2022年度EDP「カラーリーダー」Team9-Agriever

『魅力ある新しい農業』に取り組む営農者を支援する製品をデザインせよ

こんにちは!2022年度エンジニアリングデザインプロジェクトに参加したTeam9-Agrieverです。

私たちは協賛企業である丸山製作所様のお題に対して、約半年間のグループワークを行い、先日のEDP発表祭にて「カラーリーダー」というプロダクトを発表しました。

このプロダクトの説明やこのプロダクトに至った経緯を以下の目次の通りご紹介いたします。

目次

1.プロダクト紹介
2.デザインプロセス(私たちの活動履歴)
3.メンバーによる振り返りとメッセージ
4.スライド
5.ポスター

1.プロダクト紹介

私たちは協賛企業である丸山製作所様の「『魅力ある新しい農業』に取り組む営農者を支援する製品をデザインせよ」というお題に対して取り組み、「カラーリーダー」を制作しました。

早速ですがプロダクトの紹介動画をご覧ください!

カラーリーダーは葉物野菜を色によって選別している自然栽培農家向けの新しい色彩選別機です。

この製品には葉物野菜の色の基準を設定すると、読み込んだ色が基準内か判別する機能があります。
そして人の目で判別する場合とは違い、この製品を使うと営農者が決めた色を保存することができ、理想の色を従業員に伝えることができます。

私たちは「魅力ある新しい農業」というお題に対し、無肥料無農薬で農作物を育てている自然栽培農家さんに着目しました。

この自然栽培農家の多くは卸売業者を通さず、顧客に直接販売しているため、独自の基準を設けています。

そしてその基準の中でも営農者が葉物野菜の基準として設けている色、硬さ、虫食いのうちの色は微妙な色の違いを判断する必要があり、営農者の下で働く従業員は迷っていることがわかりました。

営農者のこだわりを反映させるため、営農者は従業員に理想の色をわかりやすく伝える努力をしていますが現状難しくできていません。

しかし、実際には営農者の頭の理想のイメージには、絶対的な正解があるわけでなく、従業員は「ない正解」を求めて苦労しています。

そこで私たちは営農者が判断した色を選別時の正解にしてしまえば良いのではないかと考え、プロダクトを作成しました。

その下で私たちは自然栽培に寄り添ったデザインをしたいと考え、誰でも使える、作業効率を下げない、少量多品種の葉物野菜に対応できるデザインを意識してプロダクトを製作しました。

続いてプロダクトの機能をご紹介いたします。

カラーリーダーは設定機と判別機で構成されています。理想の色を知っている営農者が設定機で出荷できる色を設定し、設定した色を判別機に送信します。
一方、従業員が使う判別機は葉物野菜を挟んで色を読み取ることで、営農者が設定した色かどうかを光でお知らせします。

では、こちらを導入するとユーザーはどのように幸せになるでしょうか。

導入前は従業員が葉物野菜の色の選別で迷っており、営農者が理想とする品質になっていません。

そこでカラーリーダーを導入すると、従業員は迷わず選別できるようになります。すると、従業員に負担をかけずに営農者のこだわりを細部まで行き渡らせることができ、農園のブランドを確立できるようになります。

完成したプロダクトを農家さんに試していただいたところ、微妙な色の認識ができてすごい、曖昧な感覚を共有できる、思ってたより軽いなどの良い反応があった一方、1つの機器で2つの役割を担えた方が良い、ホチキスぐらいの大きさで首から下げたいなどのご意見をいただきました。

それ以外の今後の検討事項としては、判別時に使用した写真データの活用としてクレームが出た際の確認であったり、データを蓄積して精度を向上させる、また従業員やお客さんにどのような色がいいのかを伝える手段として用いることができるのではないかと考えています。

2.デザインプロセス

ここからはデザインプロセスについてです!

メンバーには、農業ロボットの開発研究、農家インターン参加経験、身内が農家など、農業に関わってきた人が多くいたため、どのチームよりも農業への関心が強くある!!

