「スピーカーコーチ」を因数分解。

よねざわゆかり
TEDx Experience [日本語版]
5 min readOct 31, 2015

最近「どこでスピーカーコーチングを勉強されたんですか?」と質問を受ける機会が増えてきた。

答に窮することが多く、「うーん」と唸り音を挟んでしまうのが実情だ。一言で答えるならばなんだろう?「これまでの道中で」とお返事するにはあまりに不甲斐ない気がする。実際、コーチングの学校(?)に通ったわけではなく、またプレゼンテーションを特別に学んだのか?と言われるといささか「?」である。

では、わたしが何故TEDxKyotoでスピーカーコーチができているのか「これまでの道中」を因数分解してみよう。

1:創作表現することが好き

幼少時から、作文&イラスト、劇を創る演じる、即興演奏、壁新聞・・・創作表現が好きだ。特に12歳で目覚めた「創作ダンス」のインパクトは大きい。【テーマ×人間の体表現×空間(ステージ)×音楽】の掛け合わせで、奥行のある世界を表現できる魅力。自ら構成演出、そして表現者としてステージに立つことに夢中になった。総合芸術の美のコンポジションの多くをわたしはここから学んだ中学のクラブの先輩達の美しい身体表現に魅せられ、そして独学でテーマや構成、動きについてのブレイクダウンをノートに綴っていた。そこから立体に起こしていく。これらは、スピーカーコーチ活動全般に効いていると思う。

2:父の話をよく聴いていた

2、3歳ぐらいから父はわたしにいろいろな話をよくしてくれていた。とにかくわたしはスポンジのように人の話をよく「聴く」子供に育った。特に、歴史を昔話ではなく、今に繋がる「なぜ、そうなったのか?」という視点で父は語ってくれた。さらに大人になると背景を知ることは、学生時代に教科書で読んだ、また受験勉強で触れた文字情報ではない、【「ひと」の息づかいや気持ち】としての【ストーリーテリングのまなび】へ繋がった。コーチングやストーリを創っていく際のそもそもは、幼少の頃から父の視座語りを毎日「聴く」訓練を受けてきたことが功をなしているのかも・・・。これは、かなり大きな要素だと思う。

3:目に見えないものへの興味

幼少時から「目に見えないが、しかし確実に働きかけているもの」に興味があった。高校までの勉強は決して嫌いな方ではなかったが、困ったことに「今学んでいることはどう役に立つの?」と疑問を持つ少女だった。大学では認知心理学、発達心理学をベースにした「教育工学/学習環境デザイン」の道に進む。

人のまなびの工程をまなび、まなびのメカニズムと環境が及ぼす力について学んだ。ワークショップデザインやファシリテーションが学びの中心だ。創作ダンス同様、この活動にも夢中になった!人の活動を丁寧に観ていくスピーカーコーチにこの時の学びは深く影響しているように思う。

4:ファシリテーション、実践の学び

3に繋がるが、「教師は知識を教える人」ではなく、「教師は生徒へ新鮮な素材と環境を与える人。そして生徒の魅力を引き出す人」というこれまで知らなかった概念=ファシリテーターの役割を大学の所属ゼミ(上記、教育工学の上田信行ゼミ)で出逢えたことが大きい。ここから20年間に渡り、ファシリテーション要素を学生時代~実社会においてのあらゆる場面で使用してきたように思う。多くは、いわゆる対人援助職(インストラクター、広報、コンサル営業、ベビーシッター、採用、社長や教授秘書業務などなど・・)の類。明らかにコーチの在り方のベースとなっている。上田先生との出逢いは人生の大きな転換点だ。

5:ボディワーク・交流分析を学ぶ

体があまり頑丈でなかったわたしは、心と体の繋がりに興味を抱き、社会人になってから心理面だけでなく体についても学びだした。エサレンボディワークやヨガが中心だ。心と体のケアの相関関係や重要性を学んだ。これはメンタルケアの際に非常に役立っている。

勘が働く

これは「どうなん?」と言われてもどうとも答えられない。その人の、その場面の、その食べ物の、その服装の、そのモノの、その土地の「ここがいい!」というのがはっきりとわかる。また、逆に「ここがもつれてる」だから「ここをほぐした方がいい」と体の中心にビビビビーンときて、そんなにズレがない。真っ白な自分に濁りがない体感覚、直感か。これはもう占い師というのか、卑弥呼というのか・・・(笑)。そういう類、性分なのだと思う。五感を鍛えることで、直感もまた鍛えられると持論としては思う。

さて、因数分解はできたかしら?
他にも要素はありそうだけれどわたしの場合は、骨組みはこんなところかもしれない。

結局、じぶんの「好き」と「興味」を「夢中でやっていた」ら「コーチに集約されていった」というのが実際のところだなあと思う。言うなればこれがわたしの星座を創る「6つの星たち」だ。(20151101現在)改めてこれらを一瞬で見抜いたいちさんは恐るべしだ。

2015年11月8日開演のTEDxKyotoまで、あと1週間。
各ポジション共に、怒涛の追い込み時期。わたしも漏れなく左に同じ。
更なる熱を帯びつつも、コーチが倒れては元も子もないので、冷静さを備えつつ、笑いを絶やさず、自己コンディションにも気を配る日々。クールダウンするための因数分解でもあったのかも。みなさま、お付き合いどうもありがとう。11月8日もどうぞよろしく!

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