動画講義を振り返って

今夏のKPIは体重3kg減、奥出です。2016年度のEDP(エンジニアリングデザインプロジェクト)に参加していた僕がなんと2017年度のEDP-Aにて動画作成講座の一部を担当してしまったということで、その振り返り的な記事を書いてしまいます。嫁入り前にお読みください。

動画作成講座での自分のパート

さて、動画作成講座は去年度同じチームで活動した武蔵野美大の女の子のお手伝いさんとして協力したのですが、僕は動画のストーリー作成に関してのパートを担当させていただきました。ざっくりとその内容をご紹介します。

プロダクトを紹介する動画で、一番ストーリー構成が作りやすいのは、やはり「起承転結」の流れだと思います。さてそれでは起承転結とはどんな内容を盛り込めばいいでしょうか?僕なりの解釈はこうです。

起:注目した世界の前提、バックグラウンド

承:そこで問題が起きる

転:新たな製品の登場

結:問題の解決された世界

自分たちの製品が従来のものと比べてどう優れているか、自分たちがいることで、その製品があることで世界がどう変わるのか、そんなことを描きやすいのがこの構成かなって思い、実際に2016年度のEDPで作成された動画がその構成に従っていることを紹介しました。(別に問題解決だけが答えではないのですが、今回はわかりやすいので全編デザイン思考による”問題解決”の事例を取り上げています。)

本記事では、僕が参加していた「ヒゲときどきメガネ」が作成した「ちゅうこく柱」のムービーを紹介します

起:注目した製品(=農家で使われる三脚)の紹介

ヒゲめがねの怪しい男女。彼らはモノづくりのプロフェッショナル

今回のプロジェクトでは私たちはシニアりんご農家の農作業体験の再デザインというテーマに挑戦しました。その中でも特に注目したの三脚での作業。ここではまず三脚に注目したことが伝わるように既存製品の紹介をしています。

承:現状の問題点の説明

三脚から落下する作業者。確かに三脚って高所での作業では手に掴むものもなくて怖そう…

現在のシニアりんご農家では、多くの三脚事故が起きています。その事故の多くは、高齢者が無理をした体勢で作業をしていることが原因となっているものです。そんな危険をここでは見せることで問題点の理解を求めています。

転:製品「ちゅうこく柱」の登場

ちゅうこく柱は三脚の上部に取り付けられる手すりがたブザー

そんな問題を解決するべく登場したのが我々の「ちゅうこく柱」。シンプルに製品のみを移すことで場面の移り変わりを表現しています。

結:問題の解決

今度は危険な体勢になる前にブザーが知らせてくれました。

高齢者はなぜ無理な体勢で作業をしてしまうのか。その原因の一つに、自身の身体能力の限界を把握できていないという点があげられることにオブザーブとインタビューから気づいた私たち、危険の兆候を音で知らせるちゅうこく柱でその問題の解決を目指しました。実際に製品が機能する瞬間を見せることで、我々の提案の価値を伝えています。

このように、シンプルですが起承転結を用いた流れでストーリーを構成するのはとても作りやすく、慣れていなくてもそれっぽく作れるのでは、と思います。ぜひお試しあれ。

動画の効果

さて、ストーリーの作り方がわかったところで、「そもそもなんで動画を作るんだ?」という疑問について考察していこうと思います。

今回の動画の作成では約1分ほどの動画を作成してもらいました。そんな短い動画を作ることには大きく二つの効果があると思います。

① 自分たちの製品の価値を整理

短い動画の中で製品を紹介しなければなりません。そうすると、自ずと伝えたいポイントを絞って整理していく必要性が出て来ます。このプロセスを通ることで自分たちが本当に伝えたいことは何だったのかをチームメンバーと共有し、整理することができるでしょう。

② 自分たちの描く世界への納得感を得る

動画を作るということは、その製品がある世界を自らが演じることとなります。EDPでは、製品のデザインではなく、その製品を使うことによる体験のデザインをすることが求められます。演じていく中で、自分たちが注目した問題点って本当に違和感のないものか? 自分たちの製品が問題を解決していくストーリーは自然なものか?を考えるきっかけが与えられます。このストーリーが現実的でなかった場合、動画を作ってる段階で「これじゃない感」を感じることでしょう。動画のストーリーを自信を持って作れてこそ、自分たちの製品によって描く世界に納得できるというものです。

以上が僕が動画作成講座で伝えたかったことです。何割伝わっていたかわかりませんが、2017年度の参加者にはこの記事を読んで僕のことを思い出してほしいなって思います。それではまた別記事で会いましょう。

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