UXデザインチームのナレッジシェア

UXデザイナーの石塚です。

気づけばTigerspikeにジョインして約1年が経とうとしています。

今回は、Tigerspike Tokyoのデザインチームで最近やっているナレッジシェアの方法や留意しているポイントについて書いていきたいと思います。

2つのナレッジシェアの観点

特に、規定のフレームワークがあるというわけではないのですが、Tigerspike Tokyoのデザインチームでは大きく分けて2つの観点でナレッジシェアを行っています。

1つは、各メンバーが今までのキャリアや業務で得た知識や得意な分野の情報を他のメンバーに共有する “ Advantage ” の観点があります。

もう2つは、各メンバーが興味のある分野やスキルアップ・キャリアップの観点でこれから身につけていきたいと思っている知識を学び獲得して共有する” Requirement ” の観点があります。

自分の「得意分野」を人に教える

“ Advantage “の観点でナレッジシェアを行う意義は大きく2つあります。

1つは、Tigerspike Tokyoのデザイナーの多様性にあります。

現在のTigerspike Tokyoのデザインチームは非常に多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されています。メーカーのUIデザイナーからキャリアをスタートして、UXデザインまで担うようになったメンバーも入れば、私の様に制作会社のエンジニア・広告プランナーからキャリアをスタートして、UXデザイナーになったメンバーもいます。そのため、一重にUXデザイナーといっても、バックグラウンドとして持っている知識や経験が大きく違うため、それぞれの得意分野が全く違っていたりします。

”Advantage ”の観点のナレッジシェアでは、それぞれの得意分野を他のメンバーに教える(もしくは教えてもらえる)機会を作ることを行っています。

プロフェッショナルとして学びの勘所がよくわかっているメンバーの “ Advantage ” な知識を共有してもらうことによって、自分自身で行うより効率よく未知分野のデザインのプロセス・フレームワーク・メソッドを学ぶことができます。

例えば、私の場合、元々広告会社のテクニカルディレクターだったので、Techの観点での情報収集のやり方や高速にモックアップを作る方法などをチームに共有するために、情報共有用のSlack Channelを作って定期的に情報を流すようにしています。

更にお互いの” Advantage ” を知ることによって、業務における役割分担を明確にすることも可能になります。

2つ目は、Tigerspike Tokyoのプロジェクトの多様性にあります。

Tigerspikeは、” We improve people’s lives through technology “をコーポレートビジョンとして掲げ、テクノロジーを活用して、主にはクライアント企業のデジタル・プロダクトに関するUXデザインのサポートを行っています。

サポートをさせていただいているクライアント企業の業種も、コーポレートのウェブサイトのWorksに掲載されている限りをの案件を見ても、金融・証券・保険・自動車・医療専門機器・航空会社・小売・エネルギー・メディア・政府官庁・ヘルスケア など、非常に多様になってきています。そのため、デザインに関する情報のキャッチアップ以外にも、それぞれの業種に関する専門知識やテクノロジーのトレンドのインプットがデザインプロセス・アクティビティの設計段階で重要になってきます。

しかしながら、膨大な情報の中から重要な事項を見つけ出す困難さや一度経験しないと使い勝手や難易度がわからないアクティビティやメソッドがあることも事実です。そういった時に、既に同じようなプロジェクトを経験済みのメンバーに情報共有をしてもらうことで非常に効率的にデザインを行うことが可能になります。

例えば、先日ターゲットユーザーの3−5年後の課題を解決するソリューションを創出するプロジェクトがあったのですが、事前に別の案件でフューチャーキャスト(未来予測)のフレームワークを使ったことがあるメンバーから事前に情報共有を受けていたので、非常にスムースにアイデア創出を行うことができました。

このように、各人の” Advantage ”を活かせるように、定期的に完了プロジェクトの内容をチームにプレゼンテーションする場を設けたり、気軽に自分の知っている情報をポストできるようにSlackのチャンネルを設けたりしています。特にプロジェクトの内容共有に関しては、共有する時間を、チームとしてだけでなくTokyo Officeとして確保したり、各プロジェクトのワークショップスライドにアクセスできるようにして、いつでもメンバーに対して情報共有ができるような環境を作っています。

自分の「これから」を学んで伝える

続いて、“ Requirement “の観点でのナレッジシェアですが、これは前述の通り、自分のスキルアップ・キャリアアップに必要な情報を自分で学んで、学んだ内容を人に伝える情報共有です。デザインスキルアップのために、デザインチーム内で誰も使ったことのないデザインフレームワークを使ってみて、Pros/Consをレポートする、ピープルマネジメントの観点から1 on 1 コーチングのセミナーに行き学んだメソッドをデザインチーム内で共有する、といったようなことが ” Requirement ” の観点のナレッジシェアに該当します。

“ Requirement ”の観点でのナレッジシェアはメンバー各人のキャリア志向や興味に依存しているので、例えば、UXデザイナーとして、UIデザインのスキルもより高めていきたいメンバーはUIデザインのスキルアップに関する情報を収集し、定期的にメンバーに共有するようにします。自ら率先して学んだ内容を他のメンバーがきちんと理解できるようにまとめ直し、伝えることによって、学習内容のより深い理解につながります。

私の場合は、効率的かつ有効なクライアントやチームメンバーとのコミュニケーションの方法に興味があるので、ピープルマネジメントの方法を学び定期的にデザインチームのミーティングで共有・実践するようにしています。

また、” Advantage ” と” Requirement ”の内容は相互作用することがよくあるように思います。例えば、” Requirement ”の観点でUIデザインスキルを上げるために、UIデザインのスキルを “Advantage ”として持つメンバーにレクチャーしてもらうといったようなことはチームの日常風景としてよく目にするところのように思います。

ナレッジシェアを行う環境の多様性

前述の通り、Tigerspike Tokyoのナレッジシェアの傾向として、” Advantage ” と” Requirement ”の2つの観点がありますが、どちらの観点においても、

・気軽に情報にアクセスできる

・負担にならない程度にチームのメンバーに情報を発信する場がある

・聞きたいことはいつでも聞いてOKという空気を作っておく

・(忙しくて↑が無理なら断ることもできる空気も同時に作っておく)

という、至極当たり前のことが非常に重要であると感じています。

そのために、

・Slackなどで気軽に情報共有できるチャンネルを作っておく

・チームミーティングで持ち回りで自分のスキルアップのための学習成果を発表する

・プロジェクトが完了したら、他のチームに対してプロジェクトの推移・結果を発表する場を定期的に設け、きちんと実施する

・プロジェクトの資料はクラウドで管理し、インターナルのメンバーであれば誰もアクセスできるようにしておく

など、ナレッジシェアに対して、内容に即した様々な方法を持つことで、メンバー間のナレッジシェアをしやすい環境を作ることによって、知識や知恵の相互作用が起こりやすいデザインチームを作れるようになると感じています。

最後に

現在Tigerspikeでは、一緒に楽しく仕事ができる仲間を募集しています。詳細は弊社HPGreenもしくはWantedlyをご覧ください。ご応募お待ちしています!

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