テイラー・スウィフトが起業家にコミュニティーの構築について教える3つの大事なこと

Tech in Asia JP
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6 min readJun 3, 2015

テイラー・スウィフトの8秒間の沈黙トラックがiTunesチャートで第1位になったことを覚えているだろうか。それが達成できたのはスウィフトには情熱的なユーザーによる大きなコミュニティがあるからだと語るのはUpwork(旧社名:Elance-oDesk)のシンガポール支社長であるKristine Lauria氏。

彼女のコミュニティは偶然なんかではない。Lauria氏によるとスウィフトは天才的な戦略でファンをうまく巻き込んでいることからスタートアップや企業も見習うべきだと語る。

これらのポイントを3つの重要な教訓に凝縮する前に、Lauria氏は詳しい内容を説明していく。先日のテック・イン・アジア・シンガポール2015で行われたコミュニティビルディングをテーマとした内容では、バイラルな方法で注目度を上げようとするスタートアップだろうと、ファン層というものは共通の情熱と関心であると述べている。

Upwork(旧社名:Elance-oDesk)のシンガポール支社長であるKristine Lauria氏

ビジネスに、売上げの8割は全顧客の2割が生み出しているという格言があるようにこれをやることは大事なことである。しかも今は、ネットによりその常識が変わり、割合がシフトしている。最近では、スタートアップはeBayのように全ユーザーの.1%が収益の95%を生み出すことを知ることになるとLauria氏は説明する。「なので、そのファンの人たちは常に大切にしなければいけない」。なぜならピラミッドの上部にいるパワーユーザーたちが収益を操作しているからだとLauria氏は言う。 「興味がどこにあるか、彼らはプロダクトに何を求めているかを理解しなければならない。」

これら全てはテイラー・スウィフトのSNS上のファンと友人を作る方法によって例証されている。去年のクリスマスに、彼女は最も情熱的なファンにプレゼントを贈ってサプライズと喜びを与えている―その際、彼女はリクエストとしてプレゼントを開ける様子を録画するようにとも伝えている。またそれぞれに手書きのメモも添えている。

テイラー・スウィフトという師匠のお手本を見たところで、Lauria氏のテイラー・スウィフトからスタートアップが学べる忠実なユーザーのコミュニティの構築について3つのレッスンを紹介しよう。

その1

ユーザーを知ること。これはまずエンゲージメントへの最初のステップである。この段階でユーザーが誰なのか、何を必要としているか、何を変えてほしいか、プロダクトを使用したときにどんな問題が発生するのかを正確に知ることができる。

既存するコミュニティへのてこ入れをすること。これがプロダクトをいいものに進化させ、ファンになるかもしれないパワーユーザーを引き付けるやり方である。Lauria氏によると、「プロダクトのルールを理解したときが」、コミュニティの始まりだという。

まだ納得していないのであれば、シェアリング・エコノミー(共同経済)の影響でコミュニティはより一層重要になり、UberやUpworkなどのようにネットやWebサービスを再形成したり、人々が生活するために依存するようになることを覚えておいたほうがいいだろう。

その2

スーパーユーザーを育てること。コミュニティはプロダクトを使用しているところを人々に見せることができる。さらに、コミュニティは問題に対しサポートもできる。 またどのように濃いユーザーになったかと言う面でも彼らが誰なのかを知らなければならない。トップユーザー/コミュニティであることの利点を確認するために非パワーバイヤーを支援すること。そしてソーシャルメディアで一番のファンたちをフォローすることでスウィフトも全く同じことをやっていたのです。

ユーザーコミュニケーションを促進すべきだ。したがって、販売チームはコミュニティ内での言語と合わせるために、使用する言語を変える必要がある。

認識そして鼓舞。スウィフトがファンにプレゼントを贈ったとき、手書きメモに「メリークリスマス」と決まり文句のみを書いたわけではない。代わりにファンは最近の成果に対し、お祝いの言葉を贈った。彼女がファンとオンラインでとても密接につながっていたため何のことを言っているのか彼女にはわかるのである。こういうことはスタートアップのレギュラーユーザーを刺激するのだ。

オンラインからオフラインに。スウィフトが実世界で筋金入りのファンを知り、その人々に彼女自身からプレゼントを手渡したように、ウェブ会社もよりアクセスできるようにしなければならないことを自覚しないといけない。

その3

そしてインフルエンサーが必要になってくる。スウィフトにはSwiftiesがあり、スタートアップにはプロダクトを展示し、人々を寄せ付ける手伝いをしてくれる情熱的なユーザーが本当に必要になってくる。このような人たちはスタートアップから直接採用されるわけではないが、貢献に対するお礼として別の方法で報酬を与えることができるとLauria氏は説明する。

インフルエンサーという役割がとても重要なのは、紹介で来たユーザーはそうでないよりユーザーよりもいいからであるとLauria氏は強調する。Airbnbがこれを経験している。同社はプラットフォームを利用する隣人に紹介された新規ユーザーの方がより良いホストで積極的であることが判明したそうだ。

既にやっていることを促進するために、これらのトップユーザーたちとプログラムを作成する。これら全ての目的は3倍であり、リテンション、口コミによるバイラリティ、カスタマーサポートとLauria氏は言う。

いい例として挙げられるのはUberのライバル企業であるLyftだ。Lyftが自社のスタッフと十分に速くスケールできないことに気付いたとき、同社はトップドライバーに目を向けた。この「ドライバーパートナー」はUberと同様に伝統的な意味での従業員ではないが、それでも彼らに米国を渡りドライバーを募集するように呼びかけた。

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Tech in Asiaは、アジアに焦点を当てたテック情報やスタートアップのニュースを提供し月間1000万PVを誇るメディアを運営。毎年アジア最大級とされるカンファレンスをシンガポール・東京・ジャカルタの3都市にて開催、累計参加者は1万5000人以上。シンガポール本社を2011年に設立(日本支社は2014年)。