タイガースパイクのグローバルオフィス連携

こんにちは!UXデザイナーの堀口です。

気づけば今年も残すところ2ヶ月ほどになってしまいましたね…天気が安定しないここ数週間ですが、日々カレンダーを見るたびに確実に年末が迫っていることを思い知らされます。

そんな今日この頃ですが、つい先日お仕事で南半球のオーストラリアに行って参りました。南半球なので、あちらはこれからが夏!今は春真っ只中!日差しが眩しい!初オーストラリアでしたが、週末の1日は田舎に行ってみたり仕事の関係で郊外に行けたりで、思いのほか現地の魅力を満喫できた出張でした。

というわけで、今回はTigerspikeにおいてグローバルオフィスとどんな風に連携しているかをUXの視点から書いてみようと思い当たったわけです。

Tigerspikeでいう「グローバル」とは

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、Tigerspikeはもともとシドニーオフィスからスタートしました。そこから現在の9拠点へと展開して行ったわけですが、シドニーが始点だったからといって、そこが本社というわけではありません。というより、本社という概念がありません。

では会社としてどう機能しているか、というと会社の各役員が経営の必要に応じて所属拠点を変えていってます。例えば、現在のグローバルCEOは数年前にシドニーからシンガポール支店に引っ越し、CPOもシンガポール、ファイナンスのトップはシドニー、CTOとアジア統括はメルボルン、SVPはサンフランシスコ、と見事にバラバラです。そしてそれぞれ必要に応じて各国のオフィスに顔を出すのですが、このように本社がバーチャルなので現場の感覚からいうと役員がとても身近に感じます。各拠点の良さをどう伸ばすか、困っている部分をどうサポートできるか、を念頭に経営陣がフットワーク軽く動き回ってくれている感じがします。

では、UXは?というと、こちらも各拠点ごとに統括している人材はいるものの、グローバルの元締めのような人はいません。いちばん大きな理由は、各オフィスはそれぞれの地域のお客様と仕事をしているわけで、そのお客様もグローバルでビジネスを展開されているもののやはり国内企業です。よって求められるサービスも、仕事の進め方も、地域ごとに違い、各拠点は地域ごとに最適なやり方で仕事を進めることが是とされる雰囲気があります。

もう少し具体的な話をすると、例えばあるオフィスはデジタルプロダクトの開発部分を依頼される案件が多数あるので、必然的にUXの仕事は要件定義やアイディエーション、ワイヤーフレームやインタラクションガイドの作成に集中していたりします。対して、東京を含むいくつかのオフィスはよりUXの上流概念の依頼が多いので、UXの範囲は顧客リサーチやUX戦略の構築、ステークホルダーとの合意形成のアクティビティが主になります。また、各国の文化的な背景から、お客様とのやり取りの違いやビジネスカルチャーの違いが生じます。そのような泥臭い部分の情報も、まだ十分ではないですが、オフィス間で共有し始めています。日本に来たことのないデザイナーは海外でも知られている日本の大企業のプロジェクトについて興味津々ですし、東京のメンバーも他拠点の働き方に色々な刺激を求めています。

プロジェクトにおいてのグローバルリソース

情報共有の他に、実際のプロジェクトメンバーを他のオフィスから調達して助けてもらったりもします。もちろん色々な調整が必要になりますが、プロジェクトの内容によっては、これまでほとんどの拠点から誰かしらをサポートで送ってもらいました。もっとも来日が多いのはエンジニアのリソースですが、先日のオーストラリア出張でもメルボルンのUX/UIデザイナーに作業を手伝ってもらいました。東京メンバーのみで作業を実施することも可能だったのですが、リソースの空きや費用の節約、また現地のデザイナーが参加してくれるメリットがとても大きく感じられました。オーストラリア特有の言い回しだったり、各地域のちょっとした説明や、彼自身のオーストラリアでの体験も、それぞれ些細なことですが、振り返るとグローバルカンパニーの資産が実感できたと思います。