そう意気込んで、丸山さんのテーマを選びました。

また、多様な素材の加工経験がある人もおり、丸山さんが提供する多様なサポートや素材によって、より多角的なアプローチができるのでは!と思っていました。

私たちもまずはテーマの意味を考えました。
魅力ある新しい農業とは?定義を作り、ターゲットを絞りました。自然栽培農家は農家の中で0.01%ほどという目新しさがあります。

最初は除草に注目していきました。
無農薬のため、草かきには労力をどうしても使います。特に、雑草が生えてこないように予防する初期除草に注目しましたが、深掘りをせずに言葉をそのまま受け入れてしまったり、直接『あなたの課題ってなんですか?』と聞いてしまっていました。

そこでちょっと視点を変えて、農作業をする人の作業そのものよりかは農作業をする時に用いるものを洗い出そうと、マルチシートに注目をしました。
マルチシートは雨から作物を守るとかそれこそ雑草を抑制する役割もあります。ただ、インタビューすると、「使いたくないんですよ。産業廃棄物になるんでね〜」と仰っておられました。
このことをチーム内で議論し、『それって自然栽培らしさがないからでは?』と考え、先生たちからも良い視点だと言われました。

よし、ユーザーテストするぞ!

しかし、帰ってきた結果は自分たちの予想とは180度違いました。

「これを使うぐらいならマルチを使った方が楽かな」

それを受けて、もう一度チームで話し合いです。もしかして、自然栽培らしさを求めていたのではなく、効率を求めていたのか?

切り替えて効率について話し合い始めましたが、「効率なら議論し尽くされてない?」と、先生から言われてしまいました。

じゃあなんで効率って言ってるのに、こんな面倒な自然栽培をやっているんだろう?

改めて考え直し、インタビューも繰り返していくと、自然栽培農家は小中規模が多く、大量生産できない分、ブランディングで収益を上げていく必要があるのではないかという考えに至りました。

そこで、自然栽培農家の方がつくる作物の特徴について深掘りを行っていきました。

すると、「不揃いな作物ができるのが自然栽培の悩みだ」との回答がありました。

ただそれは、『自然栽培ならではのことであり、それこそブランディングにできるのでは?』と、考え、作物に付加価値をつけるために梱包作業の視点から考えていきました。

また、この場合、農家側だけでなくお客さん側にもインタビューとユーザーテストを行いました。届けたい人と受け取った方とで、梱包についてどのような印象を持っているのかを知り、理解を深めるためです。

そしてプロダクトを作成し、本命・対抗・穴馬を用意してユーザーテストを行いましたが、

「正直、梱包はなんでもいい。」

と言う、そもそもそこを課題に感じてないような結果となりました。

あれ?もしかしてわたしたちってユーザーに寄り添えてない??

だったら、実際に体験しに行こうじゃないか!

そうして農作業を体験する中で、選別作業に注目し、先ほどのプロダクトを考えていきました。。。

このことがあったからこそ、自らの体験から課題を抽出し、壁を乗り越える(=ユーザーに共感する)には、インタビューでは足りず、観察や体験も必要なのだということを強く実感しました。そして、自信を持って取り組むぞというチームの思いも強くなりました。

これまで、「チームで考えた」と述べてきましたが、どのように考えていったかをカラーリーダーの例でご紹介します。

まず外装部分ですが、今回の場合、私たちはアイデアを出す際に、紙とペンだけでなく粘土を用いて実際の利用シーンを再現することを行ってきました。
そして、評価の良かったものを3DCADで設計していき、実際に3Dプリントされたものをユーザーテストで評価するといった手順を踏み、外装部分を決めていきました。

次に機能面です。

①カメラで撮影した画像を色として設定機に送信する
②範囲基準に満たしているかどうかで判定機の色が変わる

と言った、機能の実装に取り組んでいきました。そしてそれらの実現のために、細かなステップを踏み、チーム内で進捗を毎日確認するようにすることで、開発に関わっていない人でも現状把握ができるように心がけました。

もちろん、順調ではありませんでした。ただ、「営農者を支援するために」という想いを強く持ち、決して諦めずに連日取り組んでいきました。最終的には、当初実装したかった機能の実現を行うことができました!

開発チーム、ありがとう!

