達人とは?

気功は音楽と相性が良く、気功教室では音楽療法の要素も取り入れながら楽しいひと時を過ごせるよう努めている。お蔵入りのキーボードの話も交えながら過ごしていたら、音楽が趣味でピアノが弾ける会員から有効利用の提案があった。ギター伴奏より応用範囲も広げられそうなので、瓦木公園センターで使ってもらうことにした。嫁入り先が決った後、参加者の意識を探ると今後は音楽をバックにした様々な動作バージョンを作っていく需要も見えてきた。

キーボードの練習は3日坊主だったが、ある程度まで身についた技能も何個かある。今までの経験から、技能習得の第一目標は初段レベルに到達する事だと思っている。剣道の場合、学生生活を始めてから猛烈な練習を重ね、2年目に初段に達した。囲碁は碁会所に通いつめた頃、初段に達した。初段のレベルであれば初心者と対戦すれば赤子の手をひねるようなものである。しばらく嗜んでいなくても、すぐ感覚を取り戻せるレベルと思っている。初段まで到達せずやめてしまえば初心者レベルに戻ってしまうかな?
プロの世界になると、もっと厳しい。プロの世界で恐いことは「スランプ」だ。しかし、それ以上に恐れなくてはならないことは「ブランク」かもしれない。プロというのは毎日が真剣勝負の世界だ。一瞬の油断、ミスも許されないが、ブランクがあれば、ほんのわずかな差として感覚が狂ってしまうことになる。何れにしても、常に準備と訓練を怠らないことが、熟達への道だ。

スポーツに限らず、物事に熟達するには段階がある。
(代表的な技能習得段階説を2点記載)

S守破離は、師弟関係のあり方を3段階のレベルで表す。

守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)
 ~(1人前=自律的に作業を遂行できる。)
破:作業を分析し、改善・改良できる(1.5人前)
離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)

Dドレイファスモデルは技術レベルを五段階で表す。

第一段階(初心者):レシピが必要(ルールが与えられれば仕事を遂行できる)
第二段階(中級者):目の前の問題処理には興味があるが全体像を見たがらない。
第三段階(上級者):効果的な作業が出来、問題解決ができる。
第四段階(熟練者):全体像を理解し、他人の経験からも学び自己補正が可能。
第五段階(達人):直感で動く。本質に関係のない部分と重要な部分の区別が無意識にできる。

達人になるには10年以上努力する覚悟が必要とか。気功は30年程続けているが、未だ努力が足りない。10年以上教える立場も続けているが、伝え方もへたくそのようだ。ドレイファスモデルの五段階定義(直感で動く)に近い行為も出来るが、今、五段階のどのレベルだろうか? 達人は先生には不向きとも言われている。達人は往々にして自ら結論に達した道筋を理路整然と表現できないのだ・と。上級者レベルの方が初心者の教育係には向いている・・と。今後の目標は上級者、熟練者を兼ね備えた達人を目指そうかと・・


達人・プロフェッショナル・玄人

プロは玄人とも言う。「玄人」という言葉の「玄」は黒く染めた糸の黒で、目には見えないような微妙な部分をいう。「黒い」は「暗い」に通じ、玄人とは暗いところ、つまり肉眼では見えないところ、遠く離れたところを見ることができる達人を指す。真の達人は、まだ見えない次の一手を見るために、手前で万全の準備を整える。それがプロフェッショナルだ。宮本武蔵(吉川英治文庫)を読みふけったことがあったが、決闘の前には、まさに用意周到な準備を怠らないという展開が示されている。

松下幸之助が創設した政経塾の方針にも宮本武蔵が引用されている。
「宮本武蔵には先生はいません。彼は剣聖といわれた。剣聖といわれた宮本武蔵は、自分で稽古したり、何かやったのでしょう。そしてついに剣聖になった。自修自得が宮本武蔵の道。自ら発見しないといけない。師を持たずその道に達するという極意を会得しなければならない。自修自得できないものは落伍する」・・と