2023年度EDP「ナビブレーション」team-9 もう十分

~観察に没頭できる移動体験~

目次
1.プロダクトについて
2.デザインプロセス
3.メンバーによる振り返りとメッセージ
4.資料

1.プロダクトについて

こんにちは。team9 もう十分です。

私たちは、ミズノ株式会社様とともに、「都会のフィールドリサーチにおける移動を再デザインせよ」というテーマに約半年間取り組んできました。

その成果として「ナビブレーション」を提案します。

さっそくですが、動画をご覧ください。

ナビブレーションは、白地図で現在地が分からなくなってしまうフィールドリサーチャーに目標地点と自分の位置関係を教えてくれるベルトです。

この製品は、振動で目標物の距離と方角を教えてくれるので、視覚や聴覚を邪魔されずに、感覚的に位置情報を得ることができます。

このプロダクトのターゲットユーザーは、公共施設の設計をする課題を行っている建築学生です。(実は、先ほどの動画に本人が出演してくれています!)

彼女は、街にあった設計にするために、建てる場所の周りを徹底的に知りたいと思っています。

そこで、建てる場所を中心に周りのエリアを端から端まですべて歩いて調査しています。

インタビューのなかで、その町をよりよく理解するために、建てる場所と自身の位置関係を把握していたいという発言がありました。

現在彼女は、手持ちの地図にメモをしながらフィールドリサーチを行っています。しかし、メモ用の地図には現在地が表示されないため、どこにいるのか分からなくなってしまいます。そこで、スマートフォンのマップを使って現在地を確認しています。

私たちは、スマホを見るという行為がフィールドリサーチの対象から意識をそいでしまい、没入感が失われている、集中できなくなってしまっているのではないかと考えました。

そこで、スマホを見ないで、自分と建てる場所の位置関係が分かればいいのではないかという仮説を立てました。

私たちが、解決策を考えるうえで大事にしたことは、「位置関係が感覚的に分かること」、「視覚・聴覚を邪魔しないこと」、「手をふさがないこと」の3つです。

そこで、提案するのが「ナビブレーション」です。これは、振動で現在地から目的地点までの方角と距離を教えてくれるベルトです。

使い方を説明します。

リサーチ前にスマホから目標地点を登録します。

リサーチ中には、内部のGPSが方角と距離を計算します。また地磁気センサーでユーザーが向いている方角を検知します。

ボタンを押すと振動で目的地の方角を知らせてくれます。

ナビブレーションの詳細な機能を見ていきましょう。

一つ目の機能は、振動で設定した地点の方角を教えてくれる機能です。内部にはGPSモジュールや地磁気センサ、bluetoothなどの計算用のモジュールが入っています。ベルトには前後左右の4方向に振動モーターがついていて、目標地点に一番近い振動モーターが振動することで方角を伝えます。

二つ目の機能は、振動の長さで距離を伝える機能です。目標地点までの距離が遠いときには、「ブーーーーブーーーー」と長い振動で、近づくと「ブブブブ」と短い振動で目標地点までの距離を表現します。

以上の2つの機能を合わせることで、指定した地点までの方角と距離を感覚的に知ることが可能になります。

ナビブレーションの使用前には、現在地が分からなくなる度にスマホを確認していて、フィールドリサーチに集中できていなかった建築学生は、
ナビブレーションを使用することで、スマホを見なくても現在地が分かり、集中することができるようになりました。

実際に、ターゲットである建築学生さんにナビブレーションを体験してもらいました。

良い点として、「自分がどこにいるかがよく分かる」「スマホでマップを見なくなりそう」、改善点として、「お腹は少しくすぐったい」「もっと手軽だといい」などの意見をいただきました。

今後は、振動の方向を増やすことで、より正確な方角を伝えられるようにすることや、ベルト以外の製品への展開を考えております。

また、観光体験など日常生活にもナビブレーションを取り入れていけると良いと思います。

ナビブレーションであなたの移動にもっと新しい発見を!

2.デザインプロセス

続いてナビブレができるまでをご紹介したいと思います。

私たちのチームについて軽く紹介させてください。もう十分はメカが得意だったり、絵のデザインが得意だったり、チームワークについて研究してたり, etc.と様々なバックグラウンドを持った人たちで構成されました。

そんな私たちが取り組むテーマが

「都会のフィールドリサーチにおける移動を再デザインせよ」でした。

実はこのテーマには隠し要素があって、テーマの中にある「移動」は人力移動(車や電車じゃなくて、自転車や徒歩のような移動)でないといけないというルールがありました。

このテーマを受けて、私たちは最初にフィールドリサーチって?、新しい移動体験?人力移動を促すとはを考える必要がありました。

そこでまず、フィールドリサーチが何かを知るために早速いろんな人にインタビューをしていきました。

営業職の人から商品開発する人、そして建築学生など多岐にわたる人たちに聞いていきました。

また、人に聞くだけじゃなくて、実際に自分たちでフィールドリサーチしようということで、横浜駅周辺で何かテーマのヒントになりそうなものを調査するということを1日かけておこないました。

こうした取り組みのおかげで、幾つかの課題が浮き彫りになってきました。

そんな課題の中から一つの課題を選び、それに対するプロトタイプを早速作成していきます!

