2022年度EDP「unit garden」team6-ティーターン

置くだけ、ぽんっと、すぐお庭。

こんにちは。2022年度のエンジニアリングデザインデザインプロジェクトに参加したteam6-ティーターンです!私たちは、YKK AP株式会社の協力のもと、約4か月間プロジェクトに取り組みました。

本記事はプロジェクトの活動報告となっており、以下の内容で構成されています。

  1. Product Pitch:最終プロダクト「unit garden」の紹介
  2. Design Process:unit gardenが生まれるまでの活動記録
  3. Self reflection&Messege:各メンバーの振り返りと他メンバーへのメッセージ
  4. Materails:資料(ポスター、PV、最終発表祭の様子)

Product Pitch ~「unit garden」の紹介~

私たちteam6ティーターンは、YKK AP株式会社の協力のもと”住まい手の状況変化に合わせたお気軽リフォームによる新たな窓外体験をデザインせよ”というテーマに基づいて、“unit garden”という製品を提案します。

以下のプロモーションビデオをご覧ください。

プロモーションビデオ

“unit garden”は、家族の変遷に合わせた庭を活用したい家庭向けの庭構成パーツです。この製品によって自由自在な庭の組み換えが可能になります。そして「植木鉢」や「リフォームに手間のかかる従来の庭」と違い、この製品は、庭の要素を組み換え可能にし、一体感のある庭を作ることができます。

「今のお庭に満足していますか?」
このような質問を私たちはインタビューで行ってきました。すると、このようなお話を伺うことが出来ました。

出産を機に戸建てを購入したご家庭は、「メンテナンスが楽」という観点から庭を全面タイル張りにしました。家を購入してしばらく経ち子供が成長することにより、「食育」に興味を持った母親は植木鉢で家庭菜園を行うことになりました。

しかし、「植木鉢」での家庭菜園は理想とかけ離れている…
とはいっても、庭に土を敷くのは労力がかかるし、ずっと土いじりを続けるとも思えないし、手入れを続けるのは大変そう…そんな悩みを抱えていました。

そのような背景から私たちは、「家庭の変遷に伴って庭へのニーズは変化するもの、でも思い切って変えるには労力がかかる」ことに着眼し、「庭での体験を気軽に変えられないだろうか?」と考えました。

この問いに対しての解決策を考えるにあたり、インタビューをもとに、私たちは以下の3つの「デザイン原則」を掲げました。
1つ目は「ライフスタイルの変化に対応」
2つ目は「かんたん・気軽な操作性」
3つ目は「庭の活用意欲向上」です。

そして私たちが考案した製品が、「置くだけ、ポンっと、すぐお庭。」”unit garden”です。60cm角の大きさで、デッキと土の2種類を用意しています。また、これらのユニットは高さを調節することができます。

“unit garden”の2つの主な機能について説明します。

まずは「ユニット化」。あなたの好みに応じてお好きなユニットをご利用いただけます。ユニットも簡単に持ち上げられ、交換も可能です。

次に「高さ調節機能」についてです。ユニットの上から簡単に調節できます。地面が傾いていても柱ごとに高さを変えられるため、一体感が得られ、屋内空間とユニットの高さをそろえることで外に出やすくなる環境を提供します。

“unit garden”を導入するとお庭での体験がどのように変化していくか見ていきましょう。先ほど紹介したような、全面タイル張りだった家庭が「家庭菜園をしたい!」となった場面を考えます。

“unit garden”を設置すると、このようによりリアルな家庭菜園を体験できます。年月が経過し、土いじりをする余裕がなくなった際には全面デッキに。時間に余裕が出てきた際にはこのように土ユニットを沢山使用して、その時々に応じたユーザーのニーズに応えることが出来ます。

この製品をユーザーに見ていただき感想をいただきました。

良い点としては、まず第一に「めっちゃいい!」と評価いただきました。また、「家からフラットだから庭が使いやすい!」「欲しいときだけ土の割合を増やせるのがいい!」とのご意見をいただきました。

また、心配な点としては「ガタつきがないように施工できるか不安、乗って不安じゃないといいな~」とご意見いただき、「土とデッキ以外にも、他の種類のユニットも欲しい」といった改善点に関するご意見もいただきました。

そのような声を基に、水ユニットや芝ユニットなど他バリエーションの展開、飛来防止対策や、子供使用時の安全対策を行っていきたいと考えています。

“unit garden”で気軽にお庭での体験を変化させて楽しみましょう!!!

