2016EDP参加学生インタビュー

どうもこんにちは。2016年度のEDP(エンジニアリングデザインプロジェクト)に参加していました東京工業大学経営工学系修士2年の奥出です。

僕たちの世代も無事就活も終えて今はみんな修論に追われてる頃かと思います。(修論ほとんど手をつけられていなくて本当にごめんなさい)

そんな僕たちですが、EDPに参加した東工大生たちにとって、EDPはどんな場だったのでしょうか?どんな影響があったのでしょうか?

3人の学生に飲み会ついでにインタビューしててみたのでどうぞご覧ください。基本的に飲みの場での会話をそのまま文字に起こしただけなのでゆるい気持ちでご確認ください。

チームsquad「佐藤慧一」編

イケてる男、佐藤くん

佐藤慧一:工学院機械系機械コースに所属。チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム(CBEC)の一環としてEDPの講義に参加。人と話し意見を出すことが好きで、“ある社会課題を解決するためのモノ・コトづくり”に興味を抱き受講を決めたと本人談

奥出「佐藤君!久しぶり早速ですがインタビューです!といっても普通に飲みながらお話ししましょうってテンションだけど(笑)」

佐藤「(笑)了解でーす」

奥出「まずは、EDP本当にお疲れさまでした。」

佐藤「ありがとう。お互いお疲れ様」

奥出「ざっくりした質問だけど、squadはどうだった?」

佐藤「んー。最後にバタついてとにかくいろいろやったかなーって感じ」

奥出「いろいろやってたねー。迷ってた感めっちゃ伝わってた。個人的なsquadの推せるポイントは、東工大生メンバーが全員最終レポートで『美大生が本気を出せる環境を作れなかった』みたいな反省を書いてたってとこなんだよねー」

佐藤「いやー、それは間違いない(笑)。本当に美大枠の子がうちのチームのキーで、ところどころすごい力を発揮してくれてたんだけど…自由な発想を受け止めきれなかったというか。。。」

奥出「なるほどねー。そんな美大学生の自由な姿見て、自分の中に何か影響はあった?」

佐藤「あったあった。なんていうか、美大の子は理系っぽい考え方を嫌うんだよね。東工大生だけで話してると、言葉で論理的にーみたいな似た思考だけで進んじゃうけど、それを見直すきっかけをくれてたと思う。具体的にどういうときだったかってのは上手く説明できないんだけど…」

奥出「squad班はオレのチームと近い席で活動してたからずっと見てたし、そっちの東工大生からも美大生からもチームに関する相談みたいなの受けてたから苦悩の様子は割と知ってる(笑)。相談受けてく中で、最初は東工大が美大生の考えに近づくように誘導しようって思ったけど、オレも理解しきれてないから無理だなってなった(笑)」

佐藤「ご迷惑おかけしました(笑)」

奥出「で、今度は美大の子が東工大生と議論できるように、少し言葉にするお手伝いをすればいいのかなぁって思ってそっちとも話してみたんだよね。でも、美大の子が一生懸命自分の言葉で話した考えを東工大生たちがすぐに否定しちゃってて…(笑)」

佐藤「あれは、一番切羽詰まってたときだったからタイミングが悪かったんだよ(笑)。でも、あそこでもっとお互いがコミュニケーション取っていけるようにやり取りできてたら全然違ったんだろうなぁってのはすごい思う。あそこで否定しちゃって、そのあとあまり意見を出さなくなっちゃった姿を見て、すぐに否定してしまうことのダメさに気付いたというか、今思えば良い経験だったのかなって思う」

奥出「わかるわかる。バックグラウンド違うメンバーで集まってるから、話してると絶対に『いや、お前絶対違うだろ』って瞬間があるんだけど、そこで否定しちゃうと会話が終わっちゃうんだよね。それって本当にもったいない。オレはEDP-Aでまさにそれで大失敗してるからね」

