腹を割って話せば、これまでの採用媒体では出会えなかった方も興味をもってくれる。地域ブランディング研究所代表・吉田 博詞氏インタビュー

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12 min readJun 25, 2015

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こんにちは。Wantedly編集部の小田です。

今回インタビューさせていただいたのは、“まちの誇りの架け橋”をキーワードに、国内・海外で活動する『地域ブランディング研究所』。Wantedly Adminを活用して、短期の方を含め20名以上の採用に成功し、その事業規模を拡大させています。

同社の舵を取っているのは、リクルート出身の代表取締役・吉田 博詞(よしだ・ひろし)氏。トータルで358名(6月14日時点)もの応募者を集めた彼らの募集要項に隠された工夫、Wantedly Adminの活用方法などについて伺いました。

普段会えないような層と
出会うことができる

— — Wantedly Adminでは、どんなスタンスで採用活動に臨んでいますか?

できるだけ多くの応募してくれた方と話すようにしています。最初のトライアルプランで募集を出してみたところ、あっという間に上限の10名からエントリーが集まりました。その全員と会ったところ、語学に堪能だったり、留学経験があったり、体育会系でアクティブだったりと、私たちの事業に貢献してくれそうな方ばかりでした。

インターン生の大学名でいうと東大・阪大・一橋・御茶ノ水・早稲田・慶応・上智などの上位校の学生も数多くエントリーしてくれています。

— — 阪大というと、はるばる大阪から?

そうですね! 大阪からわざわざ会いに来てくれ活躍しています。九州大学の院生や北海道からもエントリーがありました。また、デザイナー枠でいうと、武蔵美・多摩美・女子美など、美大の中でも有名な大学の方から続々とエントリーしてくれています。留学経験のある方や海外留学中の方の他、海外の方も結構エントリーしてくれていて、外国籍の方では、実際にインターンで中国人留学生の方が採用につながりました。また、インドネシア国籍の方や、プロフィールを全て外国語で書いているヨーロッパ出身の方からのエントリーもあり、通常の求人募集では会えないような方から、非常に多くのエントリーをいただいています。

— — 中途だと、前職はどのような職業の方が多いのですか?

例えば、大企業や公的機関で勤めていた方もいましたね。私たちはベンチャー企業ではありますが、地域やグローバルに関わる事業に携わっているので、その辺りのキーワードに興味を持っていただける方が多いのかもしれません。取材前にも候補者とメッセージのやり取りを行っていたのですが、エントリーが多すぎて処理が追いつかないような状態です(笑)。昨日26日だけでもエントリーが3, 4人来ていますね。(※編注: 取材は5月27日に行っています)

共感するかどうかは、
一度お会いして話せばわかる

代表取締役・吉田 博詞(よしだ・ひろし)氏

— — 数多くのエントリーに対し、人のリソースも限られている中、「この人と会おう!」というのはどう判断しているのですか?

まずは応募者のプロフィールを見て、私たちと気が合いそうだと感じた方と会っていますが、判断に迷ったらとりあえず会ってみることにしています。これまでの実績からお返事したら、7~8割くらいからはメッセージの返信をいただけているからです。

また、会いたいなと思う方にはできるだけ早く返信するよう心がけています。Wantedly Adminの場合、チャットと同じ感覚でメッセージができるのがいいですね。ビジネスメールのようにかしこまる必要がないですし(笑)。

— — 面談ではどんなお話をされていますか?

まずは私たちのどこに興味を持ってくれたか聞いた上で10~15分で会社の説明を行い、どのような想いでこの事業を行っているのかを説明します。その後にプロフィールの部分を見て、何をされているかヒアリングをします。最後に質疑応答を行って、1人あたり30~40分くらいお話しています。最初の頃は全部私が行っていたのですが、最近は他のメンバーに任せています。通常の採用プロセスのように1次面接、2次面接と進むのではなく、話が盛り上がれば「来週にでもミーティングに参加してみない?」という提案をしています。

— — 面談からどのくらいの期間で採用を出していますか?

この前入っていただいた社会人3年目の方を例に出すと、最初にお話した後、私たちが運営しているセミナーに立ち会っていただきました。そして社内ミーティングに参加していただき、雰囲気を理解してもらった上で、条件面を詰めて決めました。期間でいうと1ヶ月くらいです。

また私たちの採用は、全社員参加型です。「採用は全社で取り組んでいこう!」と全社員に明確なメッセージを送っているので、メンバー全員がこの思いに共感して採用活動に取り組んでいます。よりよい仲間を増やそうと、現場のメンバーたちも忙しい中とても協力的です。

—— 採用スタイルがWantedly Adminと親和性が高そうですね!

まずお互いゆるく会ってみましょう、そして相性がよさそうなら一緒にやってみましょうというスタイルです。共感するかどうかは、20~30分ほどお話しすればわかりますからね。

中途の場合も新卒の場合も、3~4回面接をして内定を出す形式ではなく、まず1度お会いして相性がよさそうだったらまた連絡をください、と言っています。相性のいい方とはより密なやり取りになっていくような、気張らないコミュニケーションができるのがいいですね!