最後に、そんな私たちが変わらずに取り組んできた「こだわり」を発表します。

・ホワイトボード:少しでも上手く言えない、理解しづらいと感じたら、絵を描くようにしました。言葉だけでなく、絵でも表現できる上、付箋を貼り付けることで視覚的にも分かりやすくなると考えたためです。

・立ち作業:座っているとボディランゲージも制限されてしまいます。幅広くお互いの考えが共有できるように、座っているメンバーがいたら「Stand up!」と言い合っていました。笑

・お菓子:毎回持ってくるようにしました。毎回の楽しみをつくるため、チームならではの文化をつくるためです。

・週2回MTG:予定を決める際、空いている時間帯から決めていくかと思います。そのため、固定の時間をつくるようにしました。また、日曜は絶対に休む!など、の決まり事も生まれ、メリハリをつけるようにしました。メンバーそれぞれ予定が異なることもありましたが、ほとんど全員参加で話し合いを重ねることができました。

・野菜開封体験/食べ比べ: 自然栽培の魅力を最大限感じられるように、お客側の購買体験を一通り体験しました。これにより、農家からお客へと野菜が消費されるまでの経緯を実際に経験することができました。

こうして、テーマに対してもチームに対しても、一生懸命取り組んできました。
私たちは今後、別々のチームへと一度戻ってそれぞれの叶えたい夢に向かっていきますが、また組めることを願っています。

そして、そんな私たちに対し、丁寧なご対応をしてくださった農家の皆様やお客様、テーマに取り組む機会を提供してくださった丸山さん、毎回の活動に対しフィードバックを授業時間外でも行ってくださった先生方、授業が円滑に進むようにサポートをしてくださったTAの皆様、そしてESDの学生のみんなの取り組む姿勢に私たちも刺激を受け、最後まで走ることができました。チーム東工大、いや、チームEDPの一体感を強く感じることができた半年となりました。

そしてそして、何よりもチームメンバーのみんな、本当にありがとう!!

最後まで悩みまくりましたが、楽しかったです!
ありがとうございました。

3.メンバーによる振り返りとメッセージ

from大澤 来実(東京工業大学大学院・機械系・修士1年)

【振り返り】
EDPに取り組めたことは本当に良い経験になったと感じています.

私がESDコースに入ったきっかけは,デザイン思考を学んだり,様々なバックグラウンドを持つ人と話をしたりすることで発想力を豊かにしたいと考えたからです.元々ユニークなアイディアを基に作られた商品が好きだったため,発想力を活かしてプロダクトの考案ができるEDPは私にとって興味深いプロジェクトでした.

活動が始まり,私たちはユーザーである自然農家さんの潜在的なニーズを捉えるために繰り返しインタビューを行ったり,農業体験をさせてもらったりしました.しかし,農業は時間との勝負であることを知って,効率を良くするだけのプロダクトばかり考案してしまうなど,ユニークなインサイトを見つけ出すことにとても苦労しました.個人的に「マルチシートは自然と呼べるのか?」というインサイトは良かったと思うのですが,もう議論しつくされているという話になりアイディアを発展させられなかったのがただ1つ心残りになっています….ですが,最終的には実体験から「葉物野菜の色による選別は迷う」という事実に気づくことができたことは満足しています.何度もインタビューや農場を訪問したからこそのインサイトにたどり着くことができて,やってきた甲斐があったなと思いました.

EDPでの思い出として,人の温かさを感じられたことも大きかったと思っています.コロナもあり人と関わる機会が減っていたため,個性的なチームのメンバーや様々な農家さんとコミュニケーションを取ることが本当に楽しかったです.メンバーとは,議論中でもすぐ話が逸れて雑談に切り替わってしまうほど仲が良く,笑いが絶えなかったです(それによって夜遅くまで議論が続いてしまいましたが…).また,農家さんにはお忙しい中急に連絡を取ってしまったにも関わらず,皆さん快くご協力くださり感謝しかありません.

最後になりますが,ホワイトボードを並べ,お菓子を食べながら議論をした日々は忘れません!POVの議論に付き合ってくださった先生方,農家さんの紹介やプロダクトへのアドバイスをくださった丸山製作所様,インタビューなどご協力くださった皆様,EDPでの苦労を分かち合った他チームみんな,そしてEDPに一緒に取り組んでくれたチームのみんな,本当にありがとうございました!

