読書スピードを上げる。

実際試して効果があった3つの方法

森哲平
テッペイの森
6 min readJan 10, 2018

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最近、読書のスピードが上がった。スピードだけが読書なわけじゃないけれど、この方法を試したら、集中力も上がったせいか、中身の理解も深まった気がする。

読書方法については、それこそ、それだけで本が何冊も書けてしまうくらい様々な方法があるし、書かれてもいる。そんな読書論に関する本を自分も何冊も読んではいるし、試してもみた。ただ、今回はとても「腑に落ちた」というか。「読書スピードを上げよう」として意識して取り組んだわけじゃないけれど「結果としてとんでもなくスピードアップした」方法を3つご紹介する。すっごいMediumっぽい記事だよ(笑)。

スマホを持ち歩かない

まずはこれ。いきなり身も蓋もない話だけど「スマホを持ち歩かない」。これ以上の効果が見られる方法って、多分ないわ。それくらい、スマホは読書を阻害してる。

スマホを持っていると、読書スピードが下がるだけでなく、本を読んでいても集中できない。読書の「あじわい」自体が変質してる気がする。

これも意識して「よっしゃ!スマホをやめよう!」ってしたのではなく、「今日はやけに集中できたな」と思ったら、手元にスマホがなかったという経験を繰り返し、「やっぱりこれが影響してんのか」と気づいた、腑に落ちた。

スマホなしなんて考えられない!って思うかもしれないけど、持ち歩かないと、それはそれで平気なもんだったりする。それに「スマホなしなんて無理無理!」って人は、無理!と強く思うほど、つまりそれくらいスマホに集中力を持ってかれてるってことだ。そういう人ほど「手放す」だけで効果が断然変わってくると思う。

手元にスマホがあると、数ページ読んで、すぐSNSの通知どうなってるかな?などと気になってしまう。特に文学作品や、精緻な学術書は読書するのにスキマ時間ではなく、それ相応のまとまった時間を必要とする。スマホがあると、この「まとまった時間」、時間チャンクが、フラグメント化してしまう、というわけだ。

並行してたくさんの本を読む

「これを読み終わったら、次の本を読もう」。これは本に対して非常に礼儀正しい態度って気がするけど、可能なら読書はどんどん「浮気」でいったほうがいい。読みかけ、読みさし、読み途中上等。同時にたくさんの本と「付き合」おう。そうすると、それだけで読書スピードが上がる。

これも気づいたらいつの間にか始めていた方法なのだけど、読書していると、一冊の本の中にも、当然ながらおもしろい箇所、つまらない箇所はあるし、いくらおもしろい本でもずっと読んでいると、そのテイストに飽きがくるというか、慣れてきてしまい、刺激が薄くなったりする。退屈を感じたとき、人は読書ペースが遅くなるし、吸収力も下がってしまう。

読書数が少ない人、読書が苦手な人は、その「つまらない箇所」「飽きがきたタイミング」で引っかかってしまうのだ。そして、そのタイミングで、読書以外の誘惑や用事にかまけてしまい「本を読む」習慣が一時的に消えていってしまう。

また、特に長尺の本は最後まで読み通すのに時間がかかるから、「これを読んでから次の本に行こう」って考えると、一体次の本読めるのはいつの日になるのか......好奇心を持続させるのがなかなか難しい。

食べ物だって、その日の気分で、おいしくも感じれば、イマイチと感じるときがある。毎日カレーじゃ、相当のカレー好きでもないかぎり、「何か別のものが食べたい」と思うだろう。

読書だって同じ。体調に合わせて「今日は濃厚な長編文学作品が読みたいな」って日もあれば「いや、短編かな。さらっとね」「ビジネス書でも読んで気分変えるか」「話題の本、今に触れたい」なんてときもある。

今日は何を着ていこうかな。それと同じノリで、さっとその日の本をセレクト。何冊でも読みかけの本を増やしていこう。それで最後まで読めないようなら、その程度のおもしろさの本だった、ってことですよ。

ちなみに今、自分は、メルヴィル『白鯨』、トールキン『指環物語』、グラス『ブリキの太鼓』、ユゴー『レミゼラブル』、育児書、都市論、猫関連本、フェミニズムエッセイを同時に読んでいる。

どんどん本を積もう

「同時並行で読む」ことにも関連するのだけど、気になった本は買うなり借りるなりして手元に置き、いわゆる積読、どんどん本を積み上げていこう。

本なのか積み木なのかジェンガなのか。わからなくなってからが積読の醍醐味、本領発揮よ。いつまで経っても読まれない、手にさえ取られない本は、やはりこれも、所詮それまで。その程度の優先順位だったと考えればいい。

何もしなくても自分は毎日変化してるのだし、本を読んでまた変化するときもある。以前は読みたいと思った本が今はさほどでもない、なんてことは珍しくない。それでいいじゃないか。誰に頼まれて読めと言われたわけでもない。基本、読書はあくまで趣味なのだから、いちいち過去の自分にとらわれてしまうのはもったいない。

積読の塔がいよいよ崩壊の危機になったら、今自分が興味のない本を、そっと本棚に入れてしまおう。本棚にある限り、大丈夫。いつか興味が「そっち」に行ったら、また手にする機会もあるでしょう。

積読はワードローブだと心得よ。そのときの気分でわがままに、自分らしく。好きな本を手にとればよいのではないだろうか。

以上の方法を無意識に実践したら、自分は読書スピードがかなり上がった。すんごい読書家さんからしたら大したことないのかもしれないけど、昨日は2冊、合計650ページを1日で読み終えたくらい。

別にSNSを始終ウオッチしてたって、そこに何が書かれてるわけじゃない。本なんて読んだって読まなくたって同じこと。イヤイヤながら我慢して読んだ1冊より、心から楽しいと思った一行のほうが「残る」。読書するなら真剣に。でも「交際」はいろんな人としたほうが楽しいよね。

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森哲平
テッペイの森

1979年兵庫県生まれ。2011年より徳島に移住。2015年から徳島市沖浜町にて私設の図書館や子ども向けプログラミング教室を運営している。