ありのままの思いを伝えることが
共感につながる

地域ブランディング研究所は、浅草の情緒溢れた通りの一角に所在している。

— — エントリー数150超、ブックマーク数267という募集は私たちから見ても驚きです。何か秘訣があれば教えてください。( 募集:「まちブランディング達人へ。企画マーケティング責任者候補。新卒・インターン可」)

Wantedly Adminを使い始めたころに公開した募集なので、私たちが行っている事業を知っていただく意味で、「地域ブランディング研究所」が目指している世界観、その中での成長のしがいを率直に伝えました。私たちが行っている事業はエッジが効いている自負はあったので、めちゃくちゃ工夫をしたというよりも、できるだけ飾らず、ありのままの想いを伝えました。

また、新卒だけ・中途だけ・短期間のインターンだけ、などの条件で絞らずに募集を出すことも意識しました。新卒・中途・インターン、全ての方に少しでもキーワードがひっかかればいいなと思ったからです。

— — なるほど。ターゲットを絞らず、会社の紹介的な意味合いで募集をつくったのが功を奏したのかもしれませんね。他の工夫は何かありますか?

スキル重視の募集とビジョン重視の募集で分けています。ビジョンに共感というよりも、スキルがある人に出会いたいような募集では、ビジョンの部分は控えめにして、具体的にお願いしたい業務内容を書いていました。

— — 他にはどんな使い方をしていますか?

Wantedly Adminは広報ツールとしても使えるので、イベントの告知でも使っています。月に1度はイベントを行っているので、告知をすると毎回2~3人がエントリーが集まります。採用メディアとしてだけではなく、私たちのことを知っていただくべく社内のイベント告知メディアとしても機能してくれています。そういうところでの出会いが採用にリンクすることもあると思いますし。

条件や待遇ではなく、
ビジョンに共感する人が入ってくれる

オフィスからはスカイツリーを一望することができる。

— — Wantedlyでは募集で「報酬のことを書かない」という規約があります。内定を出す上で、どのタイミングで報酬について話していますか?

報酬については大枠を最初に会った時に話しています。まだまだスタートアップで会社として地盤も固まっていないので、待遇がいいものではないです、と。しかし事業内容はこだわりがあり、面白いものをやっているとハッキリ伝えます。

事業内容はNPO的に見えますが、地域ブランディング研究所はクライアントへの介在価値を徹底追求する株式会社です。頑張りに応じて待遇面も上がり、早く入れば中心的な役割を担うこともできる、一緒に会社を大きくして世の中を変えよう!というイメージを伝えています。すべてを伝えた上で、それでもやりたいと思ってくれる方が次のステップに進み、入社してくれています。

地域ブランディング研究所は、地域活性化とインバウンド、人材の3つの軸で事業を行っていますが、この分野でしっかり事業を行っている会社は少ないですね。

—— そうですね、なかなか聞かない事業内容だと思います。

インバウンド関連ですと、Web系でアプリをつくっています、などという会社は多いと思うのですが、私たちはフットワークが軽くガンガン海外にも行っているので、そういった部分で刺さる人が出る印象ですね。面白いところでいうと、大企業でグローバル調達担当を行っていてTOEICも900点代の方が、ガンガン新しいことに挑戦したいということで弊社に入ってくれる予定になっています。

— — それは私たちからしても驚きですね。

そういう大企業に行く能力を持っている方が、なにか面白いことはないかと来てくれます。「ザ・就活してます」「ザ・転職活動してます」という方だけではなく、共感できるものがあればそこで自分を磨いていきたい、という価値観を持っている方も集まっている、それがWantedly Adminのいいところだと思います。

後者のような方に私たちのビジョンやスタンスを伝えると、挑戦してみたいと言ってくれます。条件や待遇ありきで応募しているわけでもご自身を過信してアピールしてくるわけでもないので。お互いに正直に腹を割って話すことができるのも他の媒体と違うところだと思います。

— — 最後に、今後の採用計画について教えてください。

「こんな人材が欲しい」というよりも、いつも幅広く募集を行っています。地域ブランディング研究所としても、いつまでにどんな人材を何人採用する、というようなガチガチの事業計画があるわけではないです。何か強みを持ったメンバーが入ってくれたら、その部分は任せて、今いるメンバーは違う業務を任せるとか、フレキシブルに社内体制を変えていますね。

例えば、営業スキルがこれくらいの人以外いらない!というわけではなく、営業のつもりで話していたけれど語学能力が高かったりコミュニケーション能力が高かったり、他の側面がみられたらそれに応じて事業への関わり方を考えています。ステキな方がいれば、これからもどんどん採用していきたいです。

— — 自分が思っているスキルとは違うスキルが活かせる場合も多いと思います。

そうですね、まちづくりの募集に応募してくれた方が、話してみると実は訪日事業に興味を持っていただいていたり、デザイナーの募集に応募してくれた方が、実は編集的な部分をやりたい気持ちがあったり。

キーワードで検索して、たまたまそこでエントリーされた方も、話してみるとさまざまな興味やスキルを持っていて奥深さがあるというもので、募集枠に制限がないので、広くたくさんの網を張ることができるのも、価値ある部分だと思っています。

転職するつもりはないのですが話を聞きに行ってもいいですか、という方もいらっしゃいます。私たちもその方を口説きにいこうとは思いませんし、作ったような志望動機を言われるよりは、ざっくばらんに率直に話をできると、相手の志向を冷静に見極められると思います。そこは他のメディアと違うところだと思います。かしこまらずに非常に話がしやすいですね。本当に素晴らしいサービスで、周りにもガンガン勧めています(笑)

私たちが理想とするWantedly Adminを利用した採用を、まさに実現されていると思います。思わぬ利用法や長所についてもたくさん伺う聞くことができました。本日はありがとうございました!

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写真 : 平野 太一
文章 : 小田 岳史

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