正しいグロースハックができるように、Lean Analyticsを学ぼう
〜この夏絶対流行るリーンアナリティクスとは〜
どーも、Lean系の書籍4冊(Running Lean, Lean UX, Lean Analytics)を読み終えたid:kiiitaです。
前回の記事を読んでいない方は、先にこちらの記事 — グロースハック流行ってるけど、その前にリーンアナリティクスしないと!を読まれることをおすすめします。
1. 5つのステージのおさらい
Lean Analyticsの書籍の中では、5つのステージと6つのビジネスモデルに明確に分類し、
全30通りの中から自分のビジネスに当てはまるものに沿って考えていこう、とされています。
1-1. 5つのステージ
前回の記事からの引用ですが、おさらいです。
Empathy: 解決すべき問題を明確にし、初期の成長を支える要素を集めるための十分なソリューションを見つけることが使命
Stickiness: AARRRモデルで言うところのRetentionや、エンゲージメントを高めることが使命
Virality: ユーザー獲得(AARRRモデルで言うところのAquisition)にフォーカスすることが使命
Revenue: 新たな投資を行うためのマネタイゼーションにフォーカスすることが使命
Scale: その名の通り、ビジネスをスケールすることが使命
このように、ビジネスの成長フェーズを5つのステージに分類しています。
前回は、 ステージ1のEmpathyについて説明したので、今回はその続きのステージからスタートです。
2. Stage2: Stickiness
Stickinessは直訳すると「粘着」などの意味を持ちます。
つまり、 初期のユーザーがベッタリとプロダクトにはまるようにしよう、というステージです。
言い換えれば、AARRRモデルにおけるRetentionにフォーカスする、ということになります。
もしくは、ユーザーのエンゲージメントを高める、とも言うことができます。
2-1. このステージでのMVPの構築方法
2-1-1. 採用すべきKPIは?
このステージで採用すべきKPIは、上述の通り、Retentionを高めるものでなければいけません。
では、Retentionを高めるための正しいKPI設定とはどのようなものか?
以下がその例です。
間違っても、 このフェーズにあるビジネスでは、PV数などをKPIに設定してはダメです。
というか、どのステージにおいてもPV数などのような遅行指標(結果指標)をKPIにするのは無意味。
これは前回の記事でも書きましたが、大事なことでもう一度書きました。
上記のKPIの例からわかることとしては、
プロダクトをリリースした直後のアーリーアダプターに対して、どの機能が訴求しているかを見極める期間
がStickinessステージの目指す所ということです。
もっと簡潔に言います。
ここでの最優先事項は、ユーザーに定期的に使われるようなキラーコンテンツを構築すること!
これが至上命題です。
このような当たり前にも思えることを強調して繰り返しているのは、
Retentionやエンゲージメントが十分に担保されていないにも関わらず、
バイラルやA/Bテストなどのバズワードに目を惹かれる人が多いからです。
きちんとグロースハックについて勉強している人はわかっているはずですが、
AARRRモデルを順番通りに実行するのは間違いです。
Aquisition, Activation, Retention, Revenue, Referralの順番で表記はされているものの、
プロダクトリリース直後からAquisition(ユーザー獲得)に目を向けるのは大きな間違いです。
ビジネスの初期フェーズにおいて、Aquisitionとは、
テストユーザーの獲得のことを指します。
ここを誤解している人が多いため、上記のような間違いが多々発生しているわけです。
したがって、Empathyステージで「正しい意味でのAquisition」によって獲得したテストユーザーから得られるフィードバックを参考に仮説検証を行い、
その後のStickinessステージではRetentionにフォーカスするのが正しいアプローチだということです。
その根拠としては、
100人以下の少人数のユーザーに対する訴求が実現できていないにも関わらず、
100万人のユーザーに対して訴求をすることは実現不可能だからです。
2-1-2. Stickinessを高める機能の作り方
常に、 「我々が提供しようとしている機能(もしくは、変更をしようとしている機能)は、本当にユーザーが没頭するようなコンテンツだろうか?」と自問自答しろ、 とLean Analyticsには書いてあります。
また、高いレベルのビジョンと長期的な視野で決定したゴールから、ブレイクダウンした機能レベルのものを結びつけることが重要です。
つまり、Retentionを高めるための施策であれば何でもいい訳ではなく、
目先の利益を追ったり、近視眼的な考え方には注意しようということです。
あくまでも、 自分のビジネスの目指す所(ゴールやビジョン)と紐付いた、Retentionの高まる機能を考えぬかなければいけません。
2-1-3. 機能の提供前に確認しておきたい7つの項目
最後に、Retentionを高めるための機能を提供する上でチェックしておきたい項目を挙げます。
1. なぜそれが効果的だと思うのか?
2. その機能は効果測定が可能なものか?
3. それをリリースするためにどれだけ時間がかかるか?
4. 複雑すぎるものではないか?
5. 新機能の追加によるリスクはどれくらいか?
6. 新機能はどれだけ革新的か?
7. ユーザーはそれを欲しがっているか?
1,3,5,6,7あたりは当たり前っちゃ当たり前なので説明は省きます。
2. その機能は効果測定が可能なものか?
定量的に効果測定ができないものであれば、それは良くないです。
新機能によってどのような効果があったのか(ユーザーのRetentionが高まったのか)ということを検証できるような機能にしましょう、ってことですね。
4. 複雑すぎるものではないか?
Lean Analyticsには そしてという言葉は使うなと書かれています。
新機能の目的は何か?という問いに対して、明確な1つの解答をしましょう、ってことです。
よくあるミスとして、上記の問いに対してこのような解答があります。
「この機能によって、ユーザーにはこのような効果が与えられます。そして、一方ではこのような期待もできます。また、さらには・・・・」
これがNGです。
KPIはちゃんと1つに絞り、その効果だけ測定しようね、ってことですねー。
以上がStage2:Stickinessに関する考え方です。
次回は、Stage3:Viralityについて説明しまーす。
読者になって頂いたり、はてブつけて頂いたりしてるんで、途中でダレずに最後までやりたいと思います。笑
Lean Analyticsを使ってこんなプロダクトを運営してます、ご興味あれば御覧ください。
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