まず、私たちはフィールドリサーチ中の荷物の問題に注目しました。

靴を二足持ってるユーザーがいたことから荷物を少なくする移動体験を考えました。具体的には、靴の底を交換できるプロダクト(はずソール)を考えました。

しかし、これに対して、テーマにあるフィールドリサーチの要素がないことを指摘されます。

なので、次はもっとフィールドリサーチ特有の行動から考え直すことにします。

今度はフィールドリサーチ中にお店で調査する時に周囲に気を遣ってメモが取りづらいというユーザーの発言を受けて、メモができる服を考えました。これによって、店の中でフィールドリサーチ(メモをする)ことがばれないで調査ができるようになります。

しかし、今度はテーマの移動要素がなくなってしまいました。

それじゃあ、次はフィールドリサーチ特有の移動を探そうと動きます。

次は、自転車でフィールドリサーチを行ったことがあるユーザーの「徒歩で行うより移動範囲が広く、新しい発見が多い」という発言を発見しました。

それに対して、小回りが効きつつ移動範囲が広がるようにセグウェイになる靴を考えましたが、次は隠し要素である人力移動を忘れてしまいました。

テーマを捉えたアイデアが思いつかない!

私たちは完全に行き詰まります。

そんな時でも私たちはとにかく過去のインタビューを書き起こし読み直し、とにかく思いつく限りのアイデアを付箋に書き出していきました。

ここであるインタビューが目に止まります

それは海外で日本酒の市場調査を行うフィールドリサーチャーの発言で、

海外でフィールドリサーチの移動中にスマホを触っているとすりにあってしまう、できるだけスマホを見たくない

というものがありました。

すごい特殊なシチュエーションです。が、私たちはここに何か違和感を感じました。

実はこの発言がナビブレを考えるきっかけとなります。

先ほどのインタビューをさらに深ぼっていくと

スマホを見たくない理由って、スリが理由っていうのもあるけど、そもそもスマホの出し入れ、見たり見なかったりってすごく煩わしくない?ってことに気付きます。

そこで、私たちはスマホを見ない移動に着目し始めます。

今までインタビューさせていただいた方はどうなんだろうとなり、過去にインタビューさせてもらった人に再びインタビューさせてもらいます。

すると、

マップアプリで自分の位置を確認するのってフィールドリサーチ中断している感じがするけど、フィールドリサーチ中のメモをする行為は中断している感じがしないという発言だったり、

スマホがない時はある時よりもっと周り見てた。面白そうな道があったらルートを変えたりするということを聞きます。

最短ルートより面白そうな道、もっと周り見たい、フィールドリサーチを中断したくない。

なるほど、自分の感覚で移動したいのか!

つまりフィールドリサーチャーは集中できたりとか没入感を大事にしているんだ!!

ここからは一気に進んでいきます。

スマホなしで目的地や目標地点がどこの方角にあるのかを伝えるプロダクトを考えます。視覚的に伝える方法と触覚的に伝える方法を考えます。

ユーザーテストの結果、触覚で振動で伝える方のプロダクトの印象の方が良いことに気づきます。

ここで、フィールドリサーチャーが情報収集のために視覚・聴覚を失いたくないと思っていることを知りました。

印象の良かった方のプロダクトのユーザーテストを進めます。

ユーザーテストの結果から、よりコンパクトにだったり、距離を伝える機能を付け足すことを決めました。

残り2週間プロダクトを作り上げるために全力で走り抜けます!

