過去に得たこと・してきたことを大切にして,積み上げるようにした方が良い

Takuma Yabuta
Feb 17 · 9 min read

2017年度の「デザイン思考基礎,EDP-A」,2018年度の「EDP-B/C」を受講した機械系ESDコース修士1年の薮田です.EDP-B/Cでは,株式会社リコーさんのテーマ「遠隔会議の体験をデザインせよ」で,MeeConというプロダクトを作りました.

2018年度のEDP-B/Cを終えてみての振り返りをツラツラと綴っていきたいと思います.幼稚な文になるかもしれないですが,お付き合いください…(内容は,ほぼ授業中に行ったlightning talkの内容です)

まず,普通であれば,上記のすべての科目を同じ年に受け切るのですが,2017年度の夏から1年留学をしていた関係で,このEDP-B/Cを別の年に受けることになりました.なので,最初の授業は不安がありました(EDP-Aまでの授業でお互いのことを知っている人達の中に知らない人として入る訳ですからね) .ただ,男子校のノリが強い代だなと思いつつも,すんなり馴染めました.

話を進める上で,わかりやすくなると思いますので,ここで先にEDP-B/C中の僕の感情とモチベーションを表したグラフを載せます.

不安とは言っていたものの,2017年度のEDP-Aを受けて,EDP-B/Cに対する期待は高かったんです.ただ,チームを組んだ時,以前一度文系ゼミで一緒になった人と同じチームになってしまいました.なかなか彼の真意,本心が推し量れないことを知っていたので,コミュニケーションが大切なこのプロジェクトで一緒にやっていけるのかと,とても不安になりました(そんな彼と謀反を起すとは,この時は全く思わなかったですね笑) .

一番最初にリコーさんから頂いたテーマは「ソフトウェア開発における遠隔会議の体験をデザインせよ」でした.しかし,チームで「テーマが絞られすぎてね?」「これだと難しくね?」という意見が出て,リコーさんの承認を得て,一旦「会議の体験をデザインせよ」まで広くしてから始めることになりました.

さて,インタビューをたくさん行い,気の滅入る「インタビューの書き起こし」を経て,問題を抽出しようとしました.しかし,インタビュー相手が問題だと思っているものは,会社のシステム自体にアプローチしなければいけないような、ある意味どうしようもない問題が多く,インタビューは難航しました.そんな中,「例えば会議中自分で考える時間が不十分なのでは?」や「頭の回転の違いによって困ってるのではないか?」といった仮定をインタビューを基に自分たちで立ててみて,そこからアイディアを出していくことになりました.

僕としては,いま振り返ってみて一番面白いと思えるアイディア「おしゃべり付箋」をここで思いつきました.このおしゃべり付箋は,アイディア出しをする時の新しい形の会議の提案をするものでした.ただ,それをユーザーテストした結果,使い心地が良くないというような意見をいただき,それを受けての話し合いで,話がまったく違う方向へ発散し,あまりユーザーに寄り添ったアイディアではない「SIBUYA会議」や「こたつ会議」というものが生まれてしまいました(それぞれのアイディアに関しては,ご想像にお任せします笑).

ここでEDP-Bが終わり,折り返しを迎えます.モチベーショングラフで「おしゃべり付箋」と「SIBUYA会議」「こたつ会議」の間にある深い谷は,某メンバーのプロジェクトに臨む態度やメンバーに対する配慮のなさを僕が注意したことで,チーム全体にいざこざが起きてしまったことによるものです.詳細をここに書くとあまりにも長くなるので,割愛します.

さて,EDP-Bの最後で,あまりにも突拍子もないアイディアになってしまったことから,チーム内で,「会議の体験をデザインせよ」が広すぎたんだよということになり,「遠隔会議の体験をデザインせよ」にテーマが戻りました.そこで,これまでのインタビューを見返せば良かったんですが,テーマが「変わった」から,インタビューをやり直そうということになりました.それで,新しくインタビューをし,問題点の抽出を行い,アイディアを出すという行程を踏むことになりました.

ただ,ここで良かったのが,先ほど出てきた問題ありメンバーの件で,以前より頻繁にライン電話での会議をするようになったことです.自分たちが感じた問題点とそれから生まれたアイディアが,少し考え方を変えるだけで,インタビューから見つけた問題点を改善できるかもしれない,となりました(この辺がモチベーショングラフが持ち返したことで,下降した原因は他の講義の最終発表と年末年始の両方で,EDPの活動ができなかったからです).

