2020年度 EDP 「メモるアヒル」チームかき氷

チーム5かき氷のプロダクトの発表を行います。

我々が発表するプロダクトはこのメモるアヒルです!

まず、このデモムービーをご覧ください。

では改めて説明します。

皆さんこういったことはありませんか?

いいアイデアが思い付く!

これ役に立ちそうだよなーって頭の中で考える。

けれど風呂から出たときには…

あれ?なんだったっけ?と忘れてしまう。

皆さんあると思うんですよ。

ではなぜ忘れてしまうのか。

今回のターゲットであるオペレータさんの悩みの中には

「仕事外の時間帯でも仕事のことをずーっと考えてしまう」

という人がいました。そのオペレータさんのインタビューの中にはこのようなコメントがありました。

オペレータ―:よくお風呂で考え事をします。でもお風呂から上がると結構忘れちゃいます。

インタビュアー:スマホのメモ機能とか、そういうもの使わないんですか?

オペレータ―:使わないですね。お風呂では情報から解放されたいから。

このようなインタビューを通して得られたコメントを踏まえて情報を整理するとこのようになります。

オペレータさんは座り仕事以外にも肉体労働があり、疲れがたまります。それを解消するためにお風呂を利用します。

そして仕事で疑問や問題を引きずると体を休める風呂でも考え事をします。しかし結構アイデアが浮かびます。

しかし出るころには忘れてしまう!だからと言ってスマホとかのメモできるものを持ち込むのは抵抗がある!

つまり何が問題となっているのかというと、

スマホを持ち込むと?

情報から解放されません!お風呂でリラックスしてぼーっと考えてアイデアを浮かばせたいのにぼーっと考えにふける環境ができないのではないか!

一方,持ち込まないと?

リラーックス!ぼーっと考えにふけてアイデアが浮かびやすい環境ができます!しかしぼーっと考えてでたアイデアを記録するものがなく忘れやすい!

この2つの問題があるのです!

そのジレンマをこのメモるアヒルが解決します!

考えにふける環境を維持しつつ,なおかつそのアイデアを無駄にしないこのプロダクト!

ぼやっと浮き出たアイデアをキャッチ!

お風呂の思いつきを瞬間的に記録するメモるアヒル!

それでは使い方について説明します。

お風呂でアイデアを思いついたが、メモする物がないというそんな時…

メモるアヒルのお尻を押して…

思いついたことを喋るだけ!

そうすると思いつきが自動で文字起こしされ、ケータイに送られてきます。

実際にオペレーターの方にプロダクトについてお聞きしたところ

「お風呂じゃなくても使えると思うので、そういうとこで使えるっていうコンセプトでもいいのかな」

「お風呂と言えば定番はアヒル、非常にけしからんですね!」

と良い意味で言ってくださったり、

「愛らしいデザインだからこれをめでる事によってメモれるみたいな感じにしても良いんじゃないのか」

といった意見を頂きました。

今後の展望としましては、片手で持てる大きさにできたらという事で小型化の検討や、お風呂場で安全に使用できるように外側の素材をゴム製にするなど防水性を高めたり、テキスト化の精度を上げていきたいと考えています。

以上で前半の発表を終わりにします。

では、デザインプロセスの発表に移らさせていただきます。

私たちのチームは「24時間稼働するオペレーターの健やかな勤務生活をデザインせよ」というテーマでプロダクトを作成しました。

10月、テーマが決まりオペレーターさんのインタビューに取り掛かりました。そこで早速初めての問題にぶち当たります。

「オペレーターさんの業務理解難しいよ問題」(効果音)

さくらインターネットさんではサーバーで個人情報を扱っているため、実際に現場の仕事を体験することはできません。

そのためオペレーターさんの会話から業務をイメージするしかすべがありませんでした。

ある日、あるオペレーターさんから

「仕事とプライベートの区切りができず、家でも仕事のことを考えている」

という意見がありました。この意見にチームメンバーのI君がとても共感し、

この仕事終わりに力強く引くための区切レバーを考案しました。

しかし、ここで問題が発生します。

「POV HMWQないよ問題」(効果音)

POVというユーザーが抱えている真の問題を考え、授業では、このような順に行うのが理想だと教わりました。

しかし、私たちはこのようにインタビューからいきなりプロダクトが思いついてしまったため、この真ん中のPOV構築ができていませんでした。

そのため、このPOV構築をするために、毎回の授業で話し合いが行われました。

結局埒が明かないので、とりあえずレバーのユーザーインタビューを行い、反応を見てみることにしました。

するとこんな問題が発生しました。

「レバー意外とウケが良かったよ問題」(効果音)

