#Anker本 Anker創業者が発見した「Amazonのアルゴリズムの本質」とは

Taro Matsumura 松村太郎
@tarosite
Published in
3 min readMay 20, 2020

--

『ANKER 爆発的成長を続ける新時代のメーカー』、ご愛読感謝です。

「#Anker本」ハッシュタグで、Twitterなどでも感想をたくさんお寄せ頂きありがとうございます。イナバカツヒロさんは、「事業開発の学習ルート」というチャートの「具体論」に、本書を挙げて下さいました。ありがとうございます。

さて、今日から少しずつ、本書の取材の裏話や、現在進行形の話題に絡めて、本書のパワーワードをご紹介していきたいと思います。まずは、本書P27、序盤に出てくるこの言葉です。

昨今の新しい販売業者が行っているようなフェイクレビューや、星の数をごまかしたり、他社製品に星1つを付けて評価を下げてまでトップを取ろうとする「アルゴリズムの破壊」に対して、スティーブンは「長期的な成長はない」と断言している。

2020年1月の取材時、創業者のスティーブン・ヤンはAnkerにとって、フェイクレビューで自社製品を良く見せようとしたり、他社を貶める行為に価値がない、と強調していました。

その理由は、スティーブン自身がGoogle時代、検索エンジン最適化のエンジニアであったことから、Amazonの検索アルゴリズムに対する最適化のための「本質的な方法」を発見していたからでした。

「Amazonのアルゴリズムは、
顧客が幸せになるかどうかを
重要な評価軸にしている」

AnkerはAmazonを主たるマーケットとして戦略全体を組み立てる中で、Amazonの星の評価とレビューを、製品のKPIに導入し、Amazonの顧客の幸福を最大化することを実直に取り組んできました。

中でも印象的だったのが、星5つ以上に星1つを付けたレビューに対して、徹底的に改善を行うべきであるということ。本書P144で、Amazonの星の数の仕組みと合わせて、解説しました。

そのために、カスタマーサポートを内製化し、権限を持たせ、迅速に顧客の問題解決に取り組みます。同時に、早ければ2〜3ヶ月、つまり次のロットで、そこから得た改善点を製品に反映させてしまうのです。

現在の成長を見ると、そのアルゴリズムの観察と対話、そこから見出した本質、徹底的にその本質と向き合ってきたことの正しさが表れていると思いました。

--

--

Taro Matsumura 松村太郎
@tarosite

Journalist/author covering tech, edu, and lifestyle. ジャーナリスト・著者。iU 情報経営イノベーション専門職大学専任教員。キャスタリア取締役研究責任者。Tokyo JP✈Berkeley CA http://forks.tokyo/