「TEDx」とは何か…地方創生の場ではない。

TEDxはTEDが見つけられないアイデアをローカルから発信するプラットフォームだ。

TED/TEDxが多くの人を惹きつける理由の1つは聴き手の考え方、価値観、究極的には人生すら変えてしまう力があるということだ。


それらの価値のあるアイデアは、イベントに参加している参加者や企業、スタッフ、そしてもちろんアイデアを発信するスピーカー自身にも影響を与える。しかし、近年の日本のTEDxを見ていて感じるのは、悪い意味で内輪になっていないだろうか?

つまり、先に挙げた人たちにのみ影響を与えて満足していないだろうか?

もちろん、イベント後のアンケートでは参加してくれた方の評価しか得られないわけだから、外部にどのように発信できているのかを明確に得る術はない。(Youtubeの視聴回数くらいか…)

しかし、だからと言って内部の評価のみあてにするのは間違いではないか?

極論を言えば、私はその開催地が活気付こうがどうでもいいし、それはTEDxのすべきことでないとすら思っている。

TEDxが全てのトークをYouTubeに公開するのは、そのアイデアを世界に拡げるためだ。

単に拡げるわけじゃない、拡げて、そしてそれを視聴した人に共感を与え、影響を与えることだ。

その結果、開催地が人々に知られ、そこに価値を見出し、コミットするのであって、それらが先にあるわけではない。

それらはあくまでもTEDxの副産物だ。本質ではない。

そこを直接の目的とするのであれば、他の地方創生などを行なっている団体の方がよっぽど直接的で効果のあることをしている。

TEDからライセンスを受けてやる以上、我々はTEDの精神に共感し、受け継がなくてはならない。

単にブランドにすがるのも1つの手ではあるかもしれないが、スマートじゃない。というより、効率が悪い。

もちろん、内輪で密接な関係を気付くことも重要だ。地元の企業と連携することも価値のあることだろう。しかし、それらが目的となってはならない。


TEDxはその場所に眠るまだ見ぬ価値のあるアイデアを掘り起こし世界に発信する場である必要がある。

全てはアイデアを中心に構成される。

デザインもトークもアクティビティも参加者も企業もそして、スタッフも関わるもの全てだ。

それらのアイデアの結晶がTEDxイベントであり、そこから放たれる光が周囲を照らし変化させるのだ。

その変化の先にその地である価値が生まれる。

自分はTEDxオーガナイザーの一人としてこのようなプラットフォームを目指したいと思う。


2016年9月29日追記

このブログを公開してからたくさんの意見を頂戴した。

感情的な意見(これも大事)、論理的な意見、体験談など様々なフィードバックをいただき、さらに思考を深めるきっかけになった。

その中で、この追記に至った理由は、僕の説明不足が原因なのだが、上記の本文である「誤解」が生じていることを是正するためだ。

その誤解とは

「イベントにくる人を無視している」

「イベントをやる意味ってなんなの?」

というものだ。

確かに、指摘され読み返してみると、当日イベントをないがしろにして、それ以降の外部に公開されるトークのみを価値だと思ってるようにも捉えれる。

この点に関してしっかりと説明をしておこうと思う。


結論から言って

当日のイベントは超重要!!!

イベントにはイベントでしか得れない価値がたくさんある。それは、決してトークを観るだけでは得られない価値だ。

価値のあるアイデアを提供してくれたスピーカーと直に話せる機会は当日のイベントくらいしかないし、スピーカー自身もすぐにフィードバックが得られるのはかなり価値のあることであるはずだ。

参加者は多様な人々と考え抜かれデザインされた空間(会場)で交流、議論することで日常では得れない経験をするだろう。

仮に、そのイベントでのトークが全てひっかからなくても(そんなことがあるなら、それはトークを作る側の責任だが)、デザインされた空間で参加者やスタッフ、企業、スピーカーと意見を交わすことはそれだけで人生を大きく変えるポテンシャルを秘めている。

そして、そこで出会った人たちがTEDx外でコラボしたりして価値のあるものができれば、それはTEDx-ers冥利につきるってものだ。

最高に嬉しい!

ただし、それでもやはり、外部を見るべきだ。

内輪感ではダメだ。それなら他の団体がやればいい。

TEDxにしかできないことをやらなければTEDxである意味がない。

”外部”にも幾つかのレイヤーがある。

まずは、最初に述べたコミュニティの外。そして、追記で述べたコミュニティ内の外だ。

「コミュニティ内の外」とは、コミュニティの中にいる人(イベント参加者、スタッフ、企業、スピーカーなど関わる人全て)がコミュニティの外にいるときのことを指す。

つまり、イベント参加者がイベントで得た経験などによってプライベートでも何か変化が起きるようにイベントをデザインする必要があるということだ。

TEDxイベントの影響力は

イベントに参加してくれた人々 > Youtubeで視聴した人

という図式を取る。

であるから、私は決してイベント参加者をないがしろにしているわけではなくそれを当たり前の前提として、本文にあるような外部が見られていないことを指摘したのだ。