残り1週間、やばいおわんない。

もうソファでねちゃってます。

そして、ついに完成します。

最後にEDPを通して私たちが学んだことを書いて終わります。

私たちはどんな時もとにかく手をうごかし続けました。そしてチームで議論しました。

一連の流れで、情報の蓄積による視座の変化やメンバー間の視座の違いに気づくこと、それが解決の糸口になることを学びました。

最後になりますが、EDP本当に大変でした。けどすごく楽しかったです。

3.メンバーによる振り返りとメッセージ

高 龍叡(Ryuei Koh)

東京工業大学 融合理工学系 修士1年

<振り返り>

今までの人生で一番頑張った。半年間、ずっと考えて、議論して、インタビューして、モノ作って、インタビューして、考えて、議論して、考えて、、、
途中でもう考えたくない時が一瞬あったけど、あの時頑張ってよかったな、、、
最後の追い込みの時が特に苦しかったけど、チームメンバーみんながデザイン工房に夜遅くまで残って、作業してたから頑張れました。今思うとすごい楽しかったし、この経験は絶対今後どっかで活きてくるんだろうなって感じています。

EDPを振り返ってみると、まず個人的には最終プロダクトは満足のいくものができたと感じています。満足いくものができた理由を考えてみた時、常にとりあえず手を動かしていたのがデカかったなって思います。今思えば、チーム活動をする時に参加できる人数が少なくても、参加できる人でやって、後で他の人に共有して、全体で議論してと、活動が止まることが少なかったなって思います。

他に思ったこととして、人によって考え方やアイデアの感じが違うのがおもしろかったのがあります。チームのみんな、こだわりや好みが違っていて、何か一つのアイデアや方向性を決めるのに毎回苦労していたことを思い出します。そんな議論が停滞するときに何度か「悩むぐらいならとりあえずやってみよう」っていう精神でゴリ押ししていたのを思い出します。このEDPにおいて、停滞するよりもサイクルをとにかく回すほうが大事だなって実践を通して感じていて、トライアンドエラーの重要さを学ぶことができました。

そして最後に、このメンバーと最後まで活動できてよかった!このメンバーじゃなかったらこんなに満足のいく結果になってなかったと思いますし、何よりこんな面白い人たちと出会うことなんてないんじゃないかなっておもっています。最後までともに頑張ってくれたメンバーにはマジで感謝しかないです!!本当にお疲れ様でした!!

<みんなからのメッセージ>

高くんがいつも中心に立っていてくれたから、止まることなく最後まで走り切れました。ミーティング中「むずい」「どうしようね」が私たちの口癖になっていたね(笑)。高くんが考えてくるアイデアやざわざわは、なるほど!って思わされるものが多くて、それはインタビューやテーマについて裏で沢山考えていたからだと思います。途中、集まれるメンバーで進めていかなきゃいけない状況とみんなが納得した状態で進めたい気持ちの間で悩んでいたけれど、ミーティング中に「他の人はどう思う?」って何度も聞く、誰も置きざりにしない高くんの優しさがチームメンバーからの圧倒的な信頼につながっていたと思います!本当にありがとう!(楠田)

高君、プロジェクトリーダーとしての君の卓越したリーダーシップと組織力に敬意を表します。リサーチから発表準備に至るまで、君の尽力がなければ、私たちはこのような成果を挙げることはできなかった。特に、人間拡張技術とAIを活用した移動手段の提案は、私たちのプロジェクトを革新的なものにしました。君の指導の下、私たちは多様化するライフスタイルに対応する新しい移動体験を提案することができました。(橋爪)

高さんはいつもリーダーシップを発揮してチームを引っ張ってくれました。毎回のインタビューやミーティングの流れを作ってくれてとても助かりました。またメンバーの話を親身になって聞いてくれて、良い雰囲気になっていたと思います。最後のプロダクトは高さんがタグ型の物を作ってくれていたおかげで何とか動くものを展示することができました。ありがとうございました!(河野)

高さんいつもチームを引っ張ってくれてありがとう。チームの全体の計画や方針を先頭に立って決めていてくれたから自分も迷わず走り切ることができました。高さんのインタビューの上手さやざわざわを見つけるところとかにいつも感心してた。ちゃんと見習えるように頑張ります。また、高さんはミーティング中とか常に周りを見てくれていて、チームに必要不可欠だなって感じてます。高さんのおかげで、チームの状況に安心して自由気ままに参加できました。ありがとう!(尾崎)

高さんは、チームのリーダーという感じで、全体を本当によくまとめてくれていました。インタビューやミーティングの時もみんなを引っ張っていってくれて、とても頼りにしていました。高さんがドンと構えていてくれたおかげで、他のメンバーは自分が思ったことが言いやすい雰囲気になっていたと思います。最後には別タイプのナビブレーションも完成させたり、技術面においても凄かったです。最後まで頼りきりだったなと思いつつ、高さんが中心にいたからこそ本当にいいチームだったなとしみじみ思います。本当にありがとうございました!お疲れ様でした!!(松田)

楠田 悠賀(Yuka Kusuda)

