Maker Faire Tokyo 2018で展示してきました

Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE
Published in
11 min readAug 18, 2018

2018年8月4・5日に東京ビッグサイトでMaker Faire Tokyo 2018が開催されました。去年に引き続き展示で参加してきたので、その様子をお伝えしたいと思います。

去年はこんな感じでした。

ブース名

今年もペパボMake部(ブース名はPB Make部)の仲間と参加しました。

海外や地方のMaker Faireと違って東京のMaker Faireは参加しやすいので同僚にいっぱい声かけましたが、当週や前日に体調を崩したメンバーが複数いたので、当日は3人で展示をしました。

コマーシャルメーカーとして出展するとブース代を払わないといけないので、社名は今年も出しませんでした。(ただ、Maker Faire Tokyoの運営にはインターネット企業の部活動と認識されてるらしく、今年もサイバーエージェントさんやチームラボさん、KLabさんと接するブースでした。)

ブース代以外にも社名を使わない理由はあります。

うちの会社はがっつりIoT事業をやってるわけではないので、本業とのシナジーがさほど期待できないことから、会社の後押しは得られないと思って社名を使わないできました。今年も去年の流れで同じブース名にしましたが、今回2日間展示をしてMaker Faire・メイカームーブメントと本業が以前より近づいてるなと感じたので、来年は社名を使うかもしれません。

以下が近づいたと思う理由です。

  • 個人でMaker Faireを見に来た同僚が去年より多くいた。PMF(Pepabo Maker Festivalの略)という社内Maker Faireを東京と福岡のオフィスで何度をやってきた効果がでたかも。
  • 本業で一緒にお仕事してる社外の方がMaker Faireで展示してたり、本業のサービス利用者の方が会場でブースを構えてたり、本業のサービスで作ったTシャツをMaker Faireで着用してる方がかなりいた。

展示物 その1

今回もロボットボール Omicroを持っていっていきました。

1つはファームウェアだけ書き換えた安定版、もう1つは基板をいじったものをもっていきました。電波干渉によるBLE切断時に誤動作が頻発したので、当日はほぼずっと安定版で展示をしてました。

今回修正したのは以下の点です。

  • リングLEDを追加。LEDの色でロボットボールの進行方向が分かるようにした。あとスマホで色やエフェクトを自由に変えられるようにした。これらは後述するAki Party用
  • レーザー測距センサーなどを追加
  • BLE切断時の自動再接続機能
  • 誤動作の多かったApple Watchハンドジェスチャ操作モードの改良。ハンドジェスチャの閾値見直し

展示物 その2

スマートフォンでデザインの変えられるバッジMatledも持っていきました。長時間安定して展示できるようにするため、電源周りを修正して持っていきました。

プロダクトのサイズが小さくて、これを見に来た人よりOmicroを見に来た人がついでに見てくれることが多かったです。

次回展示時はもっと目立たせる工夫をしようと思います。

会場レイアウト

去年と同じビッグサイトでの展示でしたが、西1・2ホールという去年より広いスペースでした。展示ブース数は前年の450から600組に増えたようです。

2つ入口があるうちのキッズ・スポンサー展示の側だけを開放してたので、そちらに人が密集してたのがとても気になりました。

会場一番奥のエレクトロニクスブースに来る頃にはファミリーで来てる人はだいぶ疲れてました。全体に人がまんべんなく散らばるように、入り口は2つとも開放すべきだったと思います。

展示スペース

運営にロボットボールを動かすスペースをお願いしたら、周囲に壁のない変なスペースが割り当てられました。他のブースと離れてて浮いた感じだったので、展示がしづらかったです。

盗難の心配がない日本での展示だったのでまだよかったですが、これが海外だったら本当にやりづらかったと思います。

通信

ビッグサイトの通信状況は今年は去年と変わらずでした。無線LANやBluetoothなどで広く利用されてる2.4GHz帯は電波干渉がひどくて、僕のロボットボールのBLEは数分に1回切断してました。

去年の反省を活かしてスマホアプリに自動再接続機能を入れたので去年ほどは頻繁に切れませんでしたが、それでも定期的につながらなくなるので気をずっと張りっぱなしでした。瞬断ならリトライするのでいいんですが、混雑する12〜15:00の時間帯はBluetooth機器が見つかるまで1、2分かかってたので、手動再接続を繰り返し行いました。

5.2GHz帯は干渉が少なく快適だったようですが、ビッグサイトのためだけに5.2GHz帯の通信モジュールに変更した基板を設計・発注するというのも馬鹿らしい話なので、総務省にはぜひ限定的な開放していただきたいです。

