2021年度EDP「窓のキャンバス」Team5-マカロニグラタン

いつも、そっと寄り添う。窓がつなぐ、新しい家族の時間。

こんにちは。2021年度のエンジニアリングデザインプロジェクトに参加したteam マカロニグラタンです。私達はパートナー企業にYKK AP様を迎えて、約半年間のグループワークを行い、先日最終発表会を終えました。

振り返りを兼ねて書かれたこの記事は、以下4つの内容で構成されています。

  1. Pitch : 最終プロダクト「窓のキャンバス」についての紹介
  2. Design Process : 窓のキャンバスに行きつくまでのマカロニグラタンの活動記録
  3. Self reflection & Message : メンバーの振り返りと他メンバーへのメッセージ
  4. Materials : 資料(ポスター、発表資料、PV)

Pitch

Team5のマカロニグラタンです。私たちはYKKAPさんの「自宅での働くと暮らすを健やかにする窓体験をデザインせよ」というテーマのもと、新しい家族の時間を作り出す窓のキャンバスを提案します。

まずはこの動画をご覧ください。

このプロダクトは、保育園や学童に子供を預ける在宅勤務者向けの、家族間コミュニケーション用内窓で、結露を再現した窓に指で描いた絵やメッセージをオンラインで共有する機能を持っています。子供の帰宅後にしか確認できない連絡帳とは違って、子供の存在を直接感じられるため、ほっこりできる新しい家族の時間を提供します。

私たちは、YKKAPさんのテーマの元、様々な人にインタビューをしてきました。そんな中で、このようなことを言っている人に出会いました。

上の方は、小学1年生と4歳のお子さんがいて、お子さんを学童や保育園に預けていました。そして「仕事中は子供に邪魔されない貴重な時間。ただ、子供の様子が気になることはある。」とおっしゃっていました。

また、他の子持ちの方は、「保育園から帰ってきた子供に家で今日何したの?ってきいても忘れてるんだよね。」とおっしゃっていました。

これらの声に私たちは共感し、ターゲットユーザーを、保育園や学童に子供を預けている在宅勤務者にしました。

先程のインタビューから、わたしたちは、次のようなアプローチをしました。

出社から在宅勤務へと変わったことで、暮らしの時間であった家での生活に、働くという時間が入ってきました。

せっかく、元々暮らしの場であった家にいる時間が増えたのだから「子供と触れ合う時間」がもっと欲しいのでは無いか?と我々は考えました。

そこで、どのようにすれば在宅勤務の環境を生かして子どもとの時間を作ることができるかという考えのもと、ソリューションをつくりました。

それが、この窓のキャンバスになります。

このプロダクトは、透明なタッチディスプレイを使うことにより、冬の日の結露した窓に指で文字や絵を描く体験を再現します。

このプロダクトは通信をすることができ、遠く離れた別の窓に絵やメッセージをリアルタイムで共有できます。

また、描いた絵はスマホアプリに保存され,後から家族で集まって見ることができます。

このプロダクトを使うことで次のような体験をすることができます。

在宅勤務になってから常にパソコンと向き合っているAさん。

そんな時、仕事部屋の窓に保育園で子どもが描いたイラストが浮かび上がってきます。

イラストをみたり、返事をしてみたりと、仕事中にちょっと一息を。

子供が帰宅すると、窓を囲んで家族みんなで昼間に保育園で描かれたイラストを見たり,一緒に絵を描いたりでき、新しい家族の時間を過ごせるようになりました。

このように、「働く」と「暮らし」において、健やかになる新たな「窓体験」を送ることができます。

ユーザーテストを行った結果、面白い、曇りまどがあったら描きたくなるよね。といったことや、あったら在宅勤務中にこどもの絵が出てきたらほっこりするな、などの意見がありました。

一方で、現状のプロダクトだと自宅に映し出されるものは自分のお子さん以外が描いたものも含まれるため、自分のこどもが描いたものだけみたいといった意見もありました。

なので、今後は同じ保育園に通っている他の子供がかいたものが窓に浮かび上がってきたときにどう感じるのかといったことをより詳しいユーザーテストを通して検証したいと考えています。