【メンバーへのメッセージ】
(to鍋野楓太)
チームでPOVについて悩んでいるときに,毎回率先して案を考えてくれてとても助かりました.特に終盤の忙しい中でも,自分の担当以外のことにも意見を出してくれていて,マルチタスクで色々やってくれていたのが本当にありがたかったです.それから,ボケもツッコミもこなしいじられキャラとして確立しているのが面白かったです笑.判定機のCADは神設計で,特にばねを使った挟み込む機構の設計はエンジニアとして尊敬しています.ありがとう!

(to松田颯来)
他のメンバーが忙しいときに,1人でインタビューやテストをこなしてくれて,おかげで予定していたスケジュールを大きく変更することなく進められました.実装では,ラズパイに触り始めてから1,2週間で画像処理までやっていたのがすごいと思いました.絵の連載をDiscordで始めてから画力が著しく向上したのに,描いてくれた私の似顔絵は微妙だったのが思い出深いです笑.体育会系精神で夜遅くまで一緒に,実装に取り組んでくれて心強かったです.ありがとう!

(to宮路修史)
コミュニティの広さを活かしてたくさんの農家さんにコンタクトを取ってくれて,特にインタビューできる農家さんが少ない最初の方は頼りっきりでした.追い込みで最後動画編集してくれて,完成度が高く驚きました.最終発表は,ほとんど寝ていない中でさすがの余裕,しかも時間ぴったり,すごかったです.DTFでも同じチームでしたが,発信力の高さや様々な活動をしてきているなど,新たな一面もあることを知りこれから活躍しそうだなと思っています.ありがとう!

(to村上初雪)
真っ先にペンを持ってホワイトボードに書き込んでくれるところが本当にありがたかったです.特にチーム全員悩んでいるとき,何が問題となっているのか書き出し整理してくれたため,議論が発散することなく進められました.また,分からないことや気になる点はうやむやにせず発言してくれて,おかげで,チーム内で共通認識を持ち同じ方向を向いて議論することができました.ポスターやロゴはさすが美大生という感じで感動ものでした.描いてくれたうさぎのイラストは家宝にします.ありがとう!

from鍋野 楓太(東京工業大学大学院・融合理工学系・修士1年)

【振り返り】
発表からしばらく時間が経過した今でも、未だに終わったという実感がわいていませんが、それぐらい充実した時間を経てプロダクトを完成させられたという証なのかなと思っています。全員があまり面識のないメンバーだったので最初は多少の緊張はありましたが、そんな緊張を感じていた自分が馬鹿だと思えるくらい和やかで ”いい意味” で頭のネジが飛んでいるチームでした!もちろんプロダクトを最終的に完成させることができた満足感もありますが、何より自分はいじられまくったり、ボケが多すぎて裁ききれなかったりと常に笑顔にさせていただいたので、最後まで笑顔あふれるまま来れたのが良かったなと思っています。

その一方で苦労もたくさんあり、常に順調というわけにもいかず、先生方の意見が異なることに惑わされたり、プロダクトがうまく機能しなかったりたくさんの壁が立ちふさがってきましたが、全ての壁に対して妥協せず正面衝突して突破できたのがこのチームらしいなと思ったし、妥協したくない自分としてはすごくうれしかったです。いついかなる時でも一人一人に対して包み隠さず意見を言える雰囲気もとても感じられるチームでもあったと思います。そう考えると、めちゃくちゃにぎやかで雑談が盛り上がりすぎて脱線することも多々ありましたが、文句のつけようがない完璧なチームだったと個人的には思えちゃえました(笑)。

そんなメンバーと充実した時間を過ごせたからこそ、意見を言いやすい環境づくりや課題に楽しんで取り組むことの重要性を再認識できました。設計がクソガバな頼りにならないクソガバ設計者でしたが、調子には乗っていないので今後も何か機会があればよろしくお願いします!改めて、お疲れさまでした!!