東京工業大学 機械系 修士1年

<振り返り>

長いようであっという間だった4か月間。
振り返ると「フィールドリサーチってなんだ?」「移動ってなんだ?」とテーマと戦いつづけた4か月でした。序盤は、沢山の人にインタビューをしても、フィールドリサーチャー全然移動で困ってない!と苦戦しました。でも、みんなだんだんとインタビューが上手くなってきて、最後の方はいろんなエピソードを引き出せるようになってきたのではないかなと思っています。

忙しくてなかなか全員で集まれなかったり、みんなの興味の方向がなんとなく違ったり、どうしようと思った時期もありました。それでも、それぞれができる時にできることをやって、沢山議論を重ねて、テーマに向き合い続けられたから、納得感ある最終プロダクトになったと思います。

特に最後の1週間はEDP漬けの毎日でした。デザイン工房で皆がそれぞれの持ち味を発揮して走り切った、あの一体感は、他のどのチームにも負けてなかったと思います。とても楽しかったです。

EDPを通して、新しいものを生み出すのって難しいと感じるとともに、チームでものを作るのって楽しい!と心から思いました。いろんな視点を持ったメンバーたちと、インタビューして、議論して、作って、テストして、議論して、たくさん悩んだのはとても貴重な経験でした。ありがとうございました!

<みんなからのメッセージ>

いつも一緒に議論してたね。くっすーは矛盾がはらんでいたり、不確実な状態で進もうとする議論で、何度も考え直させてくれるきっかけをつくってくれていたことが印象に残っています。くっすーの納得のいかないときのこだわりの強さにはたびたび驚きましたが、それのおかげでより深い議論に繋がったり、議論が変な方向に行かずにすみました。また、アイデアを考える時は、実現可能性とか関係なくぶっとんだアイデアを連発していて面白いなと思っていました。くっすーのそういった柔軟なところだったり、明るい雰囲気のおかげで楽しくEDPをやりぬくことができました。きっとくっすーがいなければ1人で勝手に突っ走ったり、途中で心が折れてたと思います。自分の中ではそんぐらいすごく大きな存在でした。本当にお疲れ様、そして最後まで一緒に走ってくれてありがとう!!(高)

楠田さん、チーム内で意見が分かれた時も、常に建設的なフィードバックを提供してくれてありがとう。君の良い意味での批判的思考は、私たちのアイデアをより練り上げるのに役立ちました。特に、移動体験におけるユーザビリティの向上に関する君の提案は、私たちのプロジェクトをより実用的でユーザーフレンドリーなものにしました。君の真摯な姿勢とプロジェクトへの貢献は、チーム全体にとって大きな価値をもたらしました。(橋爪)

楠田さんはミーティングの時、いつも的確な指摘で議論の軌道修正をしてくれて、方向転換がうまくいきました。また行きづまったときに議論を促してくれて、円滑にミーティングが進みました。アイデア出しのときは面白いアイデアをたくさん出してくれてとても楽しかったです。また明るい雰囲気のおかげで最後までポジティブにプロジェクトを進められました。ありがとうございました!(河野)

楠田さんはいつも不思議に思ったこととかやおかしなことがあるとちゃんと待ったをかけてくれたり、良さそうな時は「いいね!」って言ってくれて助かったありがとう。不思議に思った時とかおかしい時にちゃんと待ったをかけられるのってすごいことだと思う。みんなが「まあいっか」ってなりそうな時に言ってくれて、しっかり再考することができたと思う。また、いつもミーティングが楽しい方向に行ったのも楠田さんがいたからだと思う。おかげで、色々考えて楽しく過ごすことができました!(尾崎)

楠田さんの指摘は鋭く考えさせられることが多くて、みんな気づかず進もうとしている時にも「なんで?」をぶつけてくれて、本当にチーム活動において必要不可欠な存在だったと感じています。楠田さんがいなかったら議論がおかしな方向に進んじゃっていたかも…なんて感じたこともあるくらいです。楠田さんの誰とでも仲良くなれる人柄やその明るさが、チーム内の穏やかな雰囲気を作っていたと言っても過言ではないと思います。EDPの最後の方で、一緒に終電のために駅まで走ったのもいい思い出です!(笑)
同じチームで活動できて楽しかったです。本当にありがとうございました!(松田)

橋爪 大賀(Taiga Hashizume)

東京工業大学 融合理工学系 修士1年

<振り返り>

この半年間のプロジェクトを振り返ると、私たちが取り組んだ「都会のフィールドリサーチにおける移動体験の再デザイン」は、私にとって非常に意義深い経験でした。このテーマは、単に技術的な問題を解決する以上のことを求められました。それは、社会の動きや人々の生活様式の多様化を理解し、それに応じた移動手段を再考することでした。このプロジェクトでは、ラストワンマイルの移動をどのように快適で、かつ持続可能にできるかを考えることが求められました。

