自作キーボード Choco60を組み立てた

Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE
Published in
10 min readMar 22, 2020

HHKB配列の分割キーボード Choco60を組み立てたので、作った際に書いたメモを記事にまとめます。

なぜ自作キーボードを買ったか

私の働いてる会社の所属してる事業部では去年からフリーアドレスを導入していて、荷物は毎日ロッカーから取り出してます。フリーアドレスを始めてから荷物を取り出してセットアップするのが面倒で開発環境を整える気持ちが減衰してたのですが、新型コロナで在宅勤務になって作業スペースが広くなったことにより、環境を整える意欲が湧いてきたので、腰痛や肩こりに効果があると評判の分割型 自作キーボードを買って組み立ててみました。

分割型のキーボードで腰痛や肩こりが減る理由

これは整形外科に行った時に理学療法士の方に言われたのですが、ノートPCで作業すると肩甲骨が上がってきて、その状態を続けてると首が前に出るようになり、前に出てきた首を支えるため変な筋肉を使うようになり、その結果 肩こりや腰痛が発生するようです。

分割型のキーボードを使うと肩甲骨が下がるため、自然と姿勢が良くなり肩こりや腰痛が改善するようです。

なぜChoco60にしたか

分割型のキーボードは自作キーボード以外にもあります。既製品だと台湾 MiSTEL社のBAROCCOなんかが有名です。

最初は買ってすぐ使えるBAROCCOにしようかなと思ったのですが、キーキャップやキースイッチを自由に選びたかったので、自作キーボードから選ぶことにしました。

Choco60とHelix Pico

私が自作キーボードを買うのは2度目です。以前はMaker Faire Tokyo 2018で販売されていたHelix Picoという格子型の分割キーボードを組み立てて使ってたのですが、格子型のキーレイアウトになじめなくて使わなくなってました。

今回はChoco60という自作キーボードを買ったのですが、これはHHKB配列の分割型 自作キーボードです。Macbookのキーボードになれた自分の指でも違和感なく使えそうだったのでこれにしました。

ベゼルレス

HHKB配列の分割型 自作キーボードはChoco60以外にも販売されてるようですが、ベゼルが広めにとられてるキーボードが多かったです。ベゼルを広めに持たせて、その位置にねじ穴やスペーサーをおく方がたわみが減って剛性は高くなると思うのですが、ベゼルがない方がすっきりしてて形が綺麗だったのでベゼルレスのChoco60にしました。

HHKB配列

Happy Hacking Keyboardはだいぶ前に使ってました。その時はキーが足りなくて、不便で使わなくなってしまいました。

Choco60はスペースが分割されてるので、その位置に自由にキーを割り当てれば足りないキーの分をカバーできると思ったので、購入しました。

Choco60の購入

遊舎工房で買えます。

キースイッチの購入

Aliaz Silentという静音タクタイルスイッチを購入しました。

このスイッチは中国 常州のKBDfansが再設計したGateron製の静音タクタイルスイッチです。押してる感じがするタクタイルスイッチで、かつ静音の物がよかったので、これにしました。

以下は私が遊舎工房でキースイッチを試し打ちした時の感想です。

Aliaz Silent 60g
ドゥルドゥル感が最高。甲高い音しない。押してる感もしっかりある。

Gateron Ink Silent Black
音しない。軽すぎる。押した感ない。マック感

Helios
Silent Inkに似てるけど、こっちの方が押した感ない。若干軽い。

Roselios
静かだけど若干音する。いい押し心地

Zlient系

押し心地いいけど、若干音が甲高い。カンカン音

Zelious系

パンパンパンという音。少しうるさい。62gが一番好み。

Cherry系

音がカタカタする。苦手。

Gateron Silent Silent Brown

Redより好き。叩いてる感ない。Gateron > Kailh > Cherryの順で好き。

キーキャップの購入

Aliaz Silentと同じKBDFansのMDA Big Boneを購入しました。

購入前はChoco60はHHKB配列のキーボードでHHKB用のキーキャップはオンラインで多く売られてるからキーキャップ選びで困ることはないだろうと思ってましたが、Choco60で使われてるCherryMX互換のスイッチには通常のHHKB用のキーキャップはつけられなくて、その計画はすぐに頓挫しました。

さらにChoco60は一般的な6Uサイズのスペースキーではなく分割スペースキーを採用してます。左側に 2.75U 、右側に 1U + 2.25U で分かれてるので、これらのサイズのキーキャップを含んでるキットを探す必要があり、MDA Big Boneがそれらの条件にマッチしてたので、これにしました。

MDA Profile

MDA Big Boneの先頭のMDAはキーキャップのプロファイル(形)です。MDA ProfileはKBDFansのみが取り扱ってる形状で、DSAやXDAと同じくらいの高さで、指が触れる面が広く丸みがあるのが特徴です。形が綺麗で気に入ってます。

私はMDAを気に入ってるのですが、自分でキーキャップに刻印したい場合や一部のキーを単品購入したい場合はDSAとXDA Profileのキーキャップを買うのをおすすめします。遊舎工房とTALP KEYBOARDではDSAとXDAのBlankキーキャップを取り扱ってますが、MDAはマイナーなProfileなので、単品での購入はできません。

Profileについてはこちらのエントリが分かりやすかったです。

組み立て

こちらのエントリが参考になりました。

ダイオードの折り曲げにはサンハヤトのリードベンダーを使いました。

半田付けの際は耐熱マットがあると机を傷つけずに半田付けができて便利です。細かい穴が空いてるので、部品の散らばり防止にも使えます。

耐熱マットは秋葉原ラジオデパートのShigezoneで購入できます。

Arduino Pro Microのもげ対策

Arduino Pro MicroはUBSケーブルを外す際に、もげやすいことで有名です。エポキシ接着剤でもげやすい部分を補強したほうがいいらしいので、エクセルエポという接着剤を購入して補強しました。

エポキシ接着剤でつけた後のPro Micro

キーマップ

キーマップの書き換えにはQMK Configratorを使いました。

こちらの記事が分かりやすかったです。

キーマップは右スペース2つはIME切り替えに変更。あとCaps Lockを右下の位置に変更しました。

完成

Choco60は初心者にも作りやすいとても良いキットでした。キーレイアウトに変な癖がないので、使い始めてすぐそれなりの速度で文字をうてるようになりました。

改善点

スペースキーやシフトキーに使われてるロングなキーキャップを押した時に、スタビが甲高い音を出すのが唯一気になってます。中に何か敷き詰めて音を減らすと改善できそうなので、時間がある時にキーキャップの中にEVAを詰めるのを試してみたいです。

最後に

Choco60で入力するようになってからキー入力が速くなりました。肩甲骨が自然と下がるようになったことで、指と肩と腰の負担も減りました。今のところとても満足してます。

キットを制作・販売してるrecompile keysさん、素敵なキーボードキットの販売ありがとうございます。

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Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE

🗻Engineer, Maker 🎥http://youtube.com/@tichise