【メンバーへのメッセージ】
(to大澤来実)
手が空いたらすぐに誰かのサポートをしてくれたり、活動に何か抜け目がないかの確認をしてくれたおかげで最後まで安心して取り組めました。このチームは自分を含めブレーキが壊れている人が多かったので、冷静にいったん止まるべきところで止めてくれる存在がいたことに感謝してます。しっかり者のお姉さんがいてくれて本当に助かりました。マジでありがとう!

(to松田颯来)
とにかく体力が化け物で、誰よりも朝早くからデザイン工房に来て毎日先に作業をしてくれてましたね。そのおかげで全員集合したタイミングでスムーズに活動に移れるようになっていたと思うし、メンバー全員がその積極的な姿勢から良い刺激をもらっていたと思います。めちゃくちゃポジティブな考え方も面白かった。野球部万歳!

(to宮路修史)
Discord・Notion・miroの整理作業や動画編集などのパソコンを使う作業を全て進んでやってくれていたし、完成したその全てのクオリティも高すぎでした。スキルの幅がすごくて、その全てのクオリティが高い、そんなスーパーマンみたいな人って実在するんですね。そのスキルにメンバー全員も助けられたと思います。スーパーマンありがとう!

(to村上初雪)
いつも明るい雰囲気で話し合いの進行をしてくれていたり、積極的に発言してくれていたおかげ毎回の話し合いが盛り上がれていたと思ってます。迷走して行き詰っているときでもとりあえずやってみる姿勢やわからないことでも勇気をもって頭を突っ込む姿は、まさに勇者ですね。イラストもめちゃくちゃ上手で天才的にわかりやすかった。村神様ありがとう!

from松田 颯来(東京工業大学大学院・融合理工学系・修士1年)

【振り返り】
やること全部手探りで、学べることが多かった半年間だったなと思います!

デザインプロセスの初期の段階では、実際に大学を飛び出して農家さんの元で農作業の体験をしたり、全く繋がりのない農家さんとコンタクトをとってお話を聞いたりなど他の授業では学べない現実に近い課題発見のプロセスを体験できたように思えます。

そこから持ち帰ったデータをもとに、バックグラウンドの異なるメンバーとソリューションに関わる議論ができたのも自分にとって大きな財産になりました。自分のチームは機械系の東工大生と油絵科の美大生がいて自分の専攻(経済学系)とは全く違ったので話していて視点が違うことが多かった記憶があります。自分は基本的に作ったモノが売れたり広まりやすいかどうかを大事にする傾向があって細かい設計などは気にしないのですが、他のメンバーは設計の細かい仕様やデザインの細かい部分などにこだわりを持っていて、学ぶべき部分がたくさんありました。

実装の段階では、各々が得意な分野を活かして活躍していて良いチームだったなと思います。最終的に神設計者たちと神デザイナーのおかげで納得のいくプロダクトを作ることができました。

チームについては、毎週決まった時間に対面で集まっていて終始和やかな雰囲気でワークを進められたので、居心地の良いチームだったように思います。毎回お菓子を誰かが持ってくる、立って話す、ホワイトボードに考えたことをすぐに書くなどの意識が円滑な作業につながったのかなと思います。また一緒に仕事したいと思えるチームでした!

自分は文系からこの専攻に来て、当初持っていたのは健康な肉体だけでした。最初はわからないことの方が多くどうやってチームに貢献するかも手探りな状態でしたが、優しいメンバーに色々と教えてもらいながら何とか最後までやり遂げられました。本当に感謝しています。ありがとうございました!

【メンバーへのメッセージ】

(to大澤来実)
いつも議論を冷静に進めてくれてとてもありがたかったです!議論が行き詰まった時も粘り強く考えて良いアイデアを出している姿がとても印象的でした。チーム内で番長という異名を持ちながらも優しい口調で議論してくれたので話しやすかったです!

実装の時は、電子工作初心者の自分に1から親身になって教えてくれたおかげで納得のいくプロトタイプを作れました!ありがとう!

(to鍋野楓太)
一言で言うと天才でした。絶対音感とか何とか、一度は言ってみたい能力をたくさん持っていて羨ましかったです!

