学校を作ろう!

子どもの頃に通った学校ではなく、
自分の子どもたちが通う学校でもなく、
大人になった今の自分たちがこれからもずっと学び続けることのできる学校を作りたい!

「おまえのカバン、なんでこんなに重いの?」

中学生の時、友人が私の学生カバンを持ち上げてこう言った。

「カバンに何入れてんだ?」

彼はカバンの中にあった1冊の辞書を取り出して言った。

「なんでこんな重い辞書、持ち歩いてんの?」

赤線やら何やら、自分でいっぱい書き込みをした辞書。家でも学校でも同じ辞書を使いたいから、何の疑いもなく当然のように持ち歩いていた。もちろん電子辞書なんか無い頃だ。

「辞書なんて、学校に別のやつを置きっぱなしだぜ…」

他のみんなも次々に俺も俺もとうなずき、自分だけが特別だったことに驚いた。

巷では学生カバンは「薄さが命!」だった昭和50年代、やたら分厚い学生カバンをからかわれた。

赤線や書き込みがびっしり入った私の辞書をパラパラとめくる友人がさらに一言付け加えた。

「お前こんなに勉強してるの? ずるい!」

「えっ、ずるい?」

...

「もっと学びたい!」

自分の正直な気持ちに蓋をし始めた瞬間だった。

「今度の英語のテストは100点とったから、もうこの教科はここまでにして今度は数学をやらなくちゃ...」

学ぶことの楽しさを味わうことから、目先のテストの点数や成績を良くすることに目的が変わってしまい、周りの目を気にするようになっていった。

とにかく勉強しているところを見られるのが嫌になった。友達と一緒に勉強するなんて有り得なかった。その後ひたすら独学の道を歩むことに...

仲間と一緒に学ぶこと、チーム学習の効果がいかにすごいのかに気づくのに、その後30年以上もかかるなんて思いもしなかった...

何かが違う...

日本全体がバブル景気に浮かれ始めた1980年代後半、私は大手電機メーカーのエンジニアとして社会人のスタートを切った。

社内に1,000人以上の博士を有する専門家集団だったその会社をはじめ、私が実社会で見たものは、専門性では突出した能力があるものの、チームで仕事をすることや新しいものを生み出すこと、ましては物事を自分自身で決めることのできない人、人、人...

学歴社会の先頭集団を走っていた筈の彼らと出会い、自分たちが身を委ねていた日本の教育システムに対する疑問は日増しに大きくなっていった。

現在の教育システムは19世紀末から基本的な構造が変わっていない。

日本でもまわりを見渡してみると、およそ60〜70年前に作った「缶詰」を子どもたちに食べさせている様なものだとも言われている。

大学で専門家を養成することを頂点とし、必要な知識や技能を段階的に小学校から積み上げていくというシステムで、微調整を積み重ねながら100年以上続けてきた。

しかし、社会や職業自体が大きく変化すれば、教育システム自体が大きな変化を迫られることになる。まさに私たちはその流れの真っ只中にいる。

今や社会で求められているのは、変化の激しいこの社会で即戦力となる人材。

企業求人のエントリーシートには、出身校、学歴さえも記入する欄がない...

思いっきり後悔しました。

3人の息子たちを北海道にある学校に入れるため、それまで住んでいた茨城から家族で引っ越した。

その学校は、自分が子どもの頃通った公立学校とは全く異なり、当時NPO法人として幼稚園から高校まで運営していた、いわゆるオルタナティブスクール。

学ぶことが楽しくて楽しくてしょうがない。そんな気持ちをからだ全体で表現している子どもたち。

そんな子どもたちの姿を見ながら、後悔の念がふつふつと湧いてきた。

「自分もこんな学校に行きたかった!」

小学校1年生から高校3年生までの12年間、長い子は更に幼稚園から実に14、15年もの間、この大きな家族のような学校で学んでいく。

卒業前の最後の1年間を思いっきり楽しみたいからと、卒業後は進学することを決めながら、12年生の時に受験することをそもそも考えてもいない生徒や、卒業後、当然のように世界を彷徨いはじめる若人、進学以外にも様々な道に進む彼らは、まさに多様性そのものだ。

卒業後の彼らが口を揃えて言う。

「自分たちはすごい学校にいたんだ!」

産業社会の遺物のような教育システムの中で育った私たちと、新しい社会の入り口で、新しい教育システムのさきがけのような環境で学んだ子どもたちと、これからは同じ大人として一緒に学べる場が欲しい!

そんな思いで「現代の寺子屋」を始めます。

ここは昔の寺子屋の柱だった「読み・書き・そろばん」にあたる、

・学び方を学ぶ姿勢
・継続学習
・多様性から学ぶこと

を育む第三の学校。

ひとりひとりの可能性を現実にする場所です。

そんな現代の寺子屋『といてら豊浦』で、一緒に学びましょう!

詳しくは次回に...