シリコンバレーに行ってきました(8) / デザイン思考の発信地・スタンフォード大学 d.schoolを見学

Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE
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7 min readJun 15, 2017

アメリカ 4日目です。前回の記事はこちら

この日は2日目に見学したスタンフォード大学を再度訪れて、デザイン思考で有名なd.schoolを見学してきました。議論を活発化させるための工夫で溢れてました。me

2日目の見学については下の記事にまとめてます。

再びスタンフォード大学へ

2日目に訪れた時はHPに

d.schoolの定期見学ツアーは毎週金曜日に行われています。

と書かれていたので見学を諦めてましたが、後日再度確認したら

d.schoolに興味がある方は、ぜひツアーに参加してください! あなたは私たちが誰なのか、私たちが何をしているのか、どのように考えるのかを学べます。 ツアーは1時間ほど続きます(質疑応答の時間も用意されてます)、d.schoolの学生と卒業生があなたと経験を共有することにワクワクしてます。もしあなたが定期ツアーに参加できない場合、私たちはあなたが自主的にスペースを見学することを歓迎します。 私たちのドアはM-F、9–5で開いています。 私たちはあなたの探求の手助けをするために、ホットスポットと呼ばれるデザイン体験を作成しました。 私たちの空間全体でそれらを探しだしてください。

と別のページに書かれてたので、アポなしで見学してきました。

スタンフォード大学はGoogleのセルゲイ・ブリン、ラリー・ペイジやYahooのジェリー・ヤンなど多くの起業家を輩出してることで有名です。

スタンフォードの起業家 育成機関・プログラムとしてはビジネススクールが特に有名ですが、事業を育てる前段階である「アイディア出し」の際に用いられる思考法として近年日本のインターネット業界でも注目を集めてるのがデザイン思考で、それを学ぶことができるスタンフォードの授業カリキュラムがd.schoolです。

デザイン思考というのは、

他人の観察、共感、プロトタイピングの繰り返しによる探索、インタビューを通した検証などを行って人間の課題解決をはかるデザイナーのマインドセットをメソッド化したもの

であると僕は解釈してます。

デザイン思考には観察や洞察、ユーザーインタビュー、プロトタイピングの作業が欠かせません。それらをデザイン思考で有名なd.schoolが、どのような環境で、どのような道具を用いて、どのようにして教えているかが気になってたので、そのあたりを注意して見てきました。

こちらがスタンフォード大学の機関 Hasso Plattner Institute of Design、通称d.school。スタンフォードの学生は、どの学部・院に属していてもd.schoolでデザイン思考を学ぶことが出来ます。
中にはいってみました。中央にオープンスペースがあります。

上の写真の看板には

NOTHING IS A MISTAKE. THERE’S NO WIN AND NO FAIL. THERE’S ONLY MAKE.間違いというものはない。勝利も失敗もない。あるのはただ「創造」だけだ

と書かれてます。

看板の裏には

THE ONLY WAY TO DO IT IS TO DO IT.
(何かをやるための方法はただひとつ、「やる」ことだ)

と書かれてます。チャレンジと失敗に寛容なスタンフォード大学やシリコンバレーの企業の精神を表した、いい言葉ですね。

ロジカルに検証し過ぎないで、まずは試してみよう!みたいな感じでしょうか。

1階には、見学者にd.schoolの活動内容を伝える場所「ホットスポット」が設置されてました。見学大歓迎のようで、自分ら以外にも何組か来訪者がいました。課題解決のため、見学者とも積極的にコミュニケーションを取ろうという方針のようです。
インタラクティブなスペースを作るため工夫してるとのことでしたが、車をレイアウトしたのもその一環でしょうか。
各自が行なったアウトプットを共有するスペース。
キャンパスの壁にはd.schoolの受講生の顔写真が貼られてました。
検証用に作ったプロトタイプでしょうか
Teaching fellowについての紹介コーナー

d.schoolにはデザイン思考の習得を育むことを目的としたTeaching fellowshipという12.5ヶ月のプログラムがあるようです。

スタンフォードコミュニティの内部と外部の両方から来て、デザインやデザインの考え方を教えてくれるTeaching fellow(指導者)を探していて、 創造的な場に参加してくれることを期待してるようです。

外部のプロフェッショナルを招き入れて、より活発な議論をするのが目的のようですね。

Teaching fellowには以下が求められるとのこと

  • コースを教え、新しい方法を試し、新しい方法を構築し、プロトタイプを作り、さまざまなレベルで関係を形成すること
  • 小グループでも個別にでも働くこと。高いレベルの自律性
  • 同僚や大規模なコミュニティからの継続的なコラボレーションやフィードバックも愛する
2階は主にブレストスペース。椅子が全然ありません。ラップトップパソコンも見当たりません。
作業台とブレストボード、あとプロトタイプを作るための工具類が置かれてました。
Environments Collaborative Studio

Environments Collaborative Studioは人々が意図的に空間を操作して創造性を発するのをサポートするツールの役割を持ったスタジオで、新しい空間の創造や既存の空間の改造に興味のあるデザイナーに適しているらしいです。

d.schoolのスタートアップのアクセラレータプログラム、Launchpadの参加者のブレストボードのようです。
スタンフォード大学の正面のパームドライブ。午後はMakerFaire BayAreaの準備のためサンマテオに移動します。

4日目午後に続きます。

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🗻Engineer, Maker 🤖球体型ロボット omicroと複合現実を活用したマルチエージェントシステム Boundary Blurを作ってます。

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