ブランディング戦略におけるゴールデンサークル
人の気持ちを動かす時に何から伝えればいいのか。
What(何を)・How(手段)・Why(理由)のどれから伝えていけばいいのか。
『Simon Sinekの「優れたリーダーはどうやって行動を促すか(How great leaders inspire action)』では、ゴールデンサークルというフレームワークを紹介している。
このフレームワークでは、人は『何を(What)』ではなく『なぜ(Why)』に動かされるということを説明しているのですが、Simon SinekはAppleを例にこんな話をしていました。
もしAppleが他の企業と同じだったなら、製品のプロモーションをWhat(何を)から語っていたでしょう。
What:「我々のコンピュータは素晴らしく、美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい商品です」
しかしAppleはWhyから語り、人々の心を動かしたのです。
Why:「我々のすることはすべて 世界を変えるという信念で行っています。違う考え方(Think Different)に価値があると信じています」
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How:「私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使え、親しみやすい製品です」
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What:「こうして素晴らしいコンピュータができあがったのです」
人々はこのビジョンに共感するからこそ、他の商品にはないAppleの魅力が生まれます。これがWhyからはじまるストーリーなのです。
先日のブログで紹介したメガネブランドWarby Parker(ワービーパーカー)もこのフレームワークで語ることができます。
Why:誰もがメガネをかける権利を持っている。知性と教養とセンスのある世界を作る。
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How:デザイン志向の製品、顧客体験の創造(図書館のような店舗、自宅トライアル)、ブランディング(チャリティプログラム、キャンペーン)、ローコストオペレーション(無店舗型、インハウスデザイナー)
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What:Warby Parkerというオリジナルのメガネブランド
Why⇒How⇒Whatの順番で伝えると製品の魅力を、心に訴えることができます。そしてそこに一貫性があることでブランドは『本物』として認められていきます。
Warby ParkerはWhyで語った信念を、Howのキャンペーン、体験によって体現したことで、Whatであるメガネという製品にブランド価値を宿すことができたのである。
WhyとHowとWhatの順番と一貫性こそ、ブランドを育てる有効な手段なのです。