問題とその解決策が見つかり,ようやく本格的に手を動かし,ダーティプロトタイプから一歩進んだプロトタイプを作り始めました.この時点で年末が近づき,やばいとなりつつも,インタビューで着目した問題を話してくださった方にユーザーテストをしたら,割とよい反応をもらえました.多分,このポジティブなフィードバック,具体的なフィードバックを初めてもらえたから,ここからこのプロトタイプをどうブラシュアップしていくのかという話にチームとしてなれたのかなと思います.

ここで,年末年始を跨ぐんですが,ブラシュアップするプロトタイプが決まってから,次に立ちはだかった壁が,チームメンバーの1人が言った「このプロダクトが会議に導入される流れが見えない」というものでした.この時のプロダクトはtelltailというものだったのですが(プロダクトに関する説明はチームレポートを参照していただきたいです),価値提案をしたい相手が「遠隔側の人」なのに対して,プロダクトを持っている人は「会議室にいる人たち」だったために,この会議室にいる人たちのメリットがないと導入はしてもらえないよね,という割とマーケィング寄りの話が出てきてしまいました.講義の狙いとして,これを考えるべきかどうかはわからなかったですが,ここにきて1つ目の迷走が始まりました.この件は,明確な解決ができないまま,プロダクトの形が大きく変わることで重要な問題ではなくなったので,ここでの詳細は割愛します.

1つ目とくれば,2つ目もある訳でして,2つ目の迷走は,telltailの形に関してです.最初は,尻尾をモチーフにしていたのですが,先生方から尻尾である意味がないというコメントをもらってしまいました.そこで,会議に対して「同質的」「異質的」「生物的」「無生物的」のような指標を使い,6つほど形を考え,ユーザーテストをしてみることにしました.結果は,テスト方法がよろしくなく,そもそもプロダクトを使ってもらわずに,会議がスムーズに進行してしまいました.これが,最終発表2週間前の出来事でした.

そんな状態でしたが,結局どうしたのかと言いますと,要素詰め込み過ぎということで消されたMeeConというプロダクト(telltailとできることが一緒で,動きに意味を持たせるようにしただけなので,個人的には詰め込み「過ぎ」ではないのではと思っていました)を,講義の最初に「本心が推し量れない」と思っていた彼と結託して,謀反を起こすが如く押し通し,telltailではなくMeeConの製作を決定しました(謀反と言ったのは,ほぼtelltailで最終発表に臨むというようなことで,話が固まっていたからです.また,謀反できたのは,僕と彼がチームのものづくりの技術力の9割だったからです). 結果,てんやわんやにはなりましたが,僕としては,telltailよりは面白い発想のプロダクトになったと思うので,満足です.

さて,EDP-B/Cの出来事と感情をつらつらと書いてきましたが,EDP-B/Cを通して強く感じた反省点は,積み上げなさ過ぎたことです.まず,アイディアをたくさん出しても,それに対する検証が「これよりこれの方が面白い」みたいな状態で,雑でした.また,選ばれたアイディアに対し,コメントをもらっても,それに対する考察も雑でした.ダメな点は簡単に見つかるから,コメントされやすいですが,良かったところに着目して,そこから次のアイディアを考えるようなことをしませんでした.さらに,過去のインタビューやアイディアをほとんど振り返りませんでした.特にテーマが「変わった」際に,最初に行ったインタビューでも多くの遠隔会議に関する体験を話してもらっていたにも関わらず,それを見返すこともなく,次の新しいインタビューを取りに行ってしまいました.ある意味,視点が変わっているので,過去のインタビューを掘り返すだけでも,大きな発見があったのではないかと思いますし,それによって,時間の有効活用もできたのではと思います.仮に,その結果,新しくインタビューに行ったとしても,違ったのかなと思います.

延々と書いてきて,何が言いたいのかと申しますと,もっと過去に得たこと・してきたことを大切にして,積み上げるようにした方が良かったってことです.過去にこだわり過ぎないということは,EDPで言われていることですが,こだわらないことと,積み上げないことは違います(あえて言い切ってしまいます).しっかり考察して,1つ1つのインタビュー,体験,アイディアを血肉に変えて,次に進むように心がければ,もっと納得のいくプロジェクトになったのかなと思います.

(授業中にあったリコーのメンターさんのLTから拝借して)この陶芸家さんみたいにならず,知識を積み上げて高みに行ってください.

本当に読みにくい文章になってしまったと思いますが,最後まで読んでいただき,ありがとうございました.

東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト

Solve various problems in society through engineering design

    Takuma Yabuta

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