ユーザーインタビューを4人の方に行ったところ、思っていたよりもウケがよく、ほとんどの方から良い評価をいただきました。

しかし、なぜオペレーターにレバーがウケているのか?ということが分からず、この問題の解明に多くの時間がかかりました。

結局、”おもちゃ“として面白がっているだけではないか、という結論に至りました。

そこで、中間発表ではレバーではなく、このカッテカウントというケーブルの本数を自動で数えてくれる新しいプロダクトを発表しました。

ところが、中間発表では不合格になってしまいました。(チーン)

カッテカウントのプロダクト作成は、このように理想的に進めていたつもりでした。

しかし、実際はこのようにオペレーターさんの不満をストレートに解決しただけだったため、POV構築をまたまたスルーしてしまっていたのが原因でした。

ある日オペレーターさんから興味深い話を聞くことができました。

そのオペレーターさんは

「仕事で引きずった事を紙に書いてゴミ箱に捨てる」

とおっしゃっていました。

ここから

「考えている事を書き出し,捨てる事で気を晴らしているのではないか?」

と考え、このインサイトを以前考えていたレバーに無理やりくっつけることにしました。

しかし、オペレーターさんに再度ユーザーインタビューをしてみたところ、

「オペレータ―さんからのウケ悪くなったよ問題」(効果音)

今度はウケがわるくなってしまいました。このとき、すでに残り1週間を切っており、とうとう先が見えなくなりました。

その時、運命的な出会いが訪れます。

別のオペレーターさんから

「お風呂で考えたことを忘れて、気になって寝れない」

このようなインタビューを頂きました。ここから

「お風呂で考えたアイディアをスマホから解放されてメモる事が出来たらスッキリできるのでないか」

と考えました。

ここで考えたのが先ほども説明したメモるアヒルです。

アヒルの形にしたことでお風呂の風景にもなじむように工夫しました。

このプロダクトが出てきたとき

「よし!これなら何とかできそうだ!」

と希望が見えました。

しかし、この時私たちは重大な問題を抱えていました。

「発表まで間に合うか分からないよ問題」(効果音)

この時2つの選択肢がありました。

1つ目はレバーのコンセプトを考える 。

2つ目はアヒルを完成させる。

残り一週間をどちらに捧げるか、チーム内で議論が起きました。

そのとき、T先生からありがたいお言葉をいただきました。

「諦めたらそこで試合終了ですよ」(キリッ)

これがきっかけになり、私たちは残り時間をアヒルにかけることにしました。

完成するか否か一か八かの賭けでしたが、毎日全力で取り組みました。

その結果、何とかアヒルを完成させることができ、今日この場で発表することができました。

最後となりますが、私たちが迷走していた際に助言や暖かいメッセージ応援してくれた方々へ感謝致します。

とても励みになりました!ありがとうございました!

発表スライド

ポスター

各メンバーの振り返り

◆ Daichi Ishikawa

累計作業量の重さ的にしんどかった!!!

「自分が色々と首突っ込んで作業量を増やしてしまったからだ」と言ってしまえばそれまでになってしまうかもしれませんが,チーム内の作業量が均等になっているか・自分が抱えすぎていないかという評価を「この作業自分がやっときます」と言う前にやった方が良いんだろうなと思いました.

こういう場では「積極的な活動・学びの姿勢」は良いこととされ推奨されますが,そういった高尚な言葉を鵜呑みにして一個人が多く負担を抱えてしまうみたいな状況を他者も自分も見て見ぬふりをするとこのような長期的なプロジェクトでは終盤ボロがでてしまい,精神衛生上もチームワーク的にも悪化しやすいですね.本当に作業の抱えすぎは注意!!

勿論他の受講生のように「幅広く学べてよかった!」「今までにない体験を多く得ることができた!」といったことも思いましたよ?ただ一行目の通り「しんどかった!」の方が優先していますので,今度こういったプロジェクトをやる機会があるのであれば,タスク管理・スケジュール確認・報連相をある程度満たした上で終始毎朝優雅にコーヒーを嗜むことができるぐらいな精神的余裕を持ったままデザイン思考に臨めたらなと思います.

何がともあれ本当にお疲れさまでした.自分

◆ Kohei Hamaya

このEDPの授業はコロナの影響もあって唯一対面で行える授業であり、約2週間に一度、他の学生と会える機会が毎回とても楽しみでした。様々な分野の学生と話し合って与えられたテーマを考えていくなかで、一見うまく話し合えてるようで実は共通理解が得られていなかったりと、チームで物事を進めていく上で苦労しつつも、色々な視点や考え方を学べたこの授業はとても有意義でした。ラスト1週間でレバーで突き進むかどうかプロダクトを考えている時、アヒル良いじゃん!!!ってなったあの瞬間は個人的に忘れられないです(笑)EDPは頭で考えるだけでなく、実際に手を動かしてみない事には学べない事が多かった点が他の授業と比べて面白く、貴重な経験をする事ができて本当に良かったです!

