Jack Ma氏のAnt Financialから自転車シェアのユニコーンOfoが新たに資金調達

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4 min readApr 24, 2017
Ofo社の特徴的な黄色い自転車。写真提供: OfoのWeibo

中国の自転車シェアリングのユニコーンであるOfo社は土曜日に、Alibabaの金融関連会社のAnt Financial社から資金を未公開で調達したことを発表した。

この資金調達は、モバイル決済やクレジット、グローバル展開を含む両社の戦略的パートナーシップの一環だ。 Ant Financial社は、Sesame Creditと呼ばれる独自のクレジットシステムがあり、ユーザーの消費習慣を取り入れてクレジットスコアを計算する。また、中国の大手モバイル決済サービスのAlipayも運営している。

「Anto Financial社は、Ofo社と提携することで、モバイルプラットフォームやクレジットシステム、支払い、セキュリティ機能などを自転車シェアリング業界のモデルとして公開でき、その業界全体が規則正しく改善し、発展できるよう支援できます。 」とAnt Financial社のCEO、Jingxian Dong氏はプレスリリースで述べている。

Ofo社は、ユーザーが近くの自転車をアプリ経由で検索してレンタルできるようにする、中国の自転車シェアリング・スタートアップの1つだ。昨年増加して以来、その業界では何億円もの投資を見込んでおり、北京や上海、深圳(シンセン)などの中国の都市には急激に自転車が増加している。これに対応して、歩道や公共スペースを阻害しないように各市町村が新しい自転車シェアリングへの規制をし始めた。

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Ofo社とAnt Financial社が提携したのは今回が初めてではない。 3月、Ofo社はSesame Creditのスコアが650以上の上海のユーザーにデポジット無料の自転車レンタルを提供し始め、 4月には、そのサービスを杭州に拡張した。Sesame Creditの要件を満たしていないユーザーは、1時間100円もかからないOfo社の自転車のレンタルを開始するために、約1,400円のデポジットを支払わなければならない。

Ant Financial社と提携することで、Tencent社のような強力な投資家を出した国内ライバルのMobike社と、北京を拠点とするユニコーン企業との戦いがしやすくなるだろう。Mobike社とOfo社はいずれもTencent社のソーシャル・メッセージング・アプリケーションの1つであり、月間アクティブユーザー数は約8億8,900万人のWeChatを通じてアクセス可能だ。

Ofo社はAnt Financial社と提携することにより、WeChat以外のAnt Financial社のインドフィリピン東南アジア、そしてアメリカを含む海外のユーザーにリーチすることができる。Mobike社とOfo社はいずれもシンガポールでローンチしている。

Ant Financial社はOfo社と提携することで、WeChat Payとマーケットのシェアの優位を争うAlipayに、より多くのトラフィックをもたらすだけでなく、クレジットスコアやユーザー行動に関する情報のようなデータも蓄積できる。

Tech in Asiaは、まだOfo社から回答を得られていない。

Ofo社はAnt Financial社の他に、ライド・シェアリングのスタートアップDidi Chuxing、ZhenFund、DST、Matrix Partnersなどから支援を受けている。最新の資金調達は3月に行われ、シリーズDで450億円を調達した。

編集者:Eva Xiao

【原文】

訳者:Sawako Ono

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