佐藤「どういうコミュニケーションが正解なんだろうね」

奥出「とりあえずオレが意識してたのは、否定せずに質問をするってことかな」

佐藤「なるほどねー。それなら会話も続くのかも」

奥出「今、美大生にフォーカスしてたけど、実際同じ東工大生でも全然考え方って違くなかった?」

佐藤「全然違かった(笑)。例えば、機械系の人って一気に具体的な話をしがちかもって感じたかな」

奥出「なるほどねー。抽象化は確かに苦手そうかも」

佐藤「議論が抽象的な話になってくると、周りの東工大生ももやりにくそうにしてたし、自分自身もすごい気持ち悪かった」

奥出「なるほどねー。そうやっていろんな人の思考を覗けてみて、自分の考え方とか、その後のキャリア観とか変わった?」

佐藤「あー、就活でいえば結果としてはEDP参加前に考えてたような企業を選択したけど、受ける前の段階でベンチャー系の企業を見てみようとか、博士に進むってどうなんだろうとか、自分の中の選択肢は増やして考えてたかな。」

奥出「それってなんで?」

佐藤「EDPとはまた別だけど、CBECの授業でベンチャー系の企業の話を聞く機会とかもあったじゃん?そこで興味持ったってのもあったし、EDPのスポンサー企業の方々のフィードバックを聞いてると、各社で視点が違うなって思うところもあって、そこでもいろんな考え方があるってのも知れた気がするし、そんな感じで自分の視野の狭さみたいなのを感じたからかな。」

奥出「なるほどね。自分ってものの再認識みたいなのはオレもしてたかも。じゃあさ、またざっくり丸投げするけど、EDPどうだった?(笑)」

佐藤「とにかく楽しかった!」

奥出「お、いいね。もっとこうしたかったみたいなのはある?」

佐藤「もっと議論したかったかな。我が強いメンバーが多くて、議論というよりはみんなで意見を押し付け合っちゃってたかも。それが美大生にも良くない環境だったかなって」

奥出「その反省というか、振り返り踏まえて、EDPの中で自分はどう変わったと思う?」

佐藤「チームでの立ち位置とか、立ち振る舞いみたいなのはすごい変わった気がする。元々はリーダータイプで、引っ張っていくことが多かったんだけど、意見とか視点が全然違うメンバーとやってるかっら、じゃあ自分はもう少し間に入って意見をつなぐ役目をしてみよう!みたいな感じで少しずつ変わっていったかな。単純に、美大生みたいな自分とは全然違う人もチームにいたから、最前線でガンガンいかずに、一歩引いて見てみたい的な好奇心もあったし」

奥出「今までみたいなリーダーポジションと、EDPでやった間に入るポジション、どっちの方がしっくりきた?」

佐藤「実は間に入る方がしっくりくるのかもって感じた。これは本当に新たな気づきだったかも。意見がないわけではないし、ガンガン前に出たくなるときもあったけど、それだといろんな意見を見逃しちゃう気がした」

奥出「そこで抑えられるの、本当にすごいと思う。さて、そろそろビールもぬるくなってしまうので飲みに戻りましょうか」

佐藤「そうだね(笑)。じゃあお疲れさまでした!」

チーム給食当番「中村文俊」編

中村くんの自画像。「そっくりな美少女に仕上がりました」と本人も満足気

中村文俊:工学院システム制御系システム制御コースに所属。チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム(CBEC)の一環としてEDPの講義に参加。アイドルとHIP HOPと百合と唐揚げが死ぬほど好きな美少女(男)。たまに絵とか漫画とか描いてる。色々あって(そこを詳しく知りたい)卒業したらWebエンジニアになることになった。

奥出「そしたら中村にもインタビューさせていただきますね。」

中村「ういうい。よろしく。」

奥出「EDPやってて、何か自分の中で変化ってあった?」

中村「あったあった。結構変わったと思う。」

奥出「それって就活とかにも影響した?」

中村「結構したと思う。元々は某大企業志望だったし。」

奥出「もともとなんでそこ志望だったの?」

中村「インターン行ってたし、それでいいかなって。あと、そこはホワイト企業だって聞いてたから?(笑)」

奥出「最終的にはどんな企業を中心に見てたの?」

中村「IT系のいわゆるメガベンチャーって言われてるところどんどん受けてたかな」

奥出「それはなんで変わってったの?」

中村「もともと、ソフトウェアに触ってるのがすごい好きだったってのはあるんだけど。なんだろうね、デカい企業だとソフトウェア触ってても結局研究所にいってシミュレーターしか作らなくなるのかなって感じたから?サービスの方がいいじゃんって。サービスよりで触れるところがよくて志望は変えた」

