2023年度EDP「もしもしブラシ」Team 3 働き方レボリューション

Team 3 働き方レボリューションです!

私たちは、さくらインターネット株式会社様とともに、「新しい終活体験をデザインせよ」というテーマに取り組んできました。

プロダクトポスター

まずはプロダクト紹介です。私たちは、もしもしブラシというプロダクトを提案します。

もしもしブラシとは、毎日の歯磨きタイムに、おじいちゃんおばあちゃんと孫が、ボイスメッセージでやり取りできる全く新しい「歯ブラシたて」です。

こちらの動画をご覧ください。

https://youtu.be/G91hz-j4nTc?si=x76eraYfNev_i7Vs

ターゲットユーザーは、夫と二人暮らしの70代女性。現在終活中で、お金・葬儀のことを書き残したり、身の回りの整理を始めています。エンディングノートをもらったので書いてみようとしたけれど、埋めることができていません。しかし、本人としては

終活はもう終了!とおもっています。

そもそも、エンディングノートとは終活の初めの一歩として、あるいはガイドブックとして知られており、主にこのような項目がありますが、書こうと思っているけど書いていないという人が多いようです。

そこでインタビュー調査を実施し、エンディングノートを書けない、書かない理由を洗い出してみました。すると、一人で考えるとネガティブな気持ちになってしまうから書けない、あるいは既にもしもの時に備えており、書く必要がないと思っている、また「これからやりたいこと」「思い出」などの項目はわざわざ机に向かって書く気にならないということがわかりました。

ではなぜこんなことが起きてしまっているのか。

私たちはエンディングノートには「もしも」項目と「自己分析」項目が混在していることが根本的な原因だと考えました。遺族となる人のための部分は、書くことができるけども、これからの自分のために書く部分は、「自己分析」になってしまうため、書く気になれないのです。

ユーザーの状況についてまとめます。終活はもう終わったと思っているおばあちゃんは、エンディングノートの「自己分析」の項目をかけていません。なぜなら、一人で机に向かって書くようなことではないし、伝わらないだろうから書いても無駄だと思っています。

とはいえ、過去の思い出やこれからやりたいことをノートに書けたとしても、それで終活が終わりというわけではありません。これからの自分のために、日常的にアップデートし続けるものなのではないでしょうか。

そもそも、エンディングノートが当たり前に「終活の基礎」になっているのはナンセンスなのではないか?

日常の中で日々更新し、家族と共有しながら、迷惑を書けないためではなく自分のために終活を実現する、これが私たちの提案する、新しい終活の3つの軸です。

この「もしもしブラシ」は、歯ブラシの取り出しをトリガーに、メッセージの録音と再生をすることができます。孫は連携アプリの質問リストを参考に気になることを聞き、会話がスタート、動画のようなやり取りが続きます。

テストユーザーからは、「確かに歯磨きの時間はぼんやりしているからちょうどいい。」という声や、「懐かしいことを思い出すと楽しくなる。」という声。また、「お口の健康を保つことは認知症予防になる」という視点や、「安否確認にも使える」という意見がありました。

今後の発展案として、歯磨き粉を適量出す時に再生し、歯ブラシの除菌の際に録音する機能や、事前収録した孫の声で相槌を打てるようにする機能などを考えています。

自分のために、家族とともに、よりよい明日へ留守電をのこそう。もしもしブラシ。

ここからはデザインプロセスです。

ここまでたどり着いた道のりについてお話しします。

まず初日、私たちは、テーマ説明の際にさくらインターネットの方がおっしゃっていた「明日も明後日も生きているだろうと思ってみんな過ごしている」という言葉に心のざわめきを感じ、「新しい終活を考える」という抽象的なテーマに取り組むことになりました。

まず、私たちは幅広い世代の人にインタビューを行いました。

特にダイビングやバイクが趣味の人など、死を肌で感じる機会がより多い人に絞ったインタビューも行いました。

しかし、多くの人は「今から終活する必要はない」「自分の番ではない」という反応だった一方で、「いつ何が起きるかわからないもんなあ」という声もありました。

人は誰しも、生きている限り死に向かっているので、若い世代であっても終活の当事者ですし、その意識がないからこそ、より備えのない「切実な」状況にいるとも言えます。

「死は年齢と関係している」と思っているからこそ、日常の中で「終活」について考える機会が必要なんじゃないか?

