Ryo Okube
TEDx Experience [日本語版]
6 min readFeb 24, 2016

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TEDxYouth@Kobe2016を終えて代表としておもうこと。

クロージング6組7名のスピーカーと

2016年2月21日。神戸市。ポートアイランド中埠頭のジーベックホールにて2回目になるTEDxYouth@Kobeが開催された。

7月のキックオフから8ヶ月間、約60名のメンバーで準備を進めてきた集大成のイベントは無事終了したのではないだろうか。

当初、頑なに代表をしないと言っていた自分は結局ある好奇心に突き動かされ代表をしていた。

”TEDxを若者がつくるとどうなるのか”

という好奇心だった。

結果として、TEDxの本質はともかく、満足度という意味では社会人がつくるTEDxと遜色なかったように思う。

人としてのホスピタリティや、運営力において多少の荒削りな部分はあったものの大方同水準まで持っていけるのではないだろうか。

(もちろん、多くの大人の補助はあったし、定量化できるものではないが)

代表として、そして、一運営スタッフとして正直な気持ちを書こう。

当日アルパカが参加者を出迎えた

実際、書くかどうか迷ったが、これを素直に書くことが”奥部諒らしさ”だと思う。

8~10月にかけて。

なんども辞めたいと思った。

正直、全く楽しくなかった。

それは、TEDxがではなく「~すべき」という言葉が原因だった。

僕は昔からお世辞にも人に好かれるタイプではなかった。

原因は色々あるが、1つには言葉のキツさだった。

親しくしているメンバーは僕のことを、そしてコミュニティのことをおもい「りょうはもっとこうすべき」というアドバイスをしてくれていた。

しかし、その”すべき”という言葉が、まるで僕をみんなの好む奥部にしようとしているようでとても辛かった。

10人いて10人から好かれだしたら終わりだ。

たった1人、2人に好かれたら良い。

これが僕の考えだった。

これは今も変わっていない。

みんなの為にとアドバイスしてくれる言葉は正論ながらすんなりと受け入れることはできなかった。

みんなの求める自分になっていくことが恐怖だったからだ。

しかし、次第にペルソナを作り上げていくことになった。

なので、コアのメンバーとそれ以外のメンバーとでは僕の印象や認識は異なるだろう。

コアのメンバーにはとても辛い思いや嫌な思いをさせたと思う。反省している。

これは言い訳かもしれないが、僕は誰にでもそのような言葉使いなのではない。

信頼しているから任せるし、少し上からかもしれないが成長してほしいから「考えて」と言う。

決して嫌いだから、傷けたいからではないということをここで言い訳しておく。

写真用フレームでぱしゃり

さらに、辛くはなかったが、たくさん言われた言葉がある。

「代表は働かないものだ」

この言葉だけは最後の最後まで、そして今でも納得していない。

正しいかどうかはさておき、僕の代表の定義は以下の3つだ。

・誰よりも働き

・ビジョンを示し

・機会を創出する

誰よりも働かないのが代表ではない。

代表には代表しかできないタスクがある。

それは決して楽なものではない。

他のメンバーと同様大変だ。

決して働いていないわけではない。

(もっとも多くのこれを、お読みの方々はそんなことは百も承知だろう。しかし、世の中には勘違いしてこの言葉を使っている人もいるということだ)

そして、最も大事な役割が3つ目の

「機会を創出する」

だ。

当初、自分の求めるTEDx像というものが僕にもあった。

はじめはそれを目指していた。それを目指すことが正しいと思っていたからだ。

しかし、最後の最後。リハーサル当日の準備の段階で悟ることになった。

(それの少し前から薄々は感じていたが、はっきりと言葉になったのはこのときだった)

ここはコミュニティだ。

自分が目指したいものを目指すのではない。

自分は指針を示すだけでいい。

後は、みんなが創り上げてくれる。

それぞれの価値を持って。

リハーサルは会場をうろうろとしていただけだった。

時たま判断に迫られることはあったが、大したことではない。

MCとスピーカーのトークに集中することが出来た。

それはひとえにメンバーが自立して動いていたからだ。

準備の段階を見ていると自分のイメージとは大きく違った会場が、雰囲気が出来上がっていた。

もちろん、良い意味でだ。

自分の想像のなんとちっぽけなことか。

当然だ。みんなそれぞれ、素晴らしい感性とスキルを持っている。それらの総和は僕のちっぽけな想像力など足元にも及ばない。

こんなことに最後の最後まで気付かなかった自分の馬鹿さ加減に腹がたつ。

ただ、唯一自分を最後に褒めておこう。

機会を創出することはどうやら成功だったようだ。

facebookやLINEでのみんなの投稿を見ていると、僕は素晴らしい機会をみんなに提供できたようだ。

もちろん、イベントは関わってくれた全ての人がいなければ成しえなかった。

僕だけの功績ではもちろんない。

しかし、少しだけ、自分を褒めさせてほしい。きっと、これくらいは誇っていいはずだ。

メンバー、参加者、パートナー全ての人にとってこのイベントが兆となっていれば幸いだ。

関わってくれた全ての人に感謝を込めて。

TEDxYouth@Kobe2016 代表

奥部諒

アフターパーティ会場神戸どうぶつ王国にて

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