グループワークでも鋭い意見を言ってくれる一方、関西人のユーモアを見せてくれて楽しく作業できました。

実装の時も電装の都合に合わせて設計してくれる神設計(!)にとても助けられました。神設計者バンザイ!

(to宮路修史)
宮路くんはチームのメンターっぽいなという印象でした!

困った時に色んなツテを使ってインタビュー相手を見つけてきてくれたり、作業が行き詰まった時に良いアイデアを出してくれて何度も助けられた記憶があります。

それでいてドラえもんが好きというギャップがあったりとなかなか刺激のある人だと思っていました。

動画も最後まで改善を加え続けて、いい感じに編集してくれて役者冥利につきました。ありがとう!

(to村上初雪)
村上さんは何事にもこだわりがあって、細かいところにもよく気づくところが素敵だなと思います!自分とは真逆なところが多いので、見習わなきゃとずっと思ってました。

また、いい意味で(!)美大生っぽくない論理的な部分がある一方、かわいくて分かりやすい絵や図を量産していく面もあり、なんかもう脱帽です。村神様というあだ名をつけた自分の判断は間違っていませんでした!

EDAから一緒に活動してくれてありがとう!

from宮路 修史(東京工業大学大学院・融合理工学系・修士1年)

【振り返り】
期間中は、こだわりを持ち続けられたと思っています。
私が何かに取り組む際、1番大事にしていることは自分らしさを持って「楽しむ」ということです。どんなことも自分色で楽しまなきゃ損だ!と勝手ながら思っています。
そしてチームで取り組む際、1番大事にしていることは共通のゴールを持つことです。一人一人が異なったベクトルを向いていては力が分散されてしまいます。個々のベクトルを掛け合わせ、ゴールへと向かう強力なベクトルを生み出したいと考えています。そのためには一人一人の考えを知る必要があり、発言できるような環境が必要です。
以上の2つの観点を踏まえ、今回の活動にも様々な施策を打ち出していきました。

さて、楽しむというからには自分が1番楽しまなければいけません。
どうやったら、波を生み出して伝播させることが可能か。初動が大事だと考え、お菓子を持参したり、自分の持つリソースも最大限活かしたいと思って進行をリードするような役割を担いました。
ただ、自己管理の面で体調を崩し、途中はストレスからか全く声が出なくなる期間が続くなど、チームの活動に多大な迷惑をかけてしまいました。
そのため、プレイヤーとして単にリードするよりかは、サポーターとしてリードできないかという考えを持っていきました。講義期間の中で先生方が紹介されていた書籍をいくつか読み漁ってみるなどし、とにかく視野を広く持つこと(具体的には、時間的視点と空間的視点)を意識し、繰り返し場の整理を行ってチームの認識を合わせるように注力しました。

テーマに対しては、私自身も元々農業に関する取り組みを行っていたこともあり、知り合いの方々に連絡をしてインタビューのお願いをするなどしてきましたが、それでも分からないことが多くありました。これでもかこれでもかとアイデアを考えていきましたが、相手の心を打つようなプロダクトが生み出せずに、相手の心の声を聞くことができずに、最後の最後まで悩んでいきました。
ただ、チームとして一貫していたのは挫けないということです。「もう無理だよ〜」とか「できない」とか言う前に、本当にそうなのか?と一度踏みとどまり、考える癖をつけるようにしました。そして先生たちからの「日本の農業の人手不足を解消することに切り込んでいる、超重要なプロダクトだよ!」と言った後押しもありました。

これらにより、最終的なプロダクトは難易度高めのものになったかもしれませんが、使用者はこれを使う時にどこに注目しどのように使うか。操作性や持ち手部分の触り心地や大きさ(幅)は高齢者も違和感なく扱えるのか。製品のUI/UXについてもしっかりと議論していきました。(もっと凝りたかったですが、、笑)

総じて、考え抜いた期間だったと思います。今後はそれぞれ別の活動が中心になるかと思いますが、ここで得た「挫けない心」は確かなものとして活かされていくはずです。そして私自身も今後、様々な場面で活躍していけるように、定期的にEDPのことを振り返りながら、より豊かな日常の体験に貢献できる人材を目指していきたいと思います。

