年末企画:ゆく魚くる魚

tanu
Tail Lab
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11 min readDec 24, 2017

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2017年はこれを食べた!思い出に残る魚たちをまとめる。

ニシンの刺身(3月初旬)

お魚食べるイベントで事前にリクエストしたら主催者の方が築地でかき集めてきてくれた。蕎麦のニシンはあまり好みでないが、刺身はあっさりしてて旨味たっぷり。流通が整ったことで、産地でなくても生食を楽しめるようになったそうだ。キンメダイもそんな話を聞くが、鮮度維持の問題が解決されると多くの魚種の魅力が再発見されるのだろう。

刺身の引き方を間違えると小骨でかなり食べづらくなるので注意!(実体験)

トウジン(4月下旬)

居酒屋さんで煮付けで頂いた(肝が入っていなかった..)。食べやすくて脂が乗った白身。海外から来た友人と「エヴァの使徒みたい!」と大盛り上がり。一方、見た目で箸をつけられない人もいた。頭部が大きく目玉以外ほぼ食べるところがないので歩留まりの面でも飲食店では手が出にくそうだ。味が良い分もったいない。

サキエル?

エゾメバル(4月下旬)

塩焼きはジューシーでかぼすをかけると永遠に食べ続けてしまう。生息域が北海道、東北がメインとのことなので関東での知名度が低く、魚売場でみかける機会が少ないのか。

タカベ(8月下旬)

今年の焼き №1。小さいのに破壊力抜群の脂・旨味。刺身も舌触り滑らか。青地に黄色のカラーリングはいかにも南系の魚っぽく、全く味の想像がつかなかった。知らない魚も「食べてみるまでわからないよ」と教えてくれた魚。

中央がタカベ

ハマダイ(8月下旬)

色合いとフォルムが美しい。魚屋さんでお刺身盛り合わせを注文したら入れてくれた。見かけたら絶対に食べたい魚。

トクビレ♀(8月下旬)

見た目でなかなか手が出なかった魚の一つ。頭部が硬く、さばくのが少し難しかった。

加熱すると美味しいと売場の方におすすめされたので味噌汁に。メスよりもオスのほうが美味しいとのことで、次は評判のオスを食べてみたい。

ヘダイ(8月末)

Instagramやfacebookのタイムラインでこの時期よく見かけた魚。幸運にもお寿司のコースで頂けた。見た目は地味なのに、マダイより魚臭がなくてこの日一番好きなネタだった。美味しくておかわり。

ユメカサゴ

名前と色がかわいらしい魚をアクアパッツァで。旨味はそこまでだったが、弾力のある白身は食べ応えがあった。中華料理や干物にしたらもっと美味しくなりそうだ。

ウマヅラハギ

漁の邪魔者だったが、漁獲後の処理技術の向上や鮮度維持が可能になったことから美味しく食べられるようになり、ブランド価値が出てきた魚らしい。人気がではじめて目にする機会が増えていると思う。カワハギよりも歯ごたえがある身、大きな肝!

アカシタビラメとクロウシノシタ

魚屋さんで両方あったので好奇心に任せて一尾づつ買ってみた。お店では、クロウシノシタを“クロシタビラメ”として売っていた。

アカシタビラメの方が皮が剥がしやすく、さばきやすい。ムニエルにして食べ比べると、クロウシノシタはほんの少し水っぽく、アカシタビラメの方が箸が進む。正直なところ、一緒に食べ比べなかったら違いはわからないと思う。

上がクロウシノシタ、下がアカシタビラメ

ハガツオ(11月初旬)

丸のまま購入。初めてカツオ系をさばいたが意外に難しくなかった。鰓と内臓の状態がかなり鮮度高く驚いた。胃内にはホタルイカ、カタクチイワシと思われる残渣。

半身を刺身にしたらあっというまに完食。保存方法が良くなかったのか、翌日の刺身はかなり微妙だったので本当に足が速い魚。

このあたりの魚種は鮮度保持技術の恩恵を最も受けそうだ。

言われてみるとキツネ顔。すだち醤油が最強!

ハチビキ(11月末)

お刺身盛り合わせで「赤鯖」として出てきた。正直、どのあたりにサバ感があるのかよくわからなかったが、名前からイメージした臭みが全くなく美味。血のような赤い身なので忌避されると聞いたが、同じ赤を添えるならクロマグロより脂ののったハチビキの方が嬉しい。

アカヤガラ(11月末)

寿司コースのお刺身で。真っ白な白身で、さわやかな後味。見た目と身質のギャップが大きい。頭部の占める割合が大きいので、歩留まり悪いタイプの代表格か。アオヤガラというのもいる。

テンション上がりすぎてピントがカイワレ大根に..

ヒガンフグ(11月末)

寿司コースの握りで。後で調べたら皮と内臓が猛毒だった。歯ごたえと旨味のある白身。フグには無毒の種もあるが、外見で判断できない交雑種についての記事が興味深い。こちらのヒガンフグは自分で調理したら間違いなく彼岸行きになるもの。

右隣の肝のせはカワハギ先輩。身の張りの違いがわかる。

ゴマサバの刺身(12月初旬)

煮付け要員だとばかり思っていた。臭みがなく、サバの美味しさが前面に出た驚きの刺身。これも処理や鮮度維持技術の賜物か!

この厚み!

ナガヅカ(12月下旬)

昔、大学の研究室で飼っていたポリプテルスに似ていて「食欲わかない..」と思いながらさばいた。ぬるぬるで皮が厚くてさばきにくく、指を切りそうに。お腹の卵は有毒で、死には至らないとの話だったがドキドキしながら袋を破かないように取り除く。

刺身は癖がなくてあっさりして食べやすい。少し水っぽい印象だったので昆布締めにしたら美味しかったかもしれない。加熱するとジューシーなぷりぷり白身。実は高級すり身の原料でもある。

見た目グロい、扱いにくい、有毒の三拍子だが安全に切り身や刺身にしてしまえば美味しく頂ける。

卵こそ美味しそうだが食べてはいけない..

こうして振り返ると本当に充実した一年だった。タカベ先生を皮切りに、様々な魚種を味わってみる楽しみが広がった。

来年も味わったことのない魚、まだ知らない魅力をたくさん発見したい。

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