中国最大のメッセージアプリがAppleと衝突
Apple社のApp Storeは280億米ドルの事業規模であり、2016年にApple社単体で84億米ドルの純利益をあげている。Tim Cook氏は、220万ものアプリで自信が築き上げられた会社の地位を全総力をあげて守るつもりだ。
しかし、現在これまで以上に脅威にさらされている。
中国から最新で大胆な挑戦が来た。8億4千万人以上のアクティブユーザーを抱える中国のトップメッセージアプリであるWeChatが、ソーシャルネットワークを使ってる人々がアプリをダウンロードやインストールをしなくても使えるようにするシステムを先日発表した。
McDonalds社やApple社が後援しているDidi Chuxingのような数々の小規模な新興企業や大企業により生み出されたインスタントアプリは、App Storeを全く介さない。WeChat内のみでアクセスでき、アプリのようにみえるが、チャットのように簡潔且つ迅速に削除できる。必要に応じて、WeChat内のサービスを保持し、それにログインすることさえできる。アプリのアップデートはなく、ホームスクリーンを妨げるアイコンもない。
これが将来的なアプリになるかもしれない。そして、それはTim Cook氏が聞きたかったことではない。
デリケートな状況
Apple社を打倒しようとしているのは、中国の2,400億米ドル規模のソーシャルメディア大手Tencent社が運営するWeChatだけでない。昨年11月に、Facebook社はソーシャルネットワークとメッセンジャーアプリ内で動くインスタントゲームをスタートさせた。Mark Zuckerberg氏の会社の説明によると、「この新しいゲーム体験により、新しいアプリをインストールすることなく簡単に発見し、共有し、プレイすることができる。」とのことである。Messenger向けのFacebookゲームがWords With Friendsのようなカジュアルなタイトルで少数ローンチをしたことにより、ゲームに依存しているApple Storeの利益がいかに損なわれるだろうかがわかる。
Facebookは、Apple社にとってもう一つの脅威がある:チャットボットだ。Zuckerberg氏が昨年、ソーシャルネット上におけるボットに対する野望について語っていた際に、1–800-Flowersにメッセージを送り、花束を依頼していた。
「私はビジネス依頼することが好きな人には会ったことがなく、そして誰も関わってみたいビジネスやサービスの全ての新しいアプリをインストールしたくもないはずです。」とZuckerberg氏はチャットボットの素晴らしいユースケースを提示しながら語った。それはまた、ボットで動くサービスであるかもしれないWeChatのインスタントアプリの背後にある哲学でもある。
Facebook Messengerやその他のチャットアプリにすでに導入されつつあるこのようなボットは、声やテキストに賢く反応してくれるAIに取って代わるアプリになる準備ができている。
一旦そうなれば、約20億人のユーザーが使うFacebook MessengerとWeChatはオペレーティング・システムのようになる。それには、インスタントアプリやゲーム内で運営することにより、おそらく開発者のあげる利益の多くを奪うことを伴う。
Googleも影響がないわけではない。Google社独自のアプリストアのPlayはその他の独立系ストアに簡単に取って代わられるが、拡大した実業界の利益が、Facebook社やTencent社が推進するようなメッセージアプリの発展により、脅威にさらされている。
その検索エンジン大手は昨年、独自のAndroidインスタントアプリを発表したが、その機能は未だに実装されていない。
Siri-Appleの危機的状況
Apple社のApp Storeだけが金銭的に危機に瀕しているわけではない。iPhoneやiPadでダウンロード可能なアプリは、それら電子機器のセールスポイントの一つとして考えられる。例えば、Google社のAndroidと比較して見た時、Super Mario RunやPrismaといった爆発的人気を誇る画像加工アプリなどが考えられる。
もしFacebookとWeChatがもっと力をつければ、どのブランドの携帯を使うかは関係なくなる日が来るだろう。復帰不能点を超えるまで、Apple社はWeChatとFacebookを疑いの目で見続ける。
Tencent社 CEOの Ma Huateng氏によると、WeChatがアプリではないアプリを作ろうとしていた時、Apple社は「App」という言葉を使うことならなんでも中国企業に禁止させたという。だからそれらをミニプログラムと呼ばなければならなかった。本当に些細な事にこだわっていたのだ。
しかしTim Cook氏は、変えることに抵抗し続けることはできない。インターネットベースのサービスは永遠にアプリだけにに制限されることは難しく、それらが次どの様な形になるのかということにすぎない。
動画: WeChatはアプリをなくしてしまいたい
[原文へ]
翻訳:Sawako Ono
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