奥出「ごめん、詳しくないから聞いておきたいんだけど、サービスよりっていうのはどんなものをイメージしていってる?」

中村「もっと、自分たちが消費者として関わってるもの。普段触ってるものを作りたいなって」

奥出「なるほどねぇ。その中でもさらにこだわりはあるの?」

中村「自分の趣味に近いものやりたいから、アイドルコンテンツに関わるところに絞って受けてたかな」

奥出「それは、ベンチャーだからっていうよりは、中村が求めてるコンテンツを扱ってる企業がたまたまベンチャーだったってこと?」

中村「そうそう。自分のためになる仕事というか、そういうので探したかな。オレは他人のためには働けなさそうだから(笑)」

奥出「ほう(笑) ちなみに、そんな風に志望を絞っていくのに、EDPでの経験はどんな風に関係してきたの?」

中村「なんだろうねー。まず、自分の班にいたエンジニアの方の話を聞いてweb系の企業いいなって思えた。仕事の話を直接聞けたのが嬉しかったね。あとは、美大生とか見てて、自分がやりたいって思ったことに時間を使うってのがいいなって思った。そんなところかな」

奥出「へー、そっか。それはよかったじゃん」

中村「いろんな人と話す機会があったのがすごいよかったかな」

奥出「それは本当にそう。新しく気づくこととかあるし、自分を見つめ直す機会にもなるよね。よし、ありがとう!そしたら飲みを再開しましょう!!」

チームど辛「 田尻陽亮」編

ピッチといえばこの人(?)、我らが「デザイン思考マスター」田尻パイセン

田尻陽亮:工学院機械系エンジニアリングデザインコースに所属。後期のプログラムからEDPに参加。2017年度のEDPに参加し、存在感は見せている。存在感は。

奥出「さぁ、お酒でも飲みながらみんなでEDPについて話しましょう」

田尻「お前らとEDPについて話すの何回目って感じだけどな(笑)。すごい感じたのは、オレの意見が通っちゃうとあんまりよくないなってこと。アイデアだし苦手だなって感じた。こういう性格だからぱっとモノは言うんだよね。それで周りが気を遣ってそのまま意見が通ったときはあんまりうまくいかなかった印象がある」

奥出「田尻は去年度のEDPも今年度のEDPも参加してるけど、経験者として今年度改めて参加するのは何か意識しちゃうところはあった?」

田尻「あったし、周りからも経験者として見られてるのかなってのは感じたよね。そんな中で、自分がどう一歩引いて周りを見れるかは考えてるのかな、今は」

奥出「ちなみに、去年度やってみてこのチームでよかったなって思った点はどこだった?」

田尻「社会人組がすごいやりやすい雰囲気を作ってくれたことかな。出てきた情報をしっかり整理してくれたり、学生にしっかり意見を求めるようにファシリテーションしてくれたり、やりやすい方と一緒にできたのかなってのは思う。あと、チームに喫煙者がいっぱいいたから個人的にはよかった(笑)」

奥出「ほかに思おうところとかある?田尻からは過激な発言も聞いておきたい(笑)」

田尻「それなら言わせてもらうけど、教員陣が『タンジブル』って言いすぎるのは本当によくないと思うんだよね」

奥出「田尻的には、先生たちはなんで『タンジブル』をよく言ってると思う?」

田尻「手に取ってわかるからでしょ」

奥出「んー、それもそうなんだろうけど、それだけなのかなぁ」

田尻「例えば何がある?」

奥出「手に取れるってのと被るけど、すぐにテストできるってのが重要なんじゃないのかなぁって。タンジブルだとフィードバックもしっかりもらいやすいし」

田尻「でも、そのユーザーテストの重要さ伝わってる?去年度のEDPでは全然伝わってなかったとオレは思うよ」

奥出「まぁ、今考えてみると言ってた気はするんだけど、オレもユーザーテストというか、タンジブルなプロトタイプがあることの重要性みたいなのを本当に認識できたのって、Slush Tokyoのときだったかもな。プロトタイプないと全然オレらがやってること伝えられなかったと思う」

田尻「まぁわかったよ。でも、システムだけのものを作る許可もほしいかなって思った。少なくともアイデア出しの段階ではもっと自由にやりたかった。どうしても『タンジブル』って言葉に囚われて無駄な時間を使ってた気がする」

奥出「まぁ、それはまた先生に相談して(笑) 。もうあれだ、とりあえず今日は飲みましょう。田尻にはまた今度ゆっくり話聞きます(笑)」

田尻「はい、かんぱーい」

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