2023年度EDP「つながるチェア」Team-7 カリンバ

2023年度EDPのTeam‐7 カリンバです.

私たちは,パートナー企業のアルプスアルパイン様と共にデザイン思考を用いたプロダクト開発に取り組みました.

「中長距離トラックドライバーの新しい働き方をデザインせよ」というテーマに基づいて開発した「つながるチェア」というプロダクトについて紹介します.

ポスター

本記事はプロジェクトの活動報告です.目次は以下の通りです.

1.Product Pitch:「つながるチェア」の紹介

2.Design Process:「つながるチェア」製作までの流れ

3.Self Reflection & Messege:各メンバーの振り返りと他メンバーからのメッセージ

4.Materails:最終発表の様子

1.Product Pitch

初めにプロダクトムービーをご覧ください.

企業協力:アルプスアルパイン株式会社

撮影協力:株式会社アルプス物流

私たちが開発した「つながるチェア」は,家族と離れて一人で夕食をとっている,中長距離トラックドライバー向けのWebカメラです.

この製品によってドライバーは,家族と夕食時にビデオ電話ができます.また、スマートフォンとは違い,カメラがベビーチェアに搭載されています.

◆ターゲットユーザー

私たちがターゲットにしたのは,小さな子供がいる中長距離トラックドライバーのKさんとその家族です.

Kさんは,三人の子供の父親で家ではパートナーが毎日一人で子育てをしています.

Kさんの一週間のスケジュールです. 家がある熊本を月曜の夜に出発し,大阪や名古屋,時には東京の豊洲まで魚を運びます.

まだ小さな子供がいるにも関わらず,1週間に1度しか家族と会うことができません.

◆課題

「子供の成長を毎日近くで見たい」,「家族と夕飯を食べたい」というKさんは,サービスエリアの車内で一人孤独に夕飯を食べています. なぜなら,電話はパートナーの負担になってしまうからです.

夕食時における子育ての負担に関してもインタビューを行いました.

小さな子供は机の上のスマホに興味を示して触ろうとしてしまいます.だからと言って,スマホを離れた位置に置いても触れないことに苛立ってすぐに不機嫌になってしまうようです.

また,子育て中の親は夕食の準備時には危険がないように子供を椅子に座らせて,様子を見ながら家事をしているという話も聞くことができました.

◆インサイト

インタビューを踏まえ私たちは,「車内からトラックドライバーがパートナーの負担を軽減できれば良いのではないか?」という気づきを得ました.

◆デザイン原則

プロダクト開発のためのデザイン原則としては,「子育ての手助けになること」,「家族間のコミュニケーションが増加すること」,「子供の安心安全を守ること」の3つを設定しました.

◆解決案

そして出来上がったプロダクトが「つながるチェア」です.

パートナーの負担を軽減する仕組みを取り入れることで,トラックドライバーが離れた子供と夕食時にビデオ電話することができます.

家にいるパートナーが「つながるチェア」に子供を座らせて使います.

「つながるチェア」によって得られるメリットについて紹介します.

トラックの中はプライベート空間なので,周りの目を気にすることなく子供をあやすことができます.

子供を椅子に座らせることで,テーブルに取り付けたカメラの画角に固定されるのでドライバーのスマホの小さい画面でも子供の顔をよく見ることができます.

ベビーチェアのテーブルにカメラを埋め込むことで子供がカメラを意識しないので誤作動の心配がありません.

家にいるパートナーは,ドライバーが子供を見守ってくれるので声だけを聴いて安心して食事の準備をすることができます.

◆利用方法

続いては,プロダクトの使用方法です.

トラックドライバーは専用アプリであらかじめパートナーに休憩が可能かを知らせます. 時間になったらパートナーは家で子供を「つながるチェア」に座らせます.

そしてビデオ電話を開始し,ドライバーは車内から子供をあやします. パートナーは子供の様子を確認する負担なく、食事の準備を行うことができます.

「つながるチェア」を使うことで,遠く離れたトラックドライバーも家族一緒に夕食を取れるので,小さな子供の成長を身近に感じることができます.

◆ユーザーの声

ユーザーテストを行ったところ,トラックドライバーからは 「車内のプライベート空間を活かしている」,子育て経験者からは「父親が見ていてくれると安心」と良い意見を頂いたものの.「対象年齢や利用範囲が狭い」との意見を頂きました.

