EDPという場

女の子と海に行ったら自分そっちのけでずっとナンパされてて居場所を失う、そんな夏をお過ごしのみなさんこんにちは。2016年度EDP(エンジニアリングデザインプロジェクト)に参加していました東京工業大学大学院経営工学系修士の奥出です。

EDPに参加していた学生たちのインタビュー記事なんてものを書いていましたが、そういや自分にとってのEDPを話す場がなかったぞってことで勝手にEDPについて語るコーナーを設けました。僕お得意の自分語りコーナーなのでどうぞ読み捨てていってください。

ESDコースに進んだ理由

僕たちが参加したEDPですが、参加している東工大生のほとんどはエンジニアリングデザインコース(ESDコース)というコースに通っています。学部時代に学んできた専門を研究室では学びながら、講義では各々の専門からは少し離れて、いろんなバックグラウンドを持つ人たちと交流を持ちながら学ぶコースになっています。こんな特殊なコースだからこそ、選んだ理由も人それぞれに持っていたりもするのです。

そんな僕ですが、本当は学部で卒業してそのまま就職するつもりだったんですね。そんな感じなので学部3年の夏にもインターンにいこうと何社か申し込んでみたりもしたんです。でも「学生時代頑張ったこと」「大学で学んでいること」みたいな項目が全然書けないんですよ。東工大生なのに。やばくないですか?

自分は何が得意で、何ができる、自分はどんな人だ、みたいなことが何も話せない自分がすごい子供に思えて、悔しくて悔しくてたまらないって感じたことだけは覚えてます。

このまま卒業なんてできない、まだ学ばなきゃ社会になんて出れないと強く感じました。今のままじゃダメだ、新しい環境を探さなきゃダメだと考えていた頃に、指導教員である飯島教授から紹介されたのがこのESDコースでした。環境を変えて自分ごと変えてやろう、そんな気持ちでこのコースを選びました。

EDPに参加して得られたもの

そんな感じで進学したESDコース、そのコースの目玉講義がこのEDPでした。このEDPには様々な専攻背景を持った東工大生だけでなく、東京藝大や武蔵野美大の美術系学生や多くの社会人など、本当に多様な方が参加してくださっています。自分とは全然専攻の違うスペシャリストとの交流は、今までにない視点を教えてくれて、とても刺激的なものばかりでした。そんなスペシャリスト達とともにプロジェクトを進めて一番強く感じたことは「自分は何もできないな」ということでした。

やればやるほど、自分が何も力になれていないことを感じる。だけどそれを認めたくないからとにかく声を大きく出してみる。そんな感じで最初は過ごしていました。焦りばかりがどんどん積もっていたと思います。

でも、いつからかそれをポジティブに捉えられるようになりました。専門性のない東工大生って珍しくない?って。そんな自分だからこそできることってあるんじゃないかなって。専門性がない分、何か特定の技術や分野に固執して議論することは少ない(それでも意固地になることはありましたが←)、それでも専門的な話をする東工大生の人たちの思考もなんとなく理解してみていられる。これってそこそこ強みになるんですよね。そこで、美大枠で来てくれている子達ともコミュニケーションを取り、より視野を広げられるように自分を高めていく場としてこのEDPを利用していきました。

自分の無力さと、だからこそ生まれる「自分とは何者なのか」という問いへの一つの答えを与えてくれたのが僕にとってのEDPでした。

EDPが強く影響したキャリア選択

EDPに参加して気づけたことは二つでした。一つは自分を変えたければ新しい刺激をどんどん受けられるところで挑戦し続けることが大事だということ。二つ目は自分は何もできないかもしれない、でもそれでいいということ。自分が目指すのはスペシャリストではなくてジェネラリストだということ。

この気づきから、僕はベンチャー企業への就職というものを考えるようになりました。どんどん変わっていく環境で挑戦したいという気持ちが強かったです。さらにその中でも、ビジネス職としての入社をしても、すぐ近くにエンジニアやデザイナーがいる環境も大事。選考の過程で会う人たち全員が刺激的な人たちでなければ行きたくない。できるだけいろんな部署、いろんな仕事を体験でき、自分をジェネラリストとして成長させてくれる環境であることなど、EDPで得られた熱をさらに高い温度で感じられる環境を求めてどんどん企業を絞っていき、最終的には現在の内定先を選択しました。

EDPを「使っていく」ということ

このように、僕はキャリア選択まで大きく変わったので特にということもありますが、EDPって人の人生変えるくらいのパワーを持った場だと思います。だってここに来なかったらきっと出会うことのなかっただろう分野の人たちと一緒にプロジェクトしちゃうんですもん。

そんなパワーを持ったこの場を後輩達にはぜひ有効に使ってほしいなと思います。自分たちとは全然違う人たちから何か吸収したいならとにかくコミュニケーション取らなきゃ。話して、その人のことを理解しようと歩み寄って、いろんな視点を手にいれる。自分の視座も上がって友達も増えて、このプロジェクトやばくないですか?って僕は思うのです。出会いの場としてこのプロジェクトの場をどんどん活用してほしいなって思います。

もちろん、美大枠の子達も自分たちとは全然違う頭の固い東工大生って人種をもっと知ってほしいし、社会人の方々にも、せっかくの学生とのプロジェクトだからこそ、学生気分で楽しんで参加してほしいなって。そうやって社会人含めてみんなで「友達」になれたら、きっとこのプロジェクトは”成功”なんじゃないかなって勝手に感じています。みんな、遊べ。

プロジェクトで仲良くなったメンバーでシャワークライミングに行ったりもしました。社会人学生として参加されていた方も来てくださりとても良い思い出になりました。

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