なぜイーサリアムを用いたDApps(分散型アプリケーション)が求められているのか

この記事は、Karl Floersch氏の「Ethereum in 101 Words, written by Karl Floersch」および「Why Build Decentralized Applications」を翻訳したものです。全てのクレジットは、Karl Floersch氏に属します。

The Concept of Decentralized Applications (DApps)

イーサリアムについての意見

イーサリアムはビットコインから派生した仮想通貨です。ビットコインは “非中央集権型の信頼”という一つの新たな概念を生み出しました。
我々は普段、政府や会社といったものを今まで当たり前の様に信用してきました。

そんな中、ビットコインは 新たな概念である“信用”をインターネットの世界に持ち込みました。ただ、ビットコインは所詮は通貨としての面に限られているという、一つの強みでもあり、限界でもありました。

そこで時代はイーサリアムという新たな“信用”を生み出すものにシフトしだしています。

イーサリアムは我々が信じることのできる一つのコンピュータ

イーサリアムを用いることで、理論的にはお金を生み出して信用創造を行う仲介人(銀行のこと)を排除することが可能になります。イーサリアムのブロックチェーンを用いて構築されたアプリケーション(完璧なものは現在存在していないが、取り組んでいるスタートアップ企業は数多く存在する)を開発している企業は、例えばeBayなどの企業の代替となることは明白でしょう。

つまり、売り手であろうが買い手であろうが、皆イーサリアムのアプリケーションの影響(恩恵)を直接受けることになります。

イーサリアムが人類史上最も“権力ある仲介人”として機能する業界は、例えば銀行、政府、クラウドファンディング、そしてレコードレーベルなど多岐に渡ることが予期できます。

原文:Ethereum in 101 Words, written by Karl Floersch

何故dappsは作られるのか

web3.0が叫ばれる今、非中央集権化への流れが進んでいます。Angular.jsのようなツールとともにウェブの開発方向性は、シンクライアント(ユーザー端末には必要最低限の処理をさせ、ほとんどの処理はサーバーで行う)から、シッククライアント(ユーザー側でほとんどの処理を行う)へと移行していることが目にとれます。この様な方向へのシフトの要因は至って明確です。

垂直的に進化している処理能力

私たちには、今までの様にその時点におけるプロセッサーよりさらに強力なものを作り続けることは永遠には出来ません。そのため、サーバーをスケールしていくには分散化されたいくつものマシーンを稼働させていく必要があります。ソフトウェアエンジニアは分散化されたモデルの重要性を理解する必要があるといえます。

今の時点で存在しているDAppsは、既存のスケーラビリティという概念を再構築しているだけでなく、根本的な側面からスケールが可能なように構築されています。

しかしそれだけではありません。DAppsは透明性を保証し、市場の効率性においても優位性を発揮する可能性があります。また、Dappsは巨大IT企業から権力を奪い、ユーザーにコントロール権限を与える力も持っています。

テクノロジーの発展とともに、Dappsを構築していくことは“カッコいい”ことから“必要なこと”へと移行してくるでしょう。

DApps開発は現段階でアーリーステージのフェーズですが、既に機は熟しています。今が、DAppsの世界に飛び込む絶好の機会であることは間違いありません。

原文: Why Build Decentralized Applications

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