[特別版]ほぼ単一民族国家である日本で、東京に居住し活躍する外国人にスポットライトを当てるバイリンガルブログ

2015年の訪日外客数は2000万人近くになった。東京で買い物をしているときや京都でお寺などを散策していると外国人に出くわすことは少なくはなくなってきた-むしろ時期によっては見かけないことのほうが珍しいだろう。だが、日本に住んでいる外国人に出会う確率はそんなに高くはない。2014年の統計によると1億2700万人以上の国に住んでいる外国人はたったの200万人だそうだ。

日本は民族的に言えば、約98.5%が純日本人だ-これは北朝鮮と韓国に続き、世界で3番目の単一民族国家である。

My Eyes Tokyoの創業者である徳橋功氏(写真上)は、常にこの残りの1.5%の人口を探し続けている。

テレビプロデューサーから起業家へ

My Eyes Tokyo、もしくはMETは2006年に徳橋氏が立ち上げたオンラインメディアスタートアップだ。METはインタビューや写真を通じて日本に住み働いている外国人の生活に注目している。Facebookでいいね!数が1700万人近くとなるHumans of New Yorkを連想させるが、このブログは写真ではなく、記事に重点を置いている。

徳橋氏は2001年から2002年までカリフォルニア州フレズノにあるFOX系列のテレビ局でインターンとして働いていた経験がある。東京や郊外で生まれ育った生粋の日本人からすれば人生が変わるような経験だったという。アメリカに移住する前の彼の海外経験は短い休暇で行った香港だけだそうだ。

働いていないときは無料の英会話学校に通い、そこで世界中から来た外国人と出会った徳橋氏。いろんな意味で彼のクラスの多様性はアメリカ自体の多様性を反映していたという。

「アメリカのいいところの一つは文化のルーツがあることです-アメリカ人というだけじゃなく、アフリカ系アメリカ人もしくはイタリア系アメリカ人なんだということです。」と徳橋氏はテック・イン・アジアに述べた。「多様性にどっぷり浸かってしまい、逆にこういう人たちは日本という単一民族国家のことをどう思っているんだろうと気になったんです。」

インターンシップの最後に徳橋氏はニュース番組のプロデューサーになるために日本に帰国した。国内最大のテレビ局2社で働くことになり、プロとして成功もしていた彼だが、それでもアメリカに自分の一部を置いてきてしまったような感じがしたという。

「日本に戻ってきたときは、アメリカのあの環境が懐かしく思いました。」と彼は言う。「世界中の人々に会いたいのと、ここ日本での生活にも興味が湧いてきたんです。」

日本から世界へ、世界から日本へ

そしてMETは2006年、徳橋氏の個人ブログとしてスタートした。最初のインタビューは日本にほんの数日間しか滞在していないオランダからのバックパッカーだった。彼は日本でどれだけ楽しんでいるかをたくさん話してはくれたものの、この国の経験についてコメントすることはなかった。そこで徳橋氏は、この国のプラス面やマイナス面について話せる長く住んでいる外国人にインタビューすることにした。また彼は、海外経験のある日本人や外国と強いつながりのある日本人にも視野に入れた。

(METのホームページから)

これまでに徳橋氏は講師、起業家、そして難民までもインタビューしている。人気のテーマは日本の伝統芸術に関与している外国人だ-例えば落語をするスウェーデン人や芸者として働くオーストラリア人だ。

徳橋氏の中で一番思い出深いインタビューは、日本人学生にイランの伝統料理を教えているというイラン人の主婦だという。

「メディアはイランを怖い国であるかのように報道しますが、彼女はとても優しい方でした。」と言う。「クラスに行き、そこで彼女の手料理を食べました。個人的なイメージとしては、辛いだろうと思っていたのですが、彼女と同じように私の先入観よりもはるかにマイルドな味だったんです。」

この10年間でMETはコラム、特集記事、フォトエッセイと共に約250本の記事を公開している。数としては多くはないかもしれないが、フルタイムスタッフは徳橋氏のみである-創造力の全てをサイトに注ぎ込むため彼は去年の夏に仕事を辞めた。

「いろんな意味で個人ブログですので、スタートアップと呼ぶにはまだ遠いと思います。」と徳橋氏は述べる。「インタビューという、編集に手間のかかるコンテンツのため、好きな時に新しいコンテンツを投稿することはできませんし、月に一度だけということもあります。もしベンチャーキャピタルの資金調達ができれば、[…]助けを借りることができます。」

METのそれぞれの記事は日本語と英語で提供されており、翻訳も全て彼自身がこなしている。おそらく気付いているとは思うが、たとえサイトが単一言語になることで彼の時間と労力を節約することになっても英語のみのサイトでは、徳橋氏の”できるだけ多くの人と触れ合い経験を共有する”という思いが実現されないということだ。

「日本語版は外国人が日本人と同じ苦労をしていることを読ませて、英語版は各記事のリーチ数を増やしつつ、学習ツールとして読者に提供しています。」と述べている。

徳橋氏の活動を支えるのはプロのウェブデザイナー、フリーランスの記者数人、そして英語ネイティブスピーカーの校正者。彼らが非常勤スタッフとしてMETに参加している。気になる人のほとんどはネットや、東京のありとあらゆるイベント、そして友人や既にインタビューした人からの紹介で見つけていると説明する。

METは創業者自身の貯蓄で運営されている。徳橋氏はミートアップイベントを開催することで資金を得ており、他にも実験的にネイティブ広告制作も行い収益化している。読者の内訳については明かされていないが、サイト訪問者のほとんどは当然、日本からだそうだ。METの日本語記事はハフィントンポスト・ジャパンに掲載されることもあり、より多くの日本人読者を得ている。

メディアネットワーク

徳橋氏にはMETにおいて2つの目標がある。1つは、もうすでに部分的に成功していることだが、日本は本当はどういうところなのかという関心を高めることだ。

「日本から外に出ると、例えトヨタに乗ってて、子供たちがニンテンドーでゲームをしていても日本という国について知っている人は少数です。アメリカにいるとき日本人はステーキを食べるのかだとか、信号は同じ色なのかなんて聞かれたことがあります。なので日本に住んでいる外国人と国際派日本人について書けば、本当の東京を見せることができるんです。」

そしてもう一つの野心的な長期目標は、「My Eyes [自分の都市や国]」のように国際的なメディアネットワークとしてMETを成長させることだ。

「私たちはみんな同じなんだということを皆さんに理解してもらいたいんです。イラン人の主婦だろうと、アフリカ人の難民だろうと、日本人の起業家だろうと、私たちはみんな同じ感情があり、同じ浮き沈みを経験しているんです。この考え方を世界で共有したいんです。」

「考え方を変えるのは簡単なことではありません。」と彼は付け加える。「ですが、METでそれを少しずつ変えていけたらいいなと思います。」

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