Kota Suzuki / スズキコウタ
tiny little thingz
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5 min readMay 6, 2019

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長かったゴールデンウィークが終わりますね。実に10日間。それゆえにヨーロッパやアメリカをゆっくり訪ねている人もSNSで見かけましたが、僕は都外に出かけることはほぼなく過ごしました。

しかし、「僕のゴールデンウィーク」は、みなさんの暦通りの10日間ではありませんでした。もっともっと長い、まるで地底トンネルに潜り込んで、そして出てきたような感覚を覚えるような約200日間だったのです。

2018年9月5日。実は僕はある病気の診断を受けました。双極性感情障害。一種の鬱病です。

実際に診断された前後から、その病気の症状は現れ始めました。不眠症、ヒステリック、異常なほど執拗な孤独感、そして過食症。体重は15kg以上増え、常に何かにおびえた心境で時をダラリと過ごす。孤独と将来への悲観が頭から離れず、ベッドから出られなくなる時期もあれば、異常に機嫌が良くなり、いっぱいのお酒を飲んだり、過剰な買い物をしてしまったり。両極端で中間平均がない、波のある精神健康状態。

特に過食と買い物は異常で、気づいたら去年度のクレジットカード使用金額は、300万円を突破。物を買う瞬間と所有欲で一瞬は気分が満たされるけど、やがて元戻りして「何かが足りない」と感じるようになる。物を買うことでは快方に向かわないと学習してるつもりでも、結局繰り返す。その結果が、300万円という出費でした。

結局、当初3か月の予定だった療養は、1か月延長。今年に入ってからは、無報酬でリハビリ的に少しの編集作業をしてきましたが、フルタイムで働ける状況まで戻るには、さらに多くの時間を要し、気づけば、今回のゴールデンウィークに突入してしまいました。

この度、まだ病気が完治していませんが、NPO法人グリーンズの厚意もあり、ゴールデンウィーク明けの明日から、greenz.jp副編集長にフルタイム復帰することになりました。とてもありがたいことです。が。今の心境は、とにかく不安と恐怖心しかありません。

果たして自分は週5日・8時間を全うできるのだろうか?

僕の仕事で社会は良い方向に向かうのだろうか?

忙しく働いてたら、症状が悪化してしまわないだろうか?

挙げたらキリがありません。今、こうして不特定多数のみなさんに再出発の報告をすることさえ、緊張と不安が伴います。

でも、今、歩き始めることを再開しなければいけないんです。自分に甘えて療養期間に戻ることもできるけれど、通院してサポートをもらいながら歩き始める。この双極性感情障害という経験をいかせるならばいかして、コンテンツをつくり、学びの場をアレンジし、自分自身の成長と、みんな(=読者、受講生)の成長をシンクロさせていくことをさせて頂けるなら光栄なことです。

嬉しいことに、「グリーンズの学校」では新しいクラスのオファーをいただいてますし、「作文の学校」もやがて再開します。(僕の病気でキャンセルになってしまった際の申込者の方々、すみませんでした。)いきなりいっぱい始め過ぎるのも良くないですが、コンテンツ制、他団体とのコラボレーションも走り始めています。ほどほどにご期待を。

一方、僕個人としては、より心が安定していくための「暮らしのレッスン」をしていきたいなと思います。

恋人ができたら素敵なことだなと思いますし、きっとそれは孤独を埋め、心の安定につながり、仕事や私生活が充実することになるでしょう。何かいい機会があれば。あるいは、いいご縁があれば。お茶しましょう。

そして、いっぱい読書したいと思います。病がひどかった頃は、「無興味症候群」とでも言えましょうか、音楽にも本にも何も興味を持てなかった時期があり、いわゆる文化やコンテンツを嗜むことがゼロだったのですが、この数週は本をいっぱい読んでいて、いい兆候です。

そして、さっき髪を切りました。美容院は親しい友人の店に通っているので、不調な自分を見せたくなかった。そんなこんなで、のびっぱなし、ヒゲもろくに剃らない、見た目がよろしくない時期はありましたね、、、 先ほどは、工事中の実家のすぐそばの美容師さんに切ってもらいました。(親しい友人の店には別の用事でまた今度!)

双極性感情障害を患って一番の学びになったのは、現在のところ、人の心の痛みを慮る能力が高まったということかもしれません。僕は、精神障害を患っている社会人というマイノリティですしね。

この世には社会的弱者がいて、社会課題がたくさんあって、不条理に泣く瞬間がある。そんなときのリフレッシュタブレットのようなメディアが、greenz.jpではないでしょうか。苦しみを体験し、痛みに共感できるようになったからこその編集活動に邁進していきます。

最後に。みなさんに心配をおかけしないように、ごく一部の仕事の仲間を除いて、友人や仕事でおつきあいのあるみなさまには、このことを公表せずにウヤムヤでお休みしたり、ご依頼のお断りをしていました。この場を借りてお詫びします。ゴールデンウィーク中に友人には話しましたが、驚いている方は多いかもしれません。

それでは。

今後とも、NPO法人グリーンズを、スズキコウタを、よろしくお願いします。

2019年5月6日

greenz.jp 副編集長 スズキコウタ

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Kota Suzuki / スズキコウタ
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greenz.jp 副編集長 / 2kai Productions ミュージシャン&フリーランスエディターhttps://greenz.jp/author/kota/ https://www.wantedly.com/users/3287033