◆今後の展望

今後の展望としては,幅広い年齢層への展開を考え,幼稚園児から小学生を対象に遠隔でトラックドライバーが宿題を見れるカメラ付きライトスタンドの開発を目指します.

離れていても,「いただきます」は家族一緒に.

以上がチーム7,カリンバのプロダクトピッチでした.

2.Design Process

続いてはデザインプロセスです.

「つながるチェア」の製作過程について振り返っていきます.

私たちのチームはパートナー企業であるアルプスアルパイン様から「中長距離トラックドライバーの新しい働き方をデザインせよ」というテーマを頂きました.

社会問題となっている2024年問題や中長距離トラックドライバーの業務,新しい働き方についてなど様々なことを調べ考えました.

2024年問題とは,トラックドライバーの残業時間の上限が規制されることによって生じる問題の総称のことです.

トラックドライバー1人当たりの労働時間と輸送量の減少により,物流コストの上昇やドライバーの収入減少,人材不足が予想されています.

そこで,私たちは2024年問題を解決できる新しい働き方を提案できたら良いのではないかと考えました.特に負担の大きい倉庫内での荷積みや荷下ろしに注目し,プロダクト開発を進めました.

倉庫作業の負担軽減や効率化を目指し,「空気の注入によりサイズが可変な緩衝材」や「腰が痛まない姿勢を保つことができるラップホルダー」を考案しました.

しかし,労働環境の問題は法律や規則による影響が大きく,IT化やロボティクス化に勝るプロダクトにはなりませんでした.

インタビューを行っても,「ドライバーは一般的に~,運送業界としては~」というように,職業としての受け答えが多く,ユーザー自身の生の声が中々得られませんでした.

慣れによって苦労をあたりまえに感じてしまっているため課題を聞き出すのにも苦労をしました.

そこで,私たちは業務に慣れる前の新人ドライバーであれば新たな意見が聞けるのではないかと考え,知的作業や教育に注目してプロダクト開発を進めました.

新人教育の質の向上やコストの低下を目的として,「熟練者のような思考力を鍛えるボードゲーム」や「立ち仕事でも書きやすいメモ帳」,「道に迷いにくい地図ホルダー」などを考案しました.

しかし,情報の処理やパターン化,共有が難しく実現には至りませんでした.

数々のインタビューを通して,運送業界が法律や規則によってワークライフバランスの改善が特に難しいことに気が付きました.

テーマに立ち返り,業務外の生活,特にドライバーの家族との関わりに注目しました.

子育て中のトラックドライバーにインタビューをしたところ,「パートナーの負担になるから電話をしていない」という話を聞き違和感を感じました.

そして「車内からトラックドライバーがパートナーの負担を軽減できればいいのではないか」という気づきを得ることができました.

子育てを経験した別の方々にも夕食時の子供とのビデオ電話の負担ついてインタビューしました.

「子供はスマホを持つことができない」,「操作方法がわからない」,「パートナーが画角を調整する必要がある」,「機嫌が悪いと泣き出す」,「子供に食事させるだけでも大変」など様々なことがわかりました.

そこで,ドライバーと子供だけでビデオ電話ができればよいのではないかと考えました.

始めはシンプルにカメラの位置を固定するアイデアでしたが,「子供は目の前にカメラがあると触ろうとしてしまう」という意見から,子供にカメラを意識させない,もしくは,カメラ以外に集中させるという方向でプロダクト開発が進みました.

さらに「食べ物をこぼすので机の上にモノを置きたくない」という意見から原型となるベビーチェアにカメラを内蔵するアイデアが誕生しました.

その後,CAD設計,プリント,組み立て,テスト改善を経て現在の「つながるチェア」が完成しました.

以上が「つながるチェア」のデザインプロセスになります.