Design Process~unit gardenが生まれるまでの活動記録~

ここからは、私たちteam6ティーターンが“unit garden”を提案するに至った背景「デザインプロセス」について紹介します。

私たちTeam6ティーターンは、様々なバックグラウンドを持つご覧の5名で発足しました。
(ちなみにチーム名は、チーム番号が6だったこと、また宇宙系の研究室に所属している人が5人中2人いたことから、「太陽系の6番目の惑星の6番目の衛星「タイタン」」からそのギリシア語読みの「ティーターン」としました。)

私たちのチームは、YKK AP株式会社の「住まい手の状況変化に合わせたお気軽リフォームによる新たな「窓外体験」をデザインせよ」というテーマを頂きました。最初は、「状況変化」「お気軽リフォーム」「窓外体験」と多くの要素を含むこのテーマにどのように取り組んでいこうか悩みました。

とりあえず、状況変化に着目すれば何か手がかりが得られるのでは…?と思い、初期は状況が目まぐるしく変わる子育て世代を中心にインタビューを開始。

子育て世代の方から「子供にある程度疲れてもらうために外遊びをさせているが、自分が疲れてしまう」といった声をたくさん聴き、家から見守れる場所で外遊びができるアイデアを提案してきました。

窓の外へ遊び場を拡張するというアイデアには一定の需要がありそうだったのですが、現在流通しているおもちゃと違う価値のある提案をすることができず、また「子供をベランダで遊ばせるのは危険そう」という思いがチームでよぎり、子供の遊び場という方針からはいったん離れることになりました。

そこで、子供本人がユーザーとなる遊びから離れるため、子育て世代の親に着目するように方針転換をしました。

しかし、ここで迷走し始めます。

「状況変化」に着目し、親の悩みを聞くと「窓外」に関係のない問題ばかりに目が行き、「窓外体験」に着目すると、気分転換を促進させるというような一辺倒なアイデアしか出てきません。

そして私たちはどんどん迷走していきます。
(ちなみに、スライド背景はオンラインホワイトボードツールMiroをモニターに映し出し、その上から実物の付箋を貼ってアイデアに投票するという文字通り迷走しているミーティング中の様子です)

「窓外体験って、気分転換、自然とのふれあい、くらいしか思いつかない!」

「外での散歩に勝る気分転換はつくりだせない…」

「状況変化に着目すると窓外体験にならないし、窓外体験に着目すると状況変化にならない…」

「状況変化ってなに!窓外体験ってなに!!!」

子供の遊び場のアイデアを考えていた時は、割と調子が良かった気がしていたのに、テーマに悩まされる日々が続きました。。。

迷走する日々の中、突破口を見出したい!と思い、藁にも縋る思いで私たちは過去のインタビュー記録を見返していました。すると、ある大学生にインタビューしていた時のこの一文に目を奪われます。

「庭って何に使うんですか?小さい頃しか使うことなくないですか?」

確かに、大学生である私たちもこの一文に共感する部分はあり、気になるな~と思いました。しかし、私たちが窓外体験を作り出そうとしているから庭を使っていない現状が気になるだけで、無理に使わせるのは違うのではないか?という思いがよぎり、方針を決めきれずにいました。

そこで、プロダクトの方向性について教員にオンラインツールDiscordにて相談してみたところ、K先生からこのようなコメントを頂きました。

「子供の頃は庭は使っていたが、今は全く使わずに荒れている、大きくなった今庭で何をするんですかね?」
これがいちばんざわざわした。庭はなんでもできるやろ!

EDP授業内では、ソリューションのヒントとなるような違和感のことを「ざわざわ」と表現します。私たちが気になっていた大学生の発言に対し、K先生も大学生のコメントに「ざわざわ」するとフィードバックしていただきました。その結果、自分たちの感覚に自信を持ることができました。

そこで、私たちは家族の成長を考慮し庭の活用を推進させるようなプロダクトを考案していきました。「思い出咲く柵」は庭の柵に家族の成長記録をすることで庭を思い出の場所にするというプロダクトとして考案、「Unit Garden」は今回の提案の原型となるアイデアで、家族の成長に合わせて庭を組み合わせ作ることができるプロダクトとして考案しました。

その結果、今回の提案の原型となるアイデアに対し、ずっとインタビューでお世話になっていたKJさんに「めっちゃいい!」とコメントを頂くことができました!!!

