手帳収集家の手帳を読みながら、自分の手帳の今後について考えてみた

Tatetaka
Taka's blog
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6 min readOct 6, 2016

はやる気持ちを抑えながら羽田行きの飛行機を待つ。
こういう時に限って、飛行機の出発は遅れます。
2ヶ月ぶりの東京行き。
今回は本職のALSの研究会のためなのですが、ワクワクしてるのはこれとは別の理由です。
しばらく前から、東京で行ってみたいと思っていた場所があります。
前回の東京出張の時には他の用事も詰め込んでしまって、叶えられなかったのです。

その場所とは「Picaresque」です。
ここは「東京・中目黒のちょうどいいアート専門店」というコンセプトで様々なアーティストの作品を展示・販売しているお店です。
https://picaresquegallery.wordpress.com
羽田空港に到着して速攻で中目黒に向かったのでした。
さて、ゲージツとは全く縁がない私が、ここに訪れたその目的というのはこの店舗の一角で開催されている「手帳展」を見るため。
ここでは手帳収集家が1冊1000円で買い取って収集した手帳のうち、公開可能なものが展示してあるのです。

http://jimi.jp/collection/
今回、中目黒はお初だったのですが、最近はGoogle mapがあるから初めての土地でも問題なくたどり着くことができますね。
お店の近くで若干迷ってしまいましたが…ココです。

元クリーニング店らしい店舗に入ってみると、特に手帳らしきものは…ない。
「もう期間が終わってしまったのかなぁ」などと思いながらお声掛けてくれる店主さんに恐る恐る、「あの手帳を見に来たんですけど…」とお伝えすると、快く、応対してくれました。
このジップロックで分けれられた、手帳の数々。

こちらはコレクションの中でも手帳収集家さんのオススメの手帳たちです。
店主さんのオススメの手帳から読みふけること2時間、ついつい夢中になってしまいました。
このまま居続けると、本当の目的である研究会に間に合わなくなる、ということで後ろ髪を引かれながら、お店を後にしました。
そして、翌日、帰りの飛行機を遅らせて、3時間半滞在してしまいました。
本当はここで読み込んだ手帳についてお話ししたいのですが、プライバシーの点からはちと難しいので、これらの手帳を読んで感じた印象みたいなものを述べて行きたいと思います。

1.他人の手帳を読むのはとても楽しい
これはいうまでもありません。

2.男性と女性の手帳の書き方は違う(女性の手帳の方が面白い)
男性は事実を中心に記録して、女性は感情だったり、感情につながる事実を記録していることが多いですね。そのため女性の手帳の方が感情の揺れが感じ取りやすく、読んでいて面白い。
字体についても男性は割と自体が一定している印象なのに対して、女性は短期間での字体の変動が激しいですね。ある時は若々しい女性の字だったのが、ある時はおばさんっぽい字を書いていたりする。字体にもその時の気分や感情が反映されているのかもしれません。
男性は記載する頻度が一定だが、女性は記載する頻度が大きく変動する。手帳書くのやめたのかなぁと思っていたら、ある時から普通に書き出す。

3.事実だけの記載でもそこから見えることは多い
例えば、体重と体脂肪の記録が続いていると体型が気になっていることがわかるし、基礎体温が記録されていると挙示希望があるのかなと思ったりできます。
家族の入院から死に至る過程で、頻繁に通っていた展覧会のチケットが貼られていなかったりすると、家族の入院で忙しいのかな、なんてことがわかります。

4.病気は人の人生を変える大きな要素である
転職して、新しい職場で頑張ろうとしていた矢先で、何かしらの病気にかかり、休職したり、転職していたりして、それからまた復帰していたりというのを読み取るとついつい応援しながら読み進めて行きます。
また、内服薬が記録してある場合だと、睡眠薬を飲む頻度が増えていたり、安定剤の量、種類が増減しているとその時の精神的な状況も推測できます。
この書き手はどのような病気なんだろうか?治療はうまく行っているのだろうか?どのように感じて日々生活しているのだろうかということを読み解いていくのは興味深いものです。

5.人間は変わっていくものであるし、変わらないものである
1年単位の手帳を数冊読み進めていくと、書き手の興味が少しずつ変わっていくのを感じます。またその一方で、その人が変わらずに続けて行っていることもあり、これらを通じてその人にとって一貫して大切なものは何かということを知ることができます。
今回、手帳収集家の手帳コレクションんを読んで、今後自分の手帳を書き進めていくにあたって、心がけたいことは以下の通りです。
「過去の自分は赤の他人」と手帳界ではよく言われますが、未来の自分が読んで面白い手帳を書きたい。
私は、ここ2年程度は「たすくま」を使ってデジタルでライフログをとってEvernoteに流し込む習慣が確立しています。また過去15年以上のデジタル写真はGoogle photosに集めているので、日々の行動や事実についてはかなり正確に振り返られるつもりです。
その一方、なかなかデジタルで気持ちや感想を記録するのってなかなかできていないのです。手書きの記録も少しずつ減ってきています。感想・つぶやきなどは手帳の方が書きやすいし、読みやすいだろうから積極的に手帳を活用して行きたいですね。
ここで生じる課題がデジタル記録とアナログ記録(手帳の記録)をどうやって一元管理していくかということです。
誰か良い方法があったら教えていただけたら幸いです。
そして、また東京に行った時には暇を作って、Picaresqueに手帳を読みに行きたいですね。

最後に、こちらはPicaresqueで購入したお気に入りの絵と帰りの東急ハンズで購入した手帳たちです。(右側のNoltyは毎年購入しているお仕事で使う手帳です)

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Tatetaka
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手帳、たすくま、文房具、iPhone、Mac、鉄道(なかでも廃線探索)、弓道を愛する40歳代の神経内科医です。