「すごい人」でもないのにTEDxに登壇していいの?

Mai Iida
TEDx Experience [日本語版]
5 min readApr 10, 2017

いざ登壇となると怖いものだ。

本当、この世の中には何百万、何千万とすごい人がいて、そんな「すごい」人たちには到底叶わないのに。
なぜ、私はこれから100名の観客の前で話し、このトークは後日YouTubeに数知れぬ視聴者に見られる事態になってしまったのだろう。

TEDxTohokuUniversity が 4月2日に開催されました。
そして、私はスピーカーの一人としてその場にいました。

あぁ、これで良いのか。こんな私が出ていいのか。なんだか申し訳ない。 「なんでこの人?」って思われたらどうしよう。

あーーーー。

というのが私の正直な気持ちでした。笑

私は起業家でもなく、何かを受賞したわけでもなく、有名人でもない。まだ社会経験も浅い。強いて言えば、学生時代に周りよりもちょっと多く活動をしていたぐらい。だから、世間から「すごい」と言われるような人でもない。プレゼンの原稿を書き上げようとしていた頃、こんな後ろめたい気持ちばかりが頭の中をぐるぐると周っていました。

でも、人には負けないと信じていることがあります。
それは、自分の夢を追いかけているということ、そして自分が今とても幸せであること。

大きな成果を実現したわけではない。むしろまだ何も実現できていない。 でも正直、なにか大きな成果を残したいわけでもないんです。ただ、自分の夢を実現したいだけ。それは規模としてどんなに大きくとも小さくとも。

そして今、その夢に向かって走っていること、それは昔からも変わらない想いで、その夢への道を応援してくださる方々に常に支えられている、そんな今の自分がすごく好きで、幸せです。

「そうだ、これにしよう。」
自分の夢と想い、そしてそれを可能にしてくれた人と環境。やっとの思いで、これらについて話そうと決めました。

スピーカーとなり、感じたこと。

スピーカーになったから「すごい人」になるわけではない。
そしてスピーカー「だから」すごい人だ、というわけでもない。

では何がすごいと感じるのか。 それは、自分の活動そして伝えたいメッセージが周りからしっかりと見られていて、それを同じく伝えたいと感じてくれたスタッフに気づいてもらい、登壇させてもらえたこと。 普段から強い想いをもってそれを発信していれば、気づいてもらえること。

そして自分の活動に誇りを持っていれば、堂々と自分を信じることができること。

今まで私はTEDxスタッフとして、裏からスピーカーを見ていました。 「この人たちは、本当に素晴らしい想いを持っていて、活動を通じて様々な成果を残している。」

この人たちは永遠に憧れの存在であって、私には到底叶わない存在だと思っていました。

でも今回の登壇で、その考えは覆されました。 「スピーカーだからすごい」ではない。あなたもスピーカーになれる。

大事なのは、自分の想いを信じること、そしてそれを伝え、他の人と手を組んで活動を続けること。(実際、TEDの理念は “Ideas Worth Spreading” ですからね!)

登壇者として、もちろん今までの経歴で成し遂げた成果を通じて人々にインスピレーションを届けることは大事です。しかし同時に、いつまでも過去の栄光について語るのではなく、これから実現したい未来について語り、その想いを他の人にも受け継いでもらうということも同じくらい大事。

イベント後、たくさんの学生さんから声をかけてもらえました。

「すごく勇気付けられました」
「自分もこれから学生生活でいろんな活動をしたいと思いました」

こういう言葉を聞けて、「あ、少しはメッセージが届いたかな。」とホッとしました。

「すごい人」になんてならなくていい。 もちろん、私には尊敬する人が山ほどいて、その人たちを目指したいとは思うけれど、自分の体力や能力には限界があることもよく分かっている。

でも、一人では無理でも、少しでも共感してくれて一緒に動いてくれる人、もしくは自分の想いを受け継いで別の形にしてくれる人が出てくれたら、それだけでも十分嬉しい。

そして、自分なりに「すごい人」を目指せば良い。自分に自信を持てて、自分を誇れるような、そんな「すごい自分」に。

今の私は理想の働き方と人間関係に支えられ、そのおかげで理想の自分に向かっている。そして、それらすべてを実現可能にしているのは「夢」。
それが今の自分にとっての幸せだと感じています。

私のTEDxプレゼン自体はまた後日YouTubeにUPされると思いますのでその時には改めてこの記事を更新する or 新しく記事を書こうと思います!

Originally published at tabilogue.wordpress.com on April 10, 2017.

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