若い世代も楽しく終活ができれば、明日は今日より見通しが良くなるんじゃないか?

このように考えて、「新しい終活」を「明日をより良く生きること」と定義して、アイデアを出し合いました。

しかし、話が広がりすぎてしまったり、なかなか切実さが伝わらなかったりと、行き詰まってしまいました。

そこで私たちは一度、従来の「終活」に立ち返ることにしました。

次にエンディングノートに着目しました。

終活の初めの一歩、あるいはガイドとして広く知られるようになったエンディングノートは、果たして終活を始めたい人にとって良いものなのか?

インタビューをしたおばあちゃんが「エンディングノートをいろんな人からもらう。けど書いていない、捨てちゃった」と言っていた点にに心のざわメキを感じました。

エンディングノートを書けないのか?書かないのか?それはどうしてなのか?この問いを追求するため、

今あるエンディングノートの項目を比較検討、グループ分けをしたり、実施に自分たちで書き込んだりして、徹底解剖を試みました。

その結果、分かったことが

根本的な原因は、

エンディングノートは、誰かに知っておいてほしいことと知られたくないこと、一人で落ち着いて書きたいことと一人で考えるには寂しいこと、

この線引きは人によっても時期によっても違うはずなのに、まぜこぜにになっていること、これが問題だと考えました。

そこで、この境目を自由にカスタマイズすることで、一人では埋められない部分を家族とシェアして楽しむことができる、箱型の全く新しいエンディングノートを考案しました。

箱の上の部分はみんなでお喋りして書く項目、下の部分はもしもの時のために書いて隠しておく部分です。

しかし、ユーザーテストをしてみると、下のもしもの部分は、あっても使わない、なくてもそこまで困らない、という声が集まり、私たちは振り出しに戻りました。

結局のところ、私たちは何を解決したいのだろう。

実際におばあちゃんにエンディングノートを書いてもらった時のことを思い出しました。

埋める必要はないと考えている項目をそのままにして、ノートを閉じ、こんなこと書き残してもしょうがないよね、とポツリ。

他人のための終活だけをして、それで終わり。ここに私たちは「ざわざわ」否、なんとかしたい!を感じました

遺す人に迷惑をかけないように、ではなく、自分のこれからのために終活をしてもらうにはどうすればいいのか。

おばあちゃんは、書くほどのことじゃないと言いつつ、思い出話が始まると止まりません。横からおじいちゃんも口を挟んでくる、なんてこともありました。

孫からの問いかけをきっかけにして、昔はこうだったとか、今度これやってみようとか、引き出せたらいいんじゃないか。このように考えて、最後のピースが埋まりました。

最後にもしもしブラシのデザインプロセスです。

私たちは、おばあちゃんの一日に12時間密着して、エスノグラフィー調査を実施しました。そこから、わたしたちのプロダクトを日常に埋め込むのに最適なタイミング、場所、モノをピックアップしました。

歯磨きタイムを最終候補にし、歯磨き中にどんな終活ができるか、プロトタイプとユーザーテストを数回往復し、機能を固めていき、最終的な現在のプロダクトに近づけていきました。

また、エンディングノートにあるようなぼんやりとした質問項目ではなく、より具体的な話を引き出せるようなトークテーマを200個考えました。また、アプリ上にそれらの一覧を作り、名作トークはアプリにアーカイブできるようにしました。

私たちの発表は以上です。ありがとうございました。

チームメンバーへのコメントです!