3.Self Reflection & Messege

ここからは,Team-7カリンバの各メンバーの振り返りと他メンバーからのメッセージです,

大塚悠利 Yuto Otsuka

東京工業大学 環境社会理工学院 建築学系 エンジニアリングデザインコース 修士1年

【振り返り】

EDPが始まる前、EDPへの意気込みとして「迷惑をかけないように頑張ります」と自己紹介で言っていたのを思い出します。EDPの数カ月間はあっという間で、自己紹介で言ったことに責任を持ちチームにできるだけ貢献できるように頑張っていたような、やっぱり気の抜けてしまった時期もあったようなそんな感じでした。

自分は建築学科で、学部生の時は設計課題を行っていました。その中で常々感じていたのは、自分の考えた建物を模型ではなく実際につくった時、本当に人の為になるのかという疑問です。EDPでのデザインではトラックドライバーの方々の協力のもと、何度もインタビューさせていただきました。このユーザーに寄り添ったデザインのプロセスは、自分のつくったものが人の為になるのかという疑問への1つの解決策だと感じています。

その一方でデザイン思考の難しさを常々感じた半年間でした。EDPの前半では今考えるとデザイン思考的な考え方がまったくできていなかったように感じます。そんな自分でもデザイン思考の大枠や考え方を何となくつかめた(たぶん)のは、チームメンバーの皆さんとこの半年間デザイン思考に向き合って互いに高め合えたからだと思います。

さらにデザイン思考では勇気が大事なことも知りました。自分が考えたへんてこなアイデアを共有したり、最終発表祭の超大画面で子供をあやす姿が一般公開されたりなど今までの自分では考えられないほど恥を捨て勇気を鍛えられたような気がします。

チームメンバーやパートナー企業のアルプスアルパインの皆様、休日や仕事終わりにも関わらずインタビューに協力してくださったドライバーの皆様、的確なアドバイスや物品購入など多くの面で支えてくださった教員、TAの皆様、本当にありがとうございました。

【メンバーからのメッセージ】

from 玉井
大塚くんはみんなで話しているときにたまに空中を眺めている時があったのが記憶に残ってます。
中谷くんが何考えてるの?と聞くとボーっとしてたと答えたときは流石に面白かったけど、それ以外の時は少し違う視点から話をしてくれたり、インタビューや他の人のコメントで気になったところを共有したりしてくれたのが助かりました。
カタツムリのあの動画、一発撮りなのはいまだに信じられない。終盤で大塚くんの新しい才能を垣間見た気がします。
迷惑なんて全くなく、とてもいいチームメンバーでした。半年間本当にありがとう。

from 中谷
チームで議論が白熱していても常に落ち着いていて同じトーンなので,玉井とはまた違った方向でチームの雰囲気を作っていた(?)と思います.
プロモーション動画の俳優やプロダクトの撮影,発表資料に的確なコメントを残してくれたりと,最後の方はチームの手が回らない細々とした作業を担当してくれました.発表祭では,大塚くんの演技のおかげで一般の参加客から笑いが起き,雰囲気が良くなったのを壇上から感じました.名俳優でした!笑.半年間ありがとう!

from 藤森
ぼーっとしているように見えて、意外と考えてる大塚さん笑
独特の雰囲気、ありすぎ優男ですよね笑
皆がpovに苦しんでる時に、自分の意見をちゃんとぶつけたり、触ったことのないCADも学んで夜中のデザイン工房で3Dプリンタを回したり、必要とされている時に、必要とされることをして下さったので、チームが円滑に進んだと思います!
演技力が高すぎて、名男優でした!撮影してても、動画作ってても、本当に楽しかったです!
ありがとうございました!

from 吉成
私も、チーム活動のときに大塚くんがよく上の方を見てぼーっとしてたのを覚えてます(笑)中谷くんのツッコミにも動じない大塚くんが面白かったです。ぼーっとして本当に何も考えてないこともあったけど、たまにいきなり喋って、みんなとは違う視点ですごいためになることを言ってくれてたと思います。チーム活動のときでも彼女といちゃついてたりしてたのがもはやネタになってて笑わせてもらいました。ありがとう。結婚式楽しみにしてます^_^

玉井佑季 Yuki Tamai

東京工業大学 環境社会理工学院 融合理工学系 エンジニアリングデザインコース

【振り返り】

僕が東工大に来た大きな理由の一つとして、EDPがあります。昔からものづくりに興味があり、人の手に届くようなものを作りたいと思うようになっていました。EDPではデザイン思考を基礎とし、”人の為になるものを作る”ということを学べると思います。

