1/20 京都-東京 Game1

じゃり
The Chewing Gum
Published in
4 min readJan 21, 2018

田中のようなどこからでも点が取れる選手に対するピックを守るのは難しい。1つのやり方としてはハードヘッジ(スクリナーのディフェンダーがボールマンを止めて、戻る)がある。ダブは機動力があるのでこれができるが、スミスには厳しいと思われる。

高さのある田中の場合ここからパスを捌かれるのも怖い。中へのパスが出されてしまうとこのようにディフェンスは破壊されてしまう。

ということからダブを欠いていた最近のハンナリーズではこういう相手に対しては「ビッグマンが引いて、ボールマンディフェンスは後から追いかけてプレッシャーをかける」という守り方を採用することが多い。

このようにドライブインに対してはスミスが引いて対応し、ボールマンにはプレッシャーをかけた状態でミドルを打たせる、というものだ。ここで重要になってくるのが岡田のファイトオーバー(スクリーンに対し上から付いていく)だ。これが遅れると、ノープレッシャーでシュートを打たれてしまう。

岡田が田中に付いて行けてないとこのようにフリーで決められてしまう。ピックを使う前に田中が逆方向へのワンフェイクを入れることで、岡田か一歩遅れてしまっている。下記の参考動画の最初の数プレーで言われているようなディレクション(体の向きで相手に行かせたい方向を決める)という守りははっきりとは見られなかった。ちなみに参考動画では利き手じゃない方に行かせろと言及している。

※参考動画

またそれだけでなくフィジカルで劣る岡田がスクリナーに完全に引っ掛けられてしまったり、体勢を崩してしまうようなシーンも見られた。

ただ田中にあそこまでやられた原因を岡田1人に押し付けるのは間違いだ。例えば3Q始めに田中に3連発でやられた場面を見返してみよう。

1つ目のプレーでは、スミスが前半やられたカークを気にするあまり、田中とゴールを結ぶライン状にポジショニング出来ていないことからイージーレイアップを許した。もしこれがそういう指示だったならば、永吉のヘルプポジションが甘い、ということになる。

2つ目のプレーではスミスのポジションは良かったがカークにミドルジャンパーを許した。この守り方をするならばこれは仕方がないと言える。外れるのを祈るしかない。もっと言えば岡田が体勢を崩していなかったらパスコースを塞げたかもしれないが。

3つ目のプレーは、先ほどのカークにミドルを決められたせいでそちらにまた気がいってしまいスミスのポジションが悪い。

このようにチームとして守り方を徹底できなかったのも良くなかった。

個人的にはもう少し片岡に田中をマークさせる時間を試してみてもよかったのではないかと思ったが、正直彼もスクリーンの処理が岡田と比べて上手いかと言われると難しいところではある。

ただ、実際のところ田中クラスの選手を完全に抑えることは難しい。この試合も2Q前半の田中が出ていない時間帯に、オフェンスのミスなどもあり点差を離されてしまったのが痛かった。

ゲーム2ではまずチームとしての守り方を徹底する必要がある。その上で引き続き岡田を田中に付けるべきか否か。代わりに付けるなら片岡か晴山、大穴で内海といったところだろう。ゲーム1でも片岡や晴山が田中をマークするシーンもあったが、機会が少なかったのでどこまでは参考になるかは不明だ。フィジカル的には晴山がいいかもしれない。しかしそうするとSFを守れる選手がいなくなる。菊池はまだしも、バランスキーはこの試合でも内海がマークしてる時間帯集中して狙われイージーシュートを許してしまっていた。マブンガがいれば、バランスキーにマブンガ、田中に晴山、とできたかもしれないが。その辺りのトレードオフについて浜口HCはゲーム2でどのような答えを出してくるのか楽しみだ。

--

--