UX Design集団のEX Design

UXデザイナーの佐藤です。

先日、Tigerspikeは創立15周年を迎えました。そして、私もTigerspikeに入社して1年が経ちました。この1年はとても変化の多い1年でした。その中で一番変わったのは多分「自分が働き方を作る」「自分も組織を作る一員である」という意識になったという点ではないかと思います。

以前から「ESなくしてCSなし」という言葉を聞きますが、UXDesignのプロ集団としては「EXD (Employee eXperience Design) なくして、UXD (User eXperience Design) なし」と言えるのではないかと思います。実はEXDという言葉が存在することは、このブログを書くにあたり「働き方のデザイン」について調べている際に初めて知りました。ですが、TIgerspikeの中で行われていることはまさにEXDなのではないか?と思ったので、この言葉をタイトルに入れてみました。今日はそんな私たちのEXD、働き方のデザインについて書いてみます。

創造的な組織の作り方

Tigerspike東京オフィスの代表の根岸は、様々な形で良く私たち社員に相談をしてきます。相談しながら、みんなで職場を創っていくことで組織を活性化させ、組織のクリエイティビティを高めていくという考え方が根底にあるようです。そしてこの考え方を「創造的な組織の作り方」というタイトルでお客様の前でプレゼンしています。その際に使用する図が私は大好きなのでこの場で少し紹介させていただきます。(この「創造的な組織の作り方」の全編をお聞きになりたい方がいらっしゃいましたら別途ご連絡ください!)。

従来型の組織:自分の一部を真四角に切り取った状態で会社に行き、仕事をする

Tigerspike:ぐにゃっとした自分そのままで会社に行き(時には行かずに)仕事をする

私はこの図を見るたびに、「ぐにゃっとした私そのものを受け入れる」という大変なことを引き受けてしまったこの会社を心配する気持ちと、感謝する気持ちでいっぱいになります。

働く側としては「ぐにゃぐにゃを受け入れてもらえてありがたい!」という話ですが、会社としては四角く整然と並んだものを扱うのと、ぐにゃぐにゃしたものがランダムに配置されている状態では断然前者の方が扱いやすいはずです。ですが、後者を選ぶことで組織の創造性を高めていくということをTigerspikeでは選択しています。こんなぐにゃぐにゃしたものだらけの集団をいかに上手にまとめるのか、どう導くのか?それはとても難しい課題です。

ただ、このぐにゃぐにゃしたものたちにはひとつ良いところがあります。

それは「(多分)気持ちひとつで何にでもなれる!」ということです。

バーバパパという絵本をご存知でしょうか。まさにあんなイメージです。ロケットになって火星に行ったり、楽器になって演奏したりできるのです(比喩ですあくまでも…)。なので、「ぐにゃぐにゃな自分そのもの」でいることを許容してもらえるということは、四角にもなれるし、他のどんな形にもなれる可能性を秘めている!と私は考えますし、実際にみな変幻自在に姿を変えてお仕事したり遊んだりしているように見えます。

ただ、ここでポイントになってくるのは「気持ちひとつで」というところです。気乗りしないと猛暑の中、室外に放置されたアイスクリームみたいになってしまいます。なので、会社のメンバー達がいろんな形に変化できる可能性を維持することがTigerspikeのEXDにとってMVPと言えます。目指すべきものが分かったら、次はその運用方法の検討フェーズです。グニャグニャ集団の無限の可能性を守ることを、Tigerspikeでは「オフィスカルチャーを守る」という言葉で表現しています。そんな「オフィスカルチャーを守る」ために私が大切だと感じているものを今日は3つご紹介いたします。

1.オフィスマネージャーの存在

Tigerspikeでは、オフィスカルチャーを守る為の専属の職種として「オフィスマネージャー」という人がいます。オフィスマネージャーのお仕事は多岐に渡ります。いわゆる事務手続き(大きな会社さんだと総務部などが担当する業務)を引き受けてくれたり、オフィスでのアクティビティを企画・運営してくれたり、代表と一緒に組織運営を検討したり、グローバルの様々なオフィスと連携を取ったりと様々なお仕事をしています。