この半年間はいつも頭の中にEDPのことがありました。バイトしながらアイデアを考えたり、インタビュー先を探したり…。でももうそんな日々も懐かしいです。

半年を通して特に難しかったのは、深掘りをすることです。物流業界は24年問題を核とした多くの問題を抱えています。社会問題の先には日々を生きている人々がいます。インタビューをしていくと、ドライバーとしての一般的な問題がその人たちの言葉として出てくる中で、個人としての生活面や暮らしについての話は出てこないことに気づきました。インタビューでの1番大きなメリットは、やっぱり対象の方と直接話せるということです。プロダクトに繋がったトラックドライバーさんとは、お子さんも横にいる中でお話しさせていただきました。その結果、リアルな1人の父親としての視点からのお話が聞かせてもらえたと思っています。

この授業を行うにあたって、多くのインタビューを行いました。トラックの中まで詳しく見せてくださった会社、夜勤後のドライバーさんを集めて早朝にお話しできる場を作ってくださった会社、私たちが作成したインタビュー用紙に記入してくださった会社、運送会社を経営している方など、東京から九州まで幅広い方にお話を聞かせていただくことができました。

このチームには、いろんなタイプの人がいましたが、いい具合に気の抜けた雰囲気だったのがよかったです。やる時はやるけど、抜く時は抜いて、素直に喜んだりダメだったねーとか軽口叩いたり、そのおかげで心の底から楽しめました。

チームメンバー、アルプスアルパインの皆様、インタビューに協力していただいた物流業界の方々、子育てについて教えていただいた方々にはこの場を借りて心から感謝を申し上げます。半年間本当にありがとうございました。

【メンバーからのメッセージ】

from 大塚
チームのムードメーカー。会議中によく面白いことを言って、真面目になりがちな議論をより活発に盛り上げてくれて、とても楽しかったです。半分は面白おかしいことを言ってくれている一方で、もう半分は別の観点からの意見や的確な指摘をしてくれて、チームの雰囲気や議論の方向性も良いものになったと感じます。
EDP終盤では、「つながるチェア」を3Dプリンターで設計してくれ助かりました。「つながるチェア」ではカメラがベビーチェアに搭載されていて…と言葉だけで聞くと、プロダクトの良さがほとんど伝わらない気がします。最終発表にてプロダクトの良さを十二分に伝えられたのは、玉井君が「つながるチェア」をかっこよくデザインし、明確な輪郭を与えてくれたからだと思います。
いつも素敵な笑顔をありがとう!

from 中谷
チームのムードメーカだったように思います.EDPでは各メンバーが自分のアイデアを出し合い,その都度方向性などを議論していくので関係がギスギスしがちです.だけど,このチームでは大きな喧嘩や言い争いになった記憶がありません.特に藤森さんのツボにハマるのか,忙しい中でもよく玉井が笑わせているのが印象に残っています.
少し考えてしまう自分とは違い,モノを作るときの初動が速いので,プロトタイプ製作の時には助けられました.チームの起点になっていたように思います.子育てのために離職する寸前のトラックドライバーとアポを取りつけ,家族との通話について深堀したのも玉井でした.引きの強さを見せつけられました.半年間ありがとう!

from 藤森
まず玉井さんがいなければ、今回のプロダクトはできていなかったです。自らインスタでDMを送って、トラックドライバーのアポをとってきたことなど、いつもチームの転機となるきっかけは玉井さんだったと思います。
そして、完全に私のツボでした笑
ピリピリとした局面になっても、玉井さんがいることで、笑える雰囲気になりました。かといって大事な場面では、鋭い意見を言うので、天性の才能?かなと思っていました笑
朝弱いといっても、朝7時のインタビューには来るし、最後までつかめなかったけど、ほんとに楽しくできました!ありがとうございました!

from 吉成
唯一、EDPの授業前から友達だった玉井くん。EDAが終わった夏休みに色々話したの覚えてます。本当に同じチームになると思ってませんでした。2人で同じチームになったら〜とか話してた内容覚えてますか?笑 あの時の言葉に騙されたくらい玉井はかなり積極的にインタビューとかしててびっくりしてました。笑 私が気が抜けてる時とかに、友達だからこそ、ガツンと言ってくれてありがとう。あと、CAD設計とか秒で終わらせてて尊敬してました。多分機械系の私がやらなきゃいけなかったのにめっちゃ助かりました。ありがとうございました!