またよろしゅう。

【メンバーへのメッセージ】
(to大澤来実)
大澤さんはDTF(デザイン思考基礎)の時にも一緒のチームになり、共通の趣味があるなど、最初から信頼感が高くありました。
また、技術面においても率先して考えていく姿はとてもカッコ良く、機能の実装が本当に可能なのか間に合うのかとなった際も、「やるしかない」と言い切っていたのもチームの士気をあげたと思います。議論においては、自分の考えをしっかり述べていたのはもちろん、「それって、〇〇ってこと??」と否定せずに、誰かの考えや想いを汲み取ることに長けている方だなという印象を持ちました。
所属する研究室からは(確か)唯一のESDコースだったかと思います。他との兼ね合いや、不安な気持ちもたくさんあった中で、チームの骨組みをつくりあげていってくれたことに感謝です。ありがとうございました!

(to鍋野楓太)
たくさんいじられましたね。日に日に呼び名も増え、忘れてしまった呼び名もあるかもしれません。「とはいえ、」1つ1つのボケにしっかりとツッコミを行い、場を盛り上げてくれました。
途中、自らが体験した農作業について自分達チームメンバーだけでなく、先生たちからも質問攻めにあってましたが、しっかりと自分の体験談を話して相手に伝えようとしていたこと、帰り道でも「俺はこう思う」と話してくれていたこと、電車の中であっても打開策を練って取り組み、TAとの会計係もこなしてくれたこと、などなど、場を盛り上げつつもテーマに対し、真正面からぶつかっていった姿は、まさにチームのカラーとなっていました。
設計についても、他者からの無理な要望がたくさんある中で、不可能を可能にする設計力はとても光るものがありました!ありがとうメテオ!

(to松田颯来)
チームの骨組みとカラーが決まったら、次は実際に動かしてみたくなりますよね。松田くんは、チームのエンジンだったと思います。
自分達がこうしなきゃああしなきゃと、足や手を動かす必要があった際、分からないことであっても「面白そう」「やってみよう!」と好奇心を持って率先して行動してくれました。「これが俺にできること」なんて言ってたと思いますが、自分達からしたらスゲェの一言です。
加えて、画像処理にも取り組み、あらゆる手法を実際に試した中で最も良いものを選ぶなどの技術面の成長と、初期の頃に描いていた謎のキャラクターが、いつの間にか千本ノックとして毎日のようにチームのチャンネルにイラストを投稿し続けていったら上達し、アイデアをイラストで描く際にもそのことが活かされていったなどの表現力も高めていったのが印象的でした。
そういった姿勢を見て、チームメンバーは挫けない心を身につけていったのだと思います。松田くんも他との兼ね合いやバックグラウンドが違う中、チームのエンジンとしてたくさん勇気づけてくれました。ありがとう!

(to村上初雪)
動いたとしても、どう動くかが大事ですよね。村上さんは、チームで掲げたゴールに対し、誰よりも悩み・考え・思っていることを伝えてくれました。
チームで唯一の美大生として、エンジニアリングの領域に飛び込んだものの、難しいことがたくさんあったと思います。それでも伝えることを怠らず、全員と向き合ってくれました。自分達もそれに対して向き合っていくことで、チームのベクトルがゴールへと向かっていったのだと思います。その際は、言葉だけでなくイラストや粘土など、様々な表現方法を教えてくれましたし、まとめてくれました。
新しい環境に飛び込むことは、とても不安なことだらけだと思いますが、こうしてチームをまとめ上げて東工大生たちを引っ張っていったのは、相手を想うからこそであり、誰よりも悩み・考えてきた村上さんだからできたことだと思います。
毎回、帰り道が一緒なので話をしていましたが、話をたくさん振ってくれました。また、終盤は疲れてしんどくて電車内で寝ている姿もありました。ただそれでも、最後は必ず笑顔で「お疲れ〜!またね〜!」と手を振ってくれたこと、とても元気づけられていました。深夜になっても、discord上で先生たちとやりとりをし、テーマに対して悩み続けていたことも印象的でした。
たくさんの考えと学びをありがとう!
お疲れ様でした!またね!

from村上 初雪(武蔵野美術大学・造形学部/油絵学科・学部3年)