ただ、その彼女の仕事の全ては「オフィスカルチャーを守る」ということに繋がっているというのが特徴です。

このぐにゃぐにゃ集団の皆が

・それぞれの仕事に集中できるように。

・気分転換できるように。

・健康でいられるように。

・自然体でいられるように。

ということを常に考えながら、日々様々な業務に取り組んでくれています。

この「オフィスカルチャーを守る」ということを専門とした彼女の存在、彼女の仕事が、Tigerspikeで働くメンバーにとっての働きやすい環境を作り出していると思います。

2.アクティビティ

Tigerspikeには様々なアクティビティがあります。それはオフィスマネジャーが考えてくれることもあれば、皆で一緒に考えたり、誰かが提案して採用されるという事もあります。

少し例をあげると

・1分間スピーチ(毎朝11時に週末のことやお仕事のことなどを1人1分で話す)

・ヨガ(講師はオフィスマネージャー!)

・Lunch & Learn(社内TEDのようなもの。テーマは自由。例えば「株入門」「靴作り」「現代音楽」などそれぞれの好きなもの、得意なものについてプレゼンし合います)

・Friday Lunch(選ばれたシェフ3人がみんなの分のランチを作ります。

などなど。

このようなアクティビティを通じて、通常業務とは異なる形で関わることができ、お互いのことをよく知ることができます。もちろん無理にプライベートを開示しろとは言われません、人によって開示度は異なります。ただ、小さくても皆で仕事以外の時間を共有する機会があることで、自然とお互いの理解が深まり、結果として組織のデザインに役立っていると思います。

3.組織の運営を皆で話し合う

EXDは「HRのもの」という考え方が割とあるようなのですが、Tigerspikeの場合は全員でEXDに取り組んでいるということが特徴かと思います。最初に少し触れましたが、東京オフィスの代表は良く私たちに「どうしようか?」と話しかけてきます。年初の東京オフィス全体のミーティングの場では「今後会社としてどんな方向に進んでいきたいか」ということを問いかけることがありました。こうしたことをきっかけに、皆が自分のこととして組織の運営を考えるようになっていくのではないかと思います。また、このような組織運営に関する問いかけは代表だけが行うものではありません。

一つ、自分が体験したEXDの中で特に面白いと感じた事例をご紹介します。

テーマ

会社の休暇制度を変える

背景

会社の休暇制度の中で「Duvet Days」というものが年に2日ありました。これは直訳すると「掛け布団の日」という意味でして、朝起きて「今日は布団から出たくない!行きたくない!=ドタキャンしたい!」という時に取得できる休暇というものでした。

ところがこの休暇、日本人の気質に合わないのか東京オフィスでの取得率がほぼ0%。そこで、この制度を見直そうという提案がオフィスマネジャーからあり、この2日の休暇をどのような制度の休暇に振り替えるべきかを考える検討会が開催されました。

検討フェーズ

検討会は以下の流れで行われました。

  1. 各々採用したい休暇制度案を2つまで出せることになりました。ポストイットに書いて、壁に貼っていきます。
  2. 様々なアイデアが並んだら、それぞれに思いを説明します。
  3. 最後にシールを2枚渡されるので、気に入った制度の書かれているポストイットに貼り付けます。(同じものに2枚貼っても良いし、自分のものに貼るのもOKです)。

結果、以下の二つをDuvet Daysの代わりに東京オフィスの休暇として制定することとなりました(写真は出たアイデアに投票しているところ)。

<新東京オフィスの休暇>

  • 東京オフィスの創立記念日
  • 家族の記念日休暇(理由は任意。「この味がいいね」と君が言ったサラダ記念日でも、「君」が家族なら取得可能です)

「みんな意外と愛社精神があるね」という声が聞こえたり、「どんな記念日に休暇を取得しよう」と早速考え始めたり、「休暇日を決めること」自体が面白いイベントとなりました。

他にも細かいことをあげるとキリがないのですが、このような様々な活動を通して自分が組織の一員として「使われる」ではなく、「組織を作る、働き方をデザインする」意識を持つようになり、結果として皆がグニャグニャの面白さを維持していられるように思います。

最後に

現在Tigerspikeでは、一緒にお仕事ができる仲間を募集しています。詳細は弊社HPGreenもしくはWantedlyをご覧ください。ご応募お待ちしています!

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