7 years urashima by @taromatsumura

#浦島太郎 化して学ぶ

誰か教えて!7年で「分からないこと」だらけになった日本と東京

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4 min readDec 9, 2018

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丸7年日本・東京から離れていると、本当に分からないことだらけになっています。東京ほど成熟した都市なのに新しい駅がいくつも増えたり、いつの間にかターミナル駅が途中駅になって直通列車が増えていたり。

名前をもじるわけではないのですが、2010年代の大半の日本・東京の出来事が分からなくなっている、ということです。

この「わからない」という部分については、反論もあるかもしれません。いくらでもネットが発達していて情報はあるじゃないか、というご指摘もごもっともです。しかし情報として知っていることと、体験として知っていることを区別している私にとっては、やっぱりいない場所の情報は情報でしかなくて、「実感」がなかなか湧かないというものです。

例えば、クルマのニュースにしても、クルマを買おうと思っている人とそうでない人であれば、入り方、深掘りの仕方が異なります。興味と同時に、日本ならではのクルマに対する実感もあります。アメリカのクルマが日本で売れない、とトランプ大統領は不満げですが、日本に住んでいる人からすると、「あんなもの日本で乗れるわけない」と相手にもしませんよね。

住む場所にしても、買い物に行く場所にしても、食べ物にしても、ケータイの料金にしても、同じことです。色々努力してみるのですが、いわゆる「実際のところ」がわからない。とくに暗黙の了解が多い日本においては、結構不便だし、自分だけでなく周りにもストレスになるものです。

そこであまり1人で考え込まない方がいいんじゃないか、と思うようになってきました。直近知りたいのはケータイの料金だったり、おいしいラーメン屋さんだったり、地元が楽しい住処だったりです。議論したいというよりは、単純に教えて欲しい。もしそういうメッセージが届いたりしたら、「本当に分からないんだ」という前提で色々教えて欲しい、と思っています。

この「浦島太郎」状態は、自分の専門外のことが分からない、というわけではないと思います。

知らないことは知らないということで、最初から人に聞くか調べれば済む話です。これは、分からないことを新たに学ぶ、というシンプルな話でしかありません。

面倒なのは、知っていることがいつの間にか変わってしまって、持っていた知識や経験が通用しなくなってしまうことです。しかも、往々にして、人はそのことに気づきにくく、失敗してしまうことになります。

私の場合、米国に引っ越す時は「右も左も分からない」状態で横断歩道を渡るときも、「クルマの通行区分が違うから、先に見るのは左」と常に意識しながら渡るくらい身構えています。

しかし久しぶりに日本に帰って、空港から大きな荷物を持って地下鉄駅のエレベータを使おうとすると、私のせいで乗れなくなった健康そうなサラリーマンの方に舌打ちされることがしばしば。「あれ、間違ったコトしたのかな」と驚かされ、同時に7年前と何か違う、と感じたりするのです。

普段暮らしていないので「そんなもんだ」という感覚がないだけなのですが、その「感覚」の部分が分からない。これが私が言う「浦島太郎」の話です。エレベータの舌打ちについても、何か事情もあったのでしょう。善し悪しの話をしているわけではありません。馴染んだり理解するための努力の糸口が、あまりにもつかみにくいのが日本、という気づきがありました。

日本でのモノや消費、習慣、あらゆる部分で方向感覚を失っている状態に近いと自覚しているので、できるだけゼロベースでいろいろな物事を見聞きしていった方がストレスが少ないのではないか、というのが取りあえずの解決策。

#浦島太郎 化して学ぶという実践を、少し試してみようと思います。

http://ta6.site/urashimataro

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Journalist/author covering tech, edu, and lifestyle. ジャーナリスト・著者。iU 情報経営イノベーション専門職大学専任教員。キャスタリア取締役研究責任者。Tokyo JP✈Berkeley CA http://forks.tokyo/