しかし、私たちとしては「大きな植木鉢と何が違うんだろう?」「なんでめっちゃいいんだろう?」という疑問が止まりませんでした。
そこで、ユーザーインタビューを通して「どこが良かったんですか?」という質問を計1時間じっくりと時間をかけて深堀しました。

すると、「植木鉢って畑から収穫している感じがしないんだよね」や「屋内とフラットな一面の庭ができるのがいい!」というコメントを頂くことができ、ユーザーテストからプロダクトの推しポイントを整理できました。

そこから、実際のプロトタイプを作成するための準備に取り掛かりました。

ホームセンターに計2回出向き市場調査を行うことで、材料・大きさ・構造の雰囲気を掴みました。また、幅広い世代へのインタビューを通して、課程の変遷に伴った庭の使い方の変化があることに確信を持てるようになりました。

そして、段ボールプロトタイプのVer.1から、土の重さの確認やCADを用いて家に並べたときのイメージを作成したり、荷重計算を通して、試行錯誤を重ねました。

中でもこだわったのは、各ユニットの大きさの検討です。最初は30cm角で作成していましたが、小さすぎるのではないかという意見がありました。45cm角,60cm角の木材も購入し実物を見ることで、重量や取り回しの良さを考慮し、現在の60cm角(土の大きさは45cm角)とすることにしました。

試行錯誤を繰り返し、「unit garden」完成しました!!!
最終発表祭当日は、実物大のプロトタイプの展示の他、家庭に置いたときのイメージを掴んでもらえるようにミニチュア版も作成しました。

最後に、Team6ティーターンに関わってくださったすべての皆様のおかげで4か月間走り切ることができました。心より感謝申し上げます。

以上、unit gardenが生まれるまでのteam6ティーターンの活動の軌跡「デザインプロセス」でした。
(写真はプロモーションビデオの土ユニット設置方法撮影中の様子)

Self reflection&Messege ~各メンバーの振り返りと他メンバーへのメッセージ~

ここからは、team6ティーターンの各メンバーの振り返りと他メンバーからのメッセージを記載します。

最終発表祭のデモブース前の集合写真

石津 衛門
Ishizu Eito
東京工業大学 融合理工学系 修士1年

【感想】

チームの皆さん、約半年間一緒に活動してくれてありがとう!!

それぞれの良さが光ったからこそ、こうして最終発表祭まで無事に辿り着けたのかなと思います。似た者同士であるように思えて、実は考え方感じ方がいろいろでとても面白いチームだったように感じています。

そして、このチームで半年間過ごさせてもらって、みんなのとがった個性を強く感じました。特に、最終発表に向けて、みんなが”個”を発揮している姿は本当にかっこよすぎで今でも忘れていません。「同世代で、こんな専門性を持っているのか!」と常々刺激をもらってばっかりでした!

また、授業全体を通しては、いかに「相手の観点を捉える」ことが難しいのか、「自分が思っていることをそのまま伝える」ことが難しいのかを痛感しました。インタビューにおいてもチーム内議論においても、全員が自分と同じ意見になるわけはなく、常々「どこからその考えが来るのだろう→そんな観点があったのか!」の繰り返しでした。そんな中でも、自分の思っていることを相手に伝える。発言してみたはものの、うまく伝わっていない(メンバーの皆さん、聞き返してくれてありがとう!)ことも多々ありました。このような難しさに気付けたのは、一つのテーマに対し長い時間をかけた結果として、深い議論を行えた故なのかなと、振り返って感じます。

チームメンバーやパートナーさんにも恵まれ、とても貴重な経験ができました。皆さん、本当にありがとうございました!!!