to いしなべ

石鍋さんは、メインでインタビューを行ってくれたり、絵を描いてくれたり、アイデアをいっぱい出してくれたりと、とにかくチームのために頑張ってくれました。最後まで頼りきりになってしまったこと、東工大生として不甲斐なさを感じるばかりです。最終的な「歯磨き」というアイデアも、もともと石鍋さん発のアイデアでしたね。このアイデアが出てきたとき、僕は「めっちゃ面白い!」と思いました。紆余曲折ありながらも、このアイデアが最後まで生き続けて本当に良かったと思っています。半年間、本当にありがとう&お疲れ様。(from とよだ)

つもニコニコ

ゅうちゅうすると

るほど〜な分析と

べりーぐっどなアイデア&ベリーキュートな絵が飛び出す

ころのよりどころでした(from ふじい)

絵かわいい!!!(from ちょう)

石鍋さんは、チームのアイデアマンとして最初から最後までずっと頼りになる存在でした。歯ブラシの案もさることながら、チームとして一番最初に発表した日めくりLINEカレンダーの良さが個人的にはかなり印象に残ってます。なんというか「これいいじゃん!」と思わせる力が石鍋さんのアイデアにはこもっていました。半年間本当にお世話になりました!(from うめだ)

to うめだ

梅田君は、とにかく意見が鋭かったです(笑)。ふんわり・ゆったりとした雰囲気のチームでしたが、梅田君はいつも現実がしっかりと見えていて、チームの軌道をズバッと修正してくれる存在でした。最終プロダクト作成のときは、買い出しに行かせてしまい申し訳なかったです。でも、一緒にモノをつくっているときは、同じ機械系としてたくさん議論ができ、本当に楽しかったです。半年間本当にありがとう。(from とよだ)

つくしい姿勢

がねがキリリ

んどりよく

ひろがっちゃった話を

ゅっと引き締めてくれました(from ふじい)

梅田さんの大切な意見がありからこそ、私たちがこの面白い作品がデザインできると思います。ありがとうございました!(from ちょう)

アイディア出しで突っ走ろうとした時など、ブレーキかけてくれたり、舵取りしてくれたおかげでまとまったと思います。梅田くんの冷静な判断のおかげでゴールに向かえました!(from いしなべ)

to ちょう

趙さんは「さすが美大生!」と言わざるを得ない、素晴らしい発想力と技術をもった方でした。日々の活動では、趙さん作成のプロトタイプのクオリティがとにかく高くて、毎回驚かされていました。さらに、最終プロダクトのモックや3DCADデータの作成を全部一人でやり遂げてしまったことも、本当に「さすが」です。趙さん抜きでは発表までたどり着けなかったと思います。本当にありがとう。(from とよだ)

ちょうしゅうを惹き込む

れいを帯びた演技は

しんじん俳優賞も狙えます

ころ震わす創造力にも

っとりしました(from ふじい)

最終的なプロダクト制作で大活躍でした。ほぼお任せ状態にしてしまいましたが、期待を超えるデザインを毎回持ってきてくれて素晴らしかったです。ありがとうございます!(from いしなべ)

趙さんには、なんといっても美大生としての圧倒的なデザイン力に何度も助けられました。プロダクトの形がふわふわなまま迎えた中間発表では花壇の形を無から捻りだして、プロダクトを何段階も上のレベルに引き上げてくれました。個人的には、時間がない中で作ってくれたもしもしブラシのプロトタイプの完成度の高さに驚きました。とにかく手を動かして物を作るという、EDPの教えを体現したような趙さんをすごく尊敬しています!(from うめだ)

to とよだ

んでもなく

るにつよくて

けども見せてくれる

どもみたいな笑顔に

れしくなりまし

た。沢山ありがとう。沢山寝てね。(from ふじい)

チームの雰囲気が和やかでいられたのは豊田くんのおかげだと思ってます。夜遅くまで学校で作業してくれたり、スケジュール管理など、みんながやらない部分までやってくれてありがとうございました。たくさん休んでください!(from いしなべ)

