社員全員でリモートワークできるだろうか?#1
こんにちは、UXデザイナーの中村です。
突然ですが最近は当たり前になりつつあるリモートワーク。このブログをご覧になっている方の多くもやったことあるよ、という方も多いことと思います。働き方改革の流れで、一番注目されている取り組みですよね。
Tigerspikeでは今、そんな「リモートワーク」について一つのチャレンジをしています。それは、社員20名全員でのリモートワークデーを導入する試みです。3月29日に第一回を実施し、6月と7月にも試験実施を予定しています。
私はTigerspikeでCHOとして自主活動を行なっているのですが(CHOとは、Cheif Happiness Officerのこと。前職で先輩が「社員がヘルシーに幸福に働けるようにする自主活動」として行なっていたのを真似してはじめました。)、社員全員でのリモートワークはその活動の一環です。
全員リモートワーク試験導入のきっかけは、社員の大半は東京の西側に住んでいて、オフィスがある浅草橋は遠すぎるという声が上がったこと。特に、一人の社員は通勤時間に片道1時間30分もかかっていて、どうにかしようということになったわけです。
そこで、毎月月末に実施している全社員参加のミーティングで「通勤の苦痛を解消するにはどうしたらいいか?」というテーマでブレストをしました。そこで見事1位に輝いたアイデアが「全員でリモートワークをする」だったのです。
もともとTigerspikeには「Work from Home」というリモートワークの制度があり、普段から家族の都合や作業に集中したい等の理由で手軽にリモートワークができます。リモートワークは通勤が不要なのですが、プロジェクトを複数抱えている社員は毎日打ち合わせがありリモートワークをしづらいので(Tigerspikeはクライアントワークの会社であるため)、全員でリモートワークの日を決めてスケジュールを調整しよう、ということになりました。
20人でも、全員の都合が合う日を決めるのは難しい
いざ実施しようと日程調整に入るといろいろな意見が出てきて、一時実施を断念しかけました。「ディスカッションではこの日に決まったが、他の日の方がいいはずだ」、「他の人の都合で自分は出社しないといけない」など。たった20人程度の会社でも全員の合意する一日を決めるのはこんなにも難しいのだと痛感しました。私は色々な人の意見に耳を傾けるうちにまとまりがつかなくなってしまい、代表の根岸に相談して、やってみないと分からないのでできる人だけでもやってみよう(任意)ということになりました。
実施してよかったこと3つ、改善点3つ
そして3月29日がやってきて、社員の約半数がリモートワークしました。実施後、参加者を中心に振り返りを行いました。その結果、良かった点と、改善点が見えてきました。
【実施してよかったこと】
1. 通勤時間がない分、プライベートが充実した
2. 作業効率が良い
3. オンラインMTGも意外と大丈夫…むしろ、大人数のMTGにはオンラインのほうが向いているかもしれない?
【改善点】
1. オンラインMTGでは音声をONにして反応したほうがいい
2. 子どもの長期休み以外で実施したほうが助かる
3. コミュニケーションが多い日はオフィスのほうがいい
良かった点
通勤時間がない分、プライベートが充実した
この時間にゆとりが出るという点は、特にママに非常に好評だった点です。ゆっくりとランチできたり、家事を余裕を持ってできたり。保育園に少し早めにお迎えに行けて、子どもたちが喜んだ、という声もありました。
作業効率が良い
「すごい集中できる(シニアUXデザイナー)」。朝は集中しやすく、その朝の時間を通勤ではなく作業時間に当てられたことが良かったようです。また、オフィスと異なり、他の人に声をかけられることもないので、そのことも集中のしやすさにつながったようです。
オンラインMTGも意外と大丈夫…むしろ、大人数のMTGにはオンラインのほうが向いているかもしれない?
ミーティングがオンラインでできるのかは不安要素でした。今回、社内だけのミーティングはすべてオンラインMTGで実施し、問題なく進められました。特に、全社員参加の週次定例ミーティングもオンラインで実施したのですが、「意外といつもの定例に参加するときよりも皆議題に集中している」というのは大きな発見でした。また、3人以上のミーティングでうち1人だけがオンライン参加だとそのオンライン参加者が発言しにくいことがありますが、全員がオンライン参加だと逆に対面のミーティング時と同じように全員が平等に発言しやすいこともわかりました。
改善点
オンラインMTGでは音声をONにして反応したほうがいい
オンラインMTGは私が心配していたよりも問題なく機能しましたが、一方で、「オンラインミーティングで、声だけの参加だと、みんな無言で聞いてるのか聞いてないのかわからなくて寂しい。」というフィードバックが複数人から寄せられました。顔が見えない分、自分の話が伝わっているか反応があったほうが安心して発言できるようです。音声のみのオンラインMTGではなく音声+ビデオでつなぐことも検討しましたが、女性陣から「支度が大変!」との反応があり(詳細はご想像におまかせしますが、、)、しばらくは音声のみのオンラインMTGの方法を探ることになりそうです。
子どもの長期休み以外で実施したほうがより集中できそう
子どもがいる社員からは、「子どもが部屋に乱入する」というお悩みがあり、他のパパ・ママ社員から圧倒的な共感を得ていました。子どもと一緒に過ごせることは嬉しい半面、作業に集中できなかったり、オンラインミーティングでマイクを入れづらかったりという課題が見えてきました。3月29日は子どもたちの春休み期間だったので、子どもたちの長期休みを除く日をリモートワークの日とし、作業に集中できる時間と子どもと遊ぶ時間のメリハリが付けられるようにしようと考えています。
コミュニケーションが多い日はオフィスのほうがいい
納品日直前などコミュニケーションを密に取る必要があるときは、やはりオンラインMTGでは限界があり、ぱっと話しかけられるオフィスのほうが作業がスムーズだという意見がありました。
改善アイデア
第一回の反省を受けて、第二回の全員リモートワークの日では改善策として次のアイデアを試す予定です。
1. 緊急連絡先を全員が見られる状態にしておく
2. オンラインMTGでは意識的に反応する
3. 子どもの長期休み、月初月末を除く日程で調整する
4. 勤務状況をSlackで連絡する←着席・離席時を明らかにしコミュニケーションを取りやすくする
いつもオフィスで働いている人たちがいきなり全員でリモートワークできるのか?第一回を実施した私の感想では「意外とできるかもしれない?」ということ。(もちろん、後2回の試験導入の結果NGの可能性もありますが…)どうやらオフィスでやったほうが良い仕事内容とリモートワークでやったほうが良い仕事内容は異なりそうなので、残り2回の試験導入でオフィスとリモートをうまく使い分ける方法を探っていきたいと考えています。
幸せなチームは良い仕事をし、良い仕事はユーザーを幸せにする
CHOは、私の本来の業務内容ではない完全な自主活動です。私はデザイナーとして、「デザインを通して人を幸せにする」というクレドを持っていて、その「人」とはユーザーやお客様に限らず、一緒にはたらく人も同様に考えています。一緒にはたらく人がハッピーに働けたら、仕事の成果(デジタルサービス)はより良いものになり、デジタルサービスを使うユーザーも幸せになります。Tigerspikeはカルチャーをとても大事にしていますが、私はカルチャーが重要というのは、「幸せなチームは良い仕事をし、良い仕事はユーザーを幸せにする」ということだと考えています。CHOの活動は、Tigerspikeのカルチャーの精神ともつながっていると信じています。
Tigerspikeのカルチャーや働き方については、こちらの記事もどうぞ。
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