東京オフィスのお客様は国内企業と前述しましたが、案件によってはステークホルダーにお客様の海外拠点の役員の方が含まれる、プロジェクトのアウトプットがグローバル展開する予定なのでアウトプットが英語でないといけない、海外の視点も欲しいのでTigerspike側のメンバーに他国からの人材も入れて欲しい、など様々な要求が存在します。そのような場合も、各拠点に打診し、タスクに合ったリソースをアサインしてもらえるようにオフィス間で交渉します。調整が取れたら、めでたくメンバーが東京オフィスに来て、プロジェクトの実施期間一緒に仕事をするわけですが、その間仕事の他に一緒にランチを作って食べたり、飲みに行ったりして、仲良くなったりします。

プロジェクトには直接関わりはありませんが、バーチャル本社のメンバーが東京オフィスに来ることがあります。最近では東京オフィスが新居に引っ越した暁に、グローバルCEOとアジア統括者がオープニングパーティーに出席してくれました。日頃お付き合いさせていただいているお客様もお招きしたイベントでしたが、パーティーの準備から後片付けまで一緒になってやってくれること(CEOが黙々と空き缶を潰してゴミ箱に捨ててくれる)に、静かに感動し、他のオフィスでもそんな雰囲気が共通しているそうです。そんなフラットな関係を役員自ら作り出すことで、国間や役職の違いを感じさせないことが、Tigerspikeのグローバルなんだと思います。

グローバルの多様性と共通化

ここまで読まれた方はもう察しているかと思いますが、各拠点でのUXのアウトプットはあまり共通化されていません。バラバラで良くないと捉えるか、各オフィスで多様性があっていいと考えるかですが、個人的にはオフィスでの経営が成り立っていれば無理にグローバルで揃える必要性もないと思います。お客様のことを一番良く分かっているのは各オフィスの人間なので、最適な解を見出す判断を委ねられている、と言ってもいいでしょう。

ただ、そうはいっても企業としての統一感やブランドを意識しないわけではありません。例えば、会社のブランドガイドラインを管理しているチームもありますし、外部へ出すアウトプットの見た目や構成はおおよそ統一されています。また、最近では一部のワークショップに使うツールキットをまさに作成中で、各地域での使い勝手はどれほどのものか、楽しみにしています。UXに関しては、体系立てていないものの、必要に応じてアウトプットを共有したり、ケーススタディとして同じような課題やクライアントの経験があるメンバーに直接アドバイスをもらったり、などといった情報交換もされ始めています。その一貫で、各分野(UX、営業、テック)の代表が各オフィスから集まって、グローバルのサミットを開催されており、さらに垣根なく情報交換が活発になることを期待しています。

今年行われたGlobal XD Leadership Summitの様子。最終日なのでハッチャケてます。New Yorkにて。

企業がグローバル、ということ

様々な企業がビジネスを世界中で展開する中、「あの会社はグローバルだ」ということを頻繁に聞くようになりました。以前はモノやサービスを各国で展開していることが「グローバル」なんだろうな、くらいにしか思っていなかった節もありましたが、Tigerspikeに入社してからこの会社の「グローバルであること」とは、多国でビジネスをしているということ以上に、各地域のビジネスを各地域のオフィスを信頼して任せる、ということだと感じています。もちろん、最低限のコーポレート・ガバナンスが整った上でのことですし、各オフィスの成績はビジネスの良し悪しでシビアに評価されるわけですが、UXデザイナーとして働く身としては、責任感も与えられながら心地よく働けるグローバル企業の一つの在り方なのかと思っています。

最後に

現在Tigerspikeでは、世界中の人と一緒に仕事がしたい!という熱意のある方を募集しています。詳細は弊社HPもしくはGreenをご覧ください。みなさんのご応募お待ちしています。

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Tigerspike Tokyo | タイガースパイク 公式アカウント
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タイガースパイクは、人間に寄り添うデジタル・プロダクトを開発するグローバル企業です。 洗練されたUXアプローチと最先端のモバイルテクノロジー、独自の合意形成ノウハウを組み合わせて本物のデジタル・プロダクトを提供できる、世界でも数少ないプロフェッショナル集団です。 現在、世界12拠点で事業展開しています。