豊田くんは同じ機械系出身ということで、チームの中で担う部分も必然的に近かったですが、その多くの作業をリードしてくれたことに感謝しかありません。僕はただ言われたとおりの部品を買ってきて組むみたいなことしかしてなくて、かなり楽をさせてもらってしまったと思っています。あと豊田くん肝いりのSlack連携機能が日の目を見なかったのがめちゃくちゃ惜しいです。ともあれ半年間本当にお疲れ様でした!たくさん寝てください!(from うめだ)

センターと回路のデザインすごいです!会議をメモしてくれてありがとう(from ちょう)

こういうプロジェクト自体人生で初めての経験で、わからない事ばかりでしたが、チームメンバーに引っ張ってもらったおかげで、何とか最後までやりきることができました。チームの皆には本当に感謝しかありません。半年間、本当にありがとうございました。(from とよだ)

to ふじい

藤井君は、ゆったりとした感じだけれど、しっかりと芯が通っていて、チームには欠かせないリーダー的存在でした。チームを半年間引っ張っていってくれたこと、本当に感謝しています。最終発表直前は、スライド・ポスター・発表と、大変な仕事をたくさん任せてしまい申し訳なかったです。でも藤井君がつくったものはどれも完成度が高くて、おかげで素晴らしい発表&展示になったと思います。夜遅くまで作業お疲れ様&半年間本当にありがとう。(from とよだ)

仲良くなれて楽しかったです。ふじいちゃんが発言してくれると、チームの方向性が決まる感じがして頼りにしてました。みんなに伝わりやすいように聞き直してくれたり、言語化してくれたり、ありがたかったです〜!(from いしなべ)

藤井くんはチームのリーダー的役割を担ってくれて、プロダクトの方向性やその根幹となるPOVの策定などでとても頼りになる存在でした。自分が結構思いつきで喋ってしまうばかりに、プロダクトがあっちこっち脱線しかけるところを本当にうまくまとめてもらったと思っています。僕とは思考回路が全然違っていて、だからこそ会って話すとすごく良い刺激をもらえて楽しかったです!(from うめだ)

いつもの発表のパワーポイントお疲れ様でした!分かりやすいし、デザインもキレイです!(from ちょう)

本当にメンバーに恵まれたね!良かったね!(from ふじい)

to あまかすさん

最後までハラハラさせてしまいすみませんでした(笑)。ゆったりとした独特な雰囲気のチームで、甘糟さんにはたくさん心配をかけてしまいました。働き方をレボリューションしすぎてしまったかもしれません、ごめんなさい。それでも、最後まで優しく見守ってくださったこと、本当に感謝しています。毎授業差し入れを持ってきてくださったことも、本当にありがとうございました(実は毎授業「今日はどんな差し入れをいただけるのかな?」と密かに楽しみにしてました(笑))。(from とよだ)

たたかい

いるどボイスに

っこいい佇まい

てきなオトナで憧れています。

さんどの飯よりコカコーラ!(from ふじい)

優しく見守ってくれて、ありがとうございました。時にはアドバイスしてくれたり、時には黙って見守ってくれたり、チームの活動の様子をよく見ていてくれて、あまかすさんの担当チームで本当によかったです。(from いしなべ)

甘糟さんは、チームがどっちに向かっていても優しく見守ってくださり、最終発表まで背中を押してくれたことにとても感謝しています。甘糟さん的にはこのプロダクトが満足のいくものだったかどうかはわかりませんが、僕はこのプロダクトを作り上げられたことに達成感を感じています。最後の最後まで様々な形でサポートをいただき本当にありがとうございました!お菓子美味しかったです!(from うめだ)

いつものおやつありがとうございました!すごく美味しかったです!(from ちょう)

以上です。お世話になった先生方々、企業の方々、TAの方々、学生のみんな、ありがとうございました。

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