この挑戦を通じて、私はチームワークの真価を学びました。尾崎君は、私たちの方向性を見出し、プロジェクトに明確なビジョンを提供してくれました。高君のリーダーシップと組織力は、リサーチから発表準備に至るまで、プロジェクトを前進させる推進力となりました。松田さんのデザインスキルは、私たちのアイデアを視覚的に表現し、プレゼンテーションを際立たせることに貢献しました。楠田さんの批判的な思考は、私たちのアイデアを磨き上げるのに不可欠でした。河野君の技術力は、アイデアを現実のプロダクトに変えるために欠かせないものでした。

私自身にとって、このプロジェクトは多くの挑戦と学びの連続でした。私は、新しい技術の研究、アイデアの発案から実現までのプロセス、そしてプレゼンテーションのスキルを磨くことができました。しかし、何よりも価値があったのは、チームとして一丸となって目標に向かった経験です。各メンバーのユニークな才能、熱意、そして互いを支え合う姿勢が、このプロジェクトを成功に導いたと確信しています。

私たちのプロジェクトは、「Powered Life」というミズノのコンセプトにも貢献し、人間の機能拡張を通じてより豊かな生活を実現することを目指しました。社会課題に対する新しい解決策を提案する過程で、私たちは多くの困難に直面しましたが、それらを乗り越えることができたのは、メンバー一人ひとりの貢献があったからです。

この半年間で私が最も学んだことは、どんなに優れたアイデアも、それを支えるチームワークがなければ実現不可能であるということです。私たちの成果は、個人の努力だけでなく、互いに信頼し、協力し合った結果です。このプロジェクトで共に働いた全てのメンバーに心から感薝しています。みんながいてくれたからこそ、私たちは大きな達成を成し遂げることができました。これからも、この経験を生かして、さらなる挑戦に取り組んでいきたいと思います。

<みんなからのメッセージ>

この半年間、一緒に活動できて楽しかったよ。橋爪はチームの中で嵐のような存在だなと思っていました。明るい性格で場を和ませてくれたり、時には鋭い意見を出してハッとさせられることもあったのを覚えています。大体途中参加だった記憶があるけど(間違ってたらごめん)、議論が停滞してチームの雰囲気が重い時とかも、橋爪が来るとチームの雰囲気が明るくなって議論のテンポが上がってくの感じていました。そのおかげで、活動がいつも楽しくて、やりがいのあるものになっていったと思います。自分だけじゃなくて他のメンバー全員も元気づけられていたと思うし、困難な状況ほど橋爪がいたらなって思っていました。橋爪がいなかったら、この半年間の活動はきっとこんなに充実したものにはならなかったし、どっかのタイミングで心が折れ出たかもしれないです。同じチームで良かった!(高)

づめさんは今まで私の周りにあまりいたことがないタイプの人で、すごく刺激をもらいました。いつも突然やってきて、びっくりするくらい自由な発想力で私にない視点をくれて、議論するのが楽しかったです。目をキラキラさせながら、「まじでめっちゃいいアイデア思いついた」ってよく言ってたのが印象的でした。反対意見いっぱい言ってごめんなさい(笑)。みんなでご飯行った時も、沢山盛り上げてくれて面白かった。また行こう!ありがとう!!(楠田)

づめさんは忙しい中合間を縫って来て独創的なアイデアを出してくれました。リュックの下にタイヤが付いている物は個人的に結構気に入ってました。スゴイジャン!ビビリマシタァ…また明るい雰囲気で場を和ませてくれて、ミーティングが行き詰っている時に途中から来た時、だんだん場が弾んで行ったのを覚えています。楽しく活動ができました。ありがとうございました!(河野)

ヅメさんいつも忙しそうだったけど、来た時にはたくさんアイディア持ってきてくれたり、面白い発想で固定概念を吹っ飛ばすことができたありがとう。スキットとか絵コンテの時とかはヅメさんの面白くかつ伝わりやすいストーリーにいつも驚いてた。また、いつもミーティングを盛り上げてくれてありがとう。ヅメさんがくる時はいつもみんな笑ってたと思う. それくらい面白くて賢いアイディアマンだなって思ってた。ありがとう!
(尾崎)

橋爪さんは、ずっと面白かったです!(笑)特に印象的なのは、チームでプロダクト案を考えている時に煮詰まってしまった時、後から合流した橋爪さんが「めっちゃいい案思いついた!」と言って、目をキラキラさせながらプロダクト案について熱く語ってくれたことです。橋爪さんのアイデアは奇抜で斬新なものが多かったように感じていて、チームの視野を広げてくれていたなと感じています。とても面白く楽しく活動できました。ありがとうございました!(松田)