◆ Hiro Komada

この半年は真の自己分析をするのに最適な時間でした。今までは一人での活動が多かったですが、チームで活動することで自分という人間が本当はどのような性格なのかよく知ることができたと思います。一番驚いたことは、自分が安全かリスクかの究極の選択に迫られたとき、リスクをとる派だったということです。(それまでは安全をとるだろうと勝手に思っていました)あと一週間しかないという時期に今まで作ってきたものを辞め、まったく新しいプロダクトを発表会までに作成するというのは一か八かの賭けのようなものでした。あの時はあと1週間あるし多分できるっしょ!と能天気に考えていましたが、今考えるとあの1週間で物からスライド、ポスター作成までよくやれたな、と少々反省しております。本当に怒涛の一週間でした。これができたのは、チームメンバーの大きな働きがあったからこそだと思っています。私の無謀な提案に乗ってくれたメンバーにとても感謝しています。ありがとうございました。

◆ YEH SIN FU

大学卒業以来、異なる専門性を持つ方と連携し、何かを作り出すのは、10年ぶりです。社会人になってから、似たような背景の人とばかり仕事していて、得た知識が偏って、視野も狭まれた気もします。でも、このEDPを通じて、斬新な課題を挑んで、思いを馳せることができました。改めて、この場を用意してくれた企業側、大学側、先生方に感謝を伝いたいです。そして、言語の壁を越えて、半年間色々助けてくれたチームメンバーにも、大変お世話になりました。お陰様で、社会人には中々味わえない、充実な時間を過ごしました。ここで学習したデザインの考え方とスキルを、今後のものづくりに繋がって行きたいと思って、この世界に新しい価値を生み出すことを夢見ます。皆、ありがとう!

◆ Ayane Shoji

美大生以外の学生とのグループワークは、色々違うところがあって気付かされることが多かった。わかりやすい違いとしては、美大生はあまり理論から詰めていくことはなくて、手から動かしたりビジュアルを決めていく作業に時間を使う。この違いが個人的にはとても大変だった部分。初めの方はとにかく未知で、何を言っているのか何故話しているのかわからなくて、わかりやすく取り残されていました。多分周りからは話聞いてない風に思われてたと思う…。ただ残り1週間の時点で変えたことは、かなりノリとか諸々が人間らしい(?)感じがして、楽しかった。美大生は最終的に出来上がるクオリティを重視するから、ある種理論から固めていったから起きたことだと思うし、貴重な体験でした。

各メンバーへのコメント

◆ To Daichi Ishikawa

ミーティングのまとめや部品の発注、その他諸々とチームかき氷を支える大黒柱でした。EDAの時に他の班で発表している時から印象的で、一緒のチームになった時に面白い事になりそう!と思っていたので半年間楽しかったです!(笑)ありがとうございました!(Kohei Hamaya)

半年間お疲れさまでした。会議進行から、物販発注、デザイン工房の予約、ラズパイのプログラミングなど本当に数多くの業務をこなしてくれていました。仕事が出来すぎ&早くて頼りすぎてしまっていました。気が利かなくてすいませんでした。本当にいろいろやってくれてありがとう!(Hiro Komada)

いつもチームを引っ張っていることありがとうございました。初期のインタビューから、レバーを閃いた時、コンセプトで苦戦した時、そして最後のアヒルまで、沢山の困難ありましたが、心折らずにいられて、いつもチームの動力源として突っ走って我々を牽引してくれました。今振り返えてみたら、コロナ難で一層難しいくなったテーマをここまでできたのは、石川さんの鋼の精神のお陰です。本当にありがとう!(YEH SIN FU)

1番ご迷惑をおかけしたのではないかと…EDPをやらなかったら絶対に出会わなかったなあと1番思う人種です。色々な面で引っ張っていただいて、とても大変だったと思います。最終プレゼンのプレゼンの仕方がとても面白かったです!半年間ありがとうございました。(Ayane Shoji)

◆ To Kohei Hamaya

ミーティングでは議論を深める相手として,discordでのチャットではレスポンスが早く助かりました.また全体で議論するほどでもない程度の内容についても相談に乗りやすかったため支えになりました.お疲れさまでした.(Daichi Ishikawa)

半年間おつかれさまでした。よく石川君と浜谷君でコンセプトの話をしていた時、よくそんなに言葉の定義についていろいろ考えられるなぁ、と感心していました。この授業で学んだことの1つは日本語の難しさです。難しいニュアンスを文字化してくれてありがとう!(Hiro Komada)