Design Process

ここからは私たちのチームが辿ってきたデザインプロセスを紹介します。

私たちのチームが結成したのは2021年の9月でした.そこでYKKさんから今回のテーマを頂いたのですが、ここで私たちは一つミスを犯します。

「窓についてインタビューすればいいっしょ!」

と安易に考えてしまったのです。その結果インタビューで返ってくる答えは「虫が入ってくる」「外の音がうるさい」といった単なる窓の困りごとになっていまい、これを解決するアイデアを提案してもユーザーには響きませんでした。ここから私たちは暗黒の迷走期へと突入します。

繰り返しインタビューを行う中で、私たちは「窓体験って何?」「健やかって何?」といった問いに立ち返って考えてみることにしました。その結果、窓の困りごとよりももっと大事な、「生活に根差した悩み」があるのではと考えました。

そこで私たちは方向転換をしました。インタビューでは窓についてではなく、その人の一日の生活スケジュールについて根掘り葉掘り聞いてみることにしたのです。すると、子育ての悩みなど、ざわざわする内容が聞けるようになりました。

このようにしてインタビューから私たちが本当に解決すべき「課題のタネ」は集めることができたのですが、次にぶつかったのは「アイデア出しの壁」でした.

授業では2週間に一度、アイデアを発表する機会がありました。そこで私たちは、毎週のようにチーム全員でアイデアを考えて来てはそこから選んで発表する…というサイクルを繰り返しました。しかし、今回のテーマである「窓体験」「暮らす・働く」の3要素をすべて兼ね備えるアイデアはなかなか出ませんでした。

時系列的にお伝えしますと,最初のアイデアは「怠惰な若者向けの、開けないと植物が枯れてしまう窓」でした。

次に考えたアイデアは「在宅勤務で時間間隔が分からなくなってきた社会人向けの、太陽を模した光が時間経過で移動する室内天窓」でした。

3回目に発表したアイデアは「カフェなどでノマドワークをしたいが会社のルールなどでそれができない人向けの、カフェ空間を再現した室内パーティション」でした。

しかしながら、「働く」を健やかにすることはできても、「暮らす」を健やかにするアイデアはなかなか浮かびませんでした。

そんな中、私たちは一つのアイデアをひらめきます。

まず、いつものようにアイデア出し会議をする中で、「上司ノート」というアイデアが出ました。

「上司ノート」は窓型の通信ディスプレイで、ここにタッチペンで文字を書くことで、お互いにリモートワークしていても上司に気軽に相談できるというものです。

このアイデアを聞いた私たちのチームのY田君が、こう言いました。

「せっかく文字を書くんだったら、結露の窓に描きたくないっすか?」

これを聞いた他のチームメンバーは大いに共感しました。なぜなら「結露した窓に落書きする」という体験は、人間誰もが一度は「暮らし」の中で経験したことのある「健やかな窓体験」だからです。

ユーザーの方にこのアイデアを伝えたところ、「ぜひ使ってみたい」というお声をいただきました。そこで、私たちは自信をもってこのアイデアを進めていきました。

プロダクトが決まり、いざ制作となりましたが、次に待ち受けていた課題は「プロトタイプどうしよう」問題でした。

我々は当初、このアイデアを実現するために透明ディスプレイ上で白色のオンオフを切り替えることで結露を再現しようと考えていました。

しかし、見積もりを取ったところ、透明ディスプレイは一台数十万から200万ほどすることが判明し、とても手が出せませんでした。

そこで私たちは、代わりにプロジェクターの光を窓に照射することで結露を表示させることに成功しました。

そして最後に待ち受けていたのが、「ターゲットどうしよう」という問題です。

私たちのアイデアは「上司ノート」から来ていたこともあり、当初は会社の部署内や上司・同僚での利用シーンを想定していました。

一方で、子持ちの方にユーザーテストを繰り返すうちに、「もしかするとこのプロダクトは子どもと親をつなげるプロダクトになるのではないか?」と考えるようになりました。

「会社」か、「家族」か。どちらを発表するかで私たちも非常に悩みましたが、T先生から「チームのみんなが自信を持っている方に絞ろうよ」とのありがたい言葉を頂きました。そこで私たちは、今回の発表ではターゲットがより明確な家族向けにプロダクトを発表することとしました。