河野 誠彦(Masahiko Kono)

東京工業大学 機械系 修士1年

<振り返り>

4か月間終わってみると一瞬でしたが、刺激的な日々の連続でした。初めは全てが新しく圧倒されていましたが、慣れていくにつれて徐々にデザイン思考の流れを体感することができました。時にはあまりチームに貢献できていないことに引け目を感じたこともありましたが、自分が頑張れるところで頑張ろうと考えてからは少し積極的になれたと思います。

EDPを通して特に感じたことは相手の立場に立つことの難しさです。プロダクトはユーザーの役に立つものでなくてはいけません。インタビューをしてユーザーの考えを汲み取り、チーム内で議論してプロトタイプを作り、ユーザーに見せることを繰り返していく中でその力は身についたと思います。

また様々なバックグラウンドの人と長期間同じ目標に向けて頑張る経験はなかなかない機会だと思います。メンバーの持ち味が生かされてお互いを補完しあったからこそ、良い物が作れたのだと思います。

最後になりますが、支えてくれたチームの皆さん、ミズノの方々、先生方、TAの皆さん、4か月間本当にありがとうございました!今後もこの経験を生かして頑張っていきたいと思います!

<みんなからのメッセージ>

河野君お疲れ様!!河野くんとはずっと一緒に頑張ってきた気がします。インタビューだったり、チームmtgの時大体毎回くっすーと河野くんで河野君が参加してて、毎回進捗とかを把握してくれていたのはすごい心強かったです。河野くんのことはじめはクールな人だと思っていたんだけど、最後のほうとか河野君だけ連泊してたりして、結構熱い人なんだなってびっくりしたのを覚えています。靴のプロダクトを作るってなった時も、ネットでガチの靴の作り方を調べて、めちゃくちゃクオリティの高いものを知らない間に作り上げていたのを思い出します。また、河野君が黙々とプロダクトの基盤となるところを作っているところを見て、めっちゃ職人だなって感じていました。プロダクトを作ることをずっとやってくれていた河野くんのおかげで最終的に動くものができたんだと思います。本当にお疲れ様でした!(高)

河野くんは静かに面白くて私のツボでした。フィールドリサーチ中気づいたら1人で目出し帽被ってたり、突然1人で秋葉原に買い物に行ったり(笑)。ミーティングやインタビューにはほとんど参加してくれて、全体の流れをしっかり把握していてくれたのは心強かったです!後半は技術者として大活躍だったね。毎日夜遅くまで黙々と作業している姿をみて、凄まじい集中力だなと思っていました。ここはどうなってるの?とか聞くと、とっても楽しそうに教えてくれて、嬉しかったです。本当にお疲れ様!ありがとう!(楠田)

河野君、プロダクト作成とプログラミングにおける君の献身的な努力に感謝します。君の技術的なスキルがなければ、私たちのアイデアを形にすることはできなかったでしょう。特に、プロトタイプの開発における君の貢献は、私たちの提案を具体的かつ実現可能なものにしました。君のハードワークとプロジェクトへのコミットメントは、チーム全員にとって大きな刺激となりました。(橋爪)

河野くんはいつもクールな感じなのに、時々面白いことしてて楽しかった。また、最後のプロダクト作成の時のアツさにはびっくりした。突然秋葉原行ってたり、徹夜してたり、びっくりしたけど河野くんがいなかったらプロダクトは完成しなかったと思うし、河野くんのアツさに共感して頑張ることができた。ミーティング中も大事な時にはしっかり発言してくれて助かった。ありがとう!(尾崎)

河野さんは終盤の追い込みが本当に凄まじくて、毎日デザイン工房に残ってずっと電子工作を頑張っていました。電子工作は私は全く分からなくて任せきりで申し訳なかったです…。割と早い段階で電子工作部分のサイズを考えてくれていたおかげで、プロダクトの外見を作る際すぐに作業に入ることが出来てとても助かりました!
また、序盤の方のインタビューなどでも率先して書記役を担ってくれたので、書記が苦手な私は実はかなり助かっていました。(笑)4ヶ月間本当にありがとうございました!(松田)

尾﨑 豊(Yutaka Osaki)

東京工業大学 融合理工学系 修士1年

<振り返り>

気づいたら始まって終わったEDPで、常にEDPに追われていた後期だった。前期にDTFやEDAも受けたが、今までにこれほど長く活動するプロジェクトワークの授業は受けたことがなく、いろいろな力が必要だなと実感した。