【振り返り】
間違えなく私の人生を変えた、刺激的な半年間でした。
普段は油絵学科に所属しており、デザインもできなければグループ活動にも慣れていない私は、当初グループでの立ち位置の取り方に迷っていました。しかし熱心なチームメンバーと議論を進めていく中で徐々に属性への偏見は薄れ、自身の取り組みを100%ぶつければ対等に議論し合えることを知りました。意見を主張する強さや方法を間違えてしまった時や、伝えたいことを上手く言葉にできず抽象的な言葉を並べてメンバーを困らせてしまったことも多くありましたが、全く嫌な顔をせず理解しようとしてくれ、一緒に議論し合ってくれたメンバーには感謝してもしきれません。

はじめ丸山製作所さんのテーマを選んだ時は、農家という職業に対してどこか遠い話のように感じており、他人事のような気持ちもありました。しかし何人もの農家の方に出会いインタビューし悩みややりがいに寄り添う過程で、最後の方にはプロジェクト関係なく本気で彼らの農園を支援し世の中に届けたいという思いで行っていました。今までの作品づくりでは、「自分のため・自分に共感してくれるどこかの誰か」に向けて制作していた私にとって、この経験は非常に衝撃的でありつつも楽しいものでした。実際に悩みを抱えている人が目の前にいて、その悩みを深くまで理解することで今まで表に出ていなかったニーズを発見し、解決策を提示する、という一連の流れは、完成した際に強い実感を伴う達成感を得られます。
振り返ってみるとこの体験は、きっと普段の制作活動にも必要なことなのではないかなと思います。何か解決したいものや表現に対してとことん「知る」ことで、これからの制作でも今まで表に出ていなかった面白い表現を見つけていきたいです。

【メンバーへのメッセージ】
(to大澤来実)
Agrieverがこの課題に対してここまで真っ直ぐ突き進み続けられたのは、間違いなく来実ちゃんのおかげでした!来実ちゃんが課題を冷静に俯瞰し、目的意識を持ち続けることで舵を取ってくれたおかげで、私たちは最後まで営農者に寄り添い続けることが出来ました。自分の伝えたいことを的確に伝えつつも、誰も傷つけず角の立たない伝え方ができるところを本当に尊敬しています。
来実ちゃんの、集団の中で意見を伝え・受け入れて議論する能力には学ぶことばかりでした。約半年間本当にありがとう!

(to鍋野楓太)
最後までずっと笑顔で楽しかったAgrieverの活動は、鍋野くんの存在無しには叶えられなかったと思っています!議論が沼にはまって皆の顔が険しくなり始めた時でも、鍋野くんが場を明るくし、誰の発言も落とさず拾ってくれたので、いつでも安心して発言出来ました。また、難しい議論の時にどんなに悩んだとしても、絶対に自分なりの結論を出してくれるという圧倒的信頼感がありました。
議論を楽しく活発に進めつつ神設計をこなす鍋野くんを見て、グループ活動のあるべき姿を知りました。約半年間本当にありがとう!

(to松田颯来)
Agrieverがここまで全力疾走し、あのクオリティのプロダクトを生み出せたという結果は、颯来くんがいたからできたことだと思います!一番実地に足を運んでくれたのも、インタビューしてくれたのも、実装してくれたのも全部颯来くんです。言葉で語るだけではなく、凄まじい行動力と挑戦回数で困難を打開し、救われた場面が何度もありました。
颯来くんから学んだ努力の仕方や前向きな考え方は、私の人生の行動原則を揺るがすような強い影響を与えるものばかりでした。約半年間本当にありがとう!

(to宮路修史)
Agrieverが自然栽培農家に出会い、ここまで課題を追求したという成果は、宮路くん無しに得られなかったと思います!宮路くんはいつも驚くような繋がりからインタビュイーを発見してくれました。また、議論の全体像を整理しキーとなるような指摘を行なってくれたおかげで、全員で一度課題に対して冷静に考える時間を得られました。
動画編集やポスターパワポ整理など宮路くんの多種多様な能力によって、一応美大生である私の出る幕が無いほど何度も助けられました。約半年間本当にありがとう!

4.スライド

5.ポスター

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