以上のデザインプロセスを経て、この度「窓のキャンバス」が無事完成しました。

最終発表祭を終えて(撮影時のみマスクを外しています)

Self reflection & Message

櫻木 嵩斗

Sakuragi Takato

東京工業大学 機械系 修士1年

【感想】

長いようであっという間の半年間でした。

私が専門課程としてエンジニアリングデザインコースを選んだ理由の一つが、この「EDP」の授業が受けられるからという理由でした。しかし、実際に授業を取ってみると、「アイデア出しで完全に煮詰まったり」や「議論が無限に平行線をたどる」など、楽しさの分だけEDPだからこその辛さも味わうことができました。

正直なところ、YKKAPさんから今回のテーマを頂くまで、私は「窓」についての思い入れは全くありませんでした。「窓なんて光と風を感じれてなんぼでしょ」と内心決めつけてこともあり、初めの頃は凡庸なアイデアしか浮かばず非常に苦労しました。

最初の発表で「開くと植物に水やりできる窓」を紹介した時のボロクソな評価は今でも忘れられません(笑)。でもあの失敗があったからこそ「絶対に圧倒的なプロダクトを作ってやろう」と火が付いたのだと思います。負けず嫌い精神が良い方向に働いてくれました。

YKKAPのメンターの皆様には日頃からたくさんのフィードバックを頂きました。時には忘れてはいけない大事な視点を指摘して下さったり、時には私自身の意見と食い違ったり…と色々なことがありましたが、メンターの皆様が「窓」に対して世界で一番情熱をもっているんだろうというのはひしひしと伝わってきました。「この人たちと同じ気持ちで向き合わなきゃだめだ」という思いから私自身もパッションを持って議論することができました。

プロトタイプを実際に動かして、様々な方に実際に触ってもらった際には「すごい!」「リアル!」とたくさんのお褒めの言葉を頂くことができました。その瞬間が他の何物にも代えがたく、最高に幸せな瞬間でした。東工大に入学して、機械系に入ってから「エンジニアは何のために働くのだろう」という漠然とした疑問がありましたが、その理由が少し分かった気がします。

ただ惜しむらくは、この授業に力を入れすぎて研究や就活が完全におろそかになってしまった点でしょうか…(笑)。ですが、この授業に今の自分の全力を注げたことに全く後悔はありません。本当に貴重な経験をさせていただきました。チームのみんな、メンターの皆様、先生方、本当にありがとうございました!

【班員からのコメント】

プロトタイプの作成で非常にたくさんの貢献していてすごいなと思いました。また、購入品の選定や資料のたたき台の作成などみんながあまりやりたがらないことを積極的にやってくださり、とても感謝しています。EDP全体を通して、とても理想的な東工大生だなと思ってました。最後の週の日に雑談していた時に意外な一面が見れて楽しかったです。最初らへんに窓の話をしていた時といい、なんかいろんなところで実はエクストリームユーザーなんじゃないかともっと知りたくなりました。たくさんの感謝を送ります。(稲村)

毎回発表のときは櫻木君に頼ってしまいました。櫻木君の上司ノートが無ければおそらく終わっていたと思います。ありがとうございました。(山田)

最初から最後までこのチームを引っ張ってくれてありがとう!手を抜かずにこだわる姿勢,ちょっとでも違和感が生まれたら素直に言語化してくれるところ,責任感の強さ,実現させたいことを自分の持つスキルでものにできる力…このチームに間違いなく必要な存在でした. 第3回かの発表で出すアイデアを話し合っていた時,発表までの準備時間を気にしてチーム全員がなんとなくこれでいいや,の雰囲気になって進めようとしたところで,やっぱりこれじゃないと思う,と勇気を持ってストップをかけてくれたのが印象的です.論理的で時間管理のできる5人が集まっていたからこそ,このストップはその後しっかり考え抜く姿勢に切り替わった大事なきっかけになったと思います. Pythonで結露のプログラムを見たときは本当に感動したし,みんなが思わず触っちゃうようなクオリティの高いプロトタイプができたのも櫻木君のおかげです!ありがとう!(蔵田)