まず、インタビュー力。EDPの全てはインタビューから始まると言っても過言ではなく、ユーザーの声なくして前に進むことができない。それくらい大切でかつ難しい。誘導してはいけないけど、誘導してしまいそうになったり。終わってから聞き逃したことをたくさん思いついたり、たくさん失敗したと思う。ただ、EDP前と比べると、少しだけ自分を俯瞰して見れるようになった気がしている。

そして、サイクルを回す力。デザイン思考には5ステップあり、このステップをたくさん回転させてこそ、面白いインサイトを得ることができ、ユーザー中心なプロダクトにつながる。しかし、このサイクルを短いスパンで回すのが難しい。みんなが忙しい時期や自分が忙しい時期などがくると、サイクルが回せなくなってしまう。しかし、EDP前半では強制的に2週間で最低一回のサイクルを回すことが必要とされる。これに対応できるようになったのもEDPのおかげだと思う。

最後に、チーム力。まず言えるのが、このプロジェクトを最後まで完走するのにはチームのシナジーが必要になる。1人だけではできない。面白いインサイトを見つけるのも、プロトタイピングも1人の力では絶対できない。チームがみんなで同じ方向に向いて努力することが大切であることがわかった。そのためには、たくさんコミュニケーションを取り、活動を共にすることが必要だなと感じた。最後に1週間はチーム全員で取り組まなければ終わらなかったので、一気にチーム力の重要さに気付かされた。

チームやプロジェクトを通して様々なことを学べたEDPを今後に役立てられるように時間をかけて振り返っていきたい。ここで学んだことを生かしていろんな場面で応用していきたいなと思った。

<みんなからのメッセージ>

お疲れ様!本当に最後の1週間は大変だったね。
尾崎くんにはオールラウンダーで色んなところでめちゃくちゃ助けられました。尾崎くんと一緒のチームになった時に、早期入学と留学の準備でめっちゃ忙しいなこの人って思ったのを覚えてます。そんな忙しい中、できる限りEDPにも時間を割いてくれてめちゃくちゃ助かってました。特に最後の1週間は自分の用事があるにも関わらず、夜遅くにデザイン工房に来て、3時4時ぐらいまで一緒に作業してたよね?あれ尾崎くんいなかったら多分俺帰ってた(笑)。あのときは本当は帰りたかったけど、「尾崎くんは忙しいのにがんばってるんだからもう少しがんばろないと」って思えて、最後まで妥協せずにやりきることができました。だから多分尾崎くんがいなかったらプロダクトは完成してなかっただろうし、発表もやばかったと思います。留学とかで忙しいかもしれないけど、帰ったらまたみんなで会おうね!(高)

尾崎くんはいつ寝てるの?ってくらい忙しいのに、チームに沢山貢献してくれたよね。深夜のバイト終わりの「今から行きます!」にはびっくりしました(笑)。電子工作に動画編集に…なんでもできちゃう尾崎くん、ほんとに尊敬です。残り1ヶ月切ってもなんとなくのんびりしてた私たちに、最終発表を見据えていつまでにどうするか決めようとか、1日2個アイデア出そうとか言って、危機感持ってスケジュール立てたりしてくれたのはありがたかったな。いつも冷静にチームの状況をみて、進むべき方向に導いてくれてありがとう!お疲れ様!留学楽しんできてね!!(楠田)

尾崎君、都会の移動体験再設計において、チームのビジョンを明確にしてくれて心から感謝しています。君の先見の明と情熱がなければ、私たちのプロジェクトは成功しなかったでしょう。特に、人力移動の促進に関する君のアイデアは、私たちの提案を次のレベルへと押し上げてくれました。君の貢献は、私たちのプロジェクトが社会課題に取り組む上で不可欠だったと言えます。(橋爪)

尾崎さんは留学が間近に迫り、忙しい中献身的にチームに貢献してくれました。自分が印象に残っているのは最終プロダクトを作るときで、初めのころにプロダクトのコードをどんどん書いてくれてとても助かりました。おかげで最初はプログラムはほぼ分からなかったけれどなんとか軌道に乗れました。ありがとうございました!留学楽しんで!(河野)

尾崎さんはなんでも出来る人!(笑)何事にも全力で取り組んでいました。インタビューをメインで喋ってまとめてくれることもあったし、ミーティングでも積極的に発言していたし、プロトタイプのネーミングセンスも良いし、電子工作もするし、動画編集も出来ちゃう…。最初から最後まで色々な面で頼っていたと思います。
最後の方は留学の準備などでスケジュールが大変な中、深夜からでもデザイン工房に来て作業をする姿を見て、驚きと同時に自分も頑張るぞという気持ちにさせられました。
4ヶ月間ありがとうございました!!お疲れ様でした!(松田)

松田 ひなた(Hinata Matsuda)