【班員からのコメント】

ミーティングで積極的に意見を出してくれてありがとう.安易な同調に頼らず議論を活発にしてくれたおかげで,チームとしての議論姿勢もより良いものになったと感じます.プロトタイプ作成も率先して作ってくれて大変助かりました.(押野)

石津くんは、熱い部分と冷静な論理的思考両方兼ね備えているよね。そこが面白いな~って、前期DTFとEDPで一緒に活動している中で思っていました。
うちのチームはみんな意見を言う時にそれぞれ違う角度で理由を述べていたけど、石津くんはインタビューイーに「こうしてあげたい!」とかそういう意見を言っていた印象があった。逆に、議論の中に破綻している部分とか、論点がずれているときに指摘してくれるのも石津くんイメージ。みんなが議論している中、じーっと聞いて考えているとき、「早く口開ないかな~」って待っていたな。論理通っているかどうかに関して一番意見を信用していた気がします。
物品担当として素早く発注品選定してくれて、発注のやり取りとかしてくれて、本当に助かりました。(疲れ切っていた時にマシンのように物品選定していた時は大丈夫か?と心配になったけど。)あと、unit gardenのアイデアは石津くんの地面が動くダイナミックなアイデアがあったから生まれたと思う!4か月間(とDTF)ありがとう!(野村)

積極的に発言したり、納得できないときは分かるまで考え込んだり、いつも真剣に議論に参加する姿勢に尊敬しています。機械に詳しい石津さんはプロトタイプ作成のときも大活躍で、頼りになりました!石津さんとは帰りの電車が同じだったので、EDPに関することから全然関係ないことまで様々なお話をさせていただき、EDPの活動期間中一番近くで関わらせていただけた存在です。自分とは全然違うバックグラウンドをお持ちなので、大学院や社会に出てからのことなど今まで知らなかった世界のお話を沢山伺えて、毎回楽しかったですし貴重な出会いだったなと思います。ありがとうございました!(松原)

チーム6の頭脳的な存在で、毎回石津君の深い洞察力と鋭い指摘によって、チームの話し合いが進むことが何回もありました。さらにその意見が、その後のチームのアイデアになるなど、問題提起からプロダクト作成にかけて幅広く、その発言がチーム活動の軸であったと感じています!

また設計や発注にわたっても色々と手がけてくれていて、早めにプロダクト作成に取り掛かれたのもその早さのおかげだと思っています。

チームメンバーへの配慮も考えてくれていて、お菓子を毎回持ってきていたり飲み物買ってきてくれたりと裏から気遣ってくれている優しさには感謝しかないです!半年間ありがとう!(若林)

押野 太一
Oshino Taichi
東京工業大学 機械系 修士1年

【感想】

私はチームで議論することが苦手で,これを改善するためにESDコースに入りました.そんな中EDPという授業は大変勉強になりました.

属性や背景の違う人たちと半年間共に何かの目標に向けて取り組むという経験は,人生を通しても中々ない経験だと思います.この経験は,チームビルディングをはじめ,発表に向けてのスケジュール管理,苦しいときでもあきらめない忍耐強さ,少人数だからこそ求められる積極性など,大事なことをチームメンバーから多く学びました.

また,YKK APさんのテーマを通して,新たなアイデアを作り出すことの難しさを感じました.説得力のある意見は背景がしっかりしているといいますが,この授業ではこれを大事に,地道にひとつずつ積み上げていくようにアイデアを出しました.何回も0からのスタートとなりましたが,チームでともにやってきたからこそ最後の私たちのアイデアがあると思います.

最後に,半年間共に学び支え合ってきたみんなへ,本当にありがとうございました.

【班員からのコメント】

チーム内のアイデアマン。その発想どこから来たん?って感じで、理にかなっていつつ新しい視点を、いつもチームに投げかけてくれてとても助かりました。ネーミングセンスも、アイディエイトセンスも抜群でした!!!そして、チームの議論が平行線になったときの押野君の「それってこういうことじゃない?」って言葉に「そういう考え方があったか!!」と毎授業なっていました(笑) また、後半のプロトタイピングでは、さすがは機械系、いろいろな道具を駆使し、急ピッチで高クオリティーなものを作ってくれたのは超かっこよかったです。半年間ありがとう!!!(石津)