ミーティングの場では、誰が最初に発言するか様子を見合って沈黙が続くことがありましたが、 そういう時に、率先して発言し、議論のきっかけを作ってくれました。 また、インタビュー・アイデア出し・資料作成・プロトタイプ作成・発表など全てにおいて、人の嫌がることを率先して引き受けてくれました。本当にありがとう! 最も衝撃的だったのは、スマホとの連動の話が出た後、次の週くらいに「簡単にアプリ作ってみました」とサラッと持って来た時。ポテンシャル高けーよ。(江守)

稲村 圭吾

Inamura Keigo

東京工業大学 機械系 修士1年

【感想】

DTF、EDA、EDPと一年間を通してデザイン思考について学んできましたが、EDPは圧倒的に得られるものが大きかったです。DTFやEDA、そして本を読んで頭の中で一応どんなことが大事なのかといったことはわかったつもりではいましたが、EDPを通してそれがなぜ大事なのか、どれほど大事なのかを身をもって体験することができ、自分で経験すること重要さも学ぶことができました。

YKKAPさんのテーマに対しては、働く、暮らす、健やか、窓体験のどれも大事な要素で、すべてを満たすものをなかなか生み出すことができず途中は苦しかったですが、最終的には(個人的には)すごく納得のいくものができてよかったと思ってます。

自分は元々チーム活動が苦手だったので少しでも慣れようとこのコースにきたのですが、チームに恵まれて、とても楽しく過ごせたと思います。最終週は忙しくなり、そこで仲良くなれたので良かったです。またいつかお会いしましょう。

【班員からのコメント】

稲村君はいつも落ち着いていて、話し合いの場で僕が喋りまくってしまった時もじっと見守ってくれる、そんな存在でした。議論が煮詰まってしまったときに稲村君に話を振ると議論の中で出た大事なポイントをわかりやすくまとめてくれつつ、「何が本質的で何が本質的でないか」をきれいにふるいにかけてくれたので本当に助かりました。言葉をじっくり選んで発言してくれるからチーム内の認識のずれも解消してくれるし、稲村君の発言はチームのみんなが一番信頼して聞いていたんじゃないかな?Discordのレスポンスも早いし、インタビューの書記も務めてくれたり、最終発表祭の発表者からPVのお父さん役まで、本当に様々なところでチームを助けてもらいました。ありがとう!(櫻木)

いつも冷静に議論を見守り、時に鋭い刃を入れてくれていました。最後の番人的な存在でした。ありがとうございました。(山田)

プロジェクト全体の流れを俯瞰でみて,行くべき道を示してくれてありがとう!話し合いで妥協でまあいいかと進めてしまいそうになった時のひと言,スライドづくりで行き詰まった時のひと言,いまデザインプロセスのどの過程にいるか分からなくなったときのひと言,大事な場面で稲村君が発言してくれたことで,終始迷子にならずに良い流れで進められたと思います. デザイン思考の本を読んで勉強していたり、EDPの他のチームメンバーと仲良くなって今各班がどんな状態なのかをみながら時にディスカッションに参加していたり,エンジニアリングデザインが好きなんだなーと感じていました.そんな稲村君がチームにいてくれて本当に心強かったです.スライド作りでも,Elevator PitchやPOVの言葉選び,ユーザー対象を誰にするのが適切かなど,デザイン思考の考え方に基づいて誰よりもこだわってくれたおかげで,共感の得られる発表までたどり着けたと思います!ありがとう!(蔵田)

いつも冷静沈着で、チームがノリで進んで行ってしまいそうなときに、的確なツッコミを入れてくれました。 ご本人は、「チーム活動は苦手だ」と言っていましたが、口に出して表現するのが苦手なだけで、 頭の中では深く考えているんだろうと思います。自信を持って! また、最終発表のPVでは大活躍。ベスト主演賞でした。(江守)

蔵田 真鈴

Kurata Mari

東京工業大学 機械系 修士1年

【感想】

半年間のプロジェクトに最後まで一緒に取り組んだチームのみんな,傍で見守り時にヒントを与えて下さったYKKAPのメンターの皆様,EDPに全力で取り組む環境を作って下さった先生方,EDPの皆さん,本当にありがとうございました! チームでデザイン思考のプロセスをじっくり経験できたことで,大きく成長できました.自分ひとりではできない,貴重な経験をさせていただけたことに感謝いたします.