来場者

中国や香港、台湾、韓国、タイからの来場者の方が結構来てました。グローバル化大賛成です。

東京でも英語で質問されるのはいいですね。ベイエリアの展示のときに用意した英語版プロダクトカードを持っていって正解でした。こんなに来ていただけるなら、もうすでにある繁体字版とタイ語版のプロダクトカードももっていけばよかったです。

チェコからはPRUSAの方々がきてましたね。他の国の方々にも展示で訪れていただきたいので、次から海外に展示しに行ったときはMaker Faire TokyoやNTのパンフを配りたいです。

運営の皆さん、パンフ or パンフの電子データください。

Aki Party

1日目の夜に 秋葉原 MOGRAで行われた

さん主催のAki Party に参加してきました。自分は2015年にMaker Faire Shenzhenのクロージングパーティーとして行われたAki Partyに参加したことがあったので、今回が2度目の参加でした。

昼間 Maker Faire Tokyoに出展してた人々がAki Party用に光る展示物を持ってパーティーに興じてました。東京の良さが溢れてて、とてもよかったです。

自分もAki Party用にOmicroのフルカラーバージョンを用意したんですが、足の踏み場がなくて動かせなくて結局見せずじまい。これについては2018年秋のMaker Faire Shenzhenでリベンジしたいと思います。

16時始まりの21時終わりだったので、19時にMFTの展示が終わってから1時間ほど駆け込むようにして参加してきました。落選者がいる中で貴重なスペースを割り当てていただいてMFTで展示を行ってるので、MFTの途中退席はできませんでした。来年以降、会場がビッグサイトから近くなると嬉しいです。

他ブースの展示物

Maker Faire Tokyo名物のエレクトロニクスやロボティックスブースは増えた感じはなく、「スポンサーブース」「Young Makers」「キッズ & ファミリー」「Food Maker」「クラフト」系の展示だけが増えてました。広がりが出るのはいいことだと思いますが、全体的にはマイルドになった印象でした。

展示をしていてじっくり見て回る時間がなかったので、気になった展示をいくつか紹介します。

秋月電子さんが出展してた高密度5×7ドット

小型RGBドットマトリックスモジュール。フットプリント小さめのマトリックスLEDが世の中になかったので、作りたくて作っちゃたようです。中は4層基板になってて、5×7と中途半端な数になってるのは、これがギリギリの配線だからのようです。

Matledで使える高密度マトリックスLEDを去年からずっと探してたので、16×16のマトリックスLEDも作ってくださいとお願いしときました。

フィリン

腹足で移動する生物を模した人工筋肉を使用した移動ロボット。

動いてるのか動いてないのか分からない速度でゆっくり動く、とてもかわいいやつ。

カクホタル

光の流れを自由にレイアウトできるイルミネーションボード。LEDモジュールは隣のモジュールが光るのに連れて自らも光ります。

モジュールでプログラムを組むみたいな展示が2年くらい前に世界的に流行った記憶があるのですが、これはそれらよりもアート寄りで先にいってる感じがしました。いろいろ応用が効きそうですね。

extbroom

ハリーポッターのクィデッチを実現するシステムを展示してました。

道路交通法があったり、技術的な難しさがあるから作る人が少ないのは分かるんですが、それでもMaker Faire Bay AreaやBangkokみたいにモビリティ系を展示する人が日本でも増えほしいです。

自分でも絶対にモビリティ系は作るぞ。興味ある方、一緒にやりましょう。

チェコの3Dプリンターメーカー PRUSA。6月にMaker Faire Prage 2018で展示するためプラハを訪れた際にオフィスを見せていただいた後だったので、日本のメイカーがブースにいっぱい集まってて嬉しかったです。

PRUSA訪問については別記事で詳細に書きます。

virtual Gimbal

SDカード型の手ぶれ補正装置。今回会場で一番ほしいと感じたのはこれでした。

まとめ

相変わらず世界で1番尖った展示物が集まるイベントでしたが、万人向けな展示が増えて去年よりはマイルドになった印象でした。

今のまま進めると特徴のないイベントになると思うので、運営の方々には海外のMaker Faire、特にMaker Faire Bangkokあたりの尖ったやつに行っていただいて、Maker Faire Tokyoの絶対に変えちゃいけない部分に気づいていただけたらと思います。

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Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE

🗻Engineer, Maker 🎥http://youtube.com/@tichise