EDAから同じチームで、なんなら約4年半同じ大学の同じ専攻でお互い知り合いでもあったけど、違う人種だなと思います。(私が王道機械系民と違う生き方しているせいかもだけど。)でもそれがよかったのかな~と。
EDP前半戦は、アイデア出しとか苦手な人が多い中で、「どこから発想したのか??」と一瞬戸惑うようなアイデアを出して、考え方の幅を広げてくれて助かった。後半戦の実際に作るプロトタイプの設計とかになってくれて、ものつくりセンターでの加工とかも予約から何から頼りっぱなしで、おしのがいなかったらunit garden完成してなかったと思います。揺れを少なくするためのジョイントとか資料のどこにも載せられなかった細かい工夫があったから完成度高いプロトタイプに仕上がったのかなって思います。高さ上から調節したいとか、ジョイント全部に付けられないよね?とかUI視点で技術者困らせなお願いしてごめん。でも全部答えてくれてありがとう。
最後に、押野がチームミーティングでのかじ取りとか主体的にしようとしてくれていて、救われました。結構頼っていたように思います。EDAからの半年間ありがとう!(野村)

タイムキーパー押野さん!今日すべきこと、何時までに何をする、等々いつもスケジュール管理を的確に行ってくださったおかげでスムーズに活動を進めることができました。機械系5年目の実力でCADの操作も自由自在、機構も色々と考えてくださり、プロトタイプ制作で本当に頼りになりました。そして資材コーナーから必要なものを探してくるのが得意という一面も。略すの大好きな押野さんが使っていたUG、そのままロゴに採用されて面白かったです(笑)。とても気さくな方でお話ししやすかったですし、もっとゆっくりお話してみたかったです。衛生開発頑張ってください!(松原)

毎回の授業で、特にプロトタイプ案を考えるときに色々なアイデアがたくさん出てくるところに凄さを感じてました。その案もちゃんとした案から大穴の案など幅広く提案してくれたので、プロダクト作成にはあまり困らなかったような記憶があります笑。

チームででた意見をまとめてこういうことだよねと要約してくれたり、アイデアの説明などその知識の多さから丁寧にしてくれたりと、押野君のおかげで納得感が倍以上に増えたと感じています。

また、自分たちの考えたプロトタイプ案に似た他製品を探すのが上手く、その「先行研究」をもとに作成するプロダクトは納得感もあり、すごい能力だなと思っていました笑

帰り道も一緒で色々と話すことができて楽しかったです!

半年間ありがとう!(若林)

野村 彩乃
Nomura Ayano
東京工業大学 機械系 修士1年

【感想】
EDPは約4か月の長期間。講義の枠を超え、「プロジェクト」に参加しているという意識で取り組んだので、頭の半分以上EDPに侵食されながら生活していました。今までいくつかデザイン思考の授業を取っていましたが、そのくらいどっぷりハマって取り組むのは初めてだったように思います。ハマることができた理由、そしてハマったことで得られたことについて書いていこうと思います。

ハマることができたのは、まず設定されたテーマが面白かったからだと思っています。私のチームはYKK APのテーマに取り組みました。「状況変化」「お気軽リフォーム」「窓外体験」と聞きなれない言葉が並んでいてその解釈から始めましたのですが、最初は雰囲気しかつかめませんでした。しかし、「わからない!」と諦めるのではなく、歩いている間とかずっと「どんな事すればいいのだろ~?」と気づいたら考えていて、、、そのくらい考えごたえのある面白いテーマでした。

ハマったことで得られたのは、デザイン思考という一種の枠組みの中でコンセプトから1つのソリューションに落とし込む過程をじっくりと楽しめた経験です。私たちの班では、ある種ゲームの世界を思い浮かべるような「庭をパーツで構成する」というアイデアを現実世界で使ってもらうということを考え、論理の通った説明ができるようにインタビューやその解釈を重ねてきました。インタビューから「こんなのあったらいいな~」というのを夢物語でいいから思い切って描いてみること。またその夢物語の一番大事な体験価値はどこで、ソリューションとしてどのように落とし込むのか考える経験は今後、研究や実務での仕事をする上でも役立つものだと感じています。

最後に、EDPの醍醐味であるチーム活動について書きたいと思います。私は今までグループワークというもので「やりきった!」と言えるほど頑張ったことはありませんでした。そんな中で、EDPの最終成果物には課題点はあるものの「やり切った!」と思えるほど満足しています。それは、初期からうちのメンバーが1人ひとり自分の言葉で意見とその理由を述べられる人たちだったから、最後の週に毎日集まって丁寧にプロトタイプと資料を作り込んでいけたからだと思っています。初期は納得のいかない答えしか出ず2週に一回の発表をしていた時もあったけど、満足できる答えに行きつけてよかった!本当にありがとう!!!