私は元々アイデア出しが好きで,企画やチームでの提案型プロジェクトに興味があり,EDPという授業でそれができるらしいぞと知り,エンジニアリングデザインコースに進学しました.初回の授業で各企業様からお題が提案された瞬間から,各班どんなアイデアが出てくるのかわくわくした状態で,最終発表までEDPを楽しむことができました.

他の班のテーマに対してもアイデアを考えたり発表を聞くにつれて,見える景色がどんどん広がっていく感覚を覚えました.それが物凄く楽しく刺激的で,やっぱり新しいアイデアを考えるの好きだなあと自覚することができました.と同時に,自分の班で思うようなアイデアがなかなか浮かばず,能力の限界を感じ落ち込むことも多々ありました.

YKKAPさんからいただいたお題は,身近かつホットなテーマでありながら,多方面からアプローチができる自由度の高いものだったので,半年間噛み続けてもまだ味のでる,とても深くて面白いテーマでした. チーム活動では,バックグラウンドや普段過ごす環境が異なると,同じ単語を共有しても頭の中で描くイメージは想像以上に違いがあることに驚きました.自分の頭の中でのイメージを,チーム内での共通言語で相手に伝わるように工夫して言葉やイラストにすることの大切さを学びました.

そして,この授業は良くも悪くも自分の性格が痛いほど分かる授業でした.EDPの期間中,何度「もっとこうすればよかった」,「なんであの時言えなかったのだろう」,「なにもできなくて申し訳ない」と帰り道に反省したことか.

長期間同じ課題に同じメンバーで取り組むことで,チーム内での立ち振る舞い,課題への向き合い方,自分の発言内容の傾向などを知ることができました.はじめはEDPという名前にピンときていませんでしたが,これは授業ではなく“プロジェクト”なんだということが徐々に実感できました.社会に出る前に“社会人体験”ができ自分の性格が把握できたことは,EDPを終えても残り続ける貴重な財産になりました.

納得のいく最高の発表ができたのは,間違いなくこの5人でのチームだったからだと思います.本当にありがとうございました!!

【班員からのコメント】

蔵田さんは忙しい時期にもかかわらずPVの原稿を書き上げてくれて感謝しています。あとお母さん役も名演でした(笑)。うちのチームのPVが全チーム中一番良かった(個人の見解です)のは間違いなく蔵田さんのおかげです。
なにより蔵田さんがすごいな、と感じたのは3回目のプロダクト決定会議の時、「家族との間接的なコミュニケーション」という案をプッシュしてくれたところ。あの時は僕自身が「家族の暮らし」にピンと来ておらず、別の案を推していたんだけど、今思うとあそこでの蔵田さんの猛プッシュが無かったらその後の「結露窓コミュニケーション」なんていうアイデアはチームに浸透しなかったと思います。着眼点の良さとそれを何としても形にしてやろうという強気な心持ちでチームを支えてくれました。ありがとう!(櫻木)

おなじ東工大生でもこんなに違うんだなと思わせてくれた人でした。最初のころはデザインプロセスのIdeateのところで、ぼくと全然違うアイデアをたくさん出していて、その独自の視点がおもしろくて蔵田さんの出すアイデア好きでした。話していくうちに同じ人見知りなんだと知って親近感がわいたけど、さらに話していくと同じ人見知りでも違うタイプの人見知りだ…ってなりました。あと、ぼくがざわざわするけどニュアンスしか言語化できなかったときに、みんなが納得いく言葉でそのざわざわを表現できていてすごいなと思いました。ぼくは伝えるのがとても下手なので、的確な言葉で言い表す能力とてもうらやましいです。これからも参考にさせてください。たくさんの感謝を送ります。(稲村)

蔵田さんが子供向けのプロダクトを考案して、気に入っていなければ最後あんなにあったかいプロダクトを作ることは出来ませんでした。ありがとうございました。(山田)

