高校を中退、エンジネアリングを学び、1億円規模のベンチャー企業を立ち上げたパキスタン人の起業家

Bilal Athar氏は自分が非常に早い段階から文化的に順応できないことを自覚していた。従来の教育に対する彼の無関心と教師との悪い関係も重なることは、権威に応えるのに問題があったことを意味した。Athar氏は教室に座っているままで教えられるだけではなくそれ以上のことをやってみたかったのである。彼には適用できるように促せる創造的な精神があった。教育は自信の役に立たないと決めたAthar氏は高校を中退した。
この保守的志向のパキスタンではこの行為は自殺も同然だった。彼のような始まりは典型的な西洋のIT起業家のように聞こえるが、パキスタンではそういう文化は存在しなかった。
パキスタン軍の陸軍将校として働くAthar氏の父親は教育を受け直すこと、そして「社会的に許容される」キャリアを追求するように彼に懇願した。母親はさらに驚いていた。興味を諦め、安定した収入が得られるように教育を追求するように要求した。両親にとって、自分の息子が大学に通うことに興味がないなんてことは考えられなかった。浮浪者になり、結婚もできなくなることを恐れた。拡大家族からの壮大な丸め込みでAthar氏は公認会計を学ぶディプロマプログラムへ登録した。
残念ながら、これは紛れもない災害であることが判明した。数字の処理やバランスシート策定の退屈な性質は彼の自由志向の性質にはアピールしなかったため、わずか数ヶ月でプログラムを辞めることになった。資金不足は実家に戻ることを意味し、両親はこれをキャリアの見通しがついていないとして厳しく批判した。孤立したAthar氏は自身を証明するため何かを知っていた。友達の提案を基に、彼はCisco認定のシステムエンジニアになるためコースに入学した。
そのコースでは、ITの世界を実感し、コーディング、そしてソフトウェアアーキテクチャは自然と彼に出来た。彼の創造的で好奇心旺盛な本能はよく適用でき、その方面において秀でていた。卒業後まもなく、UAEで楽な仕事に就き、サイバーセキュリティのネットワーク管理者を養成することになった。
「私がパキスタンを離れた後、安定し稼げるようになった私を見た両親はやっと満足した。」とAthar氏はテック・イン・アジアに言う。「だけど、使えるお金より稼げるようになったにも関わらず、まだ満足していなかった。もっとやりたかった。」
個人的な野心を優先
Athar氏の中東での任務はそんなに長くは続かなかった。起業家精神と「一般の人々を助けるソリューションを構築」する欲望に駆られた彼は戻って、大規模な製造ユニットにソフトウェアソリューションを販売するスタートアップを設立した。以前の仕事で貯めた実質的な現金が役に立った-オフィスを借り、開発者チームも雇うことができた。だが、初期トラクションのかなりの量にも関わらず彼のスタートアップはクライアントを失っていき、貯金も使い果たしてしまった。文無しになった。最後の給与を支払うために自分のiPadも売り払った。そしてAthar氏は切り上げた。再び助けを求めることを余儀なくされた。
「振り返ってみると、パキスタン市場はイノベーションやオートメーションに対する準備が当時はできていなかったという結論に達した。さらに、真の成功を収めた企業にするには、アーリーアダプターの間で人気になる製品を作る必要があった。」とAthar氏は説明する。
お金を使い果たしたAthar氏は、友達のところに移り住みフリーランスの開発者として働き始めた。彼のコーディングの専門知識は輝きを放ち、すぐにプロジェクトに圧倒された。しかし、再び安定した収入を得るにも関わらず、Athar氏はまた物足りなさを感じ新しいスタートアップをローンチしようと熱心になる。慎重に多くのアイデアを張り巡らせた後、彼はWifigenを概念化し、友達を共同創業者として迎え入れるために説得した。後戻りはできなかった。
Wifigenのコンセプトはとても簡単である。一部の顧客情報と引き換えに公共スポットに無料のWiFiを提供している。既存するWiFiのホットスポットにWifigenのソリューションを埋め込んだ企業は、顧客がSNSアカウントからログインしている限り、サービスの無料利用を提供できるオプションがある。チェックインまたは現在位置をシェアした人たちには、購入時に景品やクーポンをもらうことができる。
企業にとっては、Wifigenが提供するソリューションは情報や分析の潜在的宝庫である。顧客によって入力された全てのデータは「クラウドバンドアカウント」に転送され、人口統計、訪問歴、全体的な満足度などの貴重な情報を決定するために使用することができる。またWifigenはユーザーがログインすれば、レストランやカフェのメニューがスマホで見られるようにしており、スマートかつ効率的な注文にもつながる。
投資家は無視できない
しかし、今回は自分の貯蓄全てを新しい会社に投資しないようAthar氏は注意した。その後もフリーランスの仕事を続け、その間に大きなブレイクをつかむことができた。プロジェクトを終えた後、とても感銘を受けた彼のクライアントは彼とSkype電話を要求した。話の中で、クライアントは自分がIBMの元執行役員で、Uberのアーリーステージ投資家のJohn Russell Patrickであることを明らかにした。Patrick氏は目撃した才能に魅了され、2人は密接な関係を築いた。
彼らの友情が深まるにつれ、Athar氏はPatrick氏に多くの指導やアドバイスを仰ぐようになった。Patrick氏が革新的でスケーラブルと感じたWifigenの概念もまた議論された。しかし彼はWifigenへの投資には否定的だった。
ニュージーランドに拠点を置くMelissa Peters氏とAthar氏が知り合ったのは別のフリーランスのプロジェクトのときだった。Wifigenのアイデアを話すと、Peters氏は非常に興味を持った。彼女はAthar氏に投資を受け入れ、彼女をパートナーとして迎え入れるかどうかをたずねた。慎重に審議した後、彼はニュージーランドとオーストラリアでWifigen製品の販売権利を株式なしで彼女に与えることに合意した。
ニュージーランドでWifigenの事業が開始すると、またAthar氏はお金の問題に直面することになった。Peters氏によって調達された投資はほとんど使い果たし、残された額は非常に少なかった。Wifigenが永久に閉鎖するかもしれないという立場に立たされたAthar氏は同社はさらに投資を探していることをプレスに宣言した。このとき名乗りを上げたのがJohn Russell Patrick氏だ。
Patrick氏はAthar氏に非公開額のシード投資を調達し、企業価値を約1.2億円にした。このときが彼のロックスターの瞬間だった。資金調達のニュースが流れると、彼にはお祝いのメッセージなどが殺到した。「今、やっと、落ち着いてきた。」と彼は微笑む。
Athar氏は企業と顧客の間の直接なコミュニケーションを容易にし、両方に付加価値を提供するため、Wifigenはゲームチェンジャーになる可能性を秘めていると考えている。シード投資は同社を拡大するため、そしてローカルや海外へプロダクトを売り込むために使われる。