無段階インターフェイス化の流れになるのか
微調整した感覚の心地よさと、ボイスコントロールのトレンドと
MacBook Proは、Consumer Reportで晴れて「推奨」を獲得することができたようです。
Appleの品質管理の問題、Consumer Reportの公平性の問題など、気になる点がいくつもある問題でしたが、Appleは近々、macOS Sierraのソフトウェアアップデートを行い、バッテリー問題の修正が全てのユーザーに行き渡ることになるでしょう。
さて、今日はその話ではなく、仕事場のWeWorkまでの15分の徒歩の間の気づきについて、です。
毎朝自宅から15分歩いて、BARTのDowntown Berkeley駅前にあるWeWork Berkeleyに通っています。頭を切り換えるにも、行き帰りのウォーキングにも良い距離で、徒歩での通勤が気に入っています。この間、iPhoneで音楽を再生しながらAirPodsで聴く、という通勤スタイルに定着しつつあります。
そうしたときに音量調節をしようとしたとき、Apple Watchでミュージックアプリを開いて、デジタルクラウンをくるくると回して調節しています。その方が、細かい調節ができるからです。
iPhoneのボリュームボタンでの調節は16段階。しかしちょっとだけ大きすぎる、もうちょっとだけ欲しい、というかゆいところに手が届く設定は、(なんとなく)デジタルクラウンでの操作の方ができている気がするのです。
仕事場についてMacを開いてみると、同じことが起きます。Macのボリューム調節をボタンで行うとやはり16段階。しかしTouch Barでの調節は無段階でスライドさせることができ、やはり(なんとなく)ちょうど良い音量に調節できているような気になります。
上はTouch Barでシステムのコントロールを開いた様子。Touch Barナシのキーボード時代にファンクションキーに割り当てられていた内容がタッチボタンになっていて、16段階の音量調節にも対応します。
下はTouch Barでシステムコントロールが縮小されているときに音量ボタンを押して操作できる音量調節のスライダー。こちらは16段階ではなく、無段階での音量調節が可能です。
ここで2度も「なんとなく」「気になる」という言葉を使ったのは、それが果たして、毎回同じちょうど良い音量なのかは分からない、という点です。しかし、微調整して、ちょうど良いポイントを見つけ出せた、という感覚になる。
おそらく16段階の音量調節の方が、いつも8、いつも7、と正確なオペレーションが可能なはずです。しかもきっと、どんぴしゃの数値に合わせるには早い。
しかしデジタルクラウンやTouch Barのフィジカルな操作が可能かつ、無段階のインターフェイスは、やっぱり心地よいものがあります。
もちろんiPhoneのコントロールセンターなどではタッチ操作のスライドでボリューム調整が可能ですし、Macでもマウスを使ってボリュームをスライド操作可能です。
ただ、デジタルクラウンとTouch Barはどこかそれらとは違う。思えばiPodのクリックホイールのフィジカルな体験に近いのかな、とか。
もう1つ、声のインターフェイスになった時に、手を使わないというメリットと引き替えに、こうした微調整の心地よさを再現するのは結構代返だ、ということ。
「ボリューム上げて」「もうちょっと」「いやちょい下げて」という命令についてきてくれるボイスアシスタントが、果たして出てきてくれるのかどうか。そんな指示、家族だって怒り出すというのに。