【班員からのコメント】

DTFでも同じチームだったので、メンバー発表で野村さんの名前を見たときに、これは大丈夫だと思ったのを今でも覚えています。まずは、計画性の高さ。常に、「今何をすべきか、次までに何をすべきか」を明示してくれていました。そのおかげで、中間発表では全チーム内で唯一のGO!!!を獲得し、最終発表祭を全員が納得いく形で迎えられたと思っています。そして、なんといっても言語化能力が凄すぎた笑 自分の中で整理がつかず考え事をしていたときに、野村さんの「つまり、~ってことか」になんど首を縦に振ったことか(笑) ほかにも、凄いところがありすぎたけど書ききれないのでこの辺りで。半年間+DTF、ありがとう!!!(石津)

普段の議論や活動で,率先して行動してくれてありがとう.そのバイタリティにいつも支えられてきました.また,スライドやNotionのテンプレート等,面倒くさい作業も率先してくれて本当に助かりました.お疲れ様でした.(押野)

これほどまでに仕事のできる方に未だかつて出会ったことが無いのではというくらい、いつもチームの先導に立って活動を進め、まとめてくださった野村さん!それだけでも凄いのに、さらに美大生顔負けのデザインスキルをお持ちで、スライドやポスター、ロゴなどとても良い感じに作ってくださりました。野村さんに全て任せられたおかげで、私も3Dモデリングや動画やイラストの方に注力することができ、制作系をふたりで上手く分担したことで全ての制作物を満足できる完成度で仕上げられたと思います。作業中に私が全然違う質問を投げても直ぐに的確な反応をくださったり、毎日多くのタスクをこなしながら周囲の人の面倒も手厚く見て、全ての人に必要とされている存在の野村さん、本当に尊敬しています。来年度のEDPも頑張ってくださいー!(松原)

東工大生でありながら、デザインも出来るということで議論からインタビューからスライド、ポスター作成にかかるまであらゆる場面でチーム活動に携わっていて、脱帽していました。多分EDP受講生の中で一番EDPについて考えていたのではないでしょうか?このマインドとのむさんのアクティブさがチーム6を強烈に引っ張っていってくれたのだと感じています。またdiscordでも予定のリマインドを欠かさずしてくれる心遣いや、チーム全体の意見を万遍なく取り入れて、誰にとっても納得できるようなものにしようとする調和性(?)なども見習いたいと思いました。今後はのむさんのような人間性目指して成長していきたいと思います!笑半年間ありがとう!(若林)

松原 一実
Matsubara Kazumi
多摩美術大学 統合デザイン学科 学部3年

【感想】

EDAとEDPで活動した9ヶ月間、全てが新鮮で、多くの受け刺激を受け、学び、様々な方と出会い、本当に充実した日々になりました。
理工系の大学と美術大学を併願していた過去から、工学系のものづくりへの関心が捨て切れず、美大にいながら何か学べる方法は無いだろうかと考えていたところEDPの募集を発見し、この機会を逃すわけにはいかないと迷わず応募したのを覚えています。
グループワークにおいて、元々東工大の知り合いが多くいたので、EDPでよく言われている「話が通じない!」といった困りごとはあまり無かったですが、それでも東工大の院生4人と美大の学部生1人という特殊なチーム編成なので、最初の頃は多少の緊張感はありました。みなさんが優しく受け入れてくださったおかげですぐに馴染んでチームとして立場の差を感じず活動することができたので本当に感謝しています。みなさん優秀なので、ミーティング中なかなか良い意見が出せず、自分は進んでいく議論にただ乗っかっているだけではないかとあまり手応えを感じられない日も多かったです。自分にできることは何だろう、何で貢献すれば良いのだろうと悩み続け、活動が終わった今も完全に気持ちが晴れたわけではないですが、少しでもお役に立てたと思っていただけるなら幸いです。
デザイン思考のプロセスは今まで全く触れたことが無く、EDAとEDPを通して身をもって体験し理解できたことは自分の中で大きな収穫となりました。ホワイトボードと付箋を使い絶えず手を動かして進める議論、時間を決めてコピー用紙にサインペンでとにかく数を出すアイディエイト、ダンボールや端材を用いてとにかく毎回何か形にするプロトタイピング、何十回と繰り返すユーザーインタビュー、実際にユーザーの方の生活を間近で体感する訪問調査、企業の方とのメンタリング、荷重計算やネジの機構など実用性まで考える最初プロトタイプ制作、等々挙げたら切りがないですが、本当に全てのことが初めてで、学びの多い貴重な経験でした。日中は多摩美、夕方から深夜まで東工大に通う生活は大変でしたが、忙しさ故の楽しさもありました。
大学におけるデザイン教育は美術と工学が完全に分離して捉えられていることが多いですが、ものづくりにおいてデザイナーとエンジニアが各々を理解して歩み寄り、美術系の感覚的なデザインへの意識と、工学系の論理的なデザインの意識を融合させればより良い制作ができるのではないかという思いは、EDPを通してより確実なものになりました。この9ヶ月で得た多くの学びを糧に、残り一年の学部生活で制作に励みたいです。

