EDP Gala―革命的未来体験(されよ)―
2022年2月5日、本大学TAKI PLAZAにて『EDP Gala ―革命的未来体験(されよ)―』が行われました。これは、デザイン思考を活用し、学生と社会人履修生からなるチームが、イノベーション創出に取り組む「東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト(以下「EDP」)の成果発表会です。
今年のパートナー企業とそれぞれのテーマは下記の通りです。
【今年のテーマ】
①YKKAP「自宅での『働く』と『暮らす』を健やかにする『窓』体験をデザインせよ」
②ミズノ「身体の衰えを感じる都会の高齢者の『外遊び』をデザインせよ」
③コマツ製作所×Panasonic「災害と日常が隣り合う未来で,『災害に備えない』製品体験をデザインせよ」
④さくらインターネット「リアル店舗を楽しみたい乳幼児子育て世代のための,デジタル・エイド購買体験をデザインせよ」
この4つのテーマに取り組んだ9つのチーム。半年間の集大成はどれも、つくりたい未来を想像し、日常とそこにある課題を軽やかに解決しようとする作品でした。「新しい体験」の価値を最大化すべく、ユーザーの声を大切にしながら、より良いアウトプットを追求する9チーム。その着眼点や行動力に敬服します。
本イベントで印象的だった言葉は、“Dance with ambiguity (曖昧さに怯まず、恐れず、ダンスするように)”。これはイベント冒頭、齊藤 滋規教授の第一声でした。一見、抽象度の高い表現ですが、報告会を通し、その解像度が徐々に上がりました。
成果物の紹介だけでなく、そのプロセスにも着目した各チームのプレゼンテーション。異なる強みを持った人たちが一チームとなり、共通言語を探りながら、ユーザー体験を起点に何度もブラッシュアップするエピソードは、どのチームも個性的でした。
「結露で曇った窓に絵を描きたくなる」という心理から着想を得た、働いている間も子どもの存在を近くに感じられる『窓のキャンバス』を提案したチームがありました。これは「自宅での『働く』と『暮らす』を健やかにする『窓』体験をデザインせよ」というテーマに対するアイデアです。ユーザーのニーズとアイデア、その交差こそが新しい体験を生み出すエンジンだとわかりました。
冒頭の、“Dance with ambiguity”という言葉はまさにこのことだと感じました。