りたい!みたいなご要望ございましたら、ぜひ@shoji_lwまでご連絡ください!
全部にはお応えできないかもしれませんが、可能な範囲で皆様のご希望に添えるよう頑張りたいと思います。

About Astar Network/Shiden Network

Astar Network (旧名 Plasm Network) はPolkadot上のdApp hubで、Ethereum、WebAssembly、ZK Rollupsをはじめとした様々なレイヤー2ソリューションをサポートしています。Astarは様々なブロックチェーンやVirtual Machineをサポートするスマートコントラクトプラットフォームになることを目指しています。またShiden Network はAstar Networkの姉妹チェーンであり、Polkadotの姉妹チェーンであるKusamaのdApp hubです。

以下のリンクより、疑問などお気軽にお尋ねください。

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Shoji

Ex : AstarNetwork (previously Plasm)/ ShidenNetwork / UTokyo blockchain assistant researcher