【班員からのコメント】

まず、絶対に自分より東工大に来てます。そして、研ぎ澄まされた思考力に、美大生スキル、強すぎです!!追い込み力、制作物に対するこだわりの高さ。これが美大生パワーかと…。発表日前日、4人が「これで完成だ!」となった際、松原さんが「いやもっと良くなる」と言って、発表当日にプロダクトを作ってきてくれたあれは感動モノでした!デザインまでこなしてしまうって強すぎ!!何者!!半年間ありがとう!!!(石津)

会議でのアイデアや最終プロトタイプでの模型,大変助かりました.東工大生だけだと固まってしまう意見にいつもメスを入れてくれました.工学だけに依らないおしゃれなプロダクト作れたのは松原さんのおかげだと思います.ありがとう.(押野)

最初のテーマ決めのときに、縦軸横軸出して「どのテーマがいいか」って話していて「この子本当に美大生なのか?」と思ったのが、ばらちゃんに対しての第一印象。実際、東工大のサークルに入っていて東工大生より東工大に来ていたよね。最初の印象はあながち間違いじゃなかったと思う。
ただ、ばらちゃんが培ってきた美大での専門性に助けられた面も多かったと思います。1つは、テーマ希望理由にも書いた「内と外の境界について考える」縁側のような課題に取り組んでいた経験。(最終発表祭ではボツになってしまったデザイン原則だけど)「内と外をあいまいにする」そんなプロダクトがいい!というイメージはばらちゃん発信でチームに根付いた気がします。それはうちのチームの重要な指針だったんじゃないかな。
2つ目は、なんといっても最後の動画制作とレンダリング、挿絵への貢献。動画クオリティはすごかったし、ロゴモーションとかレンダリングに載せる人物の写真選定へのこだわりなど、細かな部分への気遣いには職人芸を感じました。
最後に、ピュアで勉強熱心で、褒め上手。アイデアがなかなか出ず苦しいときも暗くなり過ぎなかったのは、そんなばらちゃんの存在が大きかった気がします。4か月間ありがとう!(野村)

#究極の凝り性と書いてある通り、次の日が最終発表祭にも関わらず、ミニチュアの背景を作成するのに朝4時まで作業されていたり、やろうと決めたところは、帰らずにデザイン工房でずっと作業したりと、チームのために自分の時間を投げうって活動していたのは本当に頭が下がります。動画撮影やポスター作成もしてくれましたが、デザインだけでなく話し合いにも、積極的に参加していて何でもこなせるのはさすがだなと思っていました。EDPが終わっても東工大での活動、美大での活動が残っていると思うけど、EDPでの活躍をみていたら何に対しても上手くやっていけると確信してます!半年間ありがとう!(若林)

若林 慧
Wakabayashi Kei
東京工業大学 融合理工学系 修士1年

【感想】

EDPについては、昨年受講していた先輩から大変だと聞かされていたのである程度心構えはあったのですが、予想以上に大変でした。

オンラインMTGが日を跨いだりすることがしばしばあったり、私自身チームの中では家が一番遠かったため、毎回終電で帰ることも多く、EDPの影響で生活リズムが不規則になってしまっていました笑。

