NT金沢2024: Boundary Blur 球体型ロボットと複合現実を活用したマルチエージェントシステムの展示レポート
2024年6月22日(土)と23日(日)にNT金沢2024に参加し、「Boundary Blur:球体型ロボットと複合現実を活用したマルチエージェントシステム」を展示しました。本作品は一部の通向けの内容でしたが、来場者に興味を持っていただけました。本レポートでは、イベントの様子や準備、展示内容、得られたフィードバックについて振り返ります。
NT金沢の紹介と参加目的
NT金沢は、金沢駅地下で開催される一般の方も気軽に立ち寄れるスペースをジャックし、皆で「つくってみた」を楽しむ祭典です。2024年6月22日(土)と23日(日)の10:00から17:00に開催されました。私は今回が4回目の参加でした。参加目的は、「Boundary Blur」を広く紹介し、技術愛好者からのフィードバックを得ることでした。
前年参加時の投稿はこちら。
展示準備
NT金沢2024には北陸新幹線を利用し、トクだ値14を使って30%割引で移動しました。前日に現地に到着し、毎年利用している駅近くのドミトリー「Blur Hour Kanazawa」に宿泊しました。天候が崩れていたため、駅近の立地が非常に助かり、宿泊費もコロナ前と変わらず経済的でした。
イベント当日の様子
イベント当日は多くの来場者が訪れ、会場は活気に満ちていました。コロナ禍の間はブース数を控えめにしていましたが、今年は自分が参加した中で一番多い時と同じくらいに感じました。展示ブースの設営もスムーズに進み、予定通りに展示を開始することができました。多くの大学生や技術愛好者が訪れ、興味深そうに展示を見ていきました。
当日行った展示内容
今回の展示では、「Boundary Blur:球体型ロボットと複合現実を活用したマルチエージェントシステム」を紹介しました。
展示内容としては、以下のインタラクティブなデモを行いました。
- キューブのインタラクション: 球体型ロボットがキューブをぶつけられると反応するインタラクションを展示しました。これにより、ロボットの物理的な反応を来場者に体験してもらいました。
- LeapMotion2による仮想空間との連携: LeapMotion2を使用して仮想空間に手を表示し、その手が現実空間の球体型ロボットに影響を与えるデモを行いました。これにより、仮想空間と物理空間の相互作用を視覚的に体験してもらいました。
これらの展示を通じて、来場者は球体型ロボットと仮想空間のAIエージェントが連携して動作する様子を実際に体験することができました。
ターゲット指定機能についてのデモも行いましたが、こちらはまだ完成度が低いです。
参加に関する振り返り
今回の展示では、いくつかの成功点と課題が見えてきました。
成功点
- ポスター改良: 論文要約形式に改良した結果、学生さんに読んでもらえるようになりました。
- 展示内容の改良: 展示内容が渋くなった結果、尖った方が長く滞在し、長時間話を聞いてくれるお客さんが増えました。お客さんが熱心に話を聞いてくださり、展示物について議論することできました。
課題
- コンパスの接続不安定: コンパスがたまに繋がらないことがありました。これはMaker Faire Kyotoでも見られた問題であり、電子工作クラスターとは相性が悪く、素通りされることが多かったです。
- インタラクションの地味さ: ターゲット機能の反応がいまいちで、手間と体験が釣り合っていない。
- xR展示の関心不足: 電子工作系の方のxR展示への関心が薄く、球体型ロボット側だけ見て離脱することが多かったです。
- LeapMotionの不具合: 全て接続状態でも手が表示されず、Macを再起動する必要がありました。また、2台のロボットに挙動が同期される不具合も発生しました。
改善点
- コンパスの接続安定性向上: コンパスが切れる原因を調査し、接続の安定性を向上させる。
- インタラクションの強化: キューブをぶつけられた球体型ロボットのインタラクションをブラッシュアップする。
- サッカーAIデモ: サッカーをするゲームAIが球体型ロボットを蹴って、お互いにパスをするデモを用意する。
- 掴み感の向上: 手の色や音で掴んだ感を出すように改良する。
- マシンのズレ補正: 左右の速度を設定で変えられるようにする。
- 複数ロボットのフォーメーション: 複数台のロボットを同時に動かし、フォーメーションを組む。
- WebBluetoothコントローラー: スマホコントローラを貸し出すと何もできないので、WebBluetoothのコントローラーを作成する。
- 移動予測とデジタルツイン: 球体型ロボットの移動場所を事前に変えるデジタルツインの活用。
- ロボットの外観改良: 目ではなく、口を作って動かし、目玉を動きに追従させ、絵文字表現を使う。
- 展示説明のUnityアプリ化: 展示説明をUnityアプリで行う。
まとめ
NT金沢2024での展示を通じて、多くの学びと改善点を得ることができました。特に、実際のユーザーからのフィードバックは非常に貴重であり、今後の改良に大いに役立てることができます。次回の展示では、今回の課題を解決し、さらに進化した「Boundary Blur」をお見せできるよう準備してまいります。