いつもの“仕上げ”ありがとうございました。この半年間に考案したプロダクトは大体浜谷さんの考えたコンセプトとプロトタイプに落とした感じです。あやふやのアイデアを形にするのは上手くこなしていました。称賛になるかどうかわからないですが、すごくエンジニアリングの素質あるなと思いました(流石東工大)。よく考えたら浜谷さんとほかの授業も併せて一緒のチームになったのは三回目です、大変お世話になりました。(YEH SIN FU)

私が苦手な理論の部分を主に考えてくださっていて、凄い賢いなあと常々思っていました。スライドなどを作る際も、浜谷さんが構築した理論があってこそ、作っていくことができたので、本当に感謝しています。半年間ありがとうございました。(Ayane Shoji)

◆ To Hiro Komada

ギリギリまで旧プロダクトの改善ではなく総入れ替えに考えのリソースを注いだ粘り強さには驚かされました.それが最終発表1週間前のミーティングの前に得たアイデア+理論に繋がり,その説明のおかげでプロダクト変更に踏ん切りがつくことができました.お疲れさまでした.(Daichi Ishikawa)

議論が滞った時など、冷静な視点で議論の修正を何度もしてくれました。ラスト1週間でアヒルと決まってからの作業スピードは凄まじく非常に助けられました。出身地が同じという事もあり、話が合う事も多くてとても面白かったです!ありがとうございました!(Kohei Hamaya)

いつもドリフト級(笑)の軌道修正を入れてくれたこと、ありがとうございました。プロジェクトが進むに連れて、壁にぶつかったり、方針に迷ったり、その時は大体駒田さんの一言葉で抜け出せることができました。まさに、凄まじい対応性でVUCAの世界に臨む手本を見せてくれました(?)。アヒルに方向変換できたのもお陰様です。(YEH SIN FU)

凄く気にかけてくださって、今何を話しているのかとか解説してくれたり、意見を引き出そうとしてくださりと、話をまとめて噛み砕くことがとても上手くて、何度も助けられました。自由で柔軟な発想が素敵で、個人的にですが美大っぽいような発想も多いなって思いました。半年間ありがとうございました。(Ayane Shoji)

◆ To YEH SIN FU

インタビュー調整等のメンターとの連絡係を担っていただけた葉さんには幅広く手を付けて手一杯になりがちな自分にとって非常に助かりました.一方インサイト周りの議論では言葉の微妙なニュアンスについて掘り下げていることが多く,言葉の壁的な問題であまり議論の場に入りづらい状況だったのは申し訳なかったなと少々後悔.お疲れさまでした.(Daichi Ishikawa)

社会人という忙しい中、インタビュー調整など企業との連絡係をしてくださり非常に助かりました。文化の違いなど学ぶ事が多く、授業だけでなく色々と話を聞けて良かったです!EDAの時から長い間ありがとうございました!(Kohei Hamaya)

半年間お疲れさまでした。コンセプトの会議が多くを占めてしまい、日本語の定義やニュアンスの話が多かったため、意見を出しずらかったところもあったと思います。毎回数少ないインタビューの調整を的確に行ってくださり感謝しています。ありがとうございました!(Hiro Komada)

同じく学外から来ているからか、個人的に1番話しやすかったです。大人らしい細かいサポートや対応で、グループの雰囲気が優しくなるなあと感じていました。社会人らしい視点からは学ぶことも多かったです。半年間ありがとうございました。(Ayane Shoji)

◆ To Ayane Shoji

特に最終発表のスライドとポスター制作にはかなり助かりました.議論の場でもう少し発言しやすい環境がつくることができれば巻き込めて更に面白い視点が得られたりしたのかなと少々後悔.お疲れさまでした.(Daichi Ishikawa)

美大生の視点は新鮮な事ばかりで勉強になる事がとても多かったです。理屈で考え込むよりもビジュアルで訴える事は重要だなと実感しました(汗)スライドやポスター作成がもの凄く早い上にセンス抜群で感心する事ばかりでした!ありがとうございました!(Kohei Hamaya)

半年間お疲れさまでした。最後3日間ぐらいに仕事を詰め込んじゃってごめんなさい。すごい枚数のスライドをものすごいクオリティと速さで仕上げてくれて感動しました。意見を聞くとよい意見をたくさん持っていてとてもためになりました。最後まで仕事をやり切ってくれてありがとう!(Hiro Komada)

いつも新しい世界を見せてくれてありがとうございました。チームロゴ、プロダクトのイラスト、資料中のイラストを全部描いてくれて、ただの“綺麗な~”では済ませない、もっと膨大な感情が庄司さんの絵見て、湧いていました。そうだ、あれは新世界の扉をのぞき見した気分でした(キラ)。あの表現力豊の絵を見て、自分今まで作ったスライドは目をつぶてやってたような感じです。沢山の感動、ありがとうございました。(YEH SIN FU)

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