でも、インタビューするために各地を回ったり、試行錯誤しながら案を出し合ってユーザーテストをして、、と遅くなりながらもチームで進めていく活動を素直に楽しく感じている自分もいました。

日々の活動もある中でデザイン思考のサイクルを回すのは大変ではありましたが、DTFやEDAの時よりも深い議論が出来ている印象で毎回の授業に学びと成長を感じました。

自分が何も貢献できていないことへの不甲斐なさで申し訳なく感じることも何度もありましたが、自分に出来ることをやっていこうと考えてからは積極的に動けてきたのではないかと思うようになれました。

このような紆余曲折を経て今に至りますが、支えてくれたチームメンバーの皆さん、YKKAPの方々、先生方、TAの皆さん、長い間本当にありがとうございました!

今後起こる事にもedpの大変さと楽しさを思い出して頑張っていきたいと思います!

最後に、12月に皆でフィールドワークに行くときに丁度体調を崩してしまい、一緒に行けなかったことが悔やまれるので、またチームでどこか行きましょう!

【班員からのコメント】

みんなの癒しキャラ、ばやし。チームの軸がぶれ始めたら、さっと「なんか違う気がするな~」とそっと軌道修正をかけてくれるそんな存在でした。異なる意見を持った時に、意見を斬るわけではなくソフトに伝えてくれ、とても議論に入っていきやすかったです。やさしさと鋭さを兼ね備えたそんなナイスガイでした!!また作業の一つ一つの作業がめちゃくちゃ丁寧で、振り返りの際は納戸感謝したことか。毎回、ホワイトボードの記録助かりました!半年間ありがとう!!!(石津)

いつも帰り道,私の無駄話に付き合ってくれてありがとう.日々の会議でもいつも私たちが気づく前に記録を取ってくれて,おかげで振り返る際にとても役に立ちました.議論の時も一歩引いて見たようなクリティカルな意見をもらえ,大変助かりました.ありがとう.(押野)

けいくんは、うちのチームの最後の砦だと思ってる。それにはいくつか意味があって…
まずは、ミーティングについて。他4人が取りこぼしている論点について意見言ってくれて、そこが見落としている重要ポイントだったりして、けいくんの意見が一番答えるのに詰まる意見が多かった気がする。後、最初に「ホワイトボードの写真撮ってドライブに入れて!」って言ってから、毎回写真係として記録残してくれていて何度助けられたことか…
もう一つは、スライドなどの文章表現について。最後の週、わいわい言いながらスライド一緒に作っていたけど、けいくんの国語力にめちゃ助けられました。(最後の週、さすがに毎日集まって一緒にスライド作っていて打ち解け度が一気に上がった気がする。)細部の言い回しとか迷っているときに一緒に考えてくれてありがとう。
最後に、うちのデザインプロセス、リハの時に「感動を呼ぶプレゼンになっている」と言ってもらえたのは、流れを考えてくれたけいくんのおかげです。4か月間ありがとう!(野村)

記録職人のけいさん!すかさずホワイトボードの写真を撮ってドライブにアップロードしてくださる仕事人です。議論中違う方向でのツッコミを入れてくださったりするので、それで見落としていたことに気付けることがありました。議論への関わり方が私と近いなと勝手ながら感じていて、チームメンバーとして一緒にいてくださって心強かったです。後半だんだんと慧さんの面白いところが見えてきた良いときに活動が終わってしまったのが残念です(笑)。ありがとうございました!(松原)

(2024/02/12 追記)

もう一年前の話になりますが、unit gardenを蔦屋家電+に展示させていただく機会を設けていただき1か月間(2023.3–4月)展示をしていました。展示期間中ご来店いただき、コメントをしていただいた方、ありがとうございました!一般の方々から多数コメントをいただけたのは、私たちにとってとても貴重な機会となりました。

https://store.tsite.jp/tsutayaelectricsplus-futako/event/magazine/32602-0033590324.html

その時の様子の写真がこちらです。

蔦屋家電+での展示

Materials~資料(ポスター、PV)~

ポスター

PV

最終発表祭の様子

デモブース全体
実物大unit gardenの展示
1/10モデルのunit garden
最終発表祭でのプレゼンの様子
チームメンバーをコラージュしたバージョン

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