インド理工系学生、エンジニア適合率が5%に満たず
インドは海外で高い技術力を持つ国として有名であるが、それには理由がある。シリコンバレーではインド人起業家が暮らしていて、世界でも大手IT企業ではインド人移住者が実権を握っている。しかし、そこには暗い影が見え隠れしている。インドにある何千もの大学で大量に生まれるエンジニアのほとんどは、雇用さえできない。脚光を浴びるのはIITのような最高級の大学からの人材だ。
才能評価会社のAspiring Minds社による新たな調査で、Sundar Pichais氏とSatya Nadellas氏がインドで毎年卒業しているエンジニアとは全く対照的だということだ。500校以上もの大学のIT関連部門から36,000人以上の工学系エンジニアの学生が機械学習を使用して自動化されたテストを受けたとされている。
この調査によると、テストを受けた人のたった4.77%がソフトウェア開発会社に就職できるという結果が出た。テストされた学生の3分の2はコンパイルするコードさえ書くことができなかった。
テスト方法
今年で10年目となるAspiring Minds社は、インドのグルガオンに本社を置き、米国、東南アジア、中東、アフリカに事業を展開し、AmazonやMicrosoft、GE、コカコーラのような世界的な企業にアセスメントと認定サービスを提供している。Omidyar Networkの支援を受けて、WiproのようなIT企業が新入社員の雇用に使用する公開認証テストAMCATも実施している。
この研究では工学系学生の評価のために、Automataというツールを使用した。候補者は、シミュレートされたコンパイラで実行可能なプログラミング問題の解決策を書く。また、機械学習(ML)を使用して、候補者のプログラミングのロジックが解決にどのくらい近いかを判断する。
Simplerは、コードが動作するテストケースの割合に基づいて解決策をテストし、候補者の思考プロセスは見ない。Aspiring Minds社は、MLベースのテストスコアには、Pearson相関があり、プロのインタビュアーのスコアが0.85で、通常のテストスコアが0.6であったとする。
インドの何千もの工学系大学から卒業した学生の質の悪さが報告されたのは、これが初めてではない。政府はまた、インド全ての工学系学生に標準化された卒業試験を強制するという案も検討している。
しかし、500校もの大学から36,000人という大きなサンプルサイズで、5%以下の学生が雇用できるくらいのレベルだと判明したのは初めてだ。この研究はある意味警告である。インドで卒業したエンジニアの5%でさえも多数ではあるが、ほとんどの大学でその不十分さが増していることを示しているのだから。
インドは高度なスキルを必要としない世界にITのバックオフィスサービスを提供している実績がある。これは、クラウドベースのソフトウェア製品、分析、自動化などの開発スキルを必要とする起業家精神とイノベーションの台頭に伴い変化している。なので現在必要なIT企業の要求と、ほとんどの工学系の大学が提供しているスキルレベルとの間には大きなギャップがあるようだ。
See: Find out how robot-proof your job is
米国のドナルド・トランプ大統領が移住技術者のビザを発行を抑制したことは、インドが必要としているイノベーション主導型のITエコシステムへの転換を促すためのいいきっかけかもしれない。
Editing by Neha Margosa and Judith Balea
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訳者:Sawako Ono