「最初、人見知りしていたら、そのまま最後の方まで来てしまった」と言ってました(笑) 確かに、チームメンバーの距離がギュッと縮まったのは、最終プロダクトを作り始めた年明け後くらいでしたかね。 コロナがあったので仕方がなかった部分もありますが、チームメンバーで飲みに行ったりして、もっと親睦を深めたかったですね。 とってもチャーミングな方だと思うので、人見知りせずに、最初からグイグイいきましょう!(江守)

山田 泰樹

Yamada Taiki

武蔵野美術大学 造形学部工芸工業デザイン学科3年

【感想】

EDPを経て、ユーザーに目を向け続ける大切さを学びました。EDPの前はアウトプットさえ面白ければいい作品になると考えていましたが、実際は根本の部分から多くの人たちの意見を聞き続けることがいい作品になる条件の一つだという事に気がつかされる活動でした。YKKさんのテーマは途中からだんだんと楽しくなり、最後は納得のいくプロダクトが出来たと思います。ありがとうございました!

【班員からのコメント】

デザイン関連については振り返るまでもなく山田君のおかげなので敢えてその他の面をコメントします(笑)。山田君は他4名が理系という圧倒的アウェーの中、全く臆することなく発言していて、すごいと感じました。POVやHMWQの選定の時は僕自身も難しすぎてよく分からなくなることがあったのに、しっかりキャッチアップしていてロジカルな分野も強いんだな、とただただ尊敬していました。アイデアが「家族向け」に向かいそうなときも、「会社向けも今一度考えるべきじゃないか?」と問題提起してくれて、チームみんなで考える機会を与えてくれました。
一つだけ謝らなければならないことがあって、「チーム全員ホワイトのまま終える」という僕だけの裏目標があったのですが、最後の2日間は山田君にだけスライドやポスターの作成で無理をさせてしまいました…ごめん!半年間ありがとう!(櫻木)

美大生と東工大生はほんとに全然違ってうまくやるのが難しいみたいなことを本を読んだり、人づてにたくさん聞いたりしていたので、EDPどうなっちゃうんだろうという漠然とした不安を抱えていたのですが、やまだくんはそんな不安をぼくに一切感じさせないような人でした。言い方は適切でないですが、美大生がいることによるポジティブな部分しか感じず、ほんとにすごいなと思いました。ディスカッションをしていて、この人は多様性の中でみんなにちゃんとリスペクトをもって接しているんだなっていうのが伝わってきました。そしてポスターやスライドの圧倒的クオリティもあり、超人なんじゃないかと思ってましたが、最後らへんの時に某事件でめっちゃ焦ってるのを見てやまだくんも人なんだなとちょっと安心しました。たくさんの感謝を送ります。(稲村)

論理的な面からも感性的な面からも素敵な提案をしてくれてありがとう!結露のアイデアからCGを使ったポスター,スライドのデザインまで,人目に触れる全体をスタイリッシュでお洒落に仕上げてくれて,それを見る度にテンション上がってました. 話し合いの場では抜群の理解力で話や論点をまとめてくれたり意見してくれて,デザインやプロダクトを決定する場では抜群のセンスでPVの画角とか自分じゃ絶対こだわらないような部分で,同じものを何倍にも良く見えるようにアドバイスしてくれました. 美大と東工大の違いを感じさせない山田君の共通言語の幅の広さと,美大生だからこそ持つ光るセンスのおかげで,「窓のキャンバス」の魅力を最大限引き出すことができたと思います!ありがとう!(蔵田)

とにかくセンスが良い! チームで取りまとめたアイデアやイメージを、具体的なプロダクトの形に起こす作業において、センスを発揮してくれました。 今回の「窓のキャンバス」のアイデアも、窓を電子ボードのように使う(上司ノート)という櫻木君のアイデアに対して、山田君が「結露の窓に書きたいな。その方がエモくない?」といって、アイデアを広げてくれました。 また、最終発表資料は、文字やデータだらけの理系的な理詰めの資料ではなく、非常にシンプルでスタイリッシュな資料でした。「俺にはあの見せ方はできないぁー」と脱帽しました。(江守)