多摩美術大学 統合デザイン学科 3年

<振り返り>

EDPでの4ヶ月間の活動は本当に本当にあっという間で、楽しかったの一言に尽きます。

私がEDPの授業のことを知ったのは5年前、工学系を志望していた高校1年生の頃でした。その後2年生の時に行った東工大のオープンキャンパスで、ESDコースのお姉さんたちとお話したのが懐かしいやらあっという間やら…なんだか変な感じです。まさか美大に進路変更して参加できるとは思わず、念願叶っての参加でした。笑

この4ヶ月間を振り返ってみると、「都会のフィールドリサーチにおける移動を再デザインせよ」というテーマに対して最初から真っ向から向かっていくというよりも、周りから攻めていって最終的にしっかり与えられたテーマにガツンと当てていくような感じだったと思います。意図していなかったし実際途中で行き詰まってしまっていて、先生からももっとテーマに対して真っ向から行ったほうがいいんじゃないかみたいなフィードバックをもらったこともありました。でも、「フィールドリサーチって何?」「”移動体験”の再デザイン?」「人力移動!?」とテーマと戦い続けていた私たちにとって、一見遠回りに見えるけれど、チームメンバー全員のテーマに対する不明瞭さみたいなものをどんどんクリアにして全員が向く方向を揃える意味ですごくよかったんじゃないかなと思っていて、今振り返るとチームにとって満足のいく最終プロダクトを作るまでの最短距離だったのかなと思います。

それぞれ異なるバックグラウンドを持つ6人がインタビューやプロトタイプ制作を何度も繰り返し、時には意見が食い違いながらも最終的に『ナビブレーション』というプロダクト制作のために走り切れたと思います。ラスト怒涛の一週間を過ごしたことは忘れられません。

本当に貴重で楽しい経験をさせていただきました。このプロジェクトに参加できて良かったです。ありがとうございました!!

<みんなからのメッセージ>

半年間ありがとうございました。個人的に松田さんはまさに”ザ美大生”だとおもっていました。自分のやりたいことに忠実で、最後まで諦めずにベルトを5色も作ってくれたこと、本当にすごかったです。スイッチの入った松田さんは最強すぎました(笑)松田さんが本気でやってくれたおかげで、デモ展示の時に、カラバリとかは周りの受けも良かったし、プロダクト自身のクオリティーが上がったと思います。
ポスターやスライドのデザインを松田さんに任せっきりにして申し訳なかったなと思いつつも、さすがのクオリティーで松田さんにお願いして良かったなと思っています。そのおかげで良い発表ができました。松田さんのクリエイティブな視点とセンスが、チームの活動に大きな価値をもたらしてくれました。本当にありがとうございました。(高)

ひなちゃんは素直で、まっすぐ意見を伝えてくれる人でした。テーマも的確に捉えていて、時に鋭いツッコミを入れてくれたよね。スイッチが入った時の熱量はすごいなって思っていたけど、最後の追い込みの時は本当にすごかったです!「私ロゴとポスター作ります!」「ベルトあと4色縫っちゃいます!」ってどんどん進めてくれてとっても助かりました。ロゴもポスターも流石の出来栄えで、カラバリはすごく好評だったね!合間の時間に沢山話せたのも楽しかったです。ほんとにありがとう!(楠田)

松田さん、あなたのデザインスキルは私たちのプレゼンテーションを別次元に引き上げてくれました。美大生としての君の才能がなければ、私たちのアイデアはこれほど魅力的に伝わらなかったでしょう。特に、プレゼンテーションのビジュアル面での君の貢献は、視覚的にも理解しやすい提案を可能にし、審査員に強い印象を与えました。君のクリエイティビティは、私たちのメッセージをより効果的に伝えるために不可欠でした。(橋爪)

松田さんは美大の人が他にいない中、積極的に活動に参加してくれました。特に最終プロダクトの時はスイッチが入っていて、深夜まで作業していて驚きました。プロダクトのカラーを5色にしてくれたおかげでブース展示でも評判が良かったです。また、ナビブレーションのロゴはプロダクトの機能がすぐに分かるもので美大のすごさを見ました。ありがとうございました!(河野)

松田さんグループ1人の美大なのに、物怖じせず参加してくれたり、意見してくれてありがとう。鋭いツッコミや意見とかが刺さることが多くて本当に参考になった。チームに東工大以外の新しい視点を持ってきてくれていつも助かってた。松田さんのベルトのカラー展開の案とか絶対に思いつかなかったと思う。いろんな人がチームにいたほうが楽しいし、視野が広がるなって感じるきっかけになった。ロゴとかポスターも一晩で仕上げてきてくれたりしてびっくりした。ありがとう!(尾崎)

4.資料

ポスター

PV

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