海外でありがちなトラブルについて

Ka
The Europe Journal
Published in
5 min readNov 26, 2015
Electric Diner @ Notting Hill / photo by K

海外で暮らしていると日本のサービスの質がいかに高いかを身を以て体感することになる、というのはよく聞く話だと思います。

これは本当にその通りで、自分もここ3年数ヶ月の間に色々な場面で困らされてきました。ありがちなのが役所の対応の悪さ、レストランの店員の質などサービス系の品質についてですが、それ以上にこの時期に増えてくるのが暖房系のトラブル。ヨーロッパは家が古いこともあってかボイラーが壊れたり暖房が効かなくなったりすることが日常茶飯事のようで、色んな人からそういうトラブルにあった話を聞きます。自分の場合は家周りでは入居1ヶ月後に2回も断水してしまうという事案が発生し、シャワーどころかトイレもいけない、歯も磨けない、何もできない、という事態に陥ってしまいました。こういった色んなアクシデントを乗り越えながら、海外在住者は強くなっていくわけです。

そんな中、昨日サービス系の出来事で一悶着あったので事例をご紹介します。

昨日は同じ部署に日本から新しく配属された方の赴任日で、空港まで迎えに行くことができなかったのでタクシーを予約してあげていました。

念のため約束の時間の前にタクシー会社に確認の電話。予約したのは自分だが待っている人は別人であることと、到着ゲートで待ち合わせにしたいことを再確認。オペレーターによると、ドライバーはもう既に向かっているところで、こちらの要望通り着いたら到着ゲートの近くで名前書いたカードをもって待ってくれるように既に手配済みとのこと。

よしこれで安心だと思い、早めに到着していた赴任者にLINEでその旨を連絡。あとは市内にやってくるのを待つだけ・・・のはずだったのですが、集合時間を過ぎた頃に知らない番号から一本の電話が。

運転手:「もしもし、今到着したけどどこにいる?」

自分:「えっと、まず待ってるのは自分じゃなくて別の人なんですが、到着ゲートで名前のカード持って待っててくれるんですよね?」

運転手:「えー?今出発ゲートのとこに一時停車して出発ゲートにいるんだよ。こっち来てくれない?」

は?こいつ何言ってるんや?と固まる自分。

自分:「いやいや、到着ゲート待ち合わせって言ったじゃないですか。とりあえず車は駐車場に停めて、到着ゲートに来てください。」

運転手:「いやでも駐車場代たか・・・」

自分:「いいから言った通りにしてください。最初からそういう風に依頼してたんですが?」

いったん電話を切って、車を停めに行く運転手。あとで聞いた話によるとこの運転手はスリランカ人だったようなのですが、英語の訛りがひどくてコミュニケーションも大変。スムーズに会話しているように書いてるのは実は脚色で実際はすごくたどたどしい、あるいは泥臭い会話を繰り広げていました。

運転手:「おっけ、車停めてきた。で、君はどんな格好してるの?」

自分:「(だから待ってるのは俺じゃない・・・)えっと、日本人で、黒のジャケット着てスカーフを巻いてるみたいです。あとスーツケースが3つ、サイズは大中小。青いバッグも背負ってます。」

運転手:「うーん、そんなやついないけど。もっとなんか分かりやすい印とかないのか?」

自分:「到着ゲートでてすぐのベンチの近くにいるみたいですけど、見当たりませんか?」

運転手:「うーん、アジア人らしいのが見当たらない!」

自分:「てかちゃんと到着ゲートの前に行ってますか?周りに何が見えます?」

運転手:「行ってる行ってる!3階のShort Parkingに車停めて、そのまま同じ階の入り口の前にいるんだけど。」

自分:「(空港のHPで到着ゲートの階を調べて・・・)って3階って出発ゲートやん!到着ゲートちゃうやん!」

みたいな感じの押し問答を何回も繰り返し、最終的に赴任者とタクシーの運転手は合流。30分くらいずっと格闘してましたが何とかなって本当に良かった。。最終的には赴任者の近くにあるものを言ってもらって、彼も自分の会社に電話してアドバイスをもらい、何とかたどり着くことができたようです。

本当は赴任者に直接電話してもらえば楽だったのですが、空港で買ったSIMカードが動かず電話できなかったとのこと。会話を聞いていた上司(オランダ人)は横で「もういいから黒キャブ拾っていけばいいじゃん」とチャチャ入れてきてましたが、迎えにきた分お金取られてたと思うのでとりあえず本当に良かったです。

適当なタクシー会社を使うからじゃないかと思われるかもしれませんが、この会社なんと空港の送り迎えを専門とする会社。それでこれかよ!とそのサービスレベルの低さを疑わざるを得ません。日本だとこんなこと滅多にないと思うのですが、それが普通に起こるヨーロッパ。今更驚きはしないことと、こういったトラブルも英語で乗り切れるようになったことに自分の成長も少し感じます。(10年前はタクシー会社に電話するだけでも緊張してなかなか発信ボタンが押せなかったのに・・・)

というわけで、海外にこれから住もうとされている方々に於かれましては、どうかこのように適当な異国の文化を広い心で許容しながら、大らかに生活を送って頂きたい次第です。

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Ka
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Japanese base in Europe / ヨーロッパ在住の日本人。