江守 宣佳

Emori Nobuyoshi

日本ゼオン株式会社

【感想】

約半年間、終わってみればあっという間でしたが、仕事とEDPの両立は非常に大変でした。 ただ、普段の仕事とは全く違う進め方、全く違う課題、全く違う環境、全く違う仲間と、一つのことをやり遂げるという経験は非常に有意義だったと思います。

これまで、新製品や新企画を提案をする際には、最初に「やりたいこと」ありきで、後付けでストーリーを作ることも多かったですが、今回のEDPでは、デザインプロセスに則って愚直に進めました。 今回の最終的なソリューションは、デザインプロセスを何度か回す中で、メンバーの中から挙がってきたアイデアを融合させたものなので、非常に説得力というか、納得感があります。

プロトタイプについては、最初は、「機能を再現することができれば、ディテールには拘らなくてもいいのでは」と思っていたのですが、 メンバーや先生の意見を聞いて、ディテール(窓枠、クレイドル、窓枠に沿った横向きの投影など)に拘った結果、良いものに仕上がったと思います。 具体的なユーザー体験を再現するためには、プロトタイプのディテールは重要だと感じました。

ここで得た経験を、個人としてだけでなく、社内にも展開していきたいと思います。 最後に、このような貴重な機会と課題を与え下さったEDPの先生方、YKK APの皆様、チームメンバーに感謝致します。 どうもありがとうございました。

【班員からのコメント】

江守さんは社会人学生としてお忙しい中にも関わらず、チーム全体のまとめ役を引き受けてくださいました。ミーティングの際には「○○くんはどう思う?」「ちょっと話題変えるね」と会話をファシリテートしてくれたりと、チームがこれだけ仲良くやれたのも江守さんが居たからこそだったと思います。日程調整なども率先して行っていただいて、社会人ってすごいなぁと感じる毎日でした。
江守さんの行動力にはいつも助けられてきました。プロトタイプを作るときも「とりあえず手を動かそう!」と積極的に引っ張ってくれましたし、ユーザーインタビューが必要なときは会社の同僚や家族に聞きに行ってくれたりと…とにかくバイタリティがハンパじゃなかったです。「学生より学生ができる人」なんだなぁと尊敬していました。本当にありがとうございました!(櫻木)

社会人ということで仕事で忙しい中、自分たちが次に何をすべきかとか、ディスカッションで詰まった時に違う視点で考えてみようとか、僕たちの班がスムーズに進むように回してくれてとてもありがたかったです。また、僕たちの班の中で唯一の働いている人で、結婚している人でもあったので、ぼくは自分たちのアイデアに対しての最初のユーザーのような感じでも聞いていました。個人的には、2週目あたりの発表で江守さんに言われた「自分でアイデアとかコンセプトについてすごい悩むのもよいけど、やっぱりユーザーにきいてみなきゃわかんないよ」と言われたのが非常に記憶に残っています。それもあって、最後のプロダクトについては早い段階で薄々ユーザーテストをしっかりして方向性を決めるのが大事なんじゃ…って思ってたんですけど、強く言い出せなかったことを後悔しています。すみませんでした;;江守さんにはとても大事な視点を教えてくださって感謝をしています。たくさんの感謝を送ります。(稲村)

圧倒的ファシリテーターでした。江守さんからは、社会人はとても大変だという事を学ばせてもらいました。ゴディバ美味しかったです。ありがとうございました。(山田)

圧倒的な大人な存在として常にチームの士気を上げて下さりありがとうございました!長時間話せていない人の意見を「○○さんはどう思う?」と聞き出すこと,毎授業後に議事録兼長期計画をポジティブな言葉で「今日は○○ができた!次回は○○ができるようにしよう!」と表現すること,発表したアイデアの反応が悪くふてくされ気味だったチームの雰囲気に対して「社会人になったらこんな衝突なんてよくあることだから」と気持ちを落ち着かせてくださったこと,言動のすべてが社会経験の差を感じて,自分はまだまだ子供だなと思わされたし,言葉がけをして下さる度に江守さんみたいな人が上司だったら良いなーと思っていました. お仕事との掛け持ちでお忙しいのに,疲れた顔も一切見せずチームを支えて下さりありがとうございました!(蔵田)

Materials

Poster

Slide

PV

--

--