現地に到着すると、かろうじて降ってはいないものの、駐車場は一面雨に濡れていた。これから晴れることは期待できなかったけど、とりあえずウェルカムシャワーを浴びなかったことはモチベーション的にも健全だったんじゃないかな。
とりあえずアップをしようと取り付いたのは5Qのライン。
ここではまさかの敗退。リップより先が湿っているということで諦めムードだったけど、僕はリップすら取れなかった。
引きつけがこんなに弱いなんて正直ショックだったな。次回もトライしたいと思うボルダリングらしい課題だった。
次に向かった先は本日の僕のターゲット
『瑞牆レイバック』ボルダー
白い巨塔を思わせる迫力ある岩にそのラインは引かれている。岩を囲む樹々がまっすぐに伸び、岩の高さを強調していて、本当にかっこいいボルダーだった。
ここではまず、スラブの2Qにトライしたんだけど、小川山ボルダーのそれとも違う、結晶の粗い花崗岩に四苦八苦。
曇りぎみで暗いせいか、ホールドとスタンスを探すのにも苦労させられた。
これまでの記事からも判るように、普段は御嶽のチャート系の岩を登っているんだけれど、あのツルツルに慣れると、花崗岩のザラザラは痛くて新鮮味があった。
ザラザラしてはいるけど、ヌメったらチャートよりもツルっと弾かれそう!
小川山の花崗岩はもう少しマイルドで、上半身をガツガツ使って登れる感じだったけど、ここのは鋭く皮膚に食い込んできて、それでいて接地面積も小さいせいか、どこかがヌメると途端に悪く感じた。
スラブはそれほど苦手ではなかったし、手応えもあったんだけど、とりあえず温存しようと思ってこのラインは見切った。
もうちょっとワシワシ登る感じのをやりたかったしね。
そういうわけで手をつけたのは、今回のターゲット『瑞牆レイバック』。
このボルダー、4mはあるんじゃないかな。とにかくロケーションもあいまってデカく見えたよ。
この高さでグレードは5Q。どう考えても恐怖核心。やりごたえは十分なラインだ。
ジムではやらないようなムーヴで、よじよじ登るんだけど、事前 にホールドを決めていけるような感じじゃなかった。
とにかく触ってみないことには始まらないし、手順もそれといって決まらないから、とりあえず登ってみた。
案外楽に上部付近まで進んだところで、スズメバチがリップ付近を飛んでいたんだ。これをしばしやり過ごして、もう少し上にいったところで、指先が冷えてしまった。
不意落ちはしたくなかったし、高さにも慣れたかったから、下を気にしつつ少し下ってから飛び降りた。
手応えはバッチリだった!手数は多いけど、特にパンプする様子もなかったし、スピードを上げていけば指が冷える前にたどり着けそうだ!
岩の高さからくる恐怖なのか、登れる兆しからなのか、気持ちはドキドキ、高ぶっていた。この気分、久しぶり!
気分が落ち着かないまま、しばし時間を空けて二度目のトライを開始したよ。僕はこのとき、この回で終わらせるつもりでいたんだ。
一手、二手と順調に手を進めていく。
初回のトライとなんら変わりなく、むしろ手足の効き具合は確認済み。このまま上のガバをとって、リップを叩く。
頭の中ではそんなシナリオだった。
でも、さすが僕。
なんだか思うように上に進まなくなってきた!w
どうなってんだ?!
ん〜。。なんてことはない。。
パンプした。
おいおい、冗談だろ。そんなに体力なかったっけ?
と思いつつ、なんとか上部に差し掛かったころには、パンプはもう疑いようもない状態だった。
とにかくこれ以上は指が開いてキケンと判断、やむなく岩を下りた。
思わず笑えてきた。
だってここまで僕はそんなにたくさん登っていなかったし、アップだってしっかりやっていたからだ。
さっきまでは好奇心でなんとかなっていたんだろうか。高さに慣れたと思ったら、今度は高さを知ってしまって、序盤から意識してしまっていたのかもしれない。
それに加えてこの体力の無さ。持久系のトレーニングは大嫌い。
身に覚えがあるだけに。。
やばい。
そう思っただけで、次のトライに手が伸びない。僕は一度指が開きはじめると、そこから回復するには一日は要する。でもここで諦めていいのだろうか。
次はもしかしたら別の切り口で突破口を見つけられるかもしれない。。
そんな都合のいいことはなかった。
結局3度のトライで僕の前腕は長モノは無理な状態に。。。
これにて今回の『瑞牆レイバック』トライは終了となった。
今のはナシよ〜、れいばっく。。。
れいばっく。。。。。
トゥ~ル~ル~ル〜
その後、日々の暮らしという課題にトライしたんだけど、一手目をとる時に補助的にヒールをするんだけど、このヒールをかけた時に脚をつってしまい、それ以降結局ヒールは掛かるものの、脚に力が入らず、全く進まず終了と相成りました。
帰ってから肉離れかと思う痛みがふくらはぎを襲った。
今回の瑞牆訪問では、これからもっと強くなるためにどうすればいいか、なんとなく見えてきたような気がしたよ。
以前の体に早く戻したいという気持ちもあるけれど、それよりももっと、強くなっているために、やるべきことを考えて実践していけたら、きっとこれからも楽しく登っていられるだろう。
そう期待したい。
ちなみに今回の訪問では、怪我人が出てしまったんだ。
普段一人で外にいるときは十分意識して登っているけど、パーティで行く楽しさは隙を作ってしまうのだろうか。クライミングは怪我するものだということを、改めて認識しないといけないと感じたよ。
マットを敷くときも、こういう敷き方をしたい、ここは隙間を埋めたいなど、遠慮無く言っていいよね。
降りたい場所や、不安なところはひとそれぞれだし。
外岩のときは特に、仲間内だけでなく、岩場を楽しむみんなの安全をみんなで考えながら楽しみたい。
仲間の安全は僕が守る!