中谷 樹 Tatsuki Nakatani

東京工業大学 工学院 機械系 エンジニアリングデザインコース 修士1年

【振り返り】

講義では度々 ”Dance with ambiguity” という言葉が登場します.教員やパートナー企業の方々のアドバイスも異なり,戸惑うこともありましたが,1年を通して「答えのない問いを立てる」ということに恐れず ”曖昧さとダンス” することを楽しめました.ユーザーの課題が見つからず,たくさんの苦労をしましたが,最終発表後のパートナー企業の方から頂いた言葉に救われました.一生忘れないと思います.

モノづくりに関して世の中には様々な考え方が存在し,デザイン思考で全てを解決できるわけではありません.しかし,近い将来新しい考え方に触れたとき,しっかりと評価できる自分の軸をEDPで獲得できたことには大きな意味があると思います.

チームのみんなには助けられました.共感・定義・発想のフェーズでは特に多様性が重要だと感じました.毎回誰かが遅刻し,(授業を抜きにすると)集合時間に全員が揃ったことは一度もありませんでしたが,総じて良いチームだったと思います.半年間プロダクトのことだけを集中して考えることができました.

チームの皆,パートナー企業のアルプスアルパインの皆様,インタビューに快く応じてくださった運送会社の皆様,教員とTAの皆様,本当にありがとうございました.

【メンバーからのメッセージ】

from 大塚
チームでのリーダー的存在でした。話し合いのとき課題に対しての論理的な考えと、まるで複数人いるかのような多角的な視点にいつも驚かされていました。インサイトやプロトタイプを考える時には、どの案が良いか悪いか、なぜ良いのか悪いのか、の論理構造を誰よりも深く考えていて、とても頼りにしていました。
EDP終盤で作ってくれたスライドはおしゃれでわかりやすい!エンジニア的な思考だけでなくデザインにもこだわって取り組む姿はまさに脱帽でした。
半年間チームを引っ張てくれてありがとう!

from 玉井
中谷くんは一言で言って安心感がありました。
アイディエーションに向けてペルソナの状況を確認しているときに特に、チームメンバーは中谷くんの発言に注目していたと思います。少し話し合いの軸が逸れてしまったり、伝えたいことと文章が異なっていると指摘してくれたのはいつも中谷くんでした。
半年の間でどの課題に取り組むかは何回も何回も変わったけど、中谷くんがいれば変わってもすぐにその全体を把握してチームをいい方向に持っていってくれるとわかってたので、不安なく進めることができました。
最初から最後まで冷静な視点でみんなを支えてくれてありがとう。

from 藤森
中谷さんの存在は大きすぎました。初めのうちは、淡々としていて、頭の回転がめちゃ速い人、という印象でしたが、一緒にやっていく中でそれも努力のうちというか、すごく研究熱心なんだと思いました。自らインサイトの本を買ってきて、チームに共有した時も、自主的に沢山のアイデアをまとめてきた時も、私自身とても刺激を受けていました。
私もこだわりが強いので、意見がぶつかることもありましたが、納得できるところまで話し合うことができたので、同じ方向を向いて最後まで取り組むができました。本当にありがとうございました!

from 吉成
中谷くんは、4人兄弟?(たしか)の長男って聞いた時、本当に納得しました。チーム7の長男でもあった気がしてます。いつも率先して動いてくれたり、それぞれができる仕事を見極めて振り分けてくれたり、迷走していた時期も必ず中谷くんが「〜してみよう!」みたいに引っ張ってくれてたり、とりあえず中谷くんがいなかったらどうなってたか想像もつきません。本当に、ありがとうございました。適当な性格の私に絶対怒ってもいいのに一度も怒らずにいつも笑って突っ込んでくれたり、優しく接してくれて嬉しかったです。半年間ありがとうございました!

藤森奈々子 Nanako Fujimori

武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科 インダストリアルデザインコース プロダクト専攻 3年

【振り返り】

終えてみてとても感じるのは、『期待していたよりもずっと楽しかった』ということです。

私は当初、EDA・EDP通して、学校の課題だけでなく、就活とも被っていた為、両立できるのか不安でした。かなり迷い、先輩にEDPのお話など聞きながら、参加応募のぎりぎりのタイミングで、このプロジェクトに参加することを決めました。

なので、正直、まあ大変でも周りの人がなんとかしてくれるだろうと他者に委ねるつもりでいました。(ほんとにごめんなさい、当初は最悪な思考回路の人間でした)

しかし、プロジェクトが進んでいくうちに、異分野の人と共創することやそのプロセスに面白さややりがいを感じ、やると決めたからには「全力で取り組もう」と思うようになりました。

チームで作業をすることがほとんどなかった私にとって、チームメンバー達、しかもトップレベル理系の人たちとものづくりは初めてだったので、何かも新鮮でした。その中で、自分にできることやチーム内での立ち位置を考えながら、最後まで切磋琢磨して取り組めたことは、貴重な経験だと感じています。

さらに、EDPでデザイン思考を経験できたことも本当に良かったと思います。普段の授業でも、このような課題提案を行うことは多いのですが、EDPでは、インタビューに始まり、プロトタイプを作ってユーザーテストをする点が、それまでの自分の想像だけで完結して終わっていたプロセスとは大きく違いました。

特に、トラックドライバーという、普段なかなか向き合うことがない職種の方々のお話を聞くことができた点は自分にとって、世界が広がったと感じています。朝7時のインタビューのために、始発に乗って2時間かけて行った時は、正直しんどすぎて、二度と行かないと思いましたが、今ではいい思い出です。みんなで試行錯誤したものの、いいアイデアが浮かばず、玉井さんお得意のあのソファの部屋に居座ったことも、今では懐かしく感じます。また、誰かが会話の中で「とはいえ〜」と話しているだけで反応してしまうくらい、いつの間にか染み付いたものになってしまいました。

最終発表でも大勢の人の前でプレゼンさせてもらえる機会を頂き、見学ブースでも前向きな意見をもらえた際は、大変だったことも全て報われたような気がして、達成感に満ち溢れました。

こうした機会を頂けたことはEDPに参加しないとできないことだったし、自分の成長にも大きく繋がったと思います。今後はこの経験を糧にして卒制で奮闘したいと思います!

チーム7カリンバのみんな!約半年間本当にお疲れ様でした!!皆とできて本当に楽しかったです。

そして、EDPに関わって下さった全ての方々に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

【メンバーからのメッセージ】

from 大塚
チームで1番積極的な姿勢で高い参加率!チームで会議をした後に、次回までにやることをまとめて、タスクの管理をきちっとしてくれているのが個人的にかなり助かりました。チームの運営がスムーズに進んで最終案までたどり着けたのは、やることきちんとまとめ、指示を出してくれた藤森さんのおかげだと思います。
EDP終盤ではプロダクトのロゴ、ポスターからCMの動画編集などなど、こなしている仕事の量が圧倒的に多すぎて、いつ寝ているのか不思議に思っていました。その上どれもクオリティが高く美大生の底力を垣間見れたような気がします。
半年間チームを支えてくれてありがとう!

from 玉井
藤森さんは周りをよく見ていたなと感じます。話し合いの時もじっくりとメンバーが言っていることを聞いて、場面に合わせて自分の考えを伝えてくれたり、逆にチーム全体としての動きを考えて考えを合わせてくれたりもしていたと思います。
ロゴやフォントのこだわりなど、藤森さんならではの方法で最終発表を最高の形で終わらせてくれました。僕はつながるチェアの”つ”の字が個人的にめちゃめちゃ好きです。
人当たりの良さ、明るさはインタビューのときもチームでの話し合いのときもコミュニケーションを円滑にしてくれてとても助かりました。
藤森さんの笑い声が今でも忘れられません。楽しい時間をありがとう!

from 中谷
藤森さんは,”こだわり”が人一倍強く,特にチームの熱量を上げる意味で貢献してくれたと思っています.動画のクオリティを上げるためギリギリで人形を注文して取り直したり,発表資料にMacOSのフォントを使うために発表日前夜に全ページのスクショを貼っていました.他人の”こだわり”に対して悪く思う人も多くいるけれど,メンバーそれぞれの”こだわり”が集まることで良いものが出来上がると思います.これからも徹底的に自分の”こだわり”を大切にして欲しいです.
タスク管理や予定調整、インタビュー先のアポなどのチーム活動を円滑にするための働きも大きかったです.先生のフィードバックをメモしたり,次の予定のアナウンスなど誰もやりたがらないような役職を自然と引き受けてくれていました.半年間ありがとう!

from 吉成
藤森さんは、全てのことに対して真面目で積極的で、中谷くんと一緒にチームを引っ張ってくれてました。日程調整とかインタビューの日取りとかチーム活動が円滑に進むように率先して動いてくれててありがとう。また、パワポとか動画作成で、人一倍動いてくれてました。中谷くんが言うように、こだわりが強くて、そこは妥協してもいんじゃない?ってところも夜遅くまでかけて作り上げてて本当にすごいと思いました。藤森さんからしたらこんな適当な性格の私に絶対イラつくと思うのに、そんな態度は一度もなくいつも明るく笑って接してくれたの嬉しかったです。大変な仕事をいつも積極的にやってくれて頼ってばっかりでした。半年間本当にありがとうございました!

吉成花恵 Hanae Yoshinari

東京工業大学 工学院 機械系 エンジニアリングデザインコース 修士1年

【振り返り】

EDPは、高校生のときにオープンキャンパスかなにかで知って、受けたい!東工大入りたい!って思わせてくれるそんな授業でした。大学入試では、大学院でしか受けれない授業だとわかっていたこともあり、挑戦するのが苦手な私は、東工大を受けませんでした。しかし、他の大学に通い、学部で学んだことや卒業研究で行っていた研究は、自分の為になっていないと気づき、このまま終わりたくないと思い、東工大の大学院の入試を受けると決めました。DTFやEDAは、楽しくて自分のやりたかったことができている実感があり、EDPも楽しみにしていました。ですが、こんなにも受けたいと熱量があったEDPはそんな甘くありませんでした。自分たちが考えたアイデアの良い意見がもらえなかったり、何もアイデアが思いつかなかったり、インタビュー先が見つからなかったり、チームメンバーと予定を合わせるのが大変だったり、嫌になることもたくさんありました。そんな中でも、チーム活動のときはいつも笑って話し合えて、大変なこともたくさんあったけど、楽しかったです。チームにはとても恵まれていました。本当にありがとうございました。デザイン思考に基づいたデザインプロセスからプロトタイプ作成まで多くのことを学ぶことができ、高校生のときから受けたかった授業を受けられた満足度がかなり高いです。また、人の役に立つものをつくることが小さい頃からの夢でしたが、そんな世の中は甘くない、ということに気づけた授業でした。ありがとうございました。

【メンバーからのメッセージ】

from 大塚
めっちゃ明るくて活発な印象です。フレンドリーな感じでいろんなことを遠慮なくズバズバと言っていて(言われて?)、すごい楽しかったのを覚えています。会議のときでも持ち前の明るい声でチームの雰囲気を暖かくしてくれていたと感じます。それと同時に、アイデアの欠点とかもズバズバと的確にしていて、それのおかげで良いプロダクトに繋がったと感じています。
CMの動画撮影では僕の妻役をしてくれました。自分は別のチームに本当の妻がいるのでかなりの危険が伴う役でしたが、名演技で役を全うしてくれてありがとうございました。
半年間明るい雰囲気作ってくれてをありがとう!

from 玉井
吉成さんは自由な人でした。インタビュー先で迷子になってたのがもう半年前だと思うと時間流れが怖いです。
変なことを喋ってるなと思ったら、急にプロダクトについて芯をつくような発言をしたり、僕の中ではダークホース的な存在だと思っています。
チームの中で気軽な雰囲気を作ってくれてやりやすかった。半年間ありがとう!

from 中谷
チーム内でアイデアが生まれず議論が停滞していた時に,全く関係ない雑談でチームの雰囲気を良くしてくれたのを覚えています.
先輩や同期に臆さず何でも気軽に聞ける性格を頼りにしていました.プロモーション動画では大塚くんのパートナーという大役(笑)を務めてくれてありがとう.撮影楽しかったです.半年間ありがとう!

from 藤森
「〜すればいいじゃない?」など、皆で話し合っている時に、パッと思いついて言うアイデアが、他の人にはないものだった印象があります。積極的にアイデアを出して下さるので、チームメンバーも感化されて、とても意見を言いやすい雰囲気になっていたと思います。
また、とても効率がいい印象があり、書記ひとつとっても、パッとしっかり要点を掴んだ内容のものだったので、すごく賢いんだろうなと思っていました!もっと色々お話してみたかったなぁと思うので、何かの機会を楽しみにしておきます笑本当にありがとうございました!

4.Materails

発表ステージでの集合写真

展示ブースでの集合写真

展示